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二千百七十七年、過去の旅
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「学園内での危険能力行使許可契約に基づきポストコグニションを行使します」
レイアは宣言した。
アリスが孤児院時代の思い出を綴った作文とレイアの過去視の結果との照合は学園長の内諾を得ていたが、それは外部機関の捜査官立ち会いのもと実行する予定だった。
今からしようとしているのは捜査とは別の、アリスを救助するための能力行使である。アリスは「あたし死んじゃう!」「あたし、命が危ないんです」と言っていた。その様子は嘘や仮病には見えず、真偽判定の魔道具による判断も「嘘はついていない」。つまりアリスの主観的な真実では「あたし」は命の危険に晒されていて何らかの対応を必要としている。それも早急に。
レイアはチューブ入りのボルシチと、同じくチューブ入りのカッテージチーズにりんごのピューレを素早く食べ終えた。二十世紀宇宙食の復刻版を昼食に採用するのは時間効率的には悪くない。
ジュールと学園長は昨日のやり取りを思い出し、不安そうにレイアを見る。
——超能力者が長期間眠り続けた事例ってどんなのですか?
——有名なのは未来の複数分岐の先を辿って戻るを繰り返し過ぎた予知能力者と
ポストコグニションでの過去への旅を長く続け過ぎた者です。
レイアは中空に三つのディスプレイを浮かせた。左はアリスの活動成果集、右は書きかけの作文。中央の一際大きい画面は空白だったが、そこに今より幼いアリスが映しだされる。
——先生。本当に本当にお世話になりました。あたし、公爵家でも頑張ります!
「二千百七十四年、三月九日。今から三年前」とレイアは言う。
画面は頻繁に切り替わっていく。ふと動きが緩やかになったかと思うと、左の画面と中央の画面に子どもたちが集合写真のように写っている。
「二千百七十年、一月二十三日。左はアリスさんの活動成果にある写真ですが、アリスさんのいる場所には本当は別の子がいました」とレイア。
中央の画面では、左の画面でのアリスのいる位置に別の顔の少女がいる。自然で見事な切り貼り。
再び頻繁に切り替わっていった画面が、ある場所でまた動きがゆっくりとなる。
——おい、こら。ここは生徒は立ち入り禁止だぞ。
——えー、そうなのぉ? 先生、ごめんなさい。
中央の画面はコマ落としで逆再生したかのようなアリスの姿を映し、とある場所でアリスの手と操作対象らしい画面に視点が移る。
「二千百七十四年、十月一日。ここで先程の写真を改竄した形跡あり。また、孤児院の入所日を二千百七十三年九月九日から二千百六十三年に変更?」
レイアは学園長とジュール、イザーク、そして立ち会いの学園所属の医師に向かって話す。
「捜査ならば、ここでもっと丁寧に見ていく必要があると思われますが、今回はアリスさんの救助が目的のため、アリスさんの根源を探る試みの方を先にしようと思います」
医師の横、ベッドで眠っているアリスに視点をあわせる。
「どこで生まれたか」
つぶやく問いに応えるように、中央の画面に巨大なフラスコが映る。フラスコの中には胎児のように身体を丸めた少女(多分)が浮かんでいる。
「誕生というより製造? クローリー社ムーンチャイルド限定版verB。
原材料は人間の成分三十七元素、出荷前の整形について現在確認中。
出荷予定日は二千百七十三年、三月九日。今から四年前」
「出荷されて誰に納品されたか」
黒の背景にオレンジ色の文字が並ぶ。納品項目の一覧らしい。
「バーバラ・ロバーツ? 本名? フラスコの中に入れたままで納品。
納品日は二千百七十三年、三月九日。予定通りだったようです。
取扱説明書は記憶結晶に……障害追跡の方法もおそらくこの中に。
読むのは簡単ではないし時間がかかりそうなため、いったん置いておきます」
「現在の所有者は今どこにいるか」
ガラス状の透明な容器に囲まれて、一人の女性が仰向けに横たわっている。
レイアは最初に人工冬眠カプセルを、次に白雪姫のガラスの棺を連想した。
「台座に『バーバラ・ロバーツ、二千百七十三年から二千百八十三年』と記載」
部屋の中を見渡すように視点を移動させてみたが、他に何か記述されているものは見当たらない。タイプライターはあっても印字された用紙はなく、キーボード付属のディスプレイは何も映さない。
横たわる女性の顔を大写しにした中央の画面を見つめながらジュールが言う。
「この部屋はずっとこのままで、あの中年女性は眠ったままなんでしょうか」
眉間に皺を寄せた学園長が言う。
「広さとしては今いるこの部屋や、〈ヒドイン〉さんの『中の人』が過ごしたという部屋と同じくらいでしょうかね。
……もしかしたらアリスさんは、あちらにいる『中の人』とつながらなくなったので、あのように取り乱した?」
——この部屋は良くない。どこにもつながっていない。それじゃダメなのよおお
「しかし『この部屋は良くない』と叫んでいたという話ですが、部屋のせいにするということは、一週間近く『中の人』とつながろうとはせず、今朝になってやっと試してみたということですか」
とレイアが言い、
「兄上のときの〈ヒドイン〉は何度か謹慎用の部屋に入れられたはず。
彼女の時代と障壁の仕様が変わったんでもなければ、〈ヒドイン〉は『中の人』とつなげられたけど、アリスはできないとは考えにくいような」
とジュールが言う。
学園長は答える。
「昨日の夜から心ここにあらずという感じで、祈るような仕草をしたりしていました。殿下たちが戻る前に監視記録を調べてみたのです。昨晩から試していたのではないかと思います。
〈ヒドイン〉さんのいた頃から、この部屋の仕様は変わっていません。
学園を囲む防御の仕組みや内部監視のアルゴリズムには、何度か修正が入っていますけれども。
〈ヒドイン〉さんの謹慎期間は、正確なところは後で確認しないとわかりませんが、一週間くらいのときはあったのではないかと記憶しておりますよ」
レイアは言う。
「もしも接続が全く断たれているならば、アリスさんが動き回れているのは変な話です。アリスさんが危機感を覚えている『つながらない』とは、『中の人』の状態がアリスさんから全くわからなくなったという話かもしれません」
中央の画面には今度は横から見た女性の寝姿が映っている。
祈るように胸に置かれた手は、微かに上下しているように見える。
部屋の外に視点を移すと、ずらりと並んだどのドアにも表札なしの装飾なし。通路のどこにも説明書きはないし、現在位置や行き先を表示するものもない。さらに外に出ても、特徴のない長方形の箱のようなビルの周囲には砂漠が広がり、建物名や住所を示すものは何も存在しない。
「あちら側は平穏無事に見えます。少なくとも物理的な攻撃を受けた痕跡はありません。住所や建物名を見てわからなくしているのは、場所を公開して物理的な攻撃の標的となることを避けたい意図があると思われます。
ここから先はアリスさんに話を聞いてからの方が良いと思います。
アリスさんの目覚めを待つ時間、皆さんが昼食をとる時間はあると思います」
レイアは宣言した。
アリスが孤児院時代の思い出を綴った作文とレイアの過去視の結果との照合は学園長の内諾を得ていたが、それは外部機関の捜査官立ち会いのもと実行する予定だった。
今からしようとしているのは捜査とは別の、アリスを救助するための能力行使である。アリスは「あたし死んじゃう!」「あたし、命が危ないんです」と言っていた。その様子は嘘や仮病には見えず、真偽判定の魔道具による判断も「嘘はついていない」。つまりアリスの主観的な真実では「あたし」は命の危険に晒されていて何らかの対応を必要としている。それも早急に。
レイアはチューブ入りのボルシチと、同じくチューブ入りのカッテージチーズにりんごのピューレを素早く食べ終えた。二十世紀宇宙食の復刻版を昼食に採用するのは時間効率的には悪くない。
ジュールと学園長は昨日のやり取りを思い出し、不安そうにレイアを見る。
——超能力者が長期間眠り続けた事例ってどんなのですか?
——有名なのは未来の複数分岐の先を辿って戻るを繰り返し過ぎた予知能力者と
ポストコグニションでの過去への旅を長く続け過ぎた者です。
レイアは中空に三つのディスプレイを浮かせた。左はアリスの活動成果集、右は書きかけの作文。中央の一際大きい画面は空白だったが、そこに今より幼いアリスが映しだされる。
——先生。本当に本当にお世話になりました。あたし、公爵家でも頑張ります!
「二千百七十四年、三月九日。今から三年前」とレイアは言う。
画面は頻繁に切り替わっていく。ふと動きが緩やかになったかと思うと、左の画面と中央の画面に子どもたちが集合写真のように写っている。
「二千百七十年、一月二十三日。左はアリスさんの活動成果にある写真ですが、アリスさんのいる場所には本当は別の子がいました」とレイア。
中央の画面では、左の画面でのアリスのいる位置に別の顔の少女がいる。自然で見事な切り貼り。
再び頻繁に切り替わっていった画面が、ある場所でまた動きがゆっくりとなる。
——おい、こら。ここは生徒は立ち入り禁止だぞ。
——えー、そうなのぉ? 先生、ごめんなさい。
中央の画面はコマ落としで逆再生したかのようなアリスの姿を映し、とある場所でアリスの手と操作対象らしい画面に視点が移る。
「二千百七十四年、十月一日。ここで先程の写真を改竄した形跡あり。また、孤児院の入所日を二千百七十三年九月九日から二千百六十三年に変更?」
レイアは学園長とジュール、イザーク、そして立ち会いの学園所属の医師に向かって話す。
「捜査ならば、ここでもっと丁寧に見ていく必要があると思われますが、今回はアリスさんの救助が目的のため、アリスさんの根源を探る試みの方を先にしようと思います」
医師の横、ベッドで眠っているアリスに視点をあわせる。
「どこで生まれたか」
つぶやく問いに応えるように、中央の画面に巨大なフラスコが映る。フラスコの中には胎児のように身体を丸めた少女(多分)が浮かんでいる。
「誕生というより製造? クローリー社ムーンチャイルド限定版verB。
原材料は人間の成分三十七元素、出荷前の整形について現在確認中。
出荷予定日は二千百七十三年、三月九日。今から四年前」
「出荷されて誰に納品されたか」
黒の背景にオレンジ色の文字が並ぶ。納品項目の一覧らしい。
「バーバラ・ロバーツ? 本名? フラスコの中に入れたままで納品。
納品日は二千百七十三年、三月九日。予定通りだったようです。
取扱説明書は記憶結晶に……障害追跡の方法もおそらくこの中に。
読むのは簡単ではないし時間がかかりそうなため、いったん置いておきます」
「現在の所有者は今どこにいるか」
ガラス状の透明な容器に囲まれて、一人の女性が仰向けに横たわっている。
レイアは最初に人工冬眠カプセルを、次に白雪姫のガラスの棺を連想した。
「台座に『バーバラ・ロバーツ、二千百七十三年から二千百八十三年』と記載」
部屋の中を見渡すように視点を移動させてみたが、他に何か記述されているものは見当たらない。タイプライターはあっても印字された用紙はなく、キーボード付属のディスプレイは何も映さない。
横たわる女性の顔を大写しにした中央の画面を見つめながらジュールが言う。
「この部屋はずっとこのままで、あの中年女性は眠ったままなんでしょうか」
眉間に皺を寄せた学園長が言う。
「広さとしては今いるこの部屋や、〈ヒドイン〉さんの『中の人』が過ごしたという部屋と同じくらいでしょうかね。
……もしかしたらアリスさんは、あちらにいる『中の人』とつながらなくなったので、あのように取り乱した?」
——この部屋は良くない。どこにもつながっていない。それじゃダメなのよおお
「しかし『この部屋は良くない』と叫んでいたという話ですが、部屋のせいにするということは、一週間近く『中の人』とつながろうとはせず、今朝になってやっと試してみたということですか」
とレイアが言い、
「兄上のときの〈ヒドイン〉は何度か謹慎用の部屋に入れられたはず。
彼女の時代と障壁の仕様が変わったんでもなければ、〈ヒドイン〉は『中の人』とつなげられたけど、アリスはできないとは考えにくいような」
とジュールが言う。
学園長は答える。
「昨日の夜から心ここにあらずという感じで、祈るような仕草をしたりしていました。殿下たちが戻る前に監視記録を調べてみたのです。昨晩から試していたのではないかと思います。
〈ヒドイン〉さんのいた頃から、この部屋の仕様は変わっていません。
学園を囲む防御の仕組みや内部監視のアルゴリズムには、何度か修正が入っていますけれども。
〈ヒドイン〉さんの謹慎期間は、正確なところは後で確認しないとわかりませんが、一週間くらいのときはあったのではないかと記憶しておりますよ」
レイアは言う。
「もしも接続が全く断たれているならば、アリスさんが動き回れているのは変な話です。アリスさんが危機感を覚えている『つながらない』とは、『中の人』の状態がアリスさんから全くわからなくなったという話かもしれません」
中央の画面には今度は横から見た女性の寝姿が映っている。
祈るように胸に置かれた手は、微かに上下しているように見える。
部屋の外に視点を移すと、ずらりと並んだどのドアにも表札なしの装飾なし。通路のどこにも説明書きはないし、現在位置や行き先を表示するものもない。さらに外に出ても、特徴のない長方形の箱のようなビルの周囲には砂漠が広がり、建物名や住所を示すものは何も存在しない。
「あちら側は平穏無事に見えます。少なくとも物理的な攻撃を受けた痕跡はありません。住所や建物名を見てわからなくしているのは、場所を公開して物理的な攻撃の標的となることを避けたい意図があると思われます。
ここから先はアリスさんに話を聞いてからの方が良いと思います。
アリスさんの目覚めを待つ時間、皆さんが昼食をとる時間はあると思います」
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