193 / 266
最終章……神の座を目指して
184話……最終試練開始
しおりを挟む 完全に皇帝におすそ分けを持っていくことを忘れて興味津々にジェイドの冒険譚を聞いて自宅へと戻り貴族の務めを果たしてから数時間後、俺たちは自宅の庭に集まっていた。
「レオ様、お気をつけて」
「しっかりやって来なさい」
これから妻以外の別の女の為に命を賭けようとしているクソみたいな旦那を心配そうな目で見送るよめーず。その心境は如何程か。
「レオ殿、ご武運を」
「健闘を祈るッス!」
なんだかいたたまれない気持ちになってきた……
「レオ様、がんば」
「旦那様の無事の帰還をお待ちしております」
みんな不安そうな表情はしているが不満は無さそうな顔で成功を祈ってくれている。
罪悪感が……
「みんな、ありがとう。戻ったらそうだな……みんなのお願いを1つずつ聞くことにするよ」
「レオ様、そんな」
罪滅ぼしになるかは分からないけど、少しでも自分の罪悪感を薄めるために口にする。完全な自己満足だ。
「レオ、そういうのは不吉だからやめておいた方がいいわよ?」
「リンはなんでそういうこと言うかな?」
やばいな、これから最終試練だというのに緊張感が……
コホンと1つ咳払いをしてから俺は口を開く。
「結婚までしておいて、別の女の為に命を賭けようとしているクソ野郎なのは自覚してる。だけど俺はみんなだけじゃなくてケイトも欲しいんだ」
ヤバいな、口に出すとただのクズ発言じゃねぇか。
「レオ様、あたしはまだ結婚してない」
「イリアーナ、今はダメよ」
イリアーナが自分はまだ結婚していないと主張するが、それはリンに止められた。
「多分レオはこれから何かかっこいいこと言うから、黙って聞いていましょうね?」
「うん、分かった」
「おいこらやめろ」
なんだろう、これ以上話すと恥しかない気がしてきた。
よめーずもクスクス笑っている。
「あー……まぁ何があろうと戻ってくるから」
「あら? それでいいの?」
「もういいよ……」
締まらないなぁ……
『よろしいですか?』
「ああ、じゃあ試練を受ける場所まで連れて行ってくれ」
もうグダグダなので一刻も早く試練に臨みたい。
『連れていくも何も……リン様と共に私の観音扉を開いて頂ければそこが会場です』
「なにそれ? 移動しないの?」
しかもリンと一緒に?
『はい。7つの力を従えて異界の扉を開くことが条件です。ですので6つの力を持つマスターと残りの1つの力を持つリン様が一緒に異界の扉を開くことで試練に挑めます』
異界の扉って何よ。
「まぁ……分かったよ。リン」
「はいはい。こっち側を開ければいいのね?」
2人でウルトの観音扉の前に立つ。
やべ、ドキドキしてきた……
「レオ、今更緊張してきたの?」
「流石にね……」
「ならまた演説する?」
「さぁ行こうか!」
俺が扉を開くのに合わせてリンを観音扉を開く。
中には見慣れたウルトの荷台ではなく、白い通路が伸びていた。
『マスター、リン様、扉が閉じないようにしておいて下さい』
観音扉をしっかり開いて閉じないようフックで固定する。
「んじゃ行ってくる」
「行ってらっしゃいませ」
改めて自分の装備、明けの明星と聖剣をしっかりと確認してからステップに足をかけ白い通路へと足を踏み入れる。
さて、どんな試練が待っているのやら……
「レオ様、お気をつけて」
「しっかりやって来なさい」
これから妻以外の別の女の為に命を賭けようとしているクソみたいな旦那を心配そうな目で見送るよめーず。その心境は如何程か。
「レオ殿、ご武運を」
「健闘を祈るッス!」
なんだかいたたまれない気持ちになってきた……
「レオ様、がんば」
「旦那様の無事の帰還をお待ちしております」
みんな不安そうな表情はしているが不満は無さそうな顔で成功を祈ってくれている。
罪悪感が……
「みんな、ありがとう。戻ったらそうだな……みんなのお願いを1つずつ聞くことにするよ」
「レオ様、そんな」
罪滅ぼしになるかは分からないけど、少しでも自分の罪悪感を薄めるために口にする。完全な自己満足だ。
「レオ、そういうのは不吉だからやめておいた方がいいわよ?」
「リンはなんでそういうこと言うかな?」
やばいな、これから最終試練だというのに緊張感が……
コホンと1つ咳払いをしてから俺は口を開く。
「結婚までしておいて、別の女の為に命を賭けようとしているクソ野郎なのは自覚してる。だけど俺はみんなだけじゃなくてケイトも欲しいんだ」
ヤバいな、口に出すとただのクズ発言じゃねぇか。
「レオ様、あたしはまだ結婚してない」
「イリアーナ、今はダメよ」
イリアーナが自分はまだ結婚していないと主張するが、それはリンに止められた。
「多分レオはこれから何かかっこいいこと言うから、黙って聞いていましょうね?」
「うん、分かった」
「おいこらやめろ」
なんだろう、これ以上話すと恥しかない気がしてきた。
よめーずもクスクス笑っている。
「あー……まぁ何があろうと戻ってくるから」
「あら? それでいいの?」
「もういいよ……」
締まらないなぁ……
『よろしいですか?』
「ああ、じゃあ試練を受ける場所まで連れて行ってくれ」
もうグダグダなので一刻も早く試練に臨みたい。
『連れていくも何も……リン様と共に私の観音扉を開いて頂ければそこが会場です』
「なにそれ? 移動しないの?」
しかもリンと一緒に?
『はい。7つの力を従えて異界の扉を開くことが条件です。ですので6つの力を持つマスターと残りの1つの力を持つリン様が一緒に異界の扉を開くことで試練に挑めます』
異界の扉って何よ。
「まぁ……分かったよ。リン」
「はいはい。こっち側を開ければいいのね?」
2人でウルトの観音扉の前に立つ。
やべ、ドキドキしてきた……
「レオ、今更緊張してきたの?」
「流石にね……」
「ならまた演説する?」
「さぁ行こうか!」
俺が扉を開くのに合わせてリンを観音扉を開く。
中には見慣れたウルトの荷台ではなく、白い通路が伸びていた。
『マスター、リン様、扉が閉じないようにしておいて下さい』
観音扉をしっかり開いて閉じないようフックで固定する。
「んじゃ行ってくる」
「行ってらっしゃいませ」
改めて自分の装備、明けの明星と聖剣をしっかりと確認してからステップに足をかけ白い通路へと足を踏み入れる。
さて、どんな試練が待っているのやら……
5
お気に入りに追加
700
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる