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積み残し編……もうちょっと続くんじゃよ
新婚旅行サーシャ編5
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俺の股の間に装備している強欲の剣をフル稼働して赤ちゃん製造ラインたくさん動かした翌朝、中々サーシャが起きなかった。
どうやら働きすぎたらしい。
少し気だるげなサーシャを労りながら朝の時間を体調回復に充てる。
そのままホテルで昼食をいただいてチェックアウト、部屋付きの使用人からかつての勇者の子孫の経営するお店があるという情報を入手したのでそこへ行ってみるためだ。
よめーずや我が家の使用人に向けたお土産はホテルで購入しているので興味本位だ。
何が売っているのかは聞いていない、行ってみてからのお楽しみだそうだ。
ホテルを出てしばらく大通りを歩く。
目印に教えてもらった商店の手前を曲がり裏通りへ、どうやら目的の店は表通りではなく裏通りでひっそりと営業しているようだ。
「勇者様の子孫の方がなぜこのような裏通りでお店をやっているのでしょうか?」
「さぁね、もしかしたら表では販売出来ないようなものを取り扱ってたりして」
「まさか……」
異世界から召喚された勇者がこの世界に残る場合、基本的には貴族に取り立てられるそうだ。
初代本人は爵位だけを与えられて仕事はほとんど無い。
次代から徐々に貴族としての役割を果たしていくそうだ。
つまり初代なのに広大な領地を与えられて統治している俺は例外ということだ。
まぁほとんど押し付けてるけど。
「まぁどこかの代で独立したんじゃない? 代を重ねて一族が増えればそんな人も居るだろうし」
「ですがそれなら独立する際に実家から援助を受けて表通りに立派なお店を構えると思いますよ?」
「確かにそうだね……なら商売に失敗して没落したとか?」
なぜ勇者の子孫が裏通りで商売をしているのかを2人で予想しながら歩いていると、すぐに目的の店を発見した。
看板には【小物、雑貨、衣服、玩具ならタナカヤマ商店】と書かれており、どうやらこの店の店主のご先祖さまは田中山さんと言うらしい。
中に入ってみると、それなりに広い店内には色々なものが並べられていた。
看板に書いてあった通りに小物や雑貨、衣服、玩具。さらにはちょっとした魔法道具まで……
広さは比べ物にならないが、日本にある某激安の殿堂を思い出させるかのようなラインナップてあった。
「すごいですね……」
「だね。でもあの使用人は2階が本命だって言ってたけど……」
店内を見渡してみると、すぐに階段は見つけられた。
「行ってみよう」
「はい、楽しみです」
サーシャと並んで階段を上がり2階に到着、最初に目に入ったのはたくさんの服であった。
「服?」
「服屋さんが本業なのでしょうか?」
それなら表通りで商売すればいいのにと思いながら適当に商品の服を手に取ってみる。
これは……
「メイド服……?」
俺の手にはメイド服が握られていた。
メイド服と言っても、この世界で標準的な女性使用人の着るような服では無い。
フリルが多用されており、色も普段見かける黒っぽい色では無く白を基調とした明るい色合いだ。
袖も短く、二の腕が丸出しになってしまうし、何よりミニスカートだ。
この世界の女性はあまり肌を晒さないような格好をしているので、これは仕事用の服では無いのだろう。もしかして……
「レオ様、これはなんの服でしょう?」
サーシャの声に反応してそちらを見てみると、手にはセーラー服が握られていた。
これもかなり短い。こんなの穿いたら見えちゃうんじゃないかな?
「それは……俺の居た世界では学生が着る服だね」
「そうなのですね……しかしこれは短すぎませんか?」
サーシャはミニスカートを見て困惑している。
俺もそれは流石に短すぎると思うよ。
「ここはレオ様の居た世界の衣服を取り扱っているのでしょうか?」
「そうみたいだけども……」
並んでいる服を見て確信する。ここ、コスプレショップだろ。
先程見たメイド服、セーラー服の他にもブレザーやナース服、果てはバニースーツまで並べられている。
少し困って店内を見渡すと、奥に暖簾が掛けられているのが見えた。
暖簾には18を丸で囲んでバツマークが描かれている。
「18禁……」
「18禁? なんですかそれ?」
サーシャは分からないのだろう、小首を傾げている。可愛い。
「まさか玩具って……」
嫌な予感が胸をよぎる。冷静になれよ俺。
「行ってみましょう!」
「ちょ……」
俺の様子に何かを察したのか、サーシャは早足で暖簾へと突撃してしまった。
慌てて後を追うが時すでに遅し、サーシャは暖簾をくぐってしまっていた。
「これは……」
サーシャの後を追って暖簾をくぐると、すぐそこに固まるサーシャが居た。
棚には液体の入った小瓶が数種類に大小様々なサイズの棒が並べられていた。
ふむ、女性用の棒はあっても男性用の穴は売ってないみたいだな……
いやね? 必要は全くないけどね? 参考までにね?
どうやら働きすぎたらしい。
少し気だるげなサーシャを労りながら朝の時間を体調回復に充てる。
そのままホテルで昼食をいただいてチェックアウト、部屋付きの使用人からかつての勇者の子孫の経営するお店があるという情報を入手したのでそこへ行ってみるためだ。
よめーずや我が家の使用人に向けたお土産はホテルで購入しているので興味本位だ。
何が売っているのかは聞いていない、行ってみてからのお楽しみだそうだ。
ホテルを出てしばらく大通りを歩く。
目印に教えてもらった商店の手前を曲がり裏通りへ、どうやら目的の店は表通りではなく裏通りでひっそりと営業しているようだ。
「勇者様の子孫の方がなぜこのような裏通りでお店をやっているのでしょうか?」
「さぁね、もしかしたら表では販売出来ないようなものを取り扱ってたりして」
「まさか……」
異世界から召喚された勇者がこの世界に残る場合、基本的には貴族に取り立てられるそうだ。
初代本人は爵位だけを与えられて仕事はほとんど無い。
次代から徐々に貴族としての役割を果たしていくそうだ。
つまり初代なのに広大な領地を与えられて統治している俺は例外ということだ。
まぁほとんど押し付けてるけど。
「まぁどこかの代で独立したんじゃない? 代を重ねて一族が増えればそんな人も居るだろうし」
「ですがそれなら独立する際に実家から援助を受けて表通りに立派なお店を構えると思いますよ?」
「確かにそうだね……なら商売に失敗して没落したとか?」
なぜ勇者の子孫が裏通りで商売をしているのかを2人で予想しながら歩いていると、すぐに目的の店を発見した。
看板には【小物、雑貨、衣服、玩具ならタナカヤマ商店】と書かれており、どうやらこの店の店主のご先祖さまは田中山さんと言うらしい。
中に入ってみると、それなりに広い店内には色々なものが並べられていた。
看板に書いてあった通りに小物や雑貨、衣服、玩具。さらにはちょっとした魔法道具まで……
広さは比べ物にならないが、日本にある某激安の殿堂を思い出させるかのようなラインナップてあった。
「すごいですね……」
「だね。でもあの使用人は2階が本命だって言ってたけど……」
店内を見渡してみると、すぐに階段は見つけられた。
「行ってみよう」
「はい、楽しみです」
サーシャと並んで階段を上がり2階に到着、最初に目に入ったのはたくさんの服であった。
「服?」
「服屋さんが本業なのでしょうか?」
それなら表通りで商売すればいいのにと思いながら適当に商品の服を手に取ってみる。
これは……
「メイド服……?」
俺の手にはメイド服が握られていた。
メイド服と言っても、この世界で標準的な女性使用人の着るような服では無い。
フリルが多用されており、色も普段見かける黒っぽい色では無く白を基調とした明るい色合いだ。
袖も短く、二の腕が丸出しになってしまうし、何よりミニスカートだ。
この世界の女性はあまり肌を晒さないような格好をしているので、これは仕事用の服では無いのだろう。もしかして……
「レオ様、これはなんの服でしょう?」
サーシャの声に反応してそちらを見てみると、手にはセーラー服が握られていた。
これもかなり短い。こんなの穿いたら見えちゃうんじゃないかな?
「それは……俺の居た世界では学生が着る服だね」
「そうなのですね……しかしこれは短すぎませんか?」
サーシャはミニスカートを見て困惑している。
俺もそれは流石に短すぎると思うよ。
「ここはレオ様の居た世界の衣服を取り扱っているのでしょうか?」
「そうみたいだけども……」
並んでいる服を見て確信する。ここ、コスプレショップだろ。
先程見たメイド服、セーラー服の他にもブレザーやナース服、果てはバニースーツまで並べられている。
少し困って店内を見渡すと、奥に暖簾が掛けられているのが見えた。
暖簾には18を丸で囲んでバツマークが描かれている。
「18禁……」
「18禁? なんですかそれ?」
サーシャは分からないのだろう、小首を傾げている。可愛い。
「まさか玩具って……」
嫌な予感が胸をよぎる。冷静になれよ俺。
「行ってみましょう!」
「ちょ……」
俺の様子に何かを察したのか、サーシャは早足で暖簾へと突撃してしまった。
慌てて後を追うが時すでに遅し、サーシャは暖簾をくぐってしまっていた。
「これは……」
サーシャの後を追って暖簾をくぐると、すぐそこに固まるサーシャが居た。
棚には液体の入った小瓶が数種類に大小様々なサイズの棒が並べられていた。
ふむ、女性用の棒はあっても男性用の穴は売ってないみたいだな……
いやね? 必要は全くないけどね? 参考までにね?
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