堕天の皇帝

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復讐編

復讐

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 私のガンカタは親父が教えてくれた。
つまり私の親父は私の師と言っても過言ではない。
戦場では経験がものをいう。
私と全く同じ戦い方である以上、
このクソ野郎の方が1枚上手である。腹立たしい。
私の狙うとこにはハンドガンで逸らされ、
私がウィンチェスターを放つ方向には既にもう居ない。
『なかなか早く動けるな。クソ親父。』
『お前にはまだ負けんよ。』

 ガンカタはもともと体力の消耗が激しい戦い方だ。
そのため長期戦になればなるほど、
女である私には不利だ。
私はウィンチェスターを反対に持ち、
アッパーカットを狙うが、
それをかわされて回し回転蹴りをくらう。
綺麗にお腹に入ってしまった。
うぇ。気持ち悪い。吐きそう。
『まだまだ動きが甘いぞ。アルマ。
 あまり長くなるとあの下の男たちが死ぬぞ?』
『あははは。そうだな。クソ親父。
 だが、あいつらはどうでもいい。
 私はお前さえ殺せればなんでもいい。』
そういいウィンチェスターを構える。
親父の動きをよく見ろ。
なぜ銃弾をかわせるのか。
何かカラクリがあるはずだ。
ショットガンにした方が楽だったな。
私はウィンチェスターを放つ。
もちろん。親父はそれをかわす。
だが、その銃弾は窓のフレームにめり込む。
親父がそんな隙を見逃すわけがなく、
私に距離を詰める。
ウィンチェスターのスピンコックと同時に
銃口を脳天に当てる。
その瞬間親父が1歩後ろへと下がった。
そして、私は左手で持つウィンチェスターを発砲する。
親父にはかすりもしない。
だが、その銃弾は跳弾した。
そして、親父の背中に被弾する。
『な、なぜ、だ。
 銃弾、はめり、込む、はず、だ。』
『だから跳弾するんだよ。親父。
 めり込んでる銃弾に当たれば、
 跳弾するだろ?』
『なる、ほど、な。
 まさか、我が子に殺、されると、はな。』
『あぁ。じゃあな。親父。』
私はウィンチェスターを親父の眉間に当てて発砲する。
親父の眉間には風穴ができ、そこから血が出てくる。
『早く日本に行こう。』私はその場を後にした。

『終わったのかい。ミュラーちゃん。』
『終わったよ。エル。早く行きましょ。
 あいつが死んでしまうわ。』
『ブラザーはそう簡単に死なないと思うがな。』
『これで死んでたらなんか嫌ね。』
『なんだ?心配してるのか?』
『ち、違うわよ。ただ、リベンジが出来ないからよ。』
『ツンデレめ。』
『何か言ったかしら?』
『すまない。だからウィンチェスターの銃口を
 下ろしてくれ。』
『それでいいのよ。』

『よぉ。ミュラー。終わったのか?』
『えぇ。終わったわよ。』
『そっか。なら早く行くぞ。
 俺の復讐のために働いてもらうぞ。』
『はいはい。わかったよ。司令官。』
『仰せのままにだな。司令官。』
『ふん。ふざけてる暇があるなら帰るぞ。』
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