堕天の皇帝

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復讐編

アルゴノート

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 俺たちは潜っていた。
海底近くにある、アルゴノートに向かって。
20秒に1回、ミュラーのレギュレーターで
酸素を貰っていた。
かなりしんどいがなんとでもなる。
そして、ついに見えた。黒の鉄の塊が。
この辺にある潜水艦はアルゴノートしかなく、
それはつまり、この黒の鉄の塊が
アルゴノートであることを示していた。

「行くぞ。ミュラー。」
「はい。司令官。」
俺はリーズィヒマグネートを使い
アルゴノートにひっつく。
リーズィヒマグネートは巨大磁石みたいなものだ。
そして、俺はすぐさまヒートチャージを
貼りつけようとした。その時だった。
アルゴノートはすぐに動き出した。
一昔前までのやつならかなりゆっくりだが、
これは最新型。スピードは早い。
約500ノット。1時間で500km進む。
つまり、俺達にはかなりの水圧を食らう。
だが、張り付くだけならまだ簡単だ。
リーズィヒマグネートはそれだけ協力なんだが、
ドゴッと鈍い音が後ろで鳴ると同時に
俺にかかる水圧がさらに上がる。
後ろを見てみるとミュラーか気絶していた。
そんなに都合よく海の中のゴミが
俺たちをかわすとは思えない。
くっそ。きつい。このままじゃ死ぬかもな。
ろくに俺は呼吸ができていない。
その状態で俺は張り付き続けるのは無理だ。
だが、一つだけ方法がある。
それはミュラーを切り捨てること。
この状態で耐えるのは厳しいが、
ミュラーを切り捨てれば、
俺はどこかのタイミングでヒートチャージを使い、
アルゴノート内に入ることができるかもしれない。
いや。それは出来ないな。すまない。優斗。
ここでミュラーを切り捨てるのは
あまりにも勿体ない。
俺以外に戦闘経験があるのはミュラーとエルだけだ。
必ず助けてやるからな。優斗。
そして、エレナ。
俺達に喧嘩を売ったこと後悔させてやる。
俺はそう思い、リーズィヒマグネートの効力を切る。
そして、ミュラーを抱きかかえながら、
アルゴノートから離れる。
すぐさまアルゴノートは姿を消した。

「ねぇ。優斗くん。生きてる?」
「はぁはぁはぁ。」
「あら。まだ壊れてないのね。なら。」
僕は目隠しを外される。
久しぶりの光が見える。
そして、徐々に光にも慣れ、
エレナの姿を確認した。
エレナは僕の眼球前でアイスピックを構える。
「おはよう。そして、
 2度と光を見ることはないわよ。」
僕の目にアイスピックが突き刺さった。
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