黒猫ちゃんは愛される

抹茶もち

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2学期が始まります

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「遥・・・寂しくなったらすぐ連絡するんだぞ?いつでも電話してきていいからな。なんなら外出届けとって帰ってきてもいいんだからな。ご飯はちゃんと食べるんだぞ?それからちゃんと早寝早起きして体を大事にーーー・・・」



あっという間に夏休み最終日。おにぃの車に乗せてもらって桜華学園に戻ってきた・・・んだけど、校門の近くに車を停め、トランクを車から下ろした状態のままおにぃが瞳を潤ませながら永遠と心配を垂れ流してるんだよね。

心配してくれるのは凄く嬉しいんだけど、もう数十分は話し続けてるからそろそろいいと思う。そろそろお腹ペコペコだから早くお昼ご飯食べたいし。


『おにぃ、たくさん心配してくれてありがとう。何かあったらすぐ連絡するから大丈夫だよ。おにぃこそ何かあったらちゃんと連絡してね?大学と後継のお勉強大変だと思うけど、体に気をつけてね』


「は、はるぅ・・・。ありがとう。俺の可愛い可愛い弟は本当に優しいなぁ・・・天使だ。ここに天使がいる・・・!」


なぜかプルプル震えながら涙目になってるおにぃ。ブラコンは今日も健在です。


『じゃあ僕お腹すいたからもう行くねっ!また長期休暇に。帰り、気をつけてねっ!』



おにぃが手に持っていたトランクをパッと受け取っておにぃにバイバイする。


「あ・・・!遥!学園生活気をつけるんだぞ!何かあったら股間を蹴り上げろよ!それでお兄ちゃんに連絡しろよ!」


『はいはーいっ!』


ヒラヒラと手を振ってサラリと流す。学園で人の股間を蹴り上げないといけないような事が起こるのかは疑問だけども。


少し早足で寮に戻って部屋に入ると、凄く美味しそうな匂いが漂っていた。隆も今日帰るって言ってたけど、僕より帰ってくるの早かったみたい。キッチンからヒョコリと隆が顔を覗かせた。


「お、遥。おかえり。昼飯準備してあるから手洗っといで」

『隆~!ただいまっ!じゃあトランク持っていってから手洗ってくる』

「んや、トランクは俺が持ってとくから。腹減ってるだろ?」

『いいの?ありがと~!じゃあ急いで手洗ってくるっ!』


頭を優しく撫でてくれる隆ににっこりと笑顔を返して手を洗いに洗面台に急いだ。


久しぶりに隆と一緒に寮ごはん。嬉しくてニコニコのまま隆が作ってくれたランチをペロリと平らげ、一緒に後片付けをした。


「遥、カフェオレ飲むか?」

『ん、飲む!』

「じゃあソファー行ってローテーブルの上アルコールで拭いておいてくれないか?帰ってきてまだ1度も使ってないからな」

『りょーかいしました!』


隆にアルコールスプレーと使い捨ての台拭きを渡されたので、任務を完遂するためにローテーブルへ向かった。


「ん、どうぞ」

『・・・あれ?これ、こないだの猫脚グラス!』

「遥が買うか迷ってただろ?グラスはたくさんあるけどさ、せっかくだから遥とお揃いのがあったらいいなって思って買っておいたんだ」

『そうだったの?全然気付かなかった・・・!ありがとう隆!すっごく可愛い!』


少し照れながらそう言う隆にキラキラと瞳が輝く。スパダリっていうのはこういう人のことをいうのではないかと思うんだ。さすが隆。





隆の股の間に座り、お揃いの猫脚グラスで美味しく食後のティータイムを過ごして、穏やかに夏休み最終日が過ぎていった。



明日から2学期。久しぶりの登校、楽しみだなぁ。


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