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第4話、ハッピーエンド(最終話)

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 ショウタがブツブツつぶやく「また、明日って!」言って別れて今日で1週間、
ルミと全く会えていない。

 こっそり彼女の部屋を覗きに行ったのだが、兵士たちが厳重に見張りをしていて、
全く近寄ることが出来ない。

 困った、参った、会いたい気持ちが止まらない。
 ・・・・こんなに会いたいのに、どうすれば良いんだ。

 うわぁ~~ん、と泣きながら、日課のトイレ掃除をする。
そう、困った時こそトイレ掃除だ。

 ムキになって掃除したおかげで、もうすぐウォシュレット付になりそうだ。
ワクワクするぞ!

 いやぁ~すごいトイレだよ、これ。水洗トイレで壁付き手洗い場が付いている。
壁付き手洗い場の水を飲んでみたら思った以上に美味しい水。城で出される水より、
全然綺麗で清潔で美味しい。水洗トイレってスゴイ。

 おっとそんなことより、ルミのことをなんとかしないと、俺のはじめての彼女なのに。
 ルミの部屋の前には兵士がいて近づけない、兵士怖いし。
 う~んう~んう~ん。考えても何も浮かばない、俺ってダメ男だ。

 いきなり大きな音がする。
『ドタン』『バタン』『ガシャン』
『どけどけどけ』『ギャー』(叫び声)

 何が起きたんだ、身構える俺。

 ルミが兵士(1人)を連れて現れた。
兵士は叫ぶ「あなたが勇者様ですか?」
 ショウタは目が点・・・「へっ・・・・勇者って何?」(小声でつぶやく)
 その時、ルミが兵士に向かって叫ぶ。
「そうです、あの方が勇者です」
「勇者と聖女の私は世界を救う宿命(さだめ)があるのです」
「世界を救うために、この国を出て世界を旅する運命なのです」
ルミは大きく手を広げて叫んでいる。

 俺はさらに目が点であきれている(劇団系の舞台かよ)。
(何言ってるんだルミは・・・・・もしかして狂ったのか?・・・と、ショウタは思った)

 ルミがショウタに近寄ってきた。
 ルミがショウタの耳元で囁く「調子合わせ、よろしく!」

 ショウタとルミが声をそろえて叫ぶ。
「勇者と聖女は世界を救うのです」
 ルミが「ショウタ、口元ニヤケている」と小声で怒っている。

 兵士が叫ぶ「聖女様、勇者様、この世界をお救い下さい。よろしくお願いします」
「この世界を、この暗黒な世界をお救い下さい」

 『どけ! そこをどけ!』と、敵側の兵士が現れた。

 ルミを守って連れてきた兵士が剣で切られた。
 血が噴き出し、血まみれになる兵士

 ルミが手をかざし叫ぶ「スキル癒しの風」
 兵士のキズがふさがり血が止まった。どうやら一命だけは、とりとめたようだ。
(聖女の力、まじスゲエ)

 敵側の兵士が増え、ルミとショウタは兵士に囲まれた。

 ショウタは叫んだ
「スキル、トイレ召喚!」
 ショウタは急いでトイレに入って、アイテムを4つ購入しトイレから出てきた。

 そして、ルミにもアイテムを持たせる。
 そしてショウタは叫ぶ。
「必殺、サンポールアタック」
 (※決して人に向けて発射しないで下さい)

 兵士が驚き飛びのいた。
 ふふふ・・・・そうだ、酸の威力はすごいのだ。サンポールをまき散らしながら、
ルミと俺は城を出た。

 城の外に馬がいた。しかし馬に乗る自信がショウタには無かった(情けないぞ、ショウタ)

 ショウタの困った顔を横目にひょいと馬に乗るルミ。
 おどろくショウタ。
 ショウタが思わず叫ぶ「何者だよ、お前!」
 「・・・・馬のりギャルって、何系のギャルなんだよ」(つっこむ、ショウタ)

 バカなこと言ってないで、はやく後ろに乗れと言うルミ。
 馬に乗りルミにしがみつくショウタ(情けないぞ、ショウタ)

 さっそうと馬を走らせるルミ。
 あっという間に城が遠くなる。城が見えなくなり馬をゆっくり走らせる

 日が暮れ、馬を木につなぐ。

 ルミの手を握るショウタ。ルミの目を見つめる。
 ショウタは落ち着いた声で言う「トイレ召喚」

 ショウタとルミは一緒にトイレの中、少し広くなったので2人でも大丈夫。

 ショウタは言った
「清い仲なのにくさい仲とは、これいかに・・・・・・」

「もっとくさい仲になろうかな・・・・・」と訳の分からないことをいうルミ。

 見つめ合うルミとショウタ、抱きしめてキスをする、ショウタ。

 ショウタは思った。
 明日どうなるか、わからないけど
 今の気分は最高です、最高にhappyなんです。

 ・・・・そしてトイレの電気が消えた。

TheEnd(Happy Ending)
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