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従兄との秘密
従兄弟
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あれは20歳の夏のこと。
父の実家がある福島に行った時のことでした。
父の実家にはお爺ちゃんとお婆ちゃん、そして父の兄(叔父)夫婦と、その長女の美鈴さん(27歳)、長男の陸くん(25歳)が暮らしていました。幼い頃から夏休みと冬休みには私たち家族も帰省することが多かったのと、美鈴さんは大学が東京だったこともあり、みんなとても仲良しでした。
その夏は5泊の予定で行ったのですが、2日目にお爺ちゃん、お婆ちゃんと叔父夫婦、そして私の両親で温泉旅館に行くことになり、美鈴さんと陸くんと私は留守番をすることになりました。
私の父が運転する車を見送って3人でケーキを食べながらしばらく話をしていると、美鈴さんがスマホを持って自分の部屋に行きました。
「あいつ、なんか悪いこと考えてるな」
陸くんがその後ろ姿にチラッと目を向けて呟きます。
「何、なに? 悪いことって?」
「みんな居ないからね。きっと遊びに行こうとしてるんだよ」
「そうなの?」
「佳奈ちゃんだから言うけど、あいつ最近彼氏と別れたっぽくてさ、こっちに帰って来てから地元の男友達と頻繁にやり取りしてんだよ」
「そうなんだ……」
美鈴さんは誰が見ても綺麗な女性で男の人にモテるタイプ。前に遊びに来た時も彼氏が車で迎えが来て東京に帰って行ったのを思い出しました。弟にあたる陸くんはきっと複雑な心境だったのかなって、今になってそう思います。
しばらくすると美鈴さんが部屋から出てきました。室内着だったさっきとは異なり、花柄のブルーのワンピースを着て、お化粧もバッチリって感じでした。
「陸、私これから友達と遊んで来るから。佳奈ちゃん、せっかく来てくれたのにごめんね」
程なくすると一台の車がやって来て、美鈴さんはそれに乗り込んで出掛けて行きました。もちろんハンドルを握っていたのは男の人でした。
「あいつ、男遊びが過ぎるんだよ」
陸くんがそう呟きました。
そして私と陸くんの2人だけが広いこの家に残されたのでした。
続
父の実家がある福島に行った時のことでした。
父の実家にはお爺ちゃんとお婆ちゃん、そして父の兄(叔父)夫婦と、その長女の美鈴さん(27歳)、長男の陸くん(25歳)が暮らしていました。幼い頃から夏休みと冬休みには私たち家族も帰省することが多かったのと、美鈴さんは大学が東京だったこともあり、みんなとても仲良しでした。
その夏は5泊の予定で行ったのですが、2日目にお爺ちゃん、お婆ちゃんと叔父夫婦、そして私の両親で温泉旅館に行くことになり、美鈴さんと陸くんと私は留守番をすることになりました。
私の父が運転する車を見送って3人でケーキを食べながらしばらく話をしていると、美鈴さんがスマホを持って自分の部屋に行きました。
「あいつ、なんか悪いこと考えてるな」
陸くんがその後ろ姿にチラッと目を向けて呟きます。
「何、なに? 悪いことって?」
「みんな居ないからね。きっと遊びに行こうとしてるんだよ」
「そうなの?」
「佳奈ちゃんだから言うけど、あいつ最近彼氏と別れたっぽくてさ、こっちに帰って来てから地元の男友達と頻繁にやり取りしてんだよ」
「そうなんだ……」
美鈴さんは誰が見ても綺麗な女性で男の人にモテるタイプ。前に遊びに来た時も彼氏が車で迎えが来て東京に帰って行ったのを思い出しました。弟にあたる陸くんはきっと複雑な心境だったのかなって、今になってそう思います。
しばらくすると美鈴さんが部屋から出てきました。室内着だったさっきとは異なり、花柄のブルーのワンピースを着て、お化粧もバッチリって感じでした。
「陸、私これから友達と遊んで来るから。佳奈ちゃん、せっかく来てくれたのにごめんね」
程なくすると一台の車がやって来て、美鈴さんはそれに乗り込んで出掛けて行きました。もちろんハンドルを握っていたのは男の人でした。
「あいつ、男遊びが過ぎるんだよ」
陸くんがそう呟きました。
そして私と陸くんの2人だけが広いこの家に残されたのでした。
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