59 / 136
【2.砕け散る星】鎌首
鎌首(6)
しおりを挟む
「応援とか頑張ったら、ノド痛くなったりしたなぁと。そういう思い出もあったかなぁと……」
困ったように眉をひそめ、それから行人が静かに肩を揺らす。
どうやら笑っているらしい。
「……いや、星歌がアホなの忘れてた。あっ、アホじゃなくて天然」
「それ、言い直す意味ある? どっちにしろ私のこと小馬鹿にしてるよね!」
「してない、してない。事実だけを言ってる」
「そこだよ! あんたのそういうとこだよ!」
声を荒げながらも、どこかホッとしているのは確かだ。
行人の目がいつもの穏やかなものに戻っていたから。
蛇を連想させるさっきの目つき。
冷たい息吹に、心臓が凍る予感を覚えたから。
おつかれさまの声に送られるように、夕暮れの朱色の世界へと星歌と行人は吐き出された。
黙ったまま並んで歩を進めるものの、星歌の足取りは幾分重い。
困ったように眉をひそめ、それから行人が静かに肩を揺らす。
どうやら笑っているらしい。
「……いや、星歌がアホなの忘れてた。あっ、アホじゃなくて天然」
「それ、言い直す意味ある? どっちにしろ私のこと小馬鹿にしてるよね!」
「してない、してない。事実だけを言ってる」
「そこだよ! あんたのそういうとこだよ!」
声を荒げながらも、どこかホッとしているのは確かだ。
行人の目がいつもの穏やかなものに戻っていたから。
蛇を連想させるさっきの目つき。
冷たい息吹に、心臓が凍る予感を覚えたから。
おつかれさまの声に送られるように、夕暮れの朱色の世界へと星歌と行人は吐き出された。
黙ったまま並んで歩を進めるものの、星歌の足取りは幾分重い。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ヤリたい男ヤラない女〜デキちゃった編
タニマリ
恋愛
野獣のような男と付き合い始めてから早5年。そんな彼からプロポーズをされ同棲生活を始めた。
私の仕事が忙しくて結婚式と入籍は保留になっていたのだが……
予定にはなかった大問題が起こってしまった。
本作品はシリーズの第二弾の作品ですが、この作品だけでもお読み頂けます。
15分あれば読めると思います。
この作品の続編あります♪
『ヤリたい男ヤラない女〜デキちゃった編』
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる