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積み残し編……もうちょっと続くんじゃよ
新婚旅行ベラ編5
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30分ほどギランさんの嫌味を恐縮しながら聞いていたが、段々と話の方向性が逸れてきた。
今ではいかに小さな頃のベラが可愛かったのかという話を聞いている。
「あれは6歳の誕生日だったね。急にベラが『わたくしは淑女ですの!』って宣言してね。今の口調はその頃からずっと続いているんだよ」
「そうなんですか? 初めてあった時は普通の敬語口調でしたよ?」
「それは聖女となってからだね。急に口調が変わった時は寂しかったなぁ」
「なにか分かります。俺もベラの敬語が崩れて今の口調になった時には嬉しかったです。なんだか素を出してくれているみたいで……」
俺が興味津々で聞いているからか、ギランさんの機嫌は目に見えて良くなってきた。
それからも俺とギランさんの話は続き、いつしかベラの可愛い所を言い合うという争いに発展していた。
「普段大人ぶってますけど、時折見せる年相応な所とか可愛くてたまりません」
「わかるよレオくん。でもね、無理して大人ぶっているところも可愛いだろう?」
「とても分かりますお義父さん。普段キツいように見えますが実は甘えん坊な所とか……」
「いい加減にしてくださいまし!」
楽しくお喋りしていると、真っ赤になったベラがプルプル震えながら大声を上げた。
「「可愛い」」
俺とお義父さんの言葉がハモる。
俺とお義父さんは顔を見合せて微笑みあった。
「もう! もう!」
ベラは地団駄を踏み始めた。とても可愛い。
「あらあら」
お義母さんは口元を手で隠してくすくすと笑っている。
とても楽しそうだ。
「おっとすみません。俺とばかりではなくベラとも話したいですよね」
「そうだね、そうさせてもらおうかな? レオくんはクララと話してやって欲しい」
「分かりました」
席を立ち、代わりにベラを座らせる。
俺はテーブルを周りお義母さんの隣へと移動した。
「あらレオ様、私ともお話してくださるのですか?」
「もちろんです。あと、様付けなんてやめて下さい」
「あら、分かりました。ではレオさん、レオさんは今ベラと2人だけで旅行中だとか?」
「ええ。こんな時でないと2人だけで出掛けることなんて中々出来ないもので……ベラには寂しい思いをさせていないかと不安になりますね」
「ベラは普段の生活のことも楽しそうに話していましたよ。私は主人の側室の女性とはあまり仲が良くありませんので、ベラの話を聞いて少し羨ましくなりました」
一般的に、やはり正室と側室の仲がいい家庭はそう多くない。
うちは妻同士の中がかなりいい、これは中々に珍しいことのようだ。
「レオさんはベラの事も大事にしてくれているようで……感謝しています」
それからしばらく4人で談笑していると夕食の時間となったので食堂へと移動、そこでベラの兄弟を混じえて一緒に夕食を食べることになった。
「あの……侯爵様、魔王討伐のお話を聞いてもよろしいですか?」
最初に俺に話しかけてきたのはベラの兄で、イーファ家の跡継ぎのカイルだった。
魔王討伐の話をするのもなんだか久しぶりだと思いながらベラの活躍を少しだけ盛って話をした。
とはいえあの時ベラはウルトに乗っていて魔王との戦いの時に【聖浄化結界】を張っただけ。俺ともほとんど会話して無かったからそれっぽく話を盛るのは少し苦労した。
そのおかげで俺とベラは兄弟たちから尊敬の眼差しで見られることに成功した。
「レオくん、一緒に風呂に入らないかい?」
「お付き合いします」
夕食後、お義父さんに風呂に誘われたので付き合うことにした。
風呂に入ると、今度はベラのいい所を交互に言い合う戦いが勃発。
激しい論戦が繰り広げられ、危うく2人とも逆上せるところだった。
最後にはいい笑顔で握手を交わせたのでこれはこれで良かったのだろう。
風呂から上がると、今度はベラの兄弟たちに捕まり今までの冒険の話をせがまれたので、俺がこの世界に召喚されてからのことを話した。
その話にはベラはほとんど出てこないのだが良かったのだろうか?
話をしているうちにいい時間となったので就寝とする。
ベラはああ言っていたが、夫婦なんだし一緒の部屋で……と思っていたが、ギランさんが凄まじい目でこちらを見ていたので大人しく客間に1人で入ることにした。
どうやら好感度がまだ足りていないらしい。
「そういえば1人で寝るのって久しぶりかもしれない」
戦争中は天幕の中で1人で寝ることはあったが、すぐ近くにはジェイドやフィリップが居た。
まぁイリアーナと一緒に寝たこともありはするけど……
それを含めなければ多分結婚する前まで遡るな。
結婚してから1人で寝た記憶が無いや。
やけに広く感じるベッドでゴロゴロしながら時間を潰していると、部屋の扉がノックされた。
ベラが自室を抜け出して来てくれたのかな?
「どうぞ」
「失礼致します」
入ってきたのは俺と同じくらいの年齢に見えるメイドだった。
なんだ? 呼んでないぞ?
「クリード侯爵様、夜伽は必要でしょうか?」
「必要無い」
即答した。
なんで妻の実家に来て夜伽が必要になるんだよ。
ハニトラか? ハニートラップなのか?
もしここで俺が必要ですって答えたら笑顔のギランさんが登場してギルティされるやつなのか?
「かしこまりました。それでは明日の予定なのですが……朝食は9時からとなっております。30分前には家の者が準備のお手伝いに参りますので、よろしくお願いしますします」
「了解した」
「それでは失礼致します。ごゆっくりお休み下さいませ」
それだけ伝えてメイドは一礼してから部屋を出ていってしまった。
なんだったんだろう?
なんだかモヤモヤする気持ちを抱えながらその日は1人寂しく眠りについた。
今ではいかに小さな頃のベラが可愛かったのかという話を聞いている。
「あれは6歳の誕生日だったね。急にベラが『わたくしは淑女ですの!』って宣言してね。今の口調はその頃からずっと続いているんだよ」
「そうなんですか? 初めてあった時は普通の敬語口調でしたよ?」
「それは聖女となってからだね。急に口調が変わった時は寂しかったなぁ」
「なにか分かります。俺もベラの敬語が崩れて今の口調になった時には嬉しかったです。なんだか素を出してくれているみたいで……」
俺が興味津々で聞いているからか、ギランさんの機嫌は目に見えて良くなってきた。
それからも俺とギランさんの話は続き、いつしかベラの可愛い所を言い合うという争いに発展していた。
「普段大人ぶってますけど、時折見せる年相応な所とか可愛くてたまりません」
「わかるよレオくん。でもね、無理して大人ぶっているところも可愛いだろう?」
「とても分かりますお義父さん。普段キツいように見えますが実は甘えん坊な所とか……」
「いい加減にしてくださいまし!」
楽しくお喋りしていると、真っ赤になったベラがプルプル震えながら大声を上げた。
「「可愛い」」
俺とお義父さんの言葉がハモる。
俺とお義父さんは顔を見合せて微笑みあった。
「もう! もう!」
ベラは地団駄を踏み始めた。とても可愛い。
「あらあら」
お義母さんは口元を手で隠してくすくすと笑っている。
とても楽しそうだ。
「おっとすみません。俺とばかりではなくベラとも話したいですよね」
「そうだね、そうさせてもらおうかな? レオくんはクララと話してやって欲しい」
「分かりました」
席を立ち、代わりにベラを座らせる。
俺はテーブルを周りお義母さんの隣へと移動した。
「あらレオ様、私ともお話してくださるのですか?」
「もちろんです。あと、様付けなんてやめて下さい」
「あら、分かりました。ではレオさん、レオさんは今ベラと2人だけで旅行中だとか?」
「ええ。こんな時でないと2人だけで出掛けることなんて中々出来ないもので……ベラには寂しい思いをさせていないかと不安になりますね」
「ベラは普段の生活のことも楽しそうに話していましたよ。私は主人の側室の女性とはあまり仲が良くありませんので、ベラの話を聞いて少し羨ましくなりました」
一般的に、やはり正室と側室の仲がいい家庭はそう多くない。
うちは妻同士の中がかなりいい、これは中々に珍しいことのようだ。
「レオさんはベラの事も大事にしてくれているようで……感謝しています」
それからしばらく4人で談笑していると夕食の時間となったので食堂へと移動、そこでベラの兄弟を混じえて一緒に夕食を食べることになった。
「あの……侯爵様、魔王討伐のお話を聞いてもよろしいですか?」
最初に俺に話しかけてきたのはベラの兄で、イーファ家の跡継ぎのカイルだった。
魔王討伐の話をするのもなんだか久しぶりだと思いながらベラの活躍を少しだけ盛って話をした。
とはいえあの時ベラはウルトに乗っていて魔王との戦いの時に【聖浄化結界】を張っただけ。俺ともほとんど会話して無かったからそれっぽく話を盛るのは少し苦労した。
そのおかげで俺とベラは兄弟たちから尊敬の眼差しで見られることに成功した。
「レオくん、一緒に風呂に入らないかい?」
「お付き合いします」
夕食後、お義父さんに風呂に誘われたので付き合うことにした。
風呂に入ると、今度はベラのいい所を交互に言い合う戦いが勃発。
激しい論戦が繰り広げられ、危うく2人とも逆上せるところだった。
最後にはいい笑顔で握手を交わせたのでこれはこれで良かったのだろう。
風呂から上がると、今度はベラの兄弟たちに捕まり今までの冒険の話をせがまれたので、俺がこの世界に召喚されてからのことを話した。
その話にはベラはほとんど出てこないのだが良かったのだろうか?
話をしているうちにいい時間となったので就寝とする。
ベラはああ言っていたが、夫婦なんだし一緒の部屋で……と思っていたが、ギランさんが凄まじい目でこちらを見ていたので大人しく客間に1人で入ることにした。
どうやら好感度がまだ足りていないらしい。
「そういえば1人で寝るのって久しぶりかもしれない」
戦争中は天幕の中で1人で寝ることはあったが、すぐ近くにはジェイドやフィリップが居た。
まぁイリアーナと一緒に寝たこともありはするけど……
それを含めなければ多分結婚する前まで遡るな。
結婚してから1人で寝た記憶が無いや。
やけに広く感じるベッドでゴロゴロしながら時間を潰していると、部屋の扉がノックされた。
ベラが自室を抜け出して来てくれたのかな?
「どうぞ」
「失礼致します」
入ってきたのは俺と同じくらいの年齢に見えるメイドだった。
なんだ? 呼んでないぞ?
「クリード侯爵様、夜伽は必要でしょうか?」
「必要無い」
即答した。
なんで妻の実家に来て夜伽が必要になるんだよ。
ハニトラか? ハニートラップなのか?
もしここで俺が必要ですって答えたら笑顔のギランさんが登場してギルティされるやつなのか?
「かしこまりました。それでは明日の予定なのですが……朝食は9時からとなっております。30分前には家の者が準備のお手伝いに参りますので、よろしくお願いしますします」
「了解した」
「それでは失礼致します。ごゆっくりお休み下さいませ」
それだけ伝えてメイドは一礼してから部屋を出ていってしまった。
なんだったんだろう?
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