堕天の皇帝

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復讐編

風呂場の戦闘

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 俺は帰り道酷い頭痛に悩まされていた。
今すぐにでも割れそうな頭の痛さに耐え、
左腕の激痛に耐え、千鳥足で帰路に着く。
「あれはもう二度とやりたくねぇな。」
シャーロットさんの対策として使った
未来視に近い予測。フォーキャスト。
脳の神経のリミッターを外すには
やはりそれなりの代償が付きまとっていた。
俺はなんとかアリーシャ宅に着き、門の中に入った。

「翔太!!大丈夫なの??」
やかましい。
「怪我してるじゃない!!」
うるせぇ。
「早くこっち来て!!」
俺は左腕を掴まれる。いってぇ。
「うるせぇ!!こんなのほっときゃ治る!」
俺は右腕でアリーシャを押す。
「い、痛い。な、なによ。心配したのに!!」
「それが余計なお世話なんだよ!」
俺は風呂場へと向かった。
途中、龍大が俺を殺しそうな目で見てきたが
それを無視した。

 はぁ。ほんとに疲れた。
俺の左腕は至る所の関節が外れていて
それは左腕と言えるか怪しいレベルだった。
ふぅ。やるか。
俺は左の手首を強く押す。
風呂場に鈍い音が鳴り響く。
あー。くっそ。まじでいてぇ。
腕の関節は4本であり、
手関節、肘関節、上腕肩甲関節、胸鎖関節である。
この4つがすべていかれたあの技は相当やばい。
胸鎖関節に関しては俺が自ら脱臼させたものだが。
「君はまだまだ子供だね。」
そこには裸のシエスタとハクがいた。
「うるせぇ。俺も人だ。イライラする時もある。」
「それで人に当たることを子供だと
 言っているんだよ。」
「はぁ。それでお説教しに風呂に来たのか?」
「うーん。まぁそれも理由ではあるかな。
 あとは。その左腕貸してよ。」
シエスタは少し笑顔で俺に近づいてくる。
「お前にだけは絶対に貸したくねぇな。」
俺は少し後ずさる。
「まぁまぁ。そんな事言わないでよ。」
それでもゆっくりと距離を詰めてくる。
俺はもう後ずされなくなった。
そして、左腕を掴まれて。
シエスタは思いっきし肘で俺の肘を押す。バキィ。
「いってぇ!!」
「なんで君は分かってあげれないのかな?
 アリーシャも心配してくれてたのよ。」
さらに肩を思いっきし押される。バキィ。
「ちょ、すとっ、ストップ!!」
「鈍感なのは分かってるけどさ!!」
最後の胸鎖関節までも思いっきし押される。
俺の左腕は完全に復活したが、痛みが消えない。
「これに懲りたらちゃんとアリーシャに謝ってよ。」
「あぁ。考えとくよ。」
「ん?」
シエスタの後ろには黒いオーラが
出ているように見えた。
「わ、わかったよ。ちゃんと謝る。」
シャーロットさんよりもこいつ殺気を出してやがった。
いちばん怖いのってシエスタな気がするな。
「それでよし。ハクちゃん。行きましょ。」
そうしてシエスタはその場を去った。
「あー。くっそ。まじでいてぇ。
 あのぺったんこがよ。」
「君。何か言ったかな?」
「なんで聞いてんだよ。」
「君がなにか要らないことを言うて
 予測演算をしていたからね。」
「チートがよ。」
その後の記憶は俺にはなかった。
ってか俺風呂をちゃんと入れてねぇな。
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