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来たる魔王軍とはみだしモノたちのパーティー

第37話「トラップ」

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手にしたプレートが鉛色に輝く。
冒険者等級が鉄(アイアン)になった。
あの気だるそうな受付のお姉さんが私たち3人のためにはりきって手続きを進めてくれた。
プレートを手渡された瞬間は心が弾んだ。
「おめでとう」と、ルメリアさんも顔をほころばせる。
「ありがとうございます。ルメリアさんのおかげです」
「じゃあ、もっといい色の等級を目指しましょうか」
「はい」
私は再び手許のプレートに目を落とした。
「うれしいなぁ」
あかねもうれしそうに私に抱きついて顔を寄せてくる。
「冒険者が必死になるのがわかる気がするね」
「そうだね」
あかねと笑顔を向き合わせて喜んでいると
私はハッとして受付のお姉さんの方を見やった。
「お姉さん⋯⋯いや、ノーラさんもありがとうございます」
お礼を言うとノーラさんが気恥ずそうに顔を赤くしてソッポを向く。
「別に⋯⋯」
ツンデレなノーラさんの態度になんだか可笑しくなってきて思わず、クスッと声に出して笑ってしまった。
すると、となりの方から男性の声が聞こえてくる。
「換金してくれ」
振り向くと、となりの受付で気力のない冒険者さんが
キリングウサギの毛皮を素材として提出している。
気づいた冒険者さんがチラッとこちらを見る。
だけど、お金を受け取るなり行ってしまった。
「またこの間の冒険者だね。気になるの天音?」
「いえ⋯⋯なんだか不思議な人って感じがして⋯⋯」
「そう?」
「生活のためにああやってクエストをこなしているみたいだけどーー」
「天音?」
「生きようとする行動に対してまるで死んでるみたいで⋯⋯」
「怖いこと言わないでよ」
「ごめん」

「よう。ルメリアじゃないか」

首から金(ゴールド)のプレートをぶら下げた冒険者が声を掛けてきた。
背後には仲間と思われる冒険者4人の姿がある。
「オルタ!」
様子からルメリアさんの知り合いのようだ。
もしかしてこの人がルメリアさんを追放したっていうパーティーのリーダー?
ルメリアさんがオルタと呼ぶ冒険者は意地悪そうな表情を浮かべてグッと顔を私のプレートに近づけてきた。
「鉄(アイアン)か。ずいぶんと弱っちそうなやつらとつるんでるじゃないか。ひとりがさみしくてパーティーを作ったのか?」
「この子たちは違うわ。はじめたばかりだから手ほどきをしてあげてるの」
「いつまでも意地張ってないで戻って来いよ」
「どっちが」
「ケッ、俺からもひとつアドバイスしてやるぜ。西の森に素人(しろうと)にはおあつらえ向きのダンジョンがあるぜ。
そこでせいぜいポイントを稼ぎな」
オルタという冒険者とその仲間たちは嘲笑いながら「じゃあな」と、立ち去っていく。

***
ルメリアさんは“ダンジョン探索はいい経験になる”と、私たち3人と西の森へつづく街道を進む。
歩きながらあかねがそっと私に耳打ちをする。
「さっきの嫌味な奴、ルメリアさんに気アリまくりだったね」
すると聞こえたのかルメリアさんが振り向いた。
「気、悪くしちゃったぁ? ごめんね」
「え、いや、ごめんなさい」
「さっきの彼はオルタ・ヴォルグといって、幼なじみで村を出てから一緒に冒険者をはじめたの。
駆け出しの頃はね、オルタもどんな小さな依頼もコツコツとこなして、そのたび依頼主に感謝されることに
喜びを感じてたわ」

***
私は天音さんたち3人にオルタのことを話しながら思い出していた。
ギルドでテーブル席を囲んで親しい冒険者たちとお酒を飲んでいたときのことだ。
「俺はどんな依頼にも答えられる冒険者になりたい」
酒の入った勢いもあって、その日のオルタは熱く語っていた。
「なぁみんな聞いてくれ。たくさんの依頼に応えるには俺とルメリアだけじゃ限界がある」
察した仲間たちは「おお」と、相槌を入れる。
「俺はここにいるフレンドたちとパーティーを作りたい」
オルタの決断に私含めた仲間たちが「おおー!」と拍手交じりに歓声をあげて応えた。
「オルタ、いやリーダー知っているか?」
「リーダーっておい」
オルタが照れくさそうに応える。
「メンバー全員が金(ゴールド)になれば白金(プラチナ)にあげてもらえるらしいぜ」
「おいおい白金(プラチナ)になっちまったら、ギルドから推薦でエイドリッヒ公爵に勇者待遇で仕官できるぜ」
「勇者!いいじゃねぇか。やろうぜ」
「おう! 俺たちの収入も安定するしな」
「言うなよ」
そうやって立ち上げたパーティーは“頼れる剣(つるぎ)”とその名前をプレートに刻んだ。

***
森を深く進むこと1時間は経過しただろうか。
生い茂った木々の葉っぱを払い除けると、積み上げた石でできたほこらが現れた。
ほこらの石は苔がみっちりと生えて緑色に染めている。
ところどころ蔓が巻きついていて、まさしくゲームで目にするダンジョンの入口という感じだ。
あたりは薄暗く、遠くからは鳥の鳴き声が響いてきて不気味な雰囲気を漂わせている。
あかねはさっきから私の背中にピッタリとくっついて体を震わせている。
こんな場所でも冷静沈着なミザードさんは、舐めるようにじっくりとダンジョンのつくりを観察している。
「この場所、リグリットの村の神殿に似てますね」
「つくった人が同じなんじゃないの」
怯えるあかねはそれどころじゃなくミザードさんの話を軽く聞き流した。
躊躇している私たちを尻目に平気そうな顔して「さぁ進みましょう」と、ルメリアさんは手持ちランプに火をつけて中へと入っていく。

***
ルメリアさんを先頭にダンジョンの暗い通路を進む。
肌寒さと”ゴー“という風の音が不気味さを演出してくれてなかなかにこわい⋯⋯
ルメリアさんの手持ちランプとミザードさんの火のついたたいまつが照らす薄明かりだけが頼りだ。
すると明かりに驚いたコウモリの群れが私たちに向かって飛んできた。
「きゃああ!」
あかねと声に出して悲鳴をあげる。
今度は暗がりの中に無数の紅い眼が光り出す。
定番演出の連続とはいえリアルで体験するなんてはじめてのこと。怖気づいてしまう。
ミザードさんがルメリアさんの合図でたいまつを投げた。
すると紅い眼の正体が飛び出してきた。

“キリングウサギ”

「どうやらここが巣だったようね。一網打尽にすれば、里への被害を減らせるわ」
私もすぐさまに剣を手に取った。
ジャンプして襲ってくるキリングウサギの行動パターンはもう把握している。あとは落ち着いて教わったことを繰り返すだけだ。
「そこだ!」
狙いを定めた間合いに剣を振り下ろす。
ブツリと肉が切れる音ともにキリングウサギが地面に転がった。
この調子で1匹、2匹⋯⋯前後左右から飛びかかってくるキリングウサギを斬った。
ルメリアさんとの修行の成果が出てる!
だけどやられたときに出る”キュピッ!“というカワイイ鳴き声とこの生暖かい返り血だけはもう勘弁してほしい~
「あかね~もう早くなんとかして耐えられないよぉ」
泣きベソをかきながらあかねを頼った。
「ちょっと待ってなさい」
あかねは剣先を下向きにして突き上げた剣を勢いよく地面に突き立てた。
その瞬間、剣を中心に氷が広がって天井まで一気に通路を凍りつかせた。
キリングウサギたちは次々に侵食してきた氷柱に捕らえられた。
「イエーイ」とドヤ顔でピースサインするあかねに、ルメリアさんも「やるわね」と感心する。
「私も修行のおかげでレベルアップできたみたいです」
「期待してるわ。先へ急ぎましょう」

***
暗く狭い通路を抜けると広い空間に出た。
すると道しるべのように備え付けられたたいまつに次々と火が灯る。
たいまつの火が示す道の先には石でできた大扉がある。
「扉に苔がついている。まだ誰もここまで到達したことがないようね」
ルメリアさんがあたりを見回しながら歩みだした。
「待ってくださいルメリアさん!」
「トラップがあるからやたらに触らないでね」

***
「ご苦労だったルメリア。俺たちの代わりにトラップに掛かってくれ」
不敵な笑みを浮かべたオルタ・ヴォルグは、積み上げられたレンガの一部に隠されているスイッチを押す。
オルタと仲間の冒険者たちはケタケタと笑いながらルメリアたちの動向を見つめる。
間も無くして広間の壁の隠し扉が開いて中からぞくぞくと骸骨型のアンデッドが出てくる。
そして瞬く間に天音たち4人を取り囲まむ。

***
「本当のお化け出ちゃったじゃない!」
群がってくる人骨に腰を抜かしたあかねが私にしがみつく。
「私、こういうの苦手なの!」
「スカルソルジャー!」
「これって本物のお化けなんですか⁉︎ ルメリアさん!」
「違うわ。このダンジョンを守るためにつくられたアンデッドよ! 古代の人類が魔術ってゆうの?異能の力を使ってつくったのよ」
「!」
ハッとした瞬間、まさかと思った。
このアンデッドたちを生み出している力は私たちの紋章と同じ由来の力なのでは?
ダンジョンもリグリット村の神殿も⋯⋯もしかしてーー
さっきミザードさんが言っていたことは無下にしてはいけなかった。
紋章の謎を解く手がかりになったかもしれない。
だけど今はそんなことを深く考えている余裕はない。
「あかね様、氷の魔術を!」
「ダメ!今やったらみんなが氷漬けになっちゃう」
今はひたすら向かってくるスカルソルジャーを倒すしかない。
キリングウサギと違ってスカルソルジャーの攻撃はワンパターンだ。
武器で襲われる前に剣で叩けば簡単に崩れてしまう。私でも倒しやすい。
そのかわりに圧倒的な物量で迫ってくる。
ルメリアさんも息を切らしはじめている。
まずい、限界が来たらやられてしまう。

「「「「「ハハハハハッ」」」」」

どこからか男性たちの笑い声が聞こえてくる。
たいまつを手にやってきたのはルメリアさんのかつてのパーティーメンバーたち⋯⋯
「さて扉の向こうのお宝を頂きますか」
「待って! もしかしてこれはあなたたちの仕業⁉︎  どうしてトラップを発動させたの!」
「囮って言葉を知らないのか?」
「もしかしてこれが目的でここのダンジョンを勧めたの」
「おいおい、よそ見をしてるとアンデッドにやられちまうぜ。せっかくの金(ゴールド)が泣くぞ」
「オルタ! あなたいつからそんな卑怯者になったの」
「なんだ? 俺を罵る前に自分たちの置かれている状況を見たらどうだ」
「くッ」
「俺に手伝って欲しくはないのか?」
「⋯⋯この子たちの命だけでもお願い」
「だったらルメリア、手伝ってくださいとまずすることがあるだろ。そこに土下座。土下座しろよ」
「外道がッ!」
「口汚い言葉はお前に似合わないぜ。俺だってかつてのパーティーメンバーは救ってあげたいさ。だけどメンバーの手前、メンツってものがある。
出ていかれておいそれと戻してあげるわけにはいかないんだ。だから頭を下げろ。土下座すれば許してやるよ」
ルメリアさんはスカルソルジャーを払い除けて、地面に片膝をついた。
「この子たちを⋯⋯」
「ダメ! ルメリアさん。私たちなら大丈夫だから」
「黙れ、小娘!」
その時だった。
地面の揺れが私たちを襲う。
大扉や周囲の壁が徐々に崩れはじめる。
そして岩石が吹き飛んだ瞬間、中から紫の物体が飛び出してくる。
巨大な体躯をしならせながら、一ツ目のムカデ型モンスターが現れた。
「なんだこいつは⁉︎」
オルタさんがその場に尻をついて慄く。
ムカデ型モンