黒猫ちゃんは愛される

抹茶もち

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文化祭準備はてんてこまいです

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「遥、あーん」

ご飯を食べ終わり奏さんと一緒に片付けをした後いつものソファーに座ってカフェオレを飲みながらのんびりしていると、おもむろに冷蔵庫を開けて戻ってきた奏さんに口元に何かを差し出された。

いつもの癖で何かを確かめる事もなく口を開いて入ってきたものをもぐもぐと噛むと、苺のような甘酸っぱさが口内に広がった。

美味しい・・・!焼き菓子かな?でもなんかトロッとしてる所もあるし・・・、何だろ?


ふにゃりと頬を緩めたまま隣に座り直した奏さんを見上げると、僕の顔を見た奏さんが嬉しそうにニッコリと笑った。


「気に入ってくれたみたいで良かった。このマカロン、遥が好きそうだなって取り寄せてたんだ。文化祭が終わったら頑張ったご褒美って事で一緒に食べようと思ってたんだけど今日会えたからね。ちょっと早いけど今日までたくさん頑張った遥へのご褒美だよ」


『わぁ・・・っ!いいんですか?すっごく嬉しいですっ!ありがとうございます』

「どういたしまして。はい、あーん」

にっこにこの僕のお口に今度は緑のマカロンを差し出してくれる奏さん。パカっとお口を開けて迎え入れると、今度は抹茶の味がした。どれ食べても美味しい~!

ニマニマしながら味わっていると、奏さんがジッと僕を見つめているのに気付く。ん?とコテリと首を傾げると、そっと頭を撫でられた。


「ねぇ遥、俺も味見していい?」


もともと奏さんのなんだから聞かなくてもいいのに、なんて思いつつもお口の中にまだマカロンが居るから喋れなくて、飲み込みながらもコクコクと一生懸命頷いた。


「ありがとう。じゃあ遠慮なく」


そう言ってニッコリ笑った奏さんは、僕の頭をグッと引き寄せて僕の唇をペロリと舐めた。

その感触に驚いてビクリと肩を震わせる僕をジッと見つめた奏さんは、そのまま再度唇を寄せる。

ちゅ、と柔らかい唇が触れると同時にぬるりと舌が口内に侵入してく。まだ甘味が残る口内を味わうようにじっくりと舐られ体温が上がっていく。


「遥のお口の中、美味しいね。もっと食べたくなっちゃうよ」


少し唇を離して目を細める奏さんの溢れるような色気に当てられ、口をハクハクとさせるしか出来なかった僕は、言葉の代わりにぎゅっと奏さんの胸元に縋り付きジッと奏さんを見つめ返した。


「そんな可愛い事をすると止めてあげられなくなっちゃうよ・・・?」


そう言って艶やかに笑った奏さんの表情を見ただけでゾクゾクと背筋に何かが走る。

ふるりと震えた僕の耳元にそっと唇を寄せた奏さんは、吐息混じりの声で優しく、甘く、呟いた。


「・・・今日はいつもよりもう少し、気持ちいい事してみようか」


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