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081 合流
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<ティモシー様、情報共有装置とリンクして入手したレミー様たちの現在位置情報をお送りします>
ミリキアシティ東部の戦場上空に到着した時、魔導兵装に搭載された人工知能のハーヴェストがそう語りかけた。
頭部の兵装から見える風景に、半透明に光るマップとレミーたちの居場所を示すマークが点滅している。
「よし、じゃあ俺は下に行ってくるから、この海賊船とクルーたちの操作は任せるぞ、ガブリエル」
俺がそう言うと、海賊ガブリエルはこの船の操縦桿である黒い塔に手を置いて頷く。
「ああ任せとけ!しばらくここに停船して結界を張り続けりゃいいんだよな!」
「そう。それだけでミリキアはたぶんそのうち降伏するよ」
「はっ、そう上手くいきゃあいいがな。少なくとも俺の経験じゃ予定通りに行った航海なんて一度もねえぜ」
「まあ予定変更があれば下から連絡するよ」
ガブリエルにはハーヴェストを通して、この空飛ぶ海賊船とそのクルーである機械兵団の操縦方法をインストールしてある。海賊船の機構と情報共有装置の機能もリンクさせてあり、下からいつでも連絡が取れる。
ただしハーヴェストによると、ガブリエルが操縦できるのは3時間が限度とのことだ。
期限が過ぎたら海賊船は自動で広い河に着水するよう設定している。
3時間。充分だ。
そこまで時間をかけることなく、この戦争は俺たちの勝利で終結するだろう。
船べりから遥か眼下に見える地上では、先ほどまで飛び回っていたミリキア軍の空飛ぶ金属の塊が次々と落下し爆炎を上げ始めていた。
「じゃあ、全部終わらせてくるよ」
俺はそう言って空飛ぶ海賊船から飛び降りた。
高い。
遥か下に見える地上の軍勢が蟻の大群のように見えるほど高い。
小さな薄い雲をいくつも突き抜け、落下していく。
めちゃくちゃ怖いが、ハーヴェストが表示してくれた位置情報を見ながら、浮遊で自分の位置を調整していく。
みるみるうちに地面が迫ってくる。
地面の一部が氷原のように凍りついている。シェリルが魔術を使ったのだろう。
その発射口と思われる地面の亀裂、塹壕の前へと俺は降り立つ。
ガシャンッ!
勢いを調整したが、かなりの衝撃で地面に叩きつけられ、俺は片膝をついて着地した。
立ち上がり振り返って塹壕の中を見る。
レミー、シェリル、シシリーは無事な様子だ。
「待たせたな!」
俺の言葉にレミーが最初に塹壕をよじ登って出てくる。
「遅いですよ!カッコつけて『全面戦争だ』とか言っといて遅刻じゃないですか!」
続いてシシリーが塹壕から浮かび上がる。
「待ってたよティモシー!」
シェリルは何も言わずに塹壕を飛び出し俺の胸に飛び込んだ。
衝撃に思わずよろめく。
俺の胸の下でシェリルが顔を上げる。
「…死んでしまったかと思ったのよ」
シェリルは涙をいっぱいに溜めて瞳を潤ませていた。
申し訳なさのあまり俺は言葉に詰まる。
その背後にバーグルーラが身体を小さくしながら舞い降りた。
迷宮で会った時のような巨体をシュルシュルと縮めていき、体長10cmほどになってシシリーの肩に乗った。
<ようやく揃ったな>
その言葉に俺は頷いて、ミリキア軍のほうに向き直る。
兵士たちは動かなくなった戦車や銃を捨て、慌てふためいた様子で右往左往している。
俺は情報共有装置を起動させ、同時通話をつなぐ。
対象はカーライル王、ドワーフ王、エルフの女王リリアン、魔王ネクロードミレーヌ、そして上空の海賊ガブリエルだ。
眼前の中空にあらわれた光の板に彼らの姿が浮かぶ。
「そっちの戦況はどうだ?」
ネクロードミレーヌとリリアンが答える。
「おかげさまで僕とリリアンが川で対峙していた戦艦の砲撃は完全に止まったよ!」
「あとは残った戦艦を私の空間魔術で亜空間に葬り去るだけですね」
続いてドワーフ王。
「がっはっは!地上も同じだ!もはやワシらの完全勝利だな!」
ガブリエルが不敵な笑みを浮かべる。
「空からこの海賊皇帝様がしっかり援護してやるぜ!勝ったら報奨金出せよ!」
それには答えずカーライル王が油断のない表情で呟く。
「…あとはミリキアがどのように降伏の意思を示すかだけだな」
ザッ、ザザザザザザザッ。
突然、砂嵐のような音とともに、情報共有装置で表示された映像が乱れる。
「我が神聖ミリキア教国は降伏など受け入れない…」
粘りつくような男の声。姿は見えない。
間髪入れず「通話が傍受されています!」とレミーが叫び、同時にシェリルが「誰!?」と問いかける。
「…誰でも良い。我々は最後まで聖戦を続ける。兵士はいくらでも送り込める。死ぬのは貴様ら異端者どもだ」
俺は魔力を開放して、この男の声がどこから入り込んだのか探ろうとしたがその瞬間、バチッ!と中空に青白い閃光が瞬いて男の気配は消えた。
その直後、ミリキアの軍勢から狂ったような雄叫びが上がり、ミリキア兵たちは剣を抜いてこちらに駆け出した。
俺は左腕の拳をそちらに向け、ジャコンッと音を立てて飛び出した銃口から魔光斉射砲を撃ち放つ。
ズガガガガガガガガガッ!
銃撃を受けたミリキア兵たちが踊りながら前のめりに崩れ落ちていく。しかしその死体を踏み潰すように乗り越えて次々とミリキア兵が飛び出してくる。
俺はそれを見てその場にいるメンバーたちと同時通話のみんなに向かって叫ぶ。
「ミリキア兵たちは多分、さっきの声の主に操られている!戦争を終わらせるにはそいつを殺さなきゃダメだ!」
レミーが俺に続いて魔光爆炎砲を一発撃ち放ってから振り向く。
「声の主って誰なんですか!?」
さっきの粘りつくような男の声。
会ったことはないが、俺には聞き覚えのある声だった。
カーライルの闇組織のアジトで、ミリキア信徒に記憶探知をかけた時、その記憶の中で聞こえた声。
「声の主は教皇ユジカ・キーミヤンだ!俺たち5人でここを突破して大聖堂に乗り込む!それまで援護を頼む!なるべくミリキア兵も殺しすぎるなよ!」
ガブリエルが吐き捨てるように言う。
「やっぱりな!予定通りになんか行くわけねえんだ!いいか!もって3時間だぞ!忘れるな!」
俺は「わかってるよ!」とだけ伝えて通話を切ってレミーたちに向き直った。
タイムリミットは3時間。
それまでにミリキアシティ中心街のセントラルにある大聖堂に乗り込み、教皇ユジカ・キーミヤンを殺さなければならない。
3時間が経過すれば空飛ぶ海賊船の結界が切れてミリキア軍の魔導具が息を吹き返してしまうし、それまでの間ミリキア兵たちも自分の意志に反して戦闘を続け、際限なく無駄な戦死者が増え続けることになる。
「バーグルーラ!もとの大きさに戻ってレミーとシェリルを乗せてくれ!みんなで飛んで最短で大聖堂に向かおう!」
俺がそう言うとバーグルーラは再び身体をムクムクと膨れ上がらせ、その背中にレミーとシェリルが飛び乗った。
それを見てシシリーがふわりと空に舞い上がって俺に問いかけた。
「大聖堂の場所はわかる!?」
俺が小さく頷くとハーヴェストは視界の片隅に半透明に光る地図を表示した。
<ティモシー様、先ほど上空から確認できたミリキアシティのマップ情報を表示しています>
俺はそれを確認して魔導兵装の浮遊を起動して戦場を飛び立った。
レミー、シェリルを背に乗せたバーグルーラとシシリーがそれに続いた。
遠くなっていく地上には、俺たちと入れ替えるように上空の海賊船から黒光りする機械兵団たちが戦場に次々と降り立っていった。
ミリキアシティ東部の戦場上空に到着した時、魔導兵装に搭載された人工知能のハーヴェストがそう語りかけた。
頭部の兵装から見える風景に、半透明に光るマップとレミーたちの居場所を示すマークが点滅している。
「よし、じゃあ俺は下に行ってくるから、この海賊船とクルーたちの操作は任せるぞ、ガブリエル」
俺がそう言うと、海賊ガブリエルはこの船の操縦桿である黒い塔に手を置いて頷く。
「ああ任せとけ!しばらくここに停船して結界を張り続けりゃいいんだよな!」
「そう。それだけでミリキアはたぶんそのうち降伏するよ」
「はっ、そう上手くいきゃあいいがな。少なくとも俺の経験じゃ予定通りに行った航海なんて一度もねえぜ」
「まあ予定変更があれば下から連絡するよ」
ガブリエルにはハーヴェストを通して、この空飛ぶ海賊船とそのクルーである機械兵団の操縦方法をインストールしてある。海賊船の機構と情報共有装置の機能もリンクさせてあり、下からいつでも連絡が取れる。
ただしハーヴェストによると、ガブリエルが操縦できるのは3時間が限度とのことだ。
期限が過ぎたら海賊船は自動で広い河に着水するよう設定している。
3時間。充分だ。
そこまで時間をかけることなく、この戦争は俺たちの勝利で終結するだろう。
船べりから遥か眼下に見える地上では、先ほどまで飛び回っていたミリキア軍の空飛ぶ金属の塊が次々と落下し爆炎を上げ始めていた。
「じゃあ、全部終わらせてくるよ」
俺はそう言って空飛ぶ海賊船から飛び降りた。
高い。
遥か下に見える地上の軍勢が蟻の大群のように見えるほど高い。
小さな薄い雲をいくつも突き抜け、落下していく。
めちゃくちゃ怖いが、ハーヴェストが表示してくれた位置情報を見ながら、浮遊で自分の位置を調整していく。
みるみるうちに地面が迫ってくる。
地面の一部が氷原のように凍りついている。シェリルが魔術を使ったのだろう。
その発射口と思われる地面の亀裂、塹壕の前へと俺は降り立つ。
ガシャンッ!
勢いを調整したが、かなりの衝撃で地面に叩きつけられ、俺は片膝をついて着地した。
立ち上がり振り返って塹壕の中を見る。
レミー、シェリル、シシリーは無事な様子だ。
「待たせたな!」
俺の言葉にレミーが最初に塹壕をよじ登って出てくる。
「遅いですよ!カッコつけて『全面戦争だ』とか言っといて遅刻じゃないですか!」
続いてシシリーが塹壕から浮かび上がる。
「待ってたよティモシー!」
シェリルは何も言わずに塹壕を飛び出し俺の胸に飛び込んだ。
衝撃に思わずよろめく。
俺の胸の下でシェリルが顔を上げる。
「…死んでしまったかと思ったのよ」
シェリルは涙をいっぱいに溜めて瞳を潤ませていた。
申し訳なさのあまり俺は言葉に詰まる。
その背後にバーグルーラが身体を小さくしながら舞い降りた。
迷宮で会った時のような巨体をシュルシュルと縮めていき、体長10cmほどになってシシリーの肩に乗った。
<ようやく揃ったな>
その言葉に俺は頷いて、ミリキア軍のほうに向き直る。
兵士たちは動かなくなった戦車や銃を捨て、慌てふためいた様子で右往左往している。
俺は情報共有装置を起動させ、同時通話をつなぐ。
対象はカーライル王、ドワーフ王、エルフの女王リリアン、魔王ネクロードミレーヌ、そして上空の海賊ガブリエルだ。
眼前の中空にあらわれた光の板に彼らの姿が浮かぶ。
「そっちの戦況はどうだ?」
ネクロードミレーヌとリリアンが答える。
「おかげさまで僕とリリアンが川で対峙していた戦艦の砲撃は完全に止まったよ!」
「あとは残った戦艦を私の空間魔術で亜空間に葬り去るだけですね」
続いてドワーフ王。
「がっはっは!地上も同じだ!もはやワシらの完全勝利だな!」
ガブリエルが不敵な笑みを浮かべる。
「空からこの海賊皇帝様がしっかり援護してやるぜ!勝ったら報奨金出せよ!」
それには答えずカーライル王が油断のない表情で呟く。
「…あとはミリキアがどのように降伏の意思を示すかだけだな」
ザッ、ザザザザザザザッ。
突然、砂嵐のような音とともに、情報共有装置で表示された映像が乱れる。
「我が神聖ミリキア教国は降伏など受け入れない…」
粘りつくような男の声。姿は見えない。
間髪入れず「通話が傍受されています!」とレミーが叫び、同時にシェリルが「誰!?」と問いかける。
「…誰でも良い。我々は最後まで聖戦を続ける。兵士はいくらでも送り込める。死ぬのは貴様ら異端者どもだ」
俺は魔力を開放して、この男の声がどこから入り込んだのか探ろうとしたがその瞬間、バチッ!と中空に青白い閃光が瞬いて男の気配は消えた。
その直後、ミリキアの軍勢から狂ったような雄叫びが上がり、ミリキア兵たちは剣を抜いてこちらに駆け出した。
俺は左腕の拳をそちらに向け、ジャコンッと音を立てて飛び出した銃口から魔光斉射砲を撃ち放つ。
ズガガガガガガガガガッ!
銃撃を受けたミリキア兵たちが踊りながら前のめりに崩れ落ちていく。しかしその死体を踏み潰すように乗り越えて次々とミリキア兵が飛び出してくる。
俺はそれを見てその場にいるメンバーたちと同時通話のみんなに向かって叫ぶ。
「ミリキア兵たちは多分、さっきの声の主に操られている!戦争を終わらせるにはそいつを殺さなきゃダメだ!」
レミーが俺に続いて魔光爆炎砲を一発撃ち放ってから振り向く。
「声の主って誰なんですか!?」
さっきの粘りつくような男の声。
会ったことはないが、俺には聞き覚えのある声だった。
カーライルの闇組織のアジトで、ミリキア信徒に記憶探知をかけた時、その記憶の中で聞こえた声。
「声の主は教皇ユジカ・キーミヤンだ!俺たち5人でここを突破して大聖堂に乗り込む!それまで援護を頼む!なるべくミリキア兵も殺しすぎるなよ!」
ガブリエルが吐き捨てるように言う。
「やっぱりな!予定通りになんか行くわけねえんだ!いいか!もって3時間だぞ!忘れるな!」
俺は「わかってるよ!」とだけ伝えて通話を切ってレミーたちに向き直った。
タイムリミットは3時間。
それまでにミリキアシティ中心街のセントラルにある大聖堂に乗り込み、教皇ユジカ・キーミヤンを殺さなければならない。
3時間が経過すれば空飛ぶ海賊船の結界が切れてミリキア軍の魔導具が息を吹き返してしまうし、それまでの間ミリキア兵たちも自分の意志に反して戦闘を続け、際限なく無駄な戦死者が増え続けることになる。
「バーグルーラ!もとの大きさに戻ってレミーとシェリルを乗せてくれ!みんなで飛んで最短で大聖堂に向かおう!」
俺がそう言うとバーグルーラは再び身体をムクムクと膨れ上がらせ、その背中にレミーとシェリルが飛び乗った。
それを見てシシリーがふわりと空に舞い上がって俺に問いかけた。
「大聖堂の場所はわかる!?」
俺が小さく頷くとハーヴェストは視界の片隅に半透明に光る地図を表示した。
<ティモシー様、先ほど上空から確認できたミリキアシティのマップ情報を表示しています>
俺はそれを確認して魔導兵装の浮遊を起動して戦場を飛び立った。
レミー、シェリルを背に乗せたバーグルーラとシシリーがそれに続いた。
遠くなっていく地上には、俺たちと入れ替えるように上空の海賊船から黒光りする機械兵団たちが戦場に次々と降り立っていった。
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