堕天の皇帝

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ロシア(シエスタ護衛)編

最強

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 俺は銃も何もないため、石ころを拾い上げる。
石ころってやっぱ武器だな。
15%解放した力で投げる。時速250kmくらいか。
だが、何かに撃ち落とされたかのように
相手の目の前で石ころが落ちる。
まるで重力が突然かかったかのように。
「まさかとは思うが重力を操るとかか?」
「あら。よく分かったわね。
 私は重力を上下に動かすことが出来るわ。」
あくまで上か下のみってことか。
つまり跳ね返ってくることは無いが、
近づくことすら出来ないのだろう。
俺みたいな近距離特化の人間は絶対に勝てない。
だが、ジャミングを使用すれば何とかなるのか?
俺は即座に距離を詰める。
「ジャミング。」
相手の近くで発動するが1歩歩けただけで
俺に重力がかかる。
俺は足のリミッターを30%にして、
地面を蹴り、範囲から逃げる。
だめだ。絶対に勝てない。
「諦めるのかしら?」
「諦めるしかないかもな。」
「まぁならこれを1度防いでみなさい。」
相手は自分のお腹の位置に両手をかざす。
相手の手の間に何か渦のようなものが出来る。
「死なないでよ?
 グラビティブレイク。」
相手がそう言い放った瞬間、俺に渦が迫ってきた。
俺はそれに石ころを投げるがぐちゃぐちゃになった。
当たると即死だな。
「バーンチェンジ。」
俺がつぶやくと渦は真上へと飛んでいった。
あれをジャミングで消すことは出来ない。
出来ない訳では無いが、それをしてしまうと
血液の消費が大きすぎる。
俺は魔力がないから、魔術のようなものを使うには
血液の消費が必要となる。
ジャミングは相手の技の練度、強さによって
血液の消費が比例する。
俺の今のこの状態、ウェイクでの
ジャミングはヴァクストゥームよりも
血液消費が少ないのにあれだけもってかれたなら
あの渦を相殺するのは自殺行為だろう。
だが、バーンチェンジなら軌道をずらすだけだから
そこまでの血液消費はない。

「おぉ~。凄いわね!!」
「はぁはぁはぁ。煽ってんのかよ。」
「私は本心から言ってるわよ。
 あれの軌道をずらすだなんて初めてされたから。」
「そりゃどうも。出来れば二度と
 撃って欲しくないんだがな。」
「選抜を終えるために決着を
 付けなきゃ行けないからね。」
俺はその言葉を聞いた瞬間に石ころを投げるが、
もちろん防がれて距離を詰められ地面に突っ伏し、
意識を失った。
「またね。次は私と同じ世界で会いましょ。」

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