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時期外れの編入生が来るようです
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わちゃわちゃと話しながら食堂に付いた僕たちは、扉の前で恒例の耳栓を付ける。
「耳栓?お前ら何してるんだ??」
戸惑っている雪兎に、悪い事は言わないから付けときなさい、とそっと予備の耳栓を付けてあげる。大人しくつけてくれた雪兎を確認した後、扉の取っ手を握っている颯汰にコクンと頷く。
「よし、じゃあ開けるよ」
────きゃあぁああああああああ!!!!!
大神様ぁーーー!!!僕を取り締まってぇ~!!!
柳様は今日も王子様のよう・・・・・・!!!抱いてくださいぃぃい!!!
氷姫は今日も麗しい!!抱かせてもらえたら我が人生思い残すことなどないのに・・・・・・!!!
氷姫の普段の冷たい瞳がお三方で居る時だけ蕩ける所⋯⋯たまらんん!!!
あの平凡またあのお三方と一緒に・・・・・・!なんと羨まし・・・・・・けしからん!!!
なんだあの毬藻!!!あのお三方に纏わりついて・・・・・・身の程を知れ!!!
・・・・・・耳栓は快適だなぁ。何言ってるかぜーんぜん分かんないから今話しかけられても気付けないけど。初めてお昼に食堂来た時、隆に耳栓渡されたときは本当に困惑したけど、この地響きみたいな悲鳴を直で聞いたら僕の鼓膜が危なかった。隆には助けてもらってばっかりだなぁ。雪兎は大丈夫だろうか?
チラリと雪兎を見ると、面食らったような顔をしながらちょこちょこと僕たちの後を付いてくる。よかった、鼓膜は無事みたいだ。
いつもの定位置に座って耳栓を取った後タブレットで注文をする。今日はミートパスタと季節のアイスにしようっ!楽しみだなぁ~!!
雪兎、僕、隆、雪兎と僕の向かいに颯汰、その隣が律という感じで座っているので雪兎にタブレットの使い方を教えながら注文してあげる。雪兎はオムライスらしい。隆はいつも通り日替わり定食で、颯汰がA定食、律はチキンドリアだって。みんなデザートも頼んでいる。ここのご飯は凄く美味しいんだけど、デザートは格別に美味しいからねっ!!!僕が甘いもの大好きだから余計にそう思うのかもしれないけど。
全員同じタイミングで注文したものが届いたので、皆でいただきますをして食べ始める。
ミートパスタ、とっても美味しい~!しあわへぇ・・・・・・!!
頬を緩めながらむぐむぐと食べていると、いつもの様に隆が日替わり定食のおかずを僕の口元に持ってくる。今日はエビフライだっ!
パクリとエビフライにかぶりつき、キラキラした瞳で隆を見ると、美味しいか?と優しく笑んでくれる隆。いつも一品料理を頼みがちな僕に皆何かしら分けてくれる。僕もちゃんともらった分あげてるからいいよねっ?
「エビちゃんプリップリでとってもおいひぃよぉ~!隆もパスタどーぞっ!」
嬉しそうな隆にあーんをしてミートパスタを食べさせてあげる。ニコニコだから美味しかったみたいだ。よかった。
「遥、野菜も食べないとだめだよ?」
今度は颯汰が定食に付いていた大根の煮つけを口元に持ってきてくれる。
「大根しみしみでとってもおいひぃねぇ~!ありがとうっ!颯汰もどーぞっ!」
ニコニコな颯汰にもあーんをしてあげる。美味しいよって爽やかに笑ってくれた。よかった。
「は、はる!チキンも食べる・・・・・・?」
毎回ちょっと遠慮気味な律が伺うようにチキンを差し出してくれていたので、フォークを握っている律の手ごとギュっと握って僕の口元まで持ってきてパクリと食べる。チーズが唇に垂れてしまったので、ペロリと舐めてにっこり笑う。
