あの日の恋

出会い系サイト

東京の一夜2

シャワーを浴び、ドライヤーで髪を乾かしながらスマホを手にする。先ほど登録したサイトに入ってみると、サユリ宛に20件ものメッセージが届いていた。

（何これ？　こんなに直ぐ来るんだ！）

あまりの早さに驚きながら、興味本位で中を読んでいった。


20代前半から50代後半まで、様々な年代の男性からメッセージがあった。

（これから割り切りでどう？　20代）
（相手がまだ見つかってないなら相手になるよ　30代）
（かなり年上だけど良かったら　50代）
等々、メッセージの書き方でその人の人格目見える気がして面白かった。そして一人だけ、サユリの目を引くメッセージがあった。
（40代です。出張でこちらに来られたとのこと、お仕事大変ですね。もし良かったらお返事ください）

JYOというハンドルネームの彼。
プロフィールには174センチ67キロで既婚とある。そして軽くぼかしてはいるものの、顔写真が付いており、メッセージの文章も他とは違い丁寧で、決して嫌悪感を抱くような男性ではなかった。

どうせ無料だし、と、サユリはその相手にだけ返事を返してみた。

＂メッセージ、ありがとうございます。明日には東京を発つのであまり時間はありませんが、誰かいるかなって思い登録しました。今は池袋にいます。またご都合が良ければお返事ください＂ 

そして再びドライヤーで髪を乾かし、明日の準備の確認を済ませた。

するとすでに返信が届いていた。

（明日には東京を発たれるんですね。もし良かったらですが……今夜だけお付き合いいただけませんか？謝礼はいたします）

時刻は20時22分。

しばらく考えた末、サユリはそれに返信をした。そしてもう一度私服に着替えて軽くメイクを済ませ、ホテルの部屋を後にした。


続