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縄酔い
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火曜日。
私はまた、『お仕事』に来ていた。
別にこの仕事を本格的にやろうと思ったわけではない。
昨日と、今日と、明日と。三日間だけやってみて、自分自身を知ろうと決めたからだ。
最初は「今週」と思ったけれど、プレイによっては数日痕が残ってしまうから、木曜日と金曜日はやめようと思った。
(奏輔さんには、言えないもんね……)
昨日は『拷問』なんていう未知のカテゴリだったけれど、特別問題はなかった。
もしかすると、新人だからと加減してくれていたのかもしれないし、私のNGプレイが多くてそうなったのかもしれないけれど、とりあえず『焼肉定食』という回避ワードを考えることは一度もなかったといえる。
後から考えてみると、怖かったり、苦しかったり、キツかったりはしたものの、痛みはそんなになかったのが特徴的だった。井上さんのプレイは、もっと痛いし、もっと恥ずかしい。SMといっても、やはり趣味嗜好はそれぞれ違うものなのだと思う。
(でも、お二人とも紳士だった)
それは、SMではなく、この店の特徴なのだろう。単に残虐なドS嗜好者は、たぶんここの会員ではいられないのだ。
それを実感できたからこそ、今日もここへ足を運べたのだと思う。
今日もスタッフから打診があった。
「昨日のが大丈夫なら」と言っていたので、おそらくライトなお客様ではないのだろう。
昨日と違うのは、衣装指定があったことだ。
これまでは衣装部屋で好きにドレスを選んでいたけれど、今日は和装だということで、わざわざ着付けにスタッフが来てくれた。
浴衣か振袖のようなものをイメージしていたのに、着せられたのは巫女服だった。真っ白な着物に、真っ赤な袴。下着はなし。
着付けに来てくれたスタッフさんが男性だったので、全裸から着付けてもらうのがちょっと恥ずかしかった。こんな仕事に来ているのに不思議だ。
仮面もいつものではなくて、狐の面。顔全体ではなく、鼻から上だけを覆う仕様になっている。
指定された部屋に向かうと、やはり和風な雰囲気の部屋だった。板間と畳と石畳があって、天井には梁もあるし、大黒柱を模した柱も立っていた。
挨拶と規定事項の確認を終えると、お客様は縄を持ってきた。巫女服の上から、丁寧に縛り上げていく。
上半身を縛り終えると、胸がぐっと突き出して見える。腕も後ろでギチギチに縛られていて、まったく動かせない。息を吸うたびにぎゅうっと締め付けられるようだ。
「キツイかな?」
「平気、です……」
そう答えるのがやっとなくらい、縛られている感じが強い。ただ、変に痛かったりはしないので、縛るのがとても上手なんだろう。
「それじゃあ、もう少し負荷をあげてみよう」
そう言って、梁の上から降りているフックに背中の縄を引っ掛ける。
よく見ると梁の上には滑車がついていて、楽に持ち上がるようになっていた。ガラガラと引き上げられ、かかとが床から離れるとぐっと負荷が増した。
「ん、ふぅ……んんっ」
まだつま先は着いているものの、体重のほとんどが上半身の縄にかかっている。
「脚も縛ろうね」
そのまま、今度は両足をまとめるように縛られていく。高級ハムみたいな感じだ。
最後に足首で縄をまとめると、そこにもフックを掛けた。当然、足首も上へと引き上げられていく。
「んっ、ああっ、ふぅうんん!」
体重が縄にかかるだけでなく、身体がぐっと反るのが相当にキツイ。
「これ、だいぶキツいでしょう? 大丈夫、五分で降ろしてあげるから耐えてね」
「ん、は、い……」
声が吐息になってうまく出ない。そのぐらいの大変さだった。
約束どおり五分で降ろして、一度縄をほどいてくれる。
全身に血と空気が行き渡るようなすがすがしさだ。
「気持ちいいでしょう?」
問われて、コクリと肯く。
縛られるのがというよりも、苦しかった後の開放感がすごい。
冷たい水ももらって、少し落ち着いたところで次のプレイだ。
石畳の上に移動したので、下はひんやりと冷たい
今度も胸を縛るけれど、さっきほどガチガチではない。弛いというわけではなく、胸の上下だけを通すシンプルな感じだ。腕も一緒に縛らず、頭の上でまとめてフックに引っ掛けた。
今度は吊り上げるわけではなくて、単純に手を下ろせないようにするだけだ。床にぺたりと座ってちょうど、くらいの位置で手だけを吊られている。
次は何をするのかと思ったら、その状態で着衣を乱し始めた。ぐっと胸元を引っ張ると、肌が少しずつ露わになっていって、肉に食い込んだ縄やつんと立った乳首が見えるようになった。
全裸よりも陵辱感があってゾクゾクする。
脚を伸ばし、袴をたくし上げ、内側の白い着物もはだけさせると、秘部も露わになって、より一層犯されている感じになった。
腕をもう少し上げて膝立ちにすると、股に縄を通される。もちろん、しっかり敏感な部分に当たるようにぱっくりと開いてだ。
「猿轡もしてみようか」
和風に手ぬぐいだ。手ぬぐいを咬んで、後頭部でぎゅっと結ばれると、さらに気持ちが高揚した。
なんだか、何をされてもいいような気がしてしまう。縄だけでなく、この状況全てに酔ってしまっている。石畳の冷たさと固さもゾクゾクする。
「いい表情だね。もっといろいろされたいだろう?」
まるで催眠術にでもかかったように、首が縦に動く。
それを満足そうに見て、今度は糸を持ってきて、乳首にくるくると巻きつけて縛った。反対側には……
(徳利?)
徳利は、日本酒なんかを飲むときに使う入れ物だ。ただ、これはちょっと大きくて白い。
(あ……神様にお供えするやつ……)
そっと手を離すと、徳利の重みで乳首がぐっと引っ張られた。
「んっ、ふ……」
「まだまだ。酒を入れなきゃお供えにはならんだろう?」
今度は、一升瓶を持って徳利にお酒をなみなみと注ぐ。その分重みは増して、乳首はぎゅっと引っ張られる。
もっとも、バケツにガンガン水を入れられる方がだいぶキツい。ただ、あれはガンガン水を入れてバケツを落としてしまうのがゴールだから、ほんの数分、ひょっとすると一分にも満たないかもしれない。
けれど徳利は、これ以上重くならない……つまり、何もしなければずっとこのままだということだ。それが数分のことなのか、数十分のことなのか、はたまた一時間を超えるものなのかはわからないのだ。
そしてその痛みと不確定さが、ゾクゾクと身体を酔わせていた。
「もうちょっと巫女さんらしく、修行してみようか」
どれくらい経ったのか、声を掛けられた。
なんだか現実味がなくて、ふわふわする。まるで飲みすぎたみたいだ。
「気持ち良さそうだけど、一度外そうね」
そう言って、乳首の徳利も、縛っている縄も、一度全て外してくれた。
そうすると、急に身体に現実感が戻ってくる。
少し休憩した後、今度は強制的に正座するみたいな縛り方をされた。
なんと説明すれば良いのか、正座以外できないよね、という感じで脚がまとめられていて、上半身も胸を張るように後ろ手に縛られていて、さらに足と手が繋がれている。
その状態で石畳の上に座っていた。
「本当は川とか滝がいいんだけどね」
お客様はそう言って、近くにあったシャワーを手に取った。石畳は、単に石のスペースではなく、オープンなシャワールームを兼ねているようだ。
ただし、シャワーから出るのはお湯ではなく水だった。
プレイルームはしっかり冷房が効いていて、巫女服も胸以外しっかり着たままなものだから、かなり冷たく感じた。
これは後で聞いた話だけれど、そういうプレイ用に通常よりも冷たい冷水も出せる仕様なんだそうだ。どおりで氷のように冷たかったわけだ。
唯一自由のきく頭を下にしてると、ぐい、と顔を上げられる。後ろからかかっている水が、頭にかかるようになる。目にもはねたり流れたりしてくるので、ぎゅっと目を閉じた。
「頭はそのままだよ?」
そう言われるが、返事はできない。先刻は手ぬぐいだった猿轡は、麻縄にグレードアップしていた。
じっと耐えていると、胸に刺激を感じる。少し目を開けると、蝋燭の蝋がポタポタと胸に落とされていた。
「温めてあげるね」
目を開けたことに気付いたお客様が、そう声を掛けてくる。
「んっ、ふっ、んむぅ!」
頭から背中は凍るような水を浴びているのに、開いた胸だけは熱い蝋。
さらに、身体が跳ねる度に縄が食い込んで主張してくる。
どれくらいの時間そうしていたのかはわからない。もしかするとほんの数分だったのかもしれないけれど、意識が飛ぶんじゃないかと思うほどだった。
縄を解いて、温かいお湯を浴びて、ようやく一息ついたところだ。
終わって帰るのにも、びしょびしょの巫女服を着て帰るか、全裸で帰るかと聞かれてものすごく困った。従業員用のエレベーターがあるので、普通とは違うけれどそれでも全裸はかなり恥ずかしい。
決められずにいた結果、真っ赤なロープで下着風に縛られてしまった。たしかに股縄はTバックのショーツみたいだし、乳首の上は蜘蛛の巣みたいに器用に編まれていて一応隠れているけれど、これはこれで恥ずかしい。
後日先輩から「バスタオル巻いて帰ればいいんだよ」と言われたので、どうやらからかわれたらしかった。
恥ずかしい格好で、でも誰にも会わずに待機部屋まで戻ると、スタッフさんから連絡が入った。
「ヒメさん、明日も来れますか」
「はい、明日は来ようと思っていました」
「でしたら、お願いしたいことがあるんですけど……複数名いても大丈夫ですか?」
「それは……3Pとか、4Pとか、そういうことですか?」
「いえ、特殊な接待だと思ってもらえれば。お客様もキャストさんも、どちらも複数名入られます」
「ええと……キャバクラ的な……?」
「そういう側面もありますけど……」
いまひとつピンとこない。
「……私は何をすれば良いですか?」
こう聞くのがいちばん手っ取り早いだろう。
「ヒメさんには……」
私はまた、『お仕事』に来ていた。
別にこの仕事を本格的にやろうと思ったわけではない。
昨日と、今日と、明日と。三日間だけやってみて、自分自身を知ろうと決めたからだ。
最初は「今週」と思ったけれど、プレイによっては数日痕が残ってしまうから、木曜日と金曜日はやめようと思った。
(奏輔さんには、言えないもんね……)
昨日は『拷問』なんていう未知のカテゴリだったけれど、特別問題はなかった。
もしかすると、新人だからと加減してくれていたのかもしれないし、私のNGプレイが多くてそうなったのかもしれないけれど、とりあえず『焼肉定食』という回避ワードを考えることは一度もなかったといえる。
後から考えてみると、怖かったり、苦しかったり、キツかったりはしたものの、痛みはそんなになかったのが特徴的だった。井上さんのプレイは、もっと痛いし、もっと恥ずかしい。SMといっても、やはり趣味嗜好はそれぞれ違うものなのだと思う。
(でも、お二人とも紳士だった)
それは、SMではなく、この店の特徴なのだろう。単に残虐なドS嗜好者は、たぶんここの会員ではいられないのだ。
それを実感できたからこそ、今日もここへ足を運べたのだと思う。
今日もスタッフから打診があった。
「昨日のが大丈夫なら」と言っていたので、おそらくライトなお客様ではないのだろう。
昨日と違うのは、衣装指定があったことだ。
これまでは衣装部屋で好きにドレスを選んでいたけれど、今日は和装だということで、わざわざ着付けにスタッフが来てくれた。
浴衣か振袖のようなものをイメージしていたのに、着せられたのは巫女服だった。真っ白な着物に、真っ赤な袴。下着はなし。
着付けに来てくれたスタッフさんが男性だったので、全裸から着付けてもらうのがちょっと恥ずかしかった。こんな仕事に来ているのに不思議だ。
仮面もいつものではなくて、狐の面。顔全体ではなく、鼻から上だけを覆う仕様になっている。
指定された部屋に向かうと、やはり和風な雰囲気の部屋だった。板間と畳と石畳があって、天井には梁もあるし、大黒柱を模した柱も立っていた。
挨拶と規定事項の確認を終えると、お客様は縄を持ってきた。巫女服の上から、丁寧に縛り上げていく。
上半身を縛り終えると、胸がぐっと突き出して見える。腕も後ろでギチギチに縛られていて、まったく動かせない。息を吸うたびにぎゅうっと締め付けられるようだ。
「キツイかな?」
「平気、です……」
そう答えるのがやっとなくらい、縛られている感じが強い。ただ、変に痛かったりはしないので、縛るのがとても上手なんだろう。
「それじゃあ、もう少し負荷をあげてみよう」
そう言って、梁の上から降りているフックに背中の縄を引っ掛ける。
よく見ると梁の上には滑車がついていて、楽に持ち上がるようになっていた。ガラガラと引き上げられ、かかとが床から離れるとぐっと負荷が増した。
「ん、ふぅ……んんっ」
まだつま先は着いているものの、体重のほとんどが上半身の縄にかかっている。
「脚も縛ろうね」
そのまま、今度は両足をまとめるように縛られていく。高級ハムみたいな感じだ。
最後に足首で縄をまとめると、そこにもフックを掛けた。当然、足首も上へと引き上げられていく。
「んっ、ああっ、ふぅうんん!」
体重が縄にかかるだけでなく、身体がぐっと反るのが相当にキツイ。
「これ、だいぶキツいでしょう? 大丈夫、五分で降ろしてあげるから耐えてね」
「ん、は、い……」
声が吐息になってうまく出ない。そのぐらいの大変さだった。
約束どおり五分で降ろして、一度縄をほどいてくれる。
全身に血と空気が行き渡るようなすがすがしさだ。
「気持ちいいでしょう?」
問われて、コクリと肯く。
縛られるのがというよりも、苦しかった後の開放感がすごい。
冷たい水ももらって、少し落ち着いたところで次のプレイだ。
石畳の上に移動したので、下はひんやりと冷たい
今度も胸を縛るけれど、さっきほどガチガチではない。弛いというわけではなく、胸の上下だけを通すシンプルな感じだ。腕も一緒に縛らず、頭の上でまとめてフックに引っ掛けた。
今度は吊り上げるわけではなくて、単純に手を下ろせないようにするだけだ。床にぺたりと座ってちょうど、くらいの位置で手だけを吊られている。
次は何をするのかと思ったら、その状態で着衣を乱し始めた。ぐっと胸元を引っ張ると、肌が少しずつ露わになっていって、肉に食い込んだ縄やつんと立った乳首が見えるようになった。
全裸よりも陵辱感があってゾクゾクする。
脚を伸ばし、袴をたくし上げ、内側の白い着物もはだけさせると、秘部も露わになって、より一層犯されている感じになった。
腕をもう少し上げて膝立ちにすると、股に縄を通される。もちろん、しっかり敏感な部分に当たるようにぱっくりと開いてだ。
「猿轡もしてみようか」
和風に手ぬぐいだ。手ぬぐいを咬んで、後頭部でぎゅっと結ばれると、さらに気持ちが高揚した。
なんだか、何をされてもいいような気がしてしまう。縄だけでなく、この状況全てに酔ってしまっている。石畳の冷たさと固さもゾクゾクする。
「いい表情だね。もっといろいろされたいだろう?」
まるで催眠術にでもかかったように、首が縦に動く。
それを満足そうに見て、今度は糸を持ってきて、乳首にくるくると巻きつけて縛った。反対側には……
(徳利?)
徳利は、日本酒なんかを飲むときに使う入れ物だ。ただ、これはちょっと大きくて白い。
(あ……神様にお供えするやつ……)
そっと手を離すと、徳利の重みで乳首がぐっと引っ張られた。
「んっ、ふ……」
「まだまだ。酒を入れなきゃお供えにはならんだろう?」
今度は、一升瓶を持って徳利にお酒をなみなみと注ぐ。その分重みは増して、乳首はぎゅっと引っ張られる。
もっとも、バケツにガンガン水を入れられる方がだいぶキツい。ただ、あれはガンガン水を入れてバケツを落としてしまうのがゴールだから、ほんの数分、ひょっとすると一分にも満たないかもしれない。
けれど徳利は、これ以上重くならない……つまり、何もしなければずっとこのままだということだ。それが数分のことなのか、数十分のことなのか、はたまた一時間を超えるものなのかはわからないのだ。
そしてその痛みと不確定さが、ゾクゾクと身体を酔わせていた。
「もうちょっと巫女さんらしく、修行してみようか」
どれくらい経ったのか、声を掛けられた。
なんだか現実味がなくて、ふわふわする。まるで飲みすぎたみたいだ。
「気持ち良さそうだけど、一度外そうね」
そう言って、乳首の徳利も、縛っている縄も、一度全て外してくれた。
そうすると、急に身体に現実感が戻ってくる。
少し休憩した後、今度は強制的に正座するみたいな縛り方をされた。
なんと説明すれば良いのか、正座以外できないよね、という感じで脚がまとめられていて、上半身も胸を張るように後ろ手に縛られていて、さらに足と手が繋がれている。
その状態で石畳の上に座っていた。
「本当は川とか滝がいいんだけどね」
お客様はそう言って、近くにあったシャワーを手に取った。石畳は、単に石のスペースではなく、オープンなシャワールームを兼ねているようだ。
ただし、シャワーから出るのはお湯ではなく水だった。
プレイルームはしっかり冷房が効いていて、巫女服も胸以外しっかり着たままなものだから、かなり冷たく感じた。
これは後で聞いた話だけれど、そういうプレイ用に通常よりも冷たい冷水も出せる仕様なんだそうだ。どおりで氷のように冷たかったわけだ。
唯一自由のきく頭を下にしてると、ぐい、と顔を上げられる。後ろからかかっている水が、頭にかかるようになる。目にもはねたり流れたりしてくるので、ぎゅっと目を閉じた。
「頭はそのままだよ?」
そう言われるが、返事はできない。先刻は手ぬぐいだった猿轡は、麻縄にグレードアップしていた。
じっと耐えていると、胸に刺激を感じる。少し目を開けると、蝋燭の蝋がポタポタと胸に落とされていた。
「温めてあげるね」
目を開けたことに気付いたお客様が、そう声を掛けてくる。
「んっ、ふっ、んむぅ!」
頭から背中は凍るような水を浴びているのに、開いた胸だけは熱い蝋。
さらに、身体が跳ねる度に縄が食い込んで主張してくる。
どれくらいの時間そうしていたのかはわからない。もしかするとほんの数分だったのかもしれないけれど、意識が飛ぶんじゃないかと思うほどだった。
縄を解いて、温かいお湯を浴びて、ようやく一息ついたところだ。
終わって帰るのにも、びしょびしょの巫女服を着て帰るか、全裸で帰るかと聞かれてものすごく困った。従業員用のエレベーターがあるので、普通とは違うけれどそれでも全裸はかなり恥ずかしい。
決められずにいた結果、真っ赤なロープで下着風に縛られてしまった。たしかに股縄はTバックのショーツみたいだし、乳首の上は蜘蛛の巣みたいに器用に編まれていて一応隠れているけれど、これはこれで恥ずかしい。
後日先輩から「バスタオル巻いて帰ればいいんだよ」と言われたので、どうやらからかわれたらしかった。
恥ずかしい格好で、でも誰にも会わずに待機部屋まで戻ると、スタッフさんから連絡が入った。
「ヒメさん、明日も来れますか」
「はい、明日は来ようと思っていました」
「でしたら、お願いしたいことがあるんですけど……複数名いても大丈夫ですか?」
「それは……3Pとか、4Pとか、そういうことですか?」
「いえ、特殊な接待だと思ってもらえれば。お客様もキャストさんも、どちらも複数名入られます」
「ええと……キャバクラ的な……?」
「そういう側面もありますけど……」
いまひとつピンとこない。
「……私は何をすれば良いですか?」
こう聞くのがいちばん手っ取り早いだろう。
「ヒメさんには……」
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