異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)

愛飢男

文字の大きさ
上 下
102 / 266
第4章……グリエル奪還編

96話……2度目の攻略

しおりを挟む
 ここから先に冒険者はほぼ居ない、そう聞いていたので6階層はウルトで駆け抜ける。
 6階層から新たに出現する魔物はリザードマンだが、こいつの保有スキルは【堅牢】、必要無いので冒険者ギルドの張り紙で見た3匹分だけ狩って先に進む。

 ボスの赤いオーガは【剛腕剛撃】青いのは【疾風加速】だったのでウルトで撥ね飛ばして終了。

 7階層では人狼……ワーウルフと虎人間……ワータイガー両方が【俊敏】というスキルを保有していたのでケイトが出撃、強欲の剣を使い一撃で倒してスキルを得た。

 やはり能力を奪うにはケイトがトドメを刺す必要があるらしい。
 発動条件も分かったのであとはケイトが持っていないスキルを持つ魔物を探すだけだ。

 ボスのオーガキングは【剛腕剛撃】と【疾風加速】の両方を持っていたがケイトも両方持っているので無視、8階層へと進む。

 8階層、ここでケイトはオルトロスを倒して【空歩】を習得、ギカンテスからは予想外にも【直感強化】を得た。

 ギガンテスからはてっきりパワー系のスキルを得られるものとばかり思っていたのでこれは意外だった。他にもこういう魔物いそうだな……

 8階層のボスケルベロスからはオルトロスのスキル【空歩】の上位スキルでもあり俺も持っている【天駆】を獲得、俺のアドバンテージがどんどん無くなっていく。

 さて実質最終階層となる9階層、まず発見したのはギガンテスだがこれはもうスキルを回収しているのでそのままウルトで撥ね飛ばす。
 その後もギガンテスやオルトロスはちょこちょこ現れるが新たな魔物は姿を見せない。
 とりあえずミノタウロスはよ。

『ゴーレムを発見しました』

 9階層を走り回ること数十分、ようやく新たな魔物を発見することが出来た。

「スキルは?」
『少々お待ちください……確認しました。【鉄壁】を所持しています』

【鉄壁】か、確かケイトは【堅牢】は持ってるけど【鉄壁】は持ってなかったな。

「行ってきます!」

 ケイトは立ち上がりウルトから降りていった。

 そのまま強欲の剣を構えてゴーレムに突進、【天駆】を使用したのか空中を駆けて行きゴーレムの首を斬り飛ばした。

 ゴーレムはそのまま後方に倒れ岩の体が崩れ砂の山になる。
 ケイトは砂の中から魔石を拾って戻って来た。

「【鉄壁】獲得成功したよ!」
「お疲れ様、あとはミノタウロスだな!」
「クリード様9階層に来てからそれしか言っていませんよ……」

 だってミノタウロス欲しいもん。

 ゴーレムを倒してからおよそ1時間、ようやく第一ミノタウロスを発見することが出来た。

「ウルト、ミノタウロスのスキルは?」
「はい……ありませんね」

 ありませんか……

「んー……ウルトに任せてもいいんだけど美味い肉のためにちょっと首刎ねてくる」

 ウルトで撥ねるより剣で首刎ねた方がお肉は美味しいはず!

 ウルトから降りてミスリルの剣を抜いてミノタウロスの背後に忍び寄り一撃で首をはねた。

【無限積載】を使って速やかに血抜きと解体を済ませて戻るとみんなから呆れたような視線を向けられた。

 仕方ないじゃない、オークは美味いけど何となく豚肉っぽいんだもの。
 牛肉っぽいミノタウロス食べたいんだよ。

 念願のミノタウロスも狩れたのでボス部屋へ移動、結構距離はあったけど第二ミノタウロスは出現すること無くボス部屋にたどり着いてしまった。

 扉を開け中に入ると同時にウルトの解析鑑定を発動。
 どうやらサイクロプスくんは【生命力強化】と【剛力無双】を所持しているようだ。

「この場合どうなるんだ?  どっちかだけ?  両方?」
「どうなんだろ?  とりあえずやっつけてくるね!」
「あ、ちょ!」

 立ち上がりウルトから降りていこうとするケイトの腕を掴み止める。

「ウルトの体当たりで転倒させてからの方が楽だし安全だよ」
「そっか、そうだよね……ウルトさんお願いします」
『お任せ下さい』

 弱体化してるとはいえウルトに傷をつけた相手だからね、ケイトに万が一のことがあったら困る。

 ウルトがサイクロプスに体当たりを仕掛けて押し倒す。
 そのまま上に乗り動きを封じてからケイトが降りてとどめを刺した。

「【剛力無双】と【生命力強化】両方手に入ったよ!」

 テンション高めでケイトは戻ってきた。
 どうやら複数スキル保持している魔物も倒せばそれらを奪えるらしい。

 これはちょっとチート武器過ぎない?

 何はともあれサイクロプスを撃破したのでボス部屋を抜けて安全地帯へと進む。

「階扉は……消えてるな」

 安全地帯から10階層に続く扉は影も形も残っていない。
 マンモンが復活するまではあの部屋に行くことも出来ないということか。

「クリード様、時間もちょうどいいですしここで昼食を摂りませんか?」

 訓練の日々を思い出して遠い目をしていた俺にサーシャが話しかけてきた。
 時計を見ると11時半過ぎ、確かにちょうどいい時間だな。

「そうだね、そうしようか」
「ではすぐに用意しますね」

 サーシャはウルトに頼んで食材や調理器具を取り出して料理を始めた。
 今日は何作ってくれるのかな?

「クリードくんちょっといいかな?」

 サーシャがミノ肉を取り出したのを見てワクワクしていると今度はケイトに話しかけられた。

 振り替えって見るとケイトはバツの悪そうな顔をしていてその後ろでは何故かソフィアが蹲っていた。

「どしたの?」

 というか何があったの?

「いやぁ……【剛力無双】の効果を確かめてみようと思ってソフィアと力比べしたんだけど……」

 なるほど察した。
 ソフィアはパワー型というよりスピード型だからね、相手にならなかったんだね……

「いいよ、やろうか」
「ありがとう、まずはスキル無しでお願い」

 両手の平をこちらに向けてきたので俺もそれに合わせて手4つの姿勢。

「いつでもいいよ」
「いくよ!」

 言葉と同時にケイトは力を込めて俺の腕を押し込んでくる。
 それを受けこちらも力を入れて逆に押し返す。

 ケイトはかなり押し込まれて辛そうだ。

「やっ……ぱり強いね、じゃあいくよ、【剛力無双】!」

 ケイトごスキルを発動した瞬間に体勢をひっくり返された。
 俺の手首も完全に返されてさらに押し込まれる。

「痛い痛い痛い痛い!」

 慌てて俺も【剛力無双】を発動して押し返す。
 ふぅ、折れるかと思った。

 少し俺が押している状態くらいまで押し返して力比べは終了、ケイトはすごい顔で「ぐぬぬ」とか言ってたけど女の子としてそれは大丈夫?

 それから食事の支度ができるまで軽く訓練をして昼食を食べてから帰還することにした。
しおりを挟む
感想 194

あなたにおすすめの小説

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...