「とってもおいしぃねっ!律も食べて?どーぞっ!」
なぜか真っ赤になっている律にあーんをする。毎回なんかぎこちないから嫌だったのかなって思って、3回目くらいの時に聞いたら、あーんに慣れてないだけで嬉しいから!!ってすごい勢いで言った後に、何言ってんだ俺は・・・・・・って突っ伏して耳まで真っ赤になって照れてたから恥ずかしがってるだけみたい。あれからそろそろひと月経つのに未だに恥ずかしがってる律、なんだか可愛いよね。
「遥!遥!!オムライスも食べるか??俺もあーんしたい!!されたい!!!」
横からズイっとスプーンが口元に来て驚きながらも、雪兎もパスタ食べたかったんだなってなんだかほっこりする。やっぱり雪兎は弟みたいで可愛いや。
「ありがとう!巻いてあるオムライス久しぶりに食べたぁ!美味しいねっ!雪兎も、はい、あーんっ」
ほっぺを赤くして頬張ったパスタを食べている雪兎はハムスターみたいで可愛い。思わず頭をよしよしと撫でてしまう。たくさん食べておっきくなろうね。
皆でニコニコご飯を食べていると、一層大きい地響きが・・・・・・いやちがう悲鳴があたりに響いた。驚いてビクリとしつつ耳を両手で塞ぐ。僕もすぐ動けるようになってきたから耐性が付いて来たのかも。
チラリと隆を見ると、また苦虫を嚙み潰したような顔をして、生徒会か・・・・・・と呟いていた。
せいとかい・・・・・・生徒会?!僕入学式以来近くで見たこと無いんだよね。隆が危ないから近付かない方が良いって言ってたし、そもそも一般生徒には縁がない人達だし。だいたいお昼もテイクアウトで食べているらしい生徒会の人達が食堂に来るなんてどうしたんだろう?
……あれ?こっちに近付いてきてない?あれぇ??
「見つけましたよ雪兎!こんな所に居たんですねっ!」
雪兎が呼ばれているのを聞いて反射的に声のする方を見ると、満面の笑みを浮かべた副会長がこちらへ小走りに近付いてきていた。わぁ、綺麗な笑顔。どうやったらあんな風に笑えるんだろう?
思わずそう思ってぼぉっと副会長を見つめてしまっていた僕を、体ごと無理やり反対方向にグリンと向けた隆は険しい顔で、こっち向いてパスタ食べとけ。ってパスタを僕の口に入れ始めた。むぐぅ・・・・・・美味しい。
「耳栓?お前ら何してるんだ??」
戸惑っている雪兎に、悪い事は言わないから付けときなさい、とそっと予備の耳栓を付けてあげる。大人しくつけてくれた雪兎を確認した後、扉の取っ手を握っている颯汰にコクンと頷く。
「よし、じゃあ開けるよ」
────きゃあぁああああああああ!!!!!
大神様ぁーーー!!!僕を取り締まってぇ~!!!
柳様は今日も王子様のよう・・・・・・!!!抱いてくださいぃぃい!!!
氷姫は今日も麗しい!!抱かせてもらえたら我が人生思い残すことなどないのに・・・・・・!!!
氷姫の普段の冷たい瞳がお三方で居る時だけ蕩ける所⋯⋯たまらんん!!!
あの平凡またあのお三方と一緒に・・・・・・!なんと羨まし・・・・・・けしからん!!!
なんだあの毬藻!!!あのお三方に纏わりついて・・・・・・身の程を知れ!!!
・・・・・・耳栓は快適だなぁ。何言ってるかぜーんぜん分かんないから今話しかけられても気付けないけど。初めてお昼に食堂来た時、隆に耳栓渡されたときは本当に困惑したけど、この地響きみたいな悲鳴を直で聞いたら僕の鼓膜が危なかった。隆には助けてもらってばっかりだなぁ。雪兎は大丈夫だろうか?
チラリと雪兎を見ると、面食らったような顔をしながらちょこちょこと僕たちの後を付いてくる。よかった、鼓膜は無事みたいだ。
いつもの定位置に座って耳栓を取った後タブレットで注文をする。今日はミートパスタと季節のアイスにしようっ!楽しみだなぁ~!!
