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私悪役令嬢でございます

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明日、、、明後日はいよいよ運命の日だ。

きっと、私は明後日婚約を破棄される。

私の婚約者である第一皇子から、婚約破棄を

宣言させられるだろう。


「ふ、はぁ。緊張してきたわ、、、。」

私は震える手をギュッと握りしめた。














突然だが私は転生者だ。そして前世の記憶が

ある。

私の記憶が正しければ、この世界は間違いな

く私が前世やっていたゲームの中の世界。

だって登場人物の見た目の特徴や性格や名前

までまるまるそっくり、というより全く同じ

なのに無関係とは考えられない。

私がこの記憶を取り戻したのは五歳の時だ。

高熱でうなされて寝込んでた私は、ふっと急

に前世の記憶を取り戻した。

その途端に熱は下がり、体調も回復した。

前世の記憶により熱をだしたのか、それとも

熱により前世の記憶を取り戻したのかは分か

らないが、、、とにかく最初は混乱したけれ

ど、今はなんやかんやあって立派に公爵令嬢

をしている。

まぁゲームの内容はよくあるやつだ。

舞台は中性のヨーロッパをモデルにしたよう

な世界。

ただこの世界は化学では無く魔法が発達して

おり、それによって現代日本程の技術を持って

いるため、中性ヨーロッパの様に原始的な方法

を工夫して使っての生活ではなく、科学技術な

らぬ魔法技術によって、現代の様に素晴らしく

快適で素敵な生活を送ることが出来ているのだ。




いや~その辺はまじありがたいわ。クーラー無い夏とかただの地獄だしな。冬はヒーターないと余裕で凍死出来そうな気がするし。





兎も角!ここがゲームの中の世界なのは間違

いないと思う。

ふっ、、、重度の乙女ゲーオタクだった私が

言うのだから間違いない(ドヤァ)。


 ・・・・・・・・・


まぁさ、それは良いんだよ。

異世界転生とか良くある事だし(あってたまるか)。

問題は、、、

私が転生したのが悪役令嬢である、パール・エ

クリアだということだ。

私的にパールは悪役令嬢じゃなくてただの当

て馬だと思っているが、ここは悪役令嬢の方

がいいだろう。

そして、悪役令嬢は最悪死刑になる。

理由はヒロインであるフレアを暗殺しようと

してだ。

良くある痴女のもつれってやつ。

ただの嫉妬なんだけどね。



まぁでもだからといって慌てる必要は無い。

それはあくまでフレアを暗殺しようとした場

合であって、それさえしなければいいという

話なのだから。

他のやつは殆ど追放か、緩いやつだと身分を

剥奪されて庶民として生きていったり、ただ

婚約破棄だけされたり(それでも周りからは白

眼視されるか

ら大分きついと思うけど)。

だからそれほど婚約破棄を防ごうとか必死に

なる事は、特に無いと思う。



まぁ、そんな感じで色々考えた結果、、、

なるようになればいいかなと思った訳だ。

自分が死なず、家紋にも傷がつかないのであ

れば誰かの恋愛なんぞ興味は一切ないし。

王太子は私的には恋愛対象ではなく推しだし。

なので私は淡々と今まで生きてきた。

そして、明日私はきっと婚約破棄される。

どうやらゲームの強制引力のようなものが働

いているようで、状況的にそうなるっぽい。

私はいじめはしていないはずなのだが、そこ

も強制引力の影響か、周りからは私がフレア

に対して厳しい態度を取っていると認識され

ているようだ。

そんな事無いんだけどね。

実際はそんなことはないのだが。

まぁいじめてないので家紋に傷がつくことは

ないし、多分円満に向こうからの申し出で、

婚約破棄に至ると思う。

だがそれでも緊張はするというもの。

あと二日でゲーム内容から自分の存在が離れ

ることや、王太子による婚約破棄という色ん

なプレッシャーに吐きそう。


でも、あと二日。

あと二日で私の胃の痛みは改善されるのだ

ゲームの悩みなど無くなって晴れて自由の身と

なれるのだ!!!

あと少し、私、、、頑張れっ!
















と、思ってたんだけどなぁ?!?!










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