堕天の皇帝

ロシア(アルファ部隊)編

魔術

 これは生きる可能性だいぶ低いな。
だいたいビルの10階から紐なしバンジーしてるような
感じだろ？死ぬだろ。あ～やだな～。
まだ16なんだけどな～。死ぬには早いよな～。
そう考えていると、「フリーゲン。」
俺は空中浮遊したかのように少し飛ぶ。
そうすると今までの落下の勢いはなくなった。
「危なかったね。翔太くん。」
「おぉ。ありがとうな。」
「どういたしまして。」
「さぁ。これからだよ。」
俺ら3人の周りを敵が20人程度で囲んでくる。
「フリーゲン。
　ほら。いってらっしゃい。翔太くんたち。」
俺らは真上に浮遊し、建物内に飛び込む。
「私のことは気にしなくていいからね～。
　また後で追うから先行っててね～。」

「なぁ。裕太。」「ん？なんだい？」
「なんでマリアはあれだけ余裕なんだ？」
「相当強いからだろうな。」
「俺も魔力ないのかな～。魔術使いたい。」
「まぁ俺も使えないからねぇさ、
　愛美くらいだろうな。」
「そうだな。俺の姉さんは使えるもんな。
　はぁ～。羨ましいわ～。」
「さぁ。そんなこと言ってる場合じゃなくなったぞ。」
俺らの目の前に敵が立ち並ぶ。
一本道の廊下で前にも後ろにもいる。
「じゃあ翔太。後ろは頼むぞ。」
「あぁ。いいぜ。負けるなよ？」
「そっちこそ負けちゃったらお兄ちゃん悲しいぞ？」
「うっせ。」

 よし。集中するぞ。
相手は8人か。銃は撃てないだろう。
外した時やかわされたときに味方に当たるからだ。
一本道のメリットだな。これはラッキーだ。
俺は敵陣のど真ん中に突っ込んだ。
相手はナイフを構える。俺もブレードと鞘を持つ。
勢いよくナイフが振り下げられるが、
俺はブレードでいなす。
そして、鞘で相手の頭を叩く。
腹に蹴りを入れたり、距離を少しとる。
そして、べレッタを構え、相手の足を撃つ。
俺の目標は殺すことではなく戦闘不能にすることだ。
次々と相手の足を撃ち、戦闘不能にしていく。
体を回転して迫り来るナイフをかわす。
そして、ラストは1VS1になっており、
最後もナイフを横に一閃してきたのを
手の甲でずらし、左手で裏拳を当てる。
当たりどころがよく、相手は気絶した。

「俺の方が早かったな。翔太。」
「早く終わったなら助けてくれればいいのに。」
「はっはっは。勝てると思っていたから
　別にいいじゃないか。だから俺に向けた
　ナイフを下ろしてくれ。」
「はぁ～。まぁいいけどさ。」
「それなら行くか。」「あぁ。そうだな。」
そして、俺たち2人はさらに上へと登った。