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実家に帰省しました
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おにぃと父さんに断って、雪兎と軽い軽食と飲み物を取って会場の隅へ移動した。丁度挨拶回りが終わった所でよかった。
「遥達にはいつかちゃんと本当の僕を見てもらいたいって、ずっと思っていたんだ。こんな形で驚かせるつもりじゃなくて・・・申し訳なかった」
切なそうに眉を下げ謝る雪兎に、フルフルと首を振る。
『気にしてないよ。雪兎が編入した日に話した通り、雪兎はお顔隠したいんだろうなって思ってたし。それにね、僕の瞳、見て?学園ではカラコンで黒くしてるけど、本当は今みたいな琥珀色なの。僕も隠してたからおあいこだよ』
ジッと雪兎を見てそう言うと、微笑んでお礼を言われた後、顔を覗き込まれた。
「本当に遥は・・・。敵わないなぁ。ありがとう。・・・今日はカラーコンタクトを付けているのかと思っていたけど、遥の瞳はこんなに綺麗だったんだね。いつもの黒い瞳も綺麗だと思っていたけど、琥珀色の瞳は今にも吸い込まれてしまいそうな程に綺麗だよ。今までただ目が悪いから普段もコンタクトを付けているのだと思っていたよ。こんな素敵なものが隠れていたんだね」
至近距離で王子様フェイスに微笑まれ褒め続けられ、なんだか照れてしまう。上気した頬を冷やすように手を当てながら少し俯いた。
『雪兎、褒めすぎ。恥ずかしいよ。でもそれを言うなら雪兎の隠れてた素顔の方が素敵だと思うけどなぁ。特に僕、雪兎のアクアマリンみたいな綺麗な瞳の色、凄く好きだなぁ』
えへへ、と照れ笑いを溢しながらそう言うと、雪兎の白い肌がブワッと赤くなった。
『え?雪兎顔真っ赤・・・!大丈夫?暑い?ちょっと外の空気吸う?』
突然真っ赤になって固まってしまった雪兎に慌ててそう言うと、顔に手を当て隠してしまった。
「大丈夫、心配かけてすまない。遥に好きと言ってもらえて嬉しかったんだ。照れてしまったよ」
『へぁ?』
雪兎に予想外の事を言われ驚いて変な声を出してしまった。雪兎の照れが伝染して僕までブワッと頬が熱くなってくる。
「・・・それにしても遥に俺の顔面が効くとは思わなかったな。あまり人の外見に頓着しないだろう?気に入ってくれたのかい?」
もらい照れをしている僕を見た雪兎はさっきまでの照れ照れ雪兎とは一転して、悪戯っぽい笑顔を浮かべる。どんな顔しても格好良いなぁ。
『んー、そうかな?正直顔の良し悪しは気にしないかもしれないけど、外見って内面から滲み出るものがあると思うし、普通に格好良い人だなって思う事くらいあるよ。でもいくら顔の造形が良くても、内面が意地の悪い人とかは格好良いって思った事ないかもしれないなぁ。雪兎は良い子なのを僕は知ってるし、王子様みたいでちょっとドキドキしちゃうよ』
んー・・・、と考えながらそう言うと、耳まで赤くした雪兎が顔を手で隠して天井を見上げる。
「・・・・・・俺は一生遥に敵う気がしない。もっと遥の可愛い照れ顔が見れるかと思ったのに」
ポツリと何事かを呟く雪兎に、天井に何かあるのかと雪兎につられて上を見上げていた僕はキョトンとする。
ふー・・・・・・、と長めに息を吐き出しながら僕の顔に視線を戻した雪兎は、一度腕に巻いたビンテージのような腕時計に視線を向け、苦笑を浮かべた。
「本当はもっと話していたいけど、時間があまり無いようだね。そろそろ俺の逆猫被りの話をしようか」
そう言って真面目な顔で僕の目をジッと見つめる雪兎にコクリと頷く。
それを確認した雪兎は、僕の瞳を見つめたままゆっくりと口を開いた。
「僕の父の名はDaniel Sanchez。一ノ瀬は母方の苗字で、俺は所謂妾の子ってやつなんだよ」
「遥達にはいつかちゃんと本当の僕を見てもらいたいって、ずっと思っていたんだ。こんな形で驚かせるつもりじゃなくて・・・申し訳なかった」
切なそうに眉を下げ謝る雪兎に、フルフルと首を振る。
『気にしてないよ。雪兎が編入した日に話した通り、雪兎はお顔隠したいんだろうなって思ってたし。それにね、僕の瞳、見て?学園ではカラコンで黒くしてるけど、本当は今みたいな琥珀色なの。僕も隠してたからおあいこだよ』
ジッと雪兎を見てそう言うと、微笑んでお礼を言われた後、顔を覗き込まれた。
「本当に遥は・・・。敵わないなぁ。ありがとう。・・・今日はカラーコンタクトを付けているのかと思っていたけど、遥の瞳はこんなに綺麗だったんだね。いつもの黒い瞳も綺麗だと思っていたけど、琥珀色の瞳は今にも吸い込まれてしまいそうな程に綺麗だよ。今までただ目が悪いから普段もコンタクトを付けているのだと思っていたよ。こんな素敵なものが隠れていたんだね」
至近距離で王子様フェイスに微笑まれ褒め続けられ、なんだか照れてしまう。上気した頬を冷やすように手を当てながら少し俯いた。
『雪兎、褒めすぎ。恥ずかしいよ。でもそれを言うなら雪兎の隠れてた素顔の方が素敵だと思うけどなぁ。特に僕、雪兎のアクアマリンみたいな綺麗な瞳の色、凄く好きだなぁ』
えへへ、と照れ笑いを溢しながらそう言うと、雪兎の白い肌がブワッと赤くなった。
『え?雪兎顔真っ赤・・・!大丈夫?暑い?ちょっと外の空気吸う?』
突然真っ赤になって固まってしまった雪兎に慌ててそう言うと、顔に手を当て隠してしまった。
「大丈夫、心配かけてすまない。遥に好きと言ってもらえて嬉しかったんだ。照れてしまったよ」
『へぁ?』
雪兎に予想外の事を言われ驚いて変な声を出してしまった。雪兎の照れが伝染して僕までブワッと頬が熱くなってくる。
「・・・それにしても遥に俺の顔面が効くとは思わなかったな。あまり人の外見に頓着しないだろう?気に入ってくれたのかい?」
もらい照れをしている僕を見た雪兎はさっきまでの照れ照れ雪兎とは一転して、悪戯っぽい笑顔を浮かべる。どんな顔しても格好良いなぁ。
『んー、そうかな?正直顔の良し悪しは気にしないかもしれないけど、外見って内面から滲み出るものがあると思うし、普通に格好良い人だなって思う事くらいあるよ。でもいくら顔の造形が良くても、内面が意地の悪い人とかは格好良いって思った事ないかもしれないなぁ。雪兎は良い子なのを僕は知ってるし、王子様みたいでちょっとドキドキしちゃうよ』
んー・・・、と考えながらそう言うと、耳まで赤くした雪兎が顔を手で隠して天井を見上げる。
「・・・・・・俺は一生遥に敵う気がしない。もっと遥の可愛い照れ顔が見れるかと思ったのに」
ポツリと何事かを呟く雪兎に、天井に何かあるのかと雪兎につられて上を見上げていた僕はキョトンとする。
ふー・・・・・・、と長めに息を吐き出しながら僕の顔に視線を戻した雪兎は、一度腕に巻いたビンテージのような腕時計に視線を向け、苦笑を浮かべた。
「本当はもっと話していたいけど、時間があまり無いようだね。そろそろ俺の逆猫被りの話をしようか」
そう言って真面目な顔で僕の目をジッと見つめる雪兎にコクリと頷く。
それを確認した雪兎は、僕の瞳を見つめたままゆっくりと口を開いた。
「僕の父の名はDaniel Sanchez。一ノ瀬は母方の苗字で、俺は所謂妾の子ってやつなんだよ」
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