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九十九ひろひろ

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一夜目、ホットコーヒー(恋愛系)

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目の前にホットコーヒーがある。
ホットコーヒーを飲む度に、思い出すことがある。
昔の彼女のことだ。

「良い香りだね」
ホットコーヒーを飲む彼女に僕はささやく
「コーヒー好きなの」
そう言って彼女は僕の分のコーヒーを入れてくれた。

入れてくれたコーヒーは僕には苦くて、ちょっとしかめっ面をしてしまった。
彼女は優しい笑顔で砂糖とミルクを入れてくれた。
そんな優しい彼女に僕は首ったけだ。

彼女が僕を見つめて突然、言った。
「熱くて甘いコーヒー、美味しいコーヒー、幸せな時間」
「でも、冷める時が来る、飲むうちに減り消えていく・・・・・愛も同じ」

僕は、驚いて叫んだ「僕の愛は冷めないし、あふれている。この思いは変わらない」
僕の驚く顔を見ても、彼女はただ微笑むだけだ。

僕にとって、あの時が一番幸せだった。
僕のコーヒーは、どんどん熱くなり、甘くなっていった。
飲めないレベルまでいってしまった。そして破綻した。
僕は全てを失った。

コーヒーを飲む度に苦い思い出を思い出す。
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