雪兎、僕、隆、雪兎と僕の向かいに颯汰、その隣が律という感じで座っているので雪兎にタブレットの使い方を教えながら注文してあげる。雪兎はオムライスらしい。隆はいつも通り日替わり定食で、颯汰がA定食、律はチキンドリアだって。みんなデザートも頼んでいる。ここのご飯は凄く美味しいんだけど、デザートは格別に美味しいからねっ!!!僕が甘いもの大好きだから余計にそう思うのかもしれないけど。
全員同じタイミングで注文したものが届いたので、皆でいただきますをして食べ始める。
ミートパスタ、とっても美味しい~!しあわへぇ・・・・・・!!
頬を緩めながらむぐむぐと食べていると、いつもの様に隆が日替わり定食のおかずを僕の口元に持ってくる。今日はエビフライだっ!
パクリとエビフライにかぶりつき、キラキラした瞳で隆を見ると、美味しいか?と優しく笑んでくれる隆。いつも一品料理を頼みがちな僕に皆何かしら分けてくれる。僕もちゃんともらった分あげてるからいいよねっ?
「エビちゃんプリップリでとってもおいひぃよぉ~!隆もパスタどーぞっ!」
嬉しそうな隆にあーんをしてミートパスタを食べさせてあげる。ニコニコだから美味しかったみたいだ。よかった。
「遥、野菜も食べないとだめだよ?」
今度は颯汰が定食に付いていた大根の煮つけを口元に持ってきてくれる。
「大根しみしみでとってもおいひぃねぇ~!ありがとうっ!颯汰もどーぞっ!」
ニコニコな颯汰にもあーんをしてあげる。美味しいよって爽やかに笑ってくれた。よかった。
「は、はる!チキンも食べる・・・・・・?」
毎回ちょっと遠慮気味な律が伺うようにチキンを差し出してくれていたので、フォークを握っている律の手ごとギュっと握って僕の口元まで持ってきてパクリと食べる。チーズが唇に垂れてしまったので、ペロリと舐めてにっこり笑う。
「とってもおいしぃねっ!律も食べて?どーぞっ!」
なぜか真っ赤になっている律にあーんをする。毎回なんかぎこちないから嫌だったのかなって思って、3回目くらいの時に聞いたら、あーんに慣れてないだけで嬉しいから!!ってすごい勢いで言った後に、何言ってんだ俺は・・・・・・って突っ伏して耳まで真っ赤になって照れてたから恥ずかしがってるだけみたい。あれからそろそろひと月経つのに未だに恥ずかしがってる律、なんだか可愛いよね。
「遥!遥!!オムライスも食べるか??俺もあーんしたい!!されたい!!!」
横からズイっとスプーンが口元に来て驚きながらも、雪兎もパスタ食べたかったんだなってなんだかほっこりする。やっぱり雪兎は弟みたいで可愛いや。
「ありがとう!巻いてあるオムライス久しぶりに食べたぁ!美味しいねっ!雪兎も、はい、あーんっ」
ほっぺを赤くして頬張ったパスタを食べている雪兎はハムスターみたいで可愛い。思わず頭をよしよしと撫でてしまう。たくさん食べておっきくなろうね。
皆でニコニコご飯を食べていると、一層大きい地響きが・・・・・・いやちがう悲鳴があたりに響いた。驚いてビクリとしつつ耳を両手で塞ぐ。僕もすぐ動けるようになってきたから耐性が付いて来たのかも。
チラリと隆を見ると、また苦虫を嚙み潰したような顔をして、生徒会か・・・・・・と呟いていた。
せいとかい・・・・・・生徒会?!僕入学式以来近くで見たこと無いんだよね。隆が危ないから近付かない方が良いって言ってたし、そもそも一般生徒には縁がない人達だし。だいたいお昼もテイクアウトで食べているらしい生徒会の人達が食堂に来るなんてどうしたんだろう?
……あれ?こっちに近付いてきてない?あれぇ??
「見つけましたよ雪兎!こんな所に居たんですねっ!」
雪兎が呼ばれているのを聞いて反射的に声のする方を見ると、満面の笑みを浮かべた副会長がこちらへ小走りに近付いてきていた。わぁ、綺麗な笑顔。どうやったらあんな風に笑えるんだろう?
思わずそう思ってぼぉっと副会長を見つめてしまっていた僕を、体ごと無理やり反対方向にグリンと向けた隆は険しい顔で、こっち向いてパスタ食べとけ。ってパスタを僕の口に入れ始めた。むぐぅ・・・・・・美味しい。
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