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第二章 竜の魔王とモンスター娘四天王

第四十四話 マタンゴ娘に男のキノコを収穫される話

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 それはある日のことだった。

「創造主様? 何を作っているのかしら?」

 仕事を終えた俺が執務室の机で作業をしていると訪ねてきたドーナが俺の手元を覗き込んできた。

「ん? これはプーカのベッドだよ。余った材木や布切れなんかを使って作っているんだ」

 俺の手元にはプーカのために制作している小さなシングルベッドがある。

「へえ、そこそこ可愛い出来栄えね」
「これくらいならエメスに任せなくても俺だけでなんとかなる」
「創造主様が仕事と交尾以外のことをしているなんて珍しいこともあるのね」
「おい。俺は最初の頃は自分で家を建てたりしていたんだぞ」
「あー、そんなこともあったわね。あの粗末なあなたの家も懐かしいわ」
「確かに、便利になるのはいいことだが、たまには初心に返りたくもなる。ということで、気分転換にちょっとした工作を始めてみたんだ」
「いいんじゃないかしら」

「ううん、よくないよ」

 しかし、そこにプーカが現れてジト目で俺を見つめてきた。

「どうしたんだよ。このベッドが気に入らないのか?」
「別に気に入らないとは言ってないよ。このベッドはこれはこれで寝やすそうだし」
「じゃあ、何か不満があるのか?」
「うんうん。よく訊いてくれたね。お兄さんの言う通り、私にはお兄さんの作った私の家にちょっと足りないものがあるんだよ!」

 プーカは俺が作りかけていたプーカの家を指差す。
 プーカの家は鳥の巣箱くらいの大きさの建物で、家具はもうほとんどが作り終わっている。

「何が足りないんだ?」
「この家には『キノコ』が足りないんだよ!」
「「……キノコ?」」

 俺とドーナはプーカが何を言っているのか理解出来ず、首を傾げた。

✕ ✕ ✕

「フェアリーとキノコは切って切り離せない存在なんだよ。フェアリーサークルとかがその代表だね」
「フェアリー族が作るキノコの輪っかのことか。それは俺も聞いたことがある」

 翌日の昼、俺はプーカを肩に乗せてモンスター娘の街を歩いていた。

「ところで、お兄さんはどこに向かってるの?」
「お前の欲しがっているキノコを手に入れに行くんだよ」
「えっ!? キノコ獲ってくれるの? やったー! お兄さん大好き♡」
「調子がいい奴だな」
「でも、お兄さん、キノコ狩りに行くような格好じゃないよね?」
「ある人からキノコを貰いに行くんだ」
「どういうこと?」

 怪訝な表情をしているプーカに何も答えず、俺は目的の場所に到着した。

 そこは街の外れにある沼地で、じめじめとした場所だった。

「ふえぇ……湿気で羽が萎びちゃうよ~」
「もうちょっとだけ我慢しろ。ここにその人がいるんだ」

 俺は沼地の真ん中に建つ怪しげな木造の家を訪ねる。

「エリザベス! 俺だ! 入っていいか?」

 ノックをして呼びかけると玄関ドアが開いて少女が一人出てきた。

「おや、創造主様……何かご用かね?」
「お前に頼みがあって来た」
「左様か。それなら家の中で話を聞こうかの」

 まるで老人のような喋り方をするその少女はマタンゴのエリザベス。
 髪の代わりに頭からキノコの笠が生えた彼女はこの沼地でいろいろな研究をしている。

「見た目は子供なのに言葉遣いはお婆ちゃんみたいで不思議だね」
「そちらのお嬢さんはフェアリー族じゃな」
「ああ。今日はこの子の依頼を聞いて欲しい」
「いいじゃろう。待っておりなさい」

 俺が家に上がりこみ、食卓で待っているとエリザベスが湯呑を用意してくれた。

「さて、予想はついておるが話を聞いておこうかの」
「この子の家に置くキノコを探しているんだが、ここにないか?」
「フェアリー族の好んでいるキノコか。それはきっとヨウセイダケのことじゃな。ちょうど栽培が済んでいるものがある。一株分けてもよいぞ。……その代わり、もらうものはもらっておくぞ」
「ああ。分かってる。プーカはここにいてくれ。これから俺とエリザベスは取引をしなくちゃならない」
「うん!」

 プーカを居間に残して、俺とエリザベスは奥の実験室に入っていった。

✕ ✕ ✕

「うっ……くうっ……」
「可愛い声じゃのう。幼子と遊ぶのはやはり心地が良い」
「俺は幼子って年齢でもないんだけどな……」
「わしに比べたら幼子じゃよ」

 不気味な薬液漬けの標本や試験管が並ぶ実験室のベッドに座った俺はエリザベスに手コキをされていた。

「お前、一体いくつなんだよ……」
「女性に年齢を尋ねるのはよい趣味ではないぞ」

 エリザベスが肉棒を握る手に力を込める。

「う、あ……」
「顔が蕩けておるのぉ。もうすぐ射精するのかの?」
「あ、ああ……駄目だ、もう射精るっ!」
「あと数秒だけ待っておれ」

 エリザベスは試験管を一つ取り出し、肉棒の鈴口に押し当てる。

 どぷっ! どびゅっ! びゅるるるるるるっ!

 精液が鈴口から溢れ出し、試験管の中を満たしていく。
 エリザベスは勃起が弱まっていくのに合わせて試験管を傾け、器用に精液を全て回収した。

「ふむ。これは良い。素材としては申し分ない」

 試験管の精液を眺めて満足そうにエリザベスが頷いた。

「そんなもの集めて何をする気なんだ……」
「むふふ、研究じゃよ。お主の精液はどんなモンスター娘でも孕ませおる。そのメカニズムを解明出来ればわしは神にすら近づけるじゃろう」

 エリザベスはニタニタとほくそ笑み、実験室の隅から小さなガラスケースを持ってきた。

「さあ、こちらが報酬のヨウセイダケじゃ」

 エリザベスが持ってきたのは赤い笠に白い斑点のある一房のキノコだった。

「メルヘンチックな見た目だな」
「これは弾力もあって触ると気持ちが良いのじゃぞ。フェアリー族はこれがないと落ち着かないほどらしいのじゃとか」
「ありがとう受け取ろう」
「……こんな老いぼれでも役に立てることがあれば言って欲しい。対価はきちんと払ってもらうがの」

 俺がキノコを受け取ると、エリザベスは俺と目を合わせて微笑みかけてきた。

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