83 / 222
体育祭の時期だそうです
8
しおりを挟む
次の日から放課後の応援練習が始まった。
隆と颯汰と八神先輩と書記さんは太鼓班、僕と國澤先輩と書記さん以外の生徒会の人が応援、生徒会長が旗兼応援っていう班分けになったんだけど。
⋯⋯分かってた、どう頑張っても僕が太鼓に行ける程ムキムキになれないって。正直太鼓格好良いからちょっとやってみたかったなぁ。それに隆と颯汰と別々になっちゃった。ちょっと寂しい。
班別に別れて練習する事になったんだけど、これがね、とっても大変!僕、よく考えたら大きな声出す事って無かったんだよね。だからまず発声がヨワヨワだった⋯⋯。
それに比べて國澤先輩が誰よりも凄くよく通る声でびっくりしちゃった。どうしてそんなに声が通るんですか?って聞いたら、親衛隊総隊長ですからね。ってちょっと遠い目をしてた。うん、苦労されてるんですね・・・・・・。
月城兄弟は、声出しが始まるといつもの無邪気さがどこかに家出しちゃったみたいに男前だった。声も遠くまで通るし、なんだかいつもと違うんだ。なんだか可愛い弟達みたいに思ってたけど、男の人、って感じでちょっと落ち着かない。
琉唯先輩は、普段綺麗に微笑んでる事が多いから意外だったんだけど、最初に実演してくれた見本が大迫力でものすっごく格好良くて思わずポケッと魅入っちゃった。綺麗で凛々しくて、琉唯先輩って最強なんじゃ?
九条くんは僕と一緒で声出しが苦手みたい。困ったように笑ってる。仲間だぁ。練習一緒にしよって誘ってもいいかなぁ?1人でやるより良いと思うんだよね。うー・・・・・・でも話しかけるのは緊張するなぁ。
そんな風に考えていたから、無意識に九条くんをチラチラと見てしまっていたみたいで、パチッと目が合ってしまった。あぁ・・・・・・!心の準備がまだ!まだできてない!!
動揺して視線をうろうろさせてしまった僕を見て、へにゃっと眉を下げた九条くんはきまり悪そうに僕の方へと歩いてきた。
「あの・・・・・・遥くん、こないだはごめん。急に迫って驚かせたよね。俺、遥くんの事、人伝に聞いた情報だけで誤解してたみたい。焦って逃げ出しちゃったけど、本当はずっと謝りたくて。本当ごめんね」
へぁ?迫って・・・・・・迫って?そんなことあったっけ?うーんと・・・・・・あ!壁ドンされて俺のことどう思うって言われたやつか!謎過ぎて考えるのやめたから忘れてた。そんなに気にしてくれてたんだ。逆になんか申し訳ないなぁ。
「んーん、僕の方こそ勝手に髪の毛触っちゃってごめんなさい」
「いや、あれは・・・・・・大丈夫。あんなふうに下心無く髪を触られたの、子供のころ以来だったから、びっくりして逃げ出しちゃったけど、正直嬉しかった・・・・・・んだよね」
そう言って照れくさそうに目線を下げる九条くんに驚く。
え?そうだったの?絶対嫌がられてると思ってた。よかったぁ。正直九条くんのサラサラでキラキラの金髪、もう一度触ってみたかったんだよね。嫌じゃなかったならまたいつか触らせてもらえるかな?人の嫌がる事はしたくないから、今度はちゃんと許可取らなきゃね。
「そっかぁ、嫌がられてなくてよかった。僕も別に嫌なことされたなんて思ってないし、気にしないで?それでね、あの、九条くん、もしよかったらなんだけど。声出しとかの練習、一緒にしない、かな?僕声出し本当に苦手で・・・・・・九条くんも苦手そうだったから、一緒に練習出来たら嬉しいなって思ったんだけど、どうかなぁ?」
そう伺うように言うと、九条くんは目を丸くして驚いていた。
「え?俺と・・・・・・?るいるい先輩とかあーちゃんゆーちゃんの方が仲いいんじゃないの?本当に俺でもいいの?」
「うん、僕九条くんと一緒に練習したい。九条くんが良ければだけど・・・・・・」
「そっか、俺と・・・・・・。うん、いいよ、一緒に練習しよう」
「本当?嬉しい!頑張って練習して、みんなをびっくりさせちゃおうっ!」
「そうだね。一緒に頑張ろう」
九条くんはなんだか眩しいものでも見るような表情をしながらそう言ってくれた。もう太陽は沈みかけてるのに、眩しいの苦手なのかな?
でも練習仲間が出来てよかったっ!頑張って格好良く応援できるようになるんだぁ~!
あれ・・・・・・?そういえば九条くん、喋り方がいつもと違った?うーん?いつもの喋り方は可愛いけど、さっきみたいな喋り方してると余計に美形に見えるかも。
・・・・・・ま、いっか。それだけ応援合戦に真剣って事だよね、きっと。
首を傾げて一瞬考え込んだけど、どっちにしろ九条くんは九条くんだし、と自己完結をして、さっそく九条くんと一緒に一生懸命練習することにした。
これから放課後は一緒に練習しようねと約束をして、どうしても行けない時に連絡を取るために、と連絡先を聞かれたので携帯を渡して追加してもらった。
僕のお友達欄が増えていく・・・・・・!桜華学園って、いい人がいっぱい居るなぁ。最初は馴染めるか不安だったけど、この学園に来てよかった、と携帯の連絡先一覧を見ながら改めて思った。
隆と颯汰と八神先輩と書記さんは太鼓班、僕と國澤先輩と書記さん以外の生徒会の人が応援、生徒会長が旗兼応援っていう班分けになったんだけど。
⋯⋯分かってた、どう頑張っても僕が太鼓に行ける程ムキムキになれないって。正直太鼓格好良いからちょっとやってみたかったなぁ。それに隆と颯汰と別々になっちゃった。ちょっと寂しい。
班別に別れて練習する事になったんだけど、これがね、とっても大変!僕、よく考えたら大きな声出す事って無かったんだよね。だからまず発声がヨワヨワだった⋯⋯。
それに比べて國澤先輩が誰よりも凄くよく通る声でびっくりしちゃった。どうしてそんなに声が通るんですか?って聞いたら、親衛隊総隊長ですからね。ってちょっと遠い目をしてた。うん、苦労されてるんですね・・・・・・。
月城兄弟は、声出しが始まるといつもの無邪気さがどこかに家出しちゃったみたいに男前だった。声も遠くまで通るし、なんだかいつもと違うんだ。なんだか可愛い弟達みたいに思ってたけど、男の人、って感じでちょっと落ち着かない。
琉唯先輩は、普段綺麗に微笑んでる事が多いから意外だったんだけど、最初に実演してくれた見本が大迫力でものすっごく格好良くて思わずポケッと魅入っちゃった。綺麗で凛々しくて、琉唯先輩って最強なんじゃ?
九条くんは僕と一緒で声出しが苦手みたい。困ったように笑ってる。仲間だぁ。練習一緒にしよって誘ってもいいかなぁ?1人でやるより良いと思うんだよね。うー・・・・・・でも話しかけるのは緊張するなぁ。
そんな風に考えていたから、無意識に九条くんをチラチラと見てしまっていたみたいで、パチッと目が合ってしまった。あぁ・・・・・・!心の準備がまだ!まだできてない!!
動揺して視線をうろうろさせてしまった僕を見て、へにゃっと眉を下げた九条くんはきまり悪そうに僕の方へと歩いてきた。
「あの・・・・・・遥くん、こないだはごめん。急に迫って驚かせたよね。俺、遥くんの事、人伝に聞いた情報だけで誤解してたみたい。焦って逃げ出しちゃったけど、本当はずっと謝りたくて。本当ごめんね」
へぁ?迫って・・・・・・迫って?そんなことあったっけ?うーんと・・・・・・あ!壁ドンされて俺のことどう思うって言われたやつか!謎過ぎて考えるのやめたから忘れてた。そんなに気にしてくれてたんだ。逆になんか申し訳ないなぁ。
「んーん、僕の方こそ勝手に髪の毛触っちゃってごめんなさい」
「いや、あれは・・・・・・大丈夫。あんなふうに下心無く髪を触られたの、子供のころ以来だったから、びっくりして逃げ出しちゃったけど、正直嬉しかった・・・・・・んだよね」
そう言って照れくさそうに目線を下げる九条くんに驚く。
え?そうだったの?絶対嫌がられてると思ってた。よかったぁ。正直九条くんのサラサラでキラキラの金髪、もう一度触ってみたかったんだよね。嫌じゃなかったならまたいつか触らせてもらえるかな?人の嫌がる事はしたくないから、今度はちゃんと許可取らなきゃね。
「そっかぁ、嫌がられてなくてよかった。僕も別に嫌なことされたなんて思ってないし、気にしないで?それでね、あの、九条くん、もしよかったらなんだけど。声出しとかの練習、一緒にしない、かな?僕声出し本当に苦手で・・・・・・九条くんも苦手そうだったから、一緒に練習出来たら嬉しいなって思ったんだけど、どうかなぁ?」
そう伺うように言うと、九条くんは目を丸くして驚いていた。
「え?俺と・・・・・・?るいるい先輩とかあーちゃんゆーちゃんの方が仲いいんじゃないの?本当に俺でもいいの?」
「うん、僕九条くんと一緒に練習したい。九条くんが良ければだけど・・・・・・」
「そっか、俺と・・・・・・。うん、いいよ、一緒に練習しよう」
「本当?嬉しい!頑張って練習して、みんなをびっくりさせちゃおうっ!」
「そうだね。一緒に頑張ろう」
九条くんはなんだか眩しいものでも見るような表情をしながらそう言ってくれた。もう太陽は沈みかけてるのに、眩しいの苦手なのかな?
でも練習仲間が出来てよかったっ!頑張って格好良く応援できるようになるんだぁ~!
あれ・・・・・・?そういえば九条くん、喋り方がいつもと違った?うーん?いつもの喋り方は可愛いけど、さっきみたいな喋り方してると余計に美形に見えるかも。
・・・・・・ま、いっか。それだけ応援合戦に真剣って事だよね、きっと。
首を傾げて一瞬考え込んだけど、どっちにしろ九条くんは九条くんだし、と自己完結をして、さっそく九条くんと一緒に一生懸命練習することにした。
これから放課後は一緒に練習しようねと約束をして、どうしても行けない時に連絡を取るために、と連絡先を聞かれたので携帯を渡して追加してもらった。
僕のお友達欄が増えていく・・・・・・!桜華学園って、いい人がいっぱい居るなぁ。最初は馴染めるか不安だったけど、この学園に来てよかった、と携帯の連絡先一覧を見ながら改めて思った。
61
お気に入りに追加
2,579
あなたにおすすめの小説
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
風紀“副”委員長はギリギリモブです
柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。
俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。
そう、“副”だ。あくまでも“副”。
だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに!
BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
眠り姫
虹月
BL
そんな眠り姫を起こす王子様は、僕じゃない。
ただ眠ることが好きな凛月は、四月から全寮制の名門男子校、天彗学園に入学することになる。そこで待ち受けていたのは、色々な問題を抱えた男子生徒達。そんな男子生徒と関わり合い、凛月が与え、与えられたものとは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる