異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)

愛飢男

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第1章……王国編

間話4……勇者たちの日々

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 翌朝窓から差し込む陽の光で目が覚めた。
 体を起こして大きく息を吸いながら体を伸ばしながら昨日の出来事を思い出す。

 いきなり召喚されて魔王を倒せと言われたり、服はゴワゴワだし食事も美味しくない、電気ガス水道も無い生活。でも……

「この生活も悪くないかもしれない」

 そう呟くとほぼ同時、扉がノックされ昨日のメイドさんが入室してきた。

「勇者様おはようございます。朝食の支度が整っております」

 メイドさんの案内で昨日と同じ食堂へ、幼なじみたちと朝の挨拶を交わして食べる。
 相変わらずあまり美味しくは無いが昨日ほどは気にならなかった。

 食事を終えるとそのまま訓練、今日も神器を召喚する訓練だ。

「では訓練を開始する!」

 ゴルドさんの宣言で訓練が開始された。

 目を閉じて集中してみたり、頭の中に今まで何かで見た事のある剣の姿を思い浮かべてみたりするが一向に神器が召喚される感じは無い。

「出来た!」

 訓練が始まって2時間ほど経過したか、不意にそんな声が耳に入ってきた。
 誰が成功したのかと見てみると、そこにはいかにも魔法使いが持っていそうな杖を掲げた賢人の姿があった。

「おお、最初の成功者は賢者ケント殿か!  おい!」

 ゴルドさんは賢人が成功したのを見て脇に控えていた細身の男に指示を出す。
 指示を受けた男は小走りで賢人に駆け寄り話しかけた。

「おめでとうございますケント様。そちらの杖を鑑定させて頂けますか?」
「鑑定ですか?  テンプレの?  あぁ、良いですよ」

 細身の男はテンプレ?  と呟きなら杖を受け取り杖に向けて手をかざした。

「おお!【魔法効果増大(大)】【魔法範囲拡大(大)】【使用魔力減少】と3つも効果が付与されております!」

「3つ!?」「すげぇな」「さすが神器」と訓練を見学している兵士さんがざわついた。

 ゴルドさんも嬉しそうに頷いているしこの世界基準ではすごいのだろう。
 俺にはちょっとわかんないけど……

「ねぇ賢人、コツ教えてくれない?」

 スススと愛子が賢人に近付き教えを乞う。
 あ、俺も聞きたい!

「賢人、俺にもお願い」
「俺も頼む」
「私も」

 俺たちも置いていかれないように賢人のところに集まる。

 ゴルドさんや兵士さんの話じゃ分からないから賢人に教えてもらうんだ。

「えっと、まずは頭を目を閉じて空っぽにして」

 言われた通りに目を閉じる。
 頭を空っぽにしなければと考えるがどうやったら空っぽになるのだろうか?

「召喚してみて分かったけど、神器って自分の中にあるんだ。だから意識を自分の内側に向けて探すっていうか……」

 立っているとなんか上手く集中し切れない、なのでその場に座り目を閉じて意識を集中させる。
 自分の中……

 自分の中というのはよく分からないけど答えはもう持ってると言われたら探してみるしかない。

 しばらく目を開けず考え込んでいると、今度は「出来た!」知也の声が聞こえた。

 思わず目を開けてしまい知也を見ると、全身守れそうなくらい大きな白い盾を手にしていた。

「これが聖盾……」
「鑑定します」

 先程の細身の男性が今度は知也に近付き盾に手をかざしている。
 受け取らないのは大きいからかな?

「【衝撃吸収】【魔力霧散】【衝撃力発散】の3つですね」

 またしても兵士さんからどよめきが起こる。

 効果が付いているのは分かったけどどんな効果なのかは分かりづらいな……

 とりあえず後で賢人に教わるとして、まずは自分の神器だ。
 賢人と知也の神器を見ているとなにか感じるものがある、それをしっかり形にして……

「やった!  出来た!」

 再度集中しようとした時今度は愛子の声が聞こえてきた。
 愛子の手には長剣が握られている。
 薄く紫に光っていてやけに毒々しい。

「【不治】【毒攻撃】【身体能力向上】の3つです!」

 やっぱり毒じゃん……

 でも賢人だけじゃなくて知也と愛子も出来たってことは俺にできないはずは無い……

「出来た……」

 さぁ集中!  と思ったところで今度は香織の声。
 見ると香織は時代劇で見た事あるクナイのようなものを持っていた。

「【分身】【各種状態異常攻撃】【不可視化】です!」

 恒例の鑑定、恒例のざわつき、それが俺の焦燥感を煽った。
 ヤバい、俺だけ成功してない……

 やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい……

 何でだ?  アイツらに出来てなんで俺に出来ないんだ!?

「英雄……」
「すまない、ちょっと集中させてくれ」

 心配そうに声を掛けてきた知也を遠ざけて壁際に1人座り込む。

 確かに賢人には勉強、知也には運動でそれぞれ敵わない。
 愛子や香織だって得意分野で勝負したら勝てないだろう。
 でも、それ以外のことなら……

 アイツらが得意なことでトップに立つなら俺は全部で上位に食い込める。
 1つ1つでは敵わなくてもトータルでなら、全部合わせたら俺が1番なんだよ!
 なのに……

「アイツらに出来て俺に出来ないわけがない……」

 誰にも聞こえないように小さく呟いて心を落ち着かせる。

 その後昼食時にみんなからアドバイスを貰い午後の授業はキャンセルさせてもらって1人訓練所で召喚を試みる。

 結局2日目に召喚することは叶わず気落ちしたまま夕食を食べてメリルに慰めてもらいながら眠りについた。

 そして2日後、みんながそれぞれ兵士さんと訓練している時ようやく聖剣の召喚に成功することが出来た。

 俺の手にある聖剣は白く美しい輝きを放っている。
 持っているだけで力が漲ってくるような気もする。

「鑑定します」
「お願いします」

 聖剣を差し出して細身の男に鑑定してもらう。
 さぁどんな効果が付いてるのかな?

「なッ!!」

 細身の男は目を見開き絶句する。
 周囲の兵士さんや幼なじみたちもこちらに注目していた。

「どうしました?」
「し……失礼しました」

 俺が声をかけると男は額の汗を拭いてから口を開いた。

「【絶対切断】【身体能力向上(大)】【魔力向上(大)】【破邪攻撃】【各種状態異常無効】【魔法威力上昇】のむ、6つです!」

 瞬間、訓練所は静寂に包まれた。

 6つか……ほかの幼なじみたちは3つだった。単純に2倍……
 つまりそれだけ性能に差があるということだ。
 倍の性能があるなら少しくらい成功が遅れるのは仕方ないよね?

「おぉ……」や「さすが勇者様」など俺を賞賛する声がワッと聞こえてきた。

 うん、やっぱり俺はすごいんだ、俺が1番なんだ!

 勇者様、勇者様と呼ばれるのが心地いい。
 最初こそむず痒がったが今となっては当たり前だとすら思う。
 俺は選ばれた人間なのだから……

 それからの訓練は順調そのものだった。
 兵士さんと手合わせしてみても動きが遅く力も弱い。
 簡単に弾けてしまう。

 他にも賢人と一緒に魔力を感じるためだとかで白の中庭にある林で瞑想してみたり……
 これは神器召喚の時とは違い賢人と一緒にすぐ魔力を感じることができた。

 聖剣を召喚することに成功しておよそ2週間、騎士団や魔法師団の中に俺たちに勝てる人はほとんど居なくなった。
 今度ゴルドさんと戦って勝てばようやくお城から出て魔物と戦えるらしい。

 その時に名前が出たから気付いたのだが、どうやらエメラルド宰相ではなくエラルド宰相らしい。
 全く、紛らわしい名前はやめて欲しいよね。

 あ、そうそう、それとなんか近くの迷宮都市って街ではミスリルって希少金属が採れるらしいんだけど、その金属を使った鎧を作って貰えるらしいよ。

 何でもめちゃくちゃ高価な鎧だって言うけどすごく高性能みたいだし世界を救う勇者がそれを貰えるのって当たり前だよね?
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