31 / 100
031 音楽会
しおりを挟む
音楽会の会場準備は急ピッチで進められた。
なるべく遠くのお客さんでも大きな音で聞こえるよう、大型の音声通信用水晶を会場のいたるところに多数、設置することにした。
あわせて、本来は文字や図版を送受信するための石版を特別に改造し、舞台上の映像を大きく映し出せる巨大な石版も設置する。
開演後には会場内の照明は落とし、代わりに舞台を魔導具の強烈な光で照らす。
これらはすべてレミーの発案であった。
各種装置の設置や調整などの作業は、カーライル王国で宮廷通信魔術師を務める一族から、若手のエース候補との呼び声高い3人も手伝ってくれた。
トーマス、ジェイコブ、マットの3兄弟だ。
ただ、俺が水晶に魔力を込めて起動していく様子を見て、長男のトーマスは「ぼ、僕でも10分はかかるのに…数秒で…」などと驚いていた。
ジェイコブとマットも俺の作業を唖然とした様子で見つめていた。
こんなんで驚いてたらラノアールじゃ働けないぞ。働かないほうがいいけど。
音楽会の会場となるカーライルの街で一番大きな劇場は、本来は歌劇や吹奏楽などの公演を行うことが主だが、今回は話の発端であり、すでにこの街の人気者となっているマリアたち3姉妹の音楽を公演することとなった。
そういった世俗的な音楽を広く一般市民に楽しんでもらう催しは、先進的なカーライル王国でも初めての試みだそうだ。
マリアは「それなら今回は新しい編成でやらせて頂きますね」と、何やらひとつチャレンジをするという。
何をどうするのかはわからないけど。
そしてマリアたちの音楽を堪能してもらったあとに、レミーによる新しい魔導具のプレゼンテーション。
音楽を録音・再生するための魔導具だ。
レミーの命名によると、その名は録音再生装置とのことだった。
音声通信用水晶をベースに、ピグナタイトを中心に様々な素材を用いて加工した箱型の魔導具だ。
ピグナタイトを主な素材として作られたカードを交換すれば、別の音楽を録音・再生することができるらしい。
事前の宣伝もバッチリで、音楽会開催の趣旨や場所・日程は王宮から全国民に対して大々的に告知され、開催を待たずして音楽会、そしてレミーによる新しい魔導具のプレゼンテーションの予定は、街中の噂の種になっていた。
あとは音楽会の開催を待つばかり。
ただ、開催前に自宅で寝込みを襲われることも考えられる。
ある時ふいに、すごく怖いので誰か一緒に寝て欲しいと弱音を吐いたところ、「子供じゃないんですから!まあいいですけども!」と言うレミーや、「アタシと地下のお部屋にいるのが一番安全じゃない?」というシシリーや、「わ、わた、私が…」とどもるシェリルと、どれも大変ありがたい返答ではあったのだが、俺の「女の人と一緒だとドキドキして寝られないからやっぱ無理」という理由によって、バーグルーラの<では我が一緒にいてやろう>という申し出を採用することとなった。
バーグルーラは布団の中にいると大変あたたかく、竜というよりまるで猫のようであった。
…………………………………………
結局、ラノアール王国の暗部による襲撃はないままに、音楽会の開催日となった。
開場は夜の19時。音楽会の開演が20時で、21時からはレミーによるプレゼンテーションが始まる予定だ。
俺とシェリルは窓から舞台を見ることができる観覧室にいた。
その室内にはシシリーとバーグルーラもいる。
音楽会というものは初めてだとのことで、二人は朝からずっとソワソワしていた。
さらにこの観覧室には係員に扮した数人のカーライル王国の精鋭も警備についてくれている。
トーマス、ジェイコブ、マットの通信魔術師3兄弟も同室におり、もし通信装置に問題が発生したら即座に対応できるようになっている。
ちなみにレミーはプレゼンテーションの準備があるということで、別の観覧室だそうだ。
観覧室の窓から見える会場内には、たくさんの人が続々と集まっている。
入場券は当日券もすでに完売とのことだ。
開演を待ちながら、俺がシェリルに「やっぱラノアールが暗部なんか送ってないってことはないのかな?」と尋ねたところ、「それはないわね。必ず奴らは差し向けられているはずよ」ということだそうだ。
窓から会場を見下ろしながら俺が言う。
「じゃあ、もしかしたらこのお客さんの中に暗部の3人がいるのかな」
「その可能性はあるわね」
俺はレミーから渡された障壁探知機の受信端末である薄い石版を手に持っている。
しかし反応は何もない。
そうなると暗部はまだこの会場にはいないのか、または、いても魔力障壁である黒装束を着ずに一般客に紛れているかということになる。
俺は開場前から記憶探知を発動し、会場内にやって来る人間たちの意識に「ラノアール」「暗殺」などの言葉への反応がないか探っている。
さすがに一気に全員というわけにはいかないので入ってくる客を少しずつ。
もし暗部のメンバーが紛れていれば何かそれらしい反応があるはずだが、返ってくる反応は「ラノアールの軍から流れてきたロングソードが刃こぼれだらけだった」とか「この間ラノアールに行ったら腹を壊した」とか「ラノアールの売春宿イマイチだった」などといったものばかりだった。
やっぱ悪評が多いな、あの国は。
街の人たちは良い人も多いと思うんだけど。
…………………………………………
開演時間となり、舞台にマリアたち3姉妹が登場した。
会場に割れんばかりの拍手と歓声が響き渡る。
長女のマリアはキラキラしたロングドレスにいつもの弦楽器を抱え、次女のエレンはゆったりしたビロードのドレスで横笛を手にしている。
踊り子と歌手を兼ねる三女のバーバラは褐色の肌が映えるビキニスタイルに薄いショール姿で、その手にはタンバリンを持っている。
さらに、3姉妹に加えて見たことのない女性が2人。
マリアが言っていた「新しい編成」の新メンバーだろう。
1人は様々な大きさの太鼓が並ぶ前に立ち、もう1人は大きな鍵盤楽器の前に座った。
「始まるね!」とシシリー。
その手には小型の音声通信用水晶を持っている。
「コレからも音楽が流れてくるんでしょ?」
俺が頷く。
「そうだよ。観覧室の中でも音はちゃんと聴こえるんだけど、せっかくだから直接手に持って聴けるようなものも部屋の中には用意したんだ」
会場のどこかにはカーライル王も来ているとのことだった。
さすがに王の部屋は音響よりも安全を最優先にしたことで少し聴こえにくくなるかもしれないと思い、いくつか小型の通信用水晶も用意した。
シシリーが持っているのもそのひとつだ。
やがて会場の照明が落とされ、大型の映像石版に数字が映る。
「…3!…2!…1!」
観客がひとつになってカウントダウンを行う。
ゼロになるとともに舞台は魔導具による強烈な光が照らされ、演奏の大音量とともに歓声が爆発する。
「行っくよ~ッ!!!」
バーバラの明るい声が会場中に響き渡り、音楽会が始まった。
なるべく遠くのお客さんでも大きな音で聞こえるよう、大型の音声通信用水晶を会場のいたるところに多数、設置することにした。
あわせて、本来は文字や図版を送受信するための石版を特別に改造し、舞台上の映像を大きく映し出せる巨大な石版も設置する。
開演後には会場内の照明は落とし、代わりに舞台を魔導具の強烈な光で照らす。
これらはすべてレミーの発案であった。
各種装置の設置や調整などの作業は、カーライル王国で宮廷通信魔術師を務める一族から、若手のエース候補との呼び声高い3人も手伝ってくれた。
トーマス、ジェイコブ、マットの3兄弟だ。
ただ、俺が水晶に魔力を込めて起動していく様子を見て、長男のトーマスは「ぼ、僕でも10分はかかるのに…数秒で…」などと驚いていた。
ジェイコブとマットも俺の作業を唖然とした様子で見つめていた。
こんなんで驚いてたらラノアールじゃ働けないぞ。働かないほうがいいけど。
音楽会の会場となるカーライルの街で一番大きな劇場は、本来は歌劇や吹奏楽などの公演を行うことが主だが、今回は話の発端であり、すでにこの街の人気者となっているマリアたち3姉妹の音楽を公演することとなった。
そういった世俗的な音楽を広く一般市民に楽しんでもらう催しは、先進的なカーライル王国でも初めての試みだそうだ。
マリアは「それなら今回は新しい編成でやらせて頂きますね」と、何やらひとつチャレンジをするという。
何をどうするのかはわからないけど。
そしてマリアたちの音楽を堪能してもらったあとに、レミーによる新しい魔導具のプレゼンテーション。
音楽を録音・再生するための魔導具だ。
レミーの命名によると、その名は録音再生装置とのことだった。
音声通信用水晶をベースに、ピグナタイトを中心に様々な素材を用いて加工した箱型の魔導具だ。
ピグナタイトを主な素材として作られたカードを交換すれば、別の音楽を録音・再生することができるらしい。
事前の宣伝もバッチリで、音楽会開催の趣旨や場所・日程は王宮から全国民に対して大々的に告知され、開催を待たずして音楽会、そしてレミーによる新しい魔導具のプレゼンテーションの予定は、街中の噂の種になっていた。
あとは音楽会の開催を待つばかり。
ただ、開催前に自宅で寝込みを襲われることも考えられる。
ある時ふいに、すごく怖いので誰か一緒に寝て欲しいと弱音を吐いたところ、「子供じゃないんですから!まあいいですけども!」と言うレミーや、「アタシと地下のお部屋にいるのが一番安全じゃない?」というシシリーや、「わ、わた、私が…」とどもるシェリルと、どれも大変ありがたい返答ではあったのだが、俺の「女の人と一緒だとドキドキして寝られないからやっぱ無理」という理由によって、バーグルーラの<では我が一緒にいてやろう>という申し出を採用することとなった。
バーグルーラは布団の中にいると大変あたたかく、竜というよりまるで猫のようであった。
…………………………………………
結局、ラノアール王国の暗部による襲撃はないままに、音楽会の開催日となった。
開場は夜の19時。音楽会の開演が20時で、21時からはレミーによるプレゼンテーションが始まる予定だ。
俺とシェリルは窓から舞台を見ることができる観覧室にいた。
その室内にはシシリーとバーグルーラもいる。
音楽会というものは初めてだとのことで、二人は朝からずっとソワソワしていた。
さらにこの観覧室には係員に扮した数人のカーライル王国の精鋭も警備についてくれている。
トーマス、ジェイコブ、マットの通信魔術師3兄弟も同室におり、もし通信装置に問題が発生したら即座に対応できるようになっている。
ちなみにレミーはプレゼンテーションの準備があるということで、別の観覧室だそうだ。
観覧室の窓から見える会場内には、たくさんの人が続々と集まっている。
入場券は当日券もすでに完売とのことだ。
開演を待ちながら、俺がシェリルに「やっぱラノアールが暗部なんか送ってないってことはないのかな?」と尋ねたところ、「それはないわね。必ず奴らは差し向けられているはずよ」ということだそうだ。
窓から会場を見下ろしながら俺が言う。
「じゃあ、もしかしたらこのお客さんの中に暗部の3人がいるのかな」
「その可能性はあるわね」
俺はレミーから渡された障壁探知機の受信端末である薄い石版を手に持っている。
しかし反応は何もない。
そうなると暗部はまだこの会場にはいないのか、または、いても魔力障壁である黒装束を着ずに一般客に紛れているかということになる。
俺は開場前から記憶探知を発動し、会場内にやって来る人間たちの意識に「ラノアール」「暗殺」などの言葉への反応がないか探っている。
さすがに一気に全員というわけにはいかないので入ってくる客を少しずつ。
もし暗部のメンバーが紛れていれば何かそれらしい反応があるはずだが、返ってくる反応は「ラノアールの軍から流れてきたロングソードが刃こぼれだらけだった」とか「この間ラノアールに行ったら腹を壊した」とか「ラノアールの売春宿イマイチだった」などといったものばかりだった。
やっぱ悪評が多いな、あの国は。
街の人たちは良い人も多いと思うんだけど。
…………………………………………
開演時間となり、舞台にマリアたち3姉妹が登場した。
会場に割れんばかりの拍手と歓声が響き渡る。
長女のマリアはキラキラしたロングドレスにいつもの弦楽器を抱え、次女のエレンはゆったりしたビロードのドレスで横笛を手にしている。
踊り子と歌手を兼ねる三女のバーバラは褐色の肌が映えるビキニスタイルに薄いショール姿で、その手にはタンバリンを持っている。
さらに、3姉妹に加えて見たことのない女性が2人。
マリアが言っていた「新しい編成」の新メンバーだろう。
1人は様々な大きさの太鼓が並ぶ前に立ち、もう1人は大きな鍵盤楽器の前に座った。
「始まるね!」とシシリー。
その手には小型の音声通信用水晶を持っている。
「コレからも音楽が流れてくるんでしょ?」
俺が頷く。
「そうだよ。観覧室の中でも音はちゃんと聴こえるんだけど、せっかくだから直接手に持って聴けるようなものも部屋の中には用意したんだ」
会場のどこかにはカーライル王も来ているとのことだった。
さすがに王の部屋は音響よりも安全を最優先にしたことで少し聴こえにくくなるかもしれないと思い、いくつか小型の通信用水晶も用意した。
シシリーが持っているのもそのひとつだ。
やがて会場の照明が落とされ、大型の映像石版に数字が映る。
「…3!…2!…1!」
観客がひとつになってカウントダウンを行う。
ゼロになるとともに舞台は魔導具による強烈な光が照らされ、演奏の大音量とともに歓声が爆発する。
「行っくよ~ッ!!!」
バーバラの明るい声が会場中に響き渡り、音楽会が始まった。
0
お気に入りに追加
172
あなたにおすすめの小説
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました
ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。
大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。
ー---
全5章、最終話まで執筆済み。
第1章 6歳の聖女
第2章 8歳の大聖女
第3章 12歳の公爵令嬢
第4章 15歳の辺境聖女
第5章 17歳の愛し子
権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。
おまけの後日談投稿します(6/26)。
番外編投稿します(12/30-1/1)。
作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
そんなに幼馴染の事が好きなら、婚約者なんていなくてもいいのですね?
新野乃花(大舟)
恋愛
レベック第一王子と婚約関係にあった、貴族令嬢シノン。その関係を手配したのはレベックの父であるユーゲント国王であり、二人の関係を心から嬉しく思っていた。しかしある日、レベックは幼馴染であるユミリアに浮気をし、シノンの事を婚約破棄の上で追放してしまう。事後報告する形であれば国王も怒りはしないだろうと甘く考えていたレベックであったものの、婚約破棄の事を知った国王は激しく憤りを見せ始め…。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
聖女の姉が行方不明になりました
蓮沼ナノ
ファンタジー
8年前、姉が聖女の力に目覚め無理矢理王宮に連れて行かれた。取り残された家族は泣きながらも姉の幸せを願っていたが、8年後、王宮から姉が行方不明になったと聞かされる。妹のバリーは姉を探しに王都へと向かうが、王宮では元平民の姉は虐げられていたようで…聖女になった姉と田舎に残された家族の話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる