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【2.砕け散る星】夜空に降る涙
夜空に降る涙(8)
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続いて強い力で後方へと引っ張られる。
前方にいる翔太が唖然と口を開ける様を視界に捉えつつ、とっさに両足を踏みしめてバランスをとった。
振り返りかけた星歌の髪に、低い声が降り注ぐ。
「探したよ、星歌」
声は硬く、僅かに怒りを含んでいるのが伺えた。
行人である。
義弟の登場にホッとしたのは確かだ。
だが、彼の身体がいつになく強張っていることに、星歌は怯えた。
「よ、用は終わったの?」
問うと、行人は小さなため息。
フウッと吐き出す中に苛立ちの感情を込めて、それは体内から負の感情を追い出す儀式にも見受けられた。
「心配したよ。星歌の家に行ったらまだ暗いし、俺ん家にもいないし。何回も電話したけど繋がらないし。まさかと思って戻ってきたら、まだこんな所にいたなんて」
一息に喋るも、少し呼吸が乱れているのが分かった。
自分を探して走ってくれたのか、そう思うと不思議なことに指先が震える。
前方にいる翔太が唖然と口を開ける様を視界に捉えつつ、とっさに両足を踏みしめてバランスをとった。
振り返りかけた星歌の髪に、低い声が降り注ぐ。
「探したよ、星歌」
声は硬く、僅かに怒りを含んでいるのが伺えた。
行人である。
義弟の登場にホッとしたのは確かだ。
だが、彼の身体がいつになく強張っていることに、星歌は怯えた。
「よ、用は終わったの?」
問うと、行人は小さなため息。
フウッと吐き出す中に苛立ちの感情を込めて、それは体内から負の感情を追い出す儀式にも見受けられた。
「心配したよ。星歌の家に行ったらまだ暗いし、俺ん家にもいないし。何回も電話したけど繋がらないし。まさかと思って戻ってきたら、まだこんな所にいたなんて」
一息に喋るも、少し呼吸が乱れているのが分かった。
自分を探して走ってくれたのか、そう思うと不思議なことに指先が震える。
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