15 / 58
夜のマンション
しおりを挟む
結局あれから夜まで柳瀬さんのマンションで過ごしてしまった。
昨日の居酒屋でもそうだったけど、何だか柳瀬さんと話してたら時間が過ぎるのが早く感じて。
「また泊まっていけばいいのに」なんて柳瀬さんは言ってくれたけど、明日は仕事だし、みんなに何か変に気づかれたら怖いしそれは断った。
だけど夜だからって柳瀬さんは車であたしのマンションまで私を送ってくれた。
…広喜くんには、こんなこと、全然してもらったことないなぁ…。
なんて思っていたら、車でほんの数分くらいで車はあたしのマンションまで到着した。
「ここで合ってる?」
「あ、そうです!」
「ちょ、待って。一応部屋の前まで送る」
柳瀬さんはそう言うと、車を一旦停める。
一方、そういうことまで言われて衝撃を受けるあたし。
この人、どこまで優しいんだろ。
そう思っていたら、あたしがもたもたしているうちに、柳瀬さんが先に車から降りてあたしが座っている助手席のドアを開けてくれる。
そして手まで差し伸べてくれるから、ちょっとどきどきしてしまった。
あたし、男の人にここまで優しくしてもらったこと、一度もない…。
「柳瀬さんてパーフェクトですよね」
「え、何で?」
「だって、かっこよくて仕事も出来て、気遣いもスマートにできちゃうし。
まさに『理想の男』って感じですね」
車から降りたあと、あたしは思わず柳瀬さんにそう言う。
するとあたしの言葉を聞いた柳瀬さんが、マンションに入ろうとするあたしを呼び止めるように言った。
「『理想の男』って思ってるんだ?五十嵐さんは」
「え、」
「五十嵐さんにとって、俺って理想なんだ?」
「!」
その言葉を聞いて、あたしはやっとさっき自分が口にした言葉の意味に気が付く。
…あ、そっか。何気なく言ったつもりだったけど、今のってそういう意味になるんだ。
「あっ、ちが…そういう意味じゃなくて!」
「でも勘違いしないでね。誰にでもやるわけじゃないから」
「!」
「俺ほんと、心に決めた人にしか、今みたいなことしないから」
「…、」
またそういうことを、平気で言う。
言ったあと悪戯に笑うから、その笑顔にも何だかドキドキしちゃって。
どうしたらいいかわからなくて、赤くなっていそうな顔を見られないように、「いいから行きますよ」とマンションに先に入った。
…入った、けど。
「あれっ?鏡子」
「!」
その時。ちょうどあたしのマンションから広喜くんが現れて、入り口でバッタリと出くわしてしまった。
きっと広喜くんは、あたしの部屋にご飯を食べに来たんだろう。
だけど今の時刻21時過ぎ。なかなかあたしが帰ってこなくて帰るところだった、というところだろうか。
まさか柳瀬さんと一緒にいるところを見られるなんて思ってもみなくて、あたしが内心「マズイ」と思っていると、広喜くんが言った。
「いやお前どこ行ってたの、全然連絡つかねぇし」
「ご、ごめ…」
うわ、スマホとか、全然チェックしてなかった…。
「ちょうど良かった。すぐ飯食わして。今腹ぺこなの俺」
「え…今から?」
「そう。お前夫でしょ、俺の」
とにかく早く、といった感じで。
後ろの柳瀬さんの存在に気付いているのかいないのか、広喜くんがあたしの腕を掴んで引っ張る。
「や、ちょ、痛…!」
でもその一連を見ていた柳瀬さんが、そんな広喜くんを引き止めるように言った。
「あなたが広喜くん?」
「…あ?」
「!」
柳瀬さんの言葉に、広喜くんが不機嫌そうな声を出す。
でも柳瀬さんは全く怯むことなく、広喜くんに言う。
「俺、五十嵐さんの会社の上司の柳瀬です」
「…うちの鏡子に何か?」
「すみません。夕べ、五十嵐さんからあなたのこと、無理やり聞き出しました。
本当はこんなこと、言うべきじゃないと思うんですけど…」
柳瀬さんはそこまで言うと、広喜くんに腕を掴まれたままのあたしを、後ろから抱きしめて言葉を続けた。
「俺、五十嵐さんが好きです」
「は…」
そう言うと、あたしを抱きしめる腕に少し力を入れる。
その思いもよらぬ言動に、あたしは内心ドキッと心臓を弾ませた。
暖かい腕の中…だけど、雰囲気で伝わってくる。
柳瀬さん、広喜くんに「だからその腕離せよ」って言ってるよね。
声が何だか、怒っているように感じて。
するとそれを聞かされた広喜くんが、あたしに言った。
「え、何お前。俺が知らないうちに会社の奴と浮気してたってこと?」
「!」
しかしその言葉を聞いて、あたしの代わりに柳瀬さんが答える。
「浮気じゃない。俺がアンタから奪いたいだけ」
「!」
「だからこのコ俺にください。鏡子は俺が幸せにします」
柳瀬さんがそう言うのを耳にして、あたしは思わず顔を赤くして下を向く。
何それ何それ。そんなのアリなの?
夕べのことからして柳瀬さんは単なるお遊びってわけでもなさそうだし、やっぱり本気なのかな?
え、でも…何で、あたしのことなんかを…。
でもあたしがそう考えていると、広喜くんが言った。
「それは無理。冗談言うなよ」
「冗談じゃない」
「鏡子は俺が好きなんだよ。俺無しじゃ生きていけねぇの。
あんた鏡子のこと好きだったらさ、鏡子の気持ち考えてそっち優先してやれよ」
広喜くんは柳瀬さんにそう言うと、今度はあたしに視線を移して言葉を続ける。
「鏡子。どーせ俺のこと試すつもりだったんだろうけど、俺そんなのに釣られたりしねぇから」
「…え」
「俺が気づかないとでも?お前相手にこういう男が現れるわけなくね?
嘘つくならもっと俺が騙されやすい奴選んで来いよな」
「!」
「まー今日は何か怠いし、やっぱ飯はいいや。お前のせいで何か疲れたわ」
広喜くんはそう言うと、本当にめんどくさそうに、あたしから視線を外してその場を後にしようとする。
しかし…
「言っとくけど俺は本気だから」
「…は?」
「お前が鏡子を大事に出来ないなら俺が幸せにするって言ってんの。
それともう一つアンタに言いたいことがある」
柳瀬さんはそう言うと、あたしを抱きしめていた腕を離して、広喜くんの方に歩み寄る。
すると、広喜くんの真正面に立って、言った。
「鏡子との結婚を取り消して、今まで借りてた金ぜんぶ鏡子に返せ」
「!」
「お前が鏡子に手をあげたことも俺は知ってる。
結婚の約束までしてるってことは、お前も鏡子が好きなんだろ?
だったらお前こそ鏡子の気持ち優先してやれよ。鏡子に恩を返せ」
「…っ、」
柳瀬さんは広喜くんにそこまで言うと、悔しそうな表情を見せる広喜くんに、今度は何かを耳打ちした。
「…?」
何を言ったのかは聞き取れなかったけれど、柳瀬さんが何かを言った瞬間、広喜くんは一気に顔を青くして、表情を強張らせた…。
昨日の居酒屋でもそうだったけど、何だか柳瀬さんと話してたら時間が過ぎるのが早く感じて。
「また泊まっていけばいいのに」なんて柳瀬さんは言ってくれたけど、明日は仕事だし、みんなに何か変に気づかれたら怖いしそれは断った。
だけど夜だからって柳瀬さんは車であたしのマンションまで私を送ってくれた。
…広喜くんには、こんなこと、全然してもらったことないなぁ…。
なんて思っていたら、車でほんの数分くらいで車はあたしのマンションまで到着した。
「ここで合ってる?」
「あ、そうです!」
「ちょ、待って。一応部屋の前まで送る」
柳瀬さんはそう言うと、車を一旦停める。
一方、そういうことまで言われて衝撃を受けるあたし。
この人、どこまで優しいんだろ。
そう思っていたら、あたしがもたもたしているうちに、柳瀬さんが先に車から降りてあたしが座っている助手席のドアを開けてくれる。
そして手まで差し伸べてくれるから、ちょっとどきどきしてしまった。
あたし、男の人にここまで優しくしてもらったこと、一度もない…。
「柳瀬さんてパーフェクトですよね」
「え、何で?」
「だって、かっこよくて仕事も出来て、気遣いもスマートにできちゃうし。
まさに『理想の男』って感じですね」
車から降りたあと、あたしは思わず柳瀬さんにそう言う。
するとあたしの言葉を聞いた柳瀬さんが、マンションに入ろうとするあたしを呼び止めるように言った。
「『理想の男』って思ってるんだ?五十嵐さんは」
「え、」
「五十嵐さんにとって、俺って理想なんだ?」
「!」
その言葉を聞いて、あたしはやっとさっき自分が口にした言葉の意味に気が付く。
…あ、そっか。何気なく言ったつもりだったけど、今のってそういう意味になるんだ。
「あっ、ちが…そういう意味じゃなくて!」
「でも勘違いしないでね。誰にでもやるわけじゃないから」
「!」
「俺ほんと、心に決めた人にしか、今みたいなことしないから」
「…、」
またそういうことを、平気で言う。
言ったあと悪戯に笑うから、その笑顔にも何だかドキドキしちゃって。
どうしたらいいかわからなくて、赤くなっていそうな顔を見られないように、「いいから行きますよ」とマンションに先に入った。
…入った、けど。
「あれっ?鏡子」
「!」
その時。ちょうどあたしのマンションから広喜くんが現れて、入り口でバッタリと出くわしてしまった。
きっと広喜くんは、あたしの部屋にご飯を食べに来たんだろう。
だけど今の時刻21時過ぎ。なかなかあたしが帰ってこなくて帰るところだった、というところだろうか。
まさか柳瀬さんと一緒にいるところを見られるなんて思ってもみなくて、あたしが内心「マズイ」と思っていると、広喜くんが言った。
「いやお前どこ行ってたの、全然連絡つかねぇし」
「ご、ごめ…」
うわ、スマホとか、全然チェックしてなかった…。
「ちょうど良かった。すぐ飯食わして。今腹ぺこなの俺」
「え…今から?」
「そう。お前夫でしょ、俺の」
とにかく早く、といった感じで。
後ろの柳瀬さんの存在に気付いているのかいないのか、広喜くんがあたしの腕を掴んで引っ張る。
「や、ちょ、痛…!」
でもその一連を見ていた柳瀬さんが、そんな広喜くんを引き止めるように言った。
「あなたが広喜くん?」
「…あ?」
「!」
柳瀬さんの言葉に、広喜くんが不機嫌そうな声を出す。
でも柳瀬さんは全く怯むことなく、広喜くんに言う。
「俺、五十嵐さんの会社の上司の柳瀬です」
「…うちの鏡子に何か?」
「すみません。夕べ、五十嵐さんからあなたのこと、無理やり聞き出しました。
本当はこんなこと、言うべきじゃないと思うんですけど…」
柳瀬さんはそこまで言うと、広喜くんに腕を掴まれたままのあたしを、後ろから抱きしめて言葉を続けた。
「俺、五十嵐さんが好きです」
「は…」
そう言うと、あたしを抱きしめる腕に少し力を入れる。
その思いもよらぬ言動に、あたしは内心ドキッと心臓を弾ませた。
暖かい腕の中…だけど、雰囲気で伝わってくる。
柳瀬さん、広喜くんに「だからその腕離せよ」って言ってるよね。
声が何だか、怒っているように感じて。
するとそれを聞かされた広喜くんが、あたしに言った。
「え、何お前。俺が知らないうちに会社の奴と浮気してたってこと?」
「!」
しかしその言葉を聞いて、あたしの代わりに柳瀬さんが答える。
「浮気じゃない。俺がアンタから奪いたいだけ」
「!」
「だからこのコ俺にください。鏡子は俺が幸せにします」
柳瀬さんがそう言うのを耳にして、あたしは思わず顔を赤くして下を向く。
何それ何それ。そんなのアリなの?
夕べのことからして柳瀬さんは単なるお遊びってわけでもなさそうだし、やっぱり本気なのかな?
え、でも…何で、あたしのことなんかを…。
でもあたしがそう考えていると、広喜くんが言った。
「それは無理。冗談言うなよ」
「冗談じゃない」
「鏡子は俺が好きなんだよ。俺無しじゃ生きていけねぇの。
あんた鏡子のこと好きだったらさ、鏡子の気持ち考えてそっち優先してやれよ」
広喜くんは柳瀬さんにそう言うと、今度はあたしに視線を移して言葉を続ける。
「鏡子。どーせ俺のこと試すつもりだったんだろうけど、俺そんなのに釣られたりしねぇから」
「…え」
「俺が気づかないとでも?お前相手にこういう男が現れるわけなくね?
嘘つくならもっと俺が騙されやすい奴選んで来いよな」
「!」
「まー今日は何か怠いし、やっぱ飯はいいや。お前のせいで何か疲れたわ」
広喜くんはそう言うと、本当にめんどくさそうに、あたしから視線を外してその場を後にしようとする。
しかし…
「言っとくけど俺は本気だから」
「…は?」
「お前が鏡子を大事に出来ないなら俺が幸せにするって言ってんの。
それともう一つアンタに言いたいことがある」
柳瀬さんはそう言うと、あたしを抱きしめていた腕を離して、広喜くんの方に歩み寄る。
すると、広喜くんの真正面に立って、言った。
「鏡子との結婚を取り消して、今まで借りてた金ぜんぶ鏡子に返せ」
「!」
「お前が鏡子に手をあげたことも俺は知ってる。
結婚の約束までしてるってことは、お前も鏡子が好きなんだろ?
だったらお前こそ鏡子の気持ち優先してやれよ。鏡子に恩を返せ」
「…っ、」
柳瀬さんは広喜くんにそこまで言うと、悔しそうな表情を見せる広喜くんに、今度は何かを耳打ちした。
「…?」
何を言ったのかは聞き取れなかったけれど、柳瀬さんが何かを言った瞬間、広喜くんは一気に顔を青くして、表情を強張らせた…。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
元カノと復縁する方法
なとみ
恋愛
「別れよっか」
同棲して1年ちょっとの榛名旭(はるな あさひ)に、ある日別れを告げられた無自覚男の瀬戸口颯(せとぐち そう)。
会社の同僚でもある二人の付き合いは、突然終わりを迎える。
自分の気持ちを振り返りながら、復縁に向けて頑張るお話。
表紙はまるぶち銀河様からの頂き物です。素敵です!
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
兄貴がイケメンすぎる件
みららぐ
恋愛
義理の兄貴とワケあって二人暮らしをしている主人公の世奈。
しかしその兄貴がイケメンすぎるせいで、何人彼氏が出来ても兄貴に会わせた直後にその都度彼氏にフラれてしまうという事態を繰り返していた。
しかしそんな時、クラス替えの際に世奈は一人の男子生徒、翔太に一目惚れをされてしまう。
「僕と付き合って!」
そしてこれを皮切りに、ずっと冷たかった幼なじみの健からも告白を受ける。
「俺とアイツ、どっちが好きなの?」
兄貴に会わせばまた離れるかもしれない、だけど人より堂々とした性格を持つ翔太か。
それとも、兄貴のことを唯一知っているけど、なかなか素直になれない健か。
世奈が恋人として選ぶのは……どっち?
あなたには彼女がお似合いです
風見ゆうみ
恋愛
私の婚約者には大事な妹がいた。
妹に呼び出されたからと言って、パーティー会場やデート先で私を置き去りにしていく、そんなあなたでも好きだったんです。
でも、あなたと妹は血が繋がっておらず、昔は恋仲だったということを知ってしまった今では、私のあなたへの思いは邪魔なものでしかないのだと知りました。
ずっとあなたが好きでした。
あなたの妻になれると思うだけで幸せでした。
でも、あなたには他に好きな人がいたんですね。
公爵令嬢のわたしに、伯爵令息であるあなたから婚約破棄はできないのでしょう?
あなたのために婚約を破棄します。
だから、あなたは彼女とどうか幸せになってください。
たとえわたしが平民になろうとも婚約破棄をすれば、幸せになれると思っていたのに――
※作者独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる