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【2.砕け散る星】夜空に降る涙
夜空に降る涙(5)
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「何用? あ、ああ……白川さん、店にスマホ忘れたでしょ。きっと困ってるって思って。今日書いてもらった住所見て届けに来たんだよ」
「えっ、あっ……」
反射的にカバンを探って、それが定位置にないことを確認する。
「た、助かったよ。寝る前にラノベ……いや、ニュースのチェックするのが日課だから」
わざわざごめんね、こんな所まで来てもらって──そう言いながら、既に電源の落ちたスマートフォンに引き寄せられるように翔太の元へ近付いた。
刹那、空の低い位置で雲に隠れていた月が煌々と姿を現す。
白い光に照らされて、ふたりは数秒視線を交わした。
そっと……翔太の手がのびた。
小指の先が、星歌の頬に優しく触れる。
びくりと身を震わせた星歌だが、切なく細められた翔太の目に映る己の姿を見据えると全身から力が抜けていくのを感じた。
「泣いてたのか? 涙の痕にみえる……」
触れるか触れないかの優しさで、小指が頬から目元をなぞった。
「な、泣いてないよ……」
左手に握りしめたままのブレスレットの残骸。その星が手の平に刺さって、痛い。
「えっ、あっ……」
反射的にカバンを探って、それが定位置にないことを確認する。
「た、助かったよ。寝る前にラノベ……いや、ニュースのチェックするのが日課だから」
わざわざごめんね、こんな所まで来てもらって──そう言いながら、既に電源の落ちたスマートフォンに引き寄せられるように翔太の元へ近付いた。
刹那、空の低い位置で雲に隠れていた月が煌々と姿を現す。
白い光に照らされて、ふたりは数秒視線を交わした。
そっと……翔太の手がのびた。
小指の先が、星歌の頬に優しく触れる。
びくりと身を震わせた星歌だが、切なく細められた翔太の目に映る己の姿を見据えると全身から力が抜けていくのを感じた。
「泣いてたのか? 涙の痕にみえる……」
触れるか触れないかの優しさで、小指が頬から目元をなぞった。
「な、泣いてないよ……」
左手に握りしめたままのブレスレットの残骸。その星が手の平に刺さって、痛い。
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