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第6章……復讐の勇者編
135話……不死者の軍勢
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「ふぅ……」
リンたちと別れて数時間、俺は【気配察知(極)】を駆使して監視と周辺の魔物の殲滅を行っていた。
その過程でいい感じに身を隠せる岩場を発見、リンたちが戻ってくるまでの臨時の拠点とした。
ここからなら魔王城は俺の【気配察知(極)】の範囲ギリギリに捉えられるので何者かが城から出てきたら分かるだろう。
その時には【傲慢なる者の瞳】を使って誰が出てきたか確認すればいい。
俺ではウルトのように城の内部の気配まで察知は出来ない。
もっと近付けば何となく分かるだろうがここからでは不可能だ。
だが外に出てくれば分かる。それさえ分かれば見ることが出来る。
本当にルシフェルはいいスキルをくれたものだ。
日も落ちて暗くなってきたので臨時拠点に戻り食事を摂る。
久しぶりに1人で食べる食事は味気なかった。
少しだけでも寝ておこう……
正直今でも1人で寝るのは怖い。しかし今隣にリンは居ない。
座ったまま【気配察知(極)】を切らさないように気を付けながら目を閉じる。
ウトウトしては覚醒を数度繰り返す。
完全に寝入ってしまうと悪夢を見るだろうし何よりスキルを維持できない。
なのでこれくらいが丁度いいだろう。
何度目かの覚醒を迎えた時、【気配察知(極)】に何かが引っかかった。
寝る前にこの周辺の魔物は殲滅したから新手だろう。
「ん? なんか気配がデカいというかなんというか……」
普通の魔物では無さそうだ。
すぐに【傲慢なる者の瞳】を発動して気配の元を確認してみるが真っ暗で何も見えない……
時刻は深夜、薄らと曇っているため月明かりは届かない。
転移魔法で強襲しようにも出現位置がハッキリと見えないと使えないし……
もう少し近付いてきたらアイツの頭上に光魔法で光源を作ろう。
正面から戦うにしても強襲するにしても視界確保は必須だ。
集中して気配を読みあと数歩近付いたら魔法を使おうと身構えていると敵はそこで立ち止まってしまった。
岩陰からじっと見ていると奴は両手を広げて口を開いた。
「ニンゲンよ、その血肉を魔王様に捧げよ!」
瞬間、気配が増えた。
2、4、8、16、32……
「くそっ」
どんどんと増えていく気配に慌てて岩陰から飛び出して空に向けて光源の魔法を放ち視界を確保する。
目の前には大量のスケルトン、その数は優に100を超えている。
この現象を引き起こした術者はスケルトンの壁に遮られていて姿を確認出来ない。
【傲慢なる者の瞳】で確認しようかとも考えたがそんなことをしている間にもスケルトンは増えていくだろう。
それなら確認するより全部吹き飛ばした方が早い。
剣に光属性の魔力を込めて【天翔閃】を放つ。
大きな光の斬撃は数十匹のスケルトンを折り、砕き、消滅させていく。
「ん?」
スケルトンたちを吹き飛ばしこれで術者に視線が通ると思ったが、スケルトンの壁の向こうには大きな盾を構えた骨が更なる壁を形成していた。
その後ろからは剣を持った骨や犬や狼くらいの四足の骨が現れこちらに向かってくる。
さらにその後方からは火球や雷撃、氷塊などの魔法攻撃まで飛んできた。
その魔法は味方であろう剣持ちの骨や四足の骨も巻き込みながら向かってくる。
「めんどくせぇ!」
回り込むように移動して魔法を回避、再び【天翔閃】を放って近寄ってくる骨どもを粉砕する。
「お返し!」
剣を右手に持ち左手に炎と風の魔力を集め【合成魔法】と【魔法威力上昇(極)】を発動、無理やり球状に成型して盾持ちスケルトンの背後を狙って放つ。
風を宿した火球は盾持ちスケルトンの背後に着弾、轟音を響かせて大爆発を引き起こした。
着弾地点付近を狙って三度【天翔閃】を放ち走る。
剣を振り上げ襲いかかってくる骨をすれ違いざまに斬り捨てて砂煙の中に飛び込んだ。
風魔法を発動して砂煙ごと近くのアンデッドを吹き飛ばして前を向くと、豪奢なローブを着用している骨が居た。
両脇には2メートルはありそうな巨躯に古ぼけた長剣と大盾を持つアンデッドの騎士、後方にはボロボロのローブを纏った骨の魔法使いを4匹侍らせている。
「デスナイトか……」
「ほぅ……ニンゲン、デスナイトを知っているのか」
俺の呟きに答えたのは豪奢なローブを着たアンデッド。どう見てもコイツが術者だろう。
「もしや貴様がガイアスを倒したニンゲンか?」
「ガイアス?」
なんか聞いたことあるような無いような……誰?
「惚けるな、ニンゲンの都市を攻めていた獣人のことだ」
獣人……ケモ耳……猫耳美少女……ああ!
「あの名無しのヘタレ人狼さんのこと? あれ? ヘタレの名無しだっけか……」
どっちだったかな……
ガイアスとか言われてもわからんよ、ちゃんと名前で言ってくれないと。
「ふん、ガイアスを倒していい気になっておるのかも知らんが所詮ガイアスは四天将でも最弱! デスナイトにも勝てぬ弱者が四天将を名乗っていたことも腹立たしいわ」
おお、クク……奴は四天王最弱! をリアルに聞くことが出来るとは……
「ということはアンタも四天将の1人ってことで間違いないのか?」
「そうだ! 我こそは四天将が一角【不死王】アノニマスである!」
バーン! と効果音のつきそうな名乗りだけど……アノニマス?
アノニマスって匿名とかそんな意味だったような……
つまりこいつもヘタレの名無しアンデッドね。
「行けデスナイト! 思い上がったニンゲンを叩き潰せ!」
アノニマスの号令で2匹のデスナイトが一歩踏み出してくる。
なんか調子に乗ってるみたいだし、サクッと終わらせようか……
【魔力撃(極)】を使い剣に光属性の魔力を注入、【瞬間加速】を使ってデスナイトに向かって加速。
以前教国の迷宮で戦ったことのある相手だ、デスナイトの反応速度を僅かに上回る速度で跳躍、顔面を刺し貫く。
頭部を粉砕され倒れるデスナイトの肩を蹴りさらに高く翔ぶ。
空中で再度【魔力撃(極)】を使用して剣に魔力を流し込みアノニマスの背後に控える魔法使い風アンデッドに向け【天翔閃】を放ち粉砕。
姿勢を立て直して【天駆(上)】【瞬間加速】を同時発動、何も無いはずの空間を蹴りつけ加速、その勢いでもう1匹のデスナイトの太い首を両断する。
「な……!」
アノニマスは何かを言おうと口を開いたが遅い。
光属性の魔力を込めた剣を振り上げそのままアノニマスの頭に振り下ろす。
一刀両断、そのままアノニマスは声を発することも無く灰となり風に流され消えていった。
《【闇視】を獲得》
「うし!」
周りを見るとまだ沢山残っていたスケルトンたちも術者が倒れたからだろう、全てのスケルトンも倒れ灰に変わっていくのが見えた。
それを見届けてから【気配察知(極)】を駆使して周囲に魔物の気配がないか調べる。
「大丈夫そうだな……魔王城の方も動きはないか」
割と派手に戦ってしまったので気付かれたかもしれないと思ったが誰かが出てくる気配は無い。
夜が明けるまでしっかりと監視を続けた。
リンたちと別れて数時間、俺は【気配察知(極)】を駆使して監視と周辺の魔物の殲滅を行っていた。
その過程でいい感じに身を隠せる岩場を発見、リンたちが戻ってくるまでの臨時の拠点とした。
ここからなら魔王城は俺の【気配察知(極)】の範囲ギリギリに捉えられるので何者かが城から出てきたら分かるだろう。
その時には【傲慢なる者の瞳】を使って誰が出てきたか確認すればいい。
俺ではウルトのように城の内部の気配まで察知は出来ない。
もっと近付けば何となく分かるだろうがここからでは不可能だ。
だが外に出てくれば分かる。それさえ分かれば見ることが出来る。
本当にルシフェルはいいスキルをくれたものだ。
日も落ちて暗くなってきたので臨時拠点に戻り食事を摂る。
久しぶりに1人で食べる食事は味気なかった。
少しだけでも寝ておこう……
正直今でも1人で寝るのは怖い。しかし今隣にリンは居ない。
座ったまま【気配察知(極)】を切らさないように気を付けながら目を閉じる。
ウトウトしては覚醒を数度繰り返す。
完全に寝入ってしまうと悪夢を見るだろうし何よりスキルを維持できない。
なのでこれくらいが丁度いいだろう。
何度目かの覚醒を迎えた時、【気配察知(極)】に何かが引っかかった。
寝る前にこの周辺の魔物は殲滅したから新手だろう。
「ん? なんか気配がデカいというかなんというか……」
普通の魔物では無さそうだ。
すぐに【傲慢なる者の瞳】を発動して気配の元を確認してみるが真っ暗で何も見えない……
時刻は深夜、薄らと曇っているため月明かりは届かない。
転移魔法で強襲しようにも出現位置がハッキリと見えないと使えないし……
もう少し近付いてきたらアイツの頭上に光魔法で光源を作ろう。
正面から戦うにしても強襲するにしても視界確保は必須だ。
集中して気配を読みあと数歩近付いたら魔法を使おうと身構えていると敵はそこで立ち止まってしまった。
岩陰からじっと見ていると奴は両手を広げて口を開いた。
「ニンゲンよ、その血肉を魔王様に捧げよ!」
瞬間、気配が増えた。
2、4、8、16、32……
「くそっ」
どんどんと増えていく気配に慌てて岩陰から飛び出して空に向けて光源の魔法を放ち視界を確保する。
目の前には大量のスケルトン、その数は優に100を超えている。
この現象を引き起こした術者はスケルトンの壁に遮られていて姿を確認出来ない。
【傲慢なる者の瞳】で確認しようかとも考えたがそんなことをしている間にもスケルトンは増えていくだろう。
それなら確認するより全部吹き飛ばした方が早い。
剣に光属性の魔力を込めて【天翔閃】を放つ。
大きな光の斬撃は数十匹のスケルトンを折り、砕き、消滅させていく。
「ん?」
スケルトンたちを吹き飛ばしこれで術者に視線が通ると思ったが、スケルトンの壁の向こうには大きな盾を構えた骨が更なる壁を形成していた。
その後ろからは剣を持った骨や犬や狼くらいの四足の骨が現れこちらに向かってくる。
さらにその後方からは火球や雷撃、氷塊などの魔法攻撃まで飛んできた。
その魔法は味方であろう剣持ちの骨や四足の骨も巻き込みながら向かってくる。
「めんどくせぇ!」
回り込むように移動して魔法を回避、再び【天翔閃】を放って近寄ってくる骨どもを粉砕する。
「お返し!」
剣を右手に持ち左手に炎と風の魔力を集め【合成魔法】と【魔法威力上昇(極)】を発動、無理やり球状に成型して盾持ちスケルトンの背後を狙って放つ。
風を宿した火球は盾持ちスケルトンの背後に着弾、轟音を響かせて大爆発を引き起こした。
着弾地点付近を狙って三度【天翔閃】を放ち走る。
剣を振り上げ襲いかかってくる骨をすれ違いざまに斬り捨てて砂煙の中に飛び込んだ。
風魔法を発動して砂煙ごと近くのアンデッドを吹き飛ばして前を向くと、豪奢なローブを着用している骨が居た。
両脇には2メートルはありそうな巨躯に古ぼけた長剣と大盾を持つアンデッドの騎士、後方にはボロボロのローブを纏った骨の魔法使いを4匹侍らせている。
「デスナイトか……」
「ほぅ……ニンゲン、デスナイトを知っているのか」
俺の呟きに答えたのは豪奢なローブを着たアンデッド。どう見てもコイツが術者だろう。
「もしや貴様がガイアスを倒したニンゲンか?」
「ガイアス?」
なんか聞いたことあるような無いような……誰?
「惚けるな、ニンゲンの都市を攻めていた獣人のことだ」
獣人……ケモ耳……猫耳美少女……ああ!
「あの名無しのヘタレ人狼さんのこと? あれ? ヘタレの名無しだっけか……」
どっちだったかな……
ガイアスとか言われてもわからんよ、ちゃんと名前で言ってくれないと。
「ふん、ガイアスを倒していい気になっておるのかも知らんが所詮ガイアスは四天将でも最弱! デスナイトにも勝てぬ弱者が四天将を名乗っていたことも腹立たしいわ」
おお、クク……奴は四天王最弱! をリアルに聞くことが出来るとは……
「ということはアンタも四天将の1人ってことで間違いないのか?」
「そうだ! 我こそは四天将が一角【不死王】アノニマスである!」
バーン! と効果音のつきそうな名乗りだけど……アノニマス?
アノニマスって匿名とかそんな意味だったような……
つまりこいつもヘタレの名無しアンデッドね。
「行けデスナイト! 思い上がったニンゲンを叩き潰せ!」
アノニマスの号令で2匹のデスナイトが一歩踏み出してくる。
なんか調子に乗ってるみたいだし、サクッと終わらせようか……
【魔力撃(極)】を使い剣に光属性の魔力を注入、【瞬間加速】を使ってデスナイトに向かって加速。
以前教国の迷宮で戦ったことのある相手だ、デスナイトの反応速度を僅かに上回る速度で跳躍、顔面を刺し貫く。
頭部を粉砕され倒れるデスナイトの肩を蹴りさらに高く翔ぶ。
空中で再度【魔力撃(極)】を使用して剣に魔力を流し込みアノニマスの背後に控える魔法使い風アンデッドに向け【天翔閃】を放ち粉砕。
姿勢を立て直して【天駆(上)】【瞬間加速】を同時発動、何も無いはずの空間を蹴りつけ加速、その勢いでもう1匹のデスナイトの太い首を両断する。
「な……!」
アノニマスは何かを言おうと口を開いたが遅い。
光属性の魔力を込めた剣を振り上げそのままアノニマスの頭に振り下ろす。
一刀両断、そのままアノニマスは声を発することも無く灰となり風に流され消えていった。
《【闇視】を獲得》
「うし!」
周りを見るとまだ沢山残っていたスケルトンたちも術者が倒れたからだろう、全てのスケルトンも倒れ灰に変わっていくのが見えた。
それを見届けてから【気配察知(極)】を駆使して周囲に魔物の気配がないか調べる。
「大丈夫そうだな……魔王城の方も動きはないか」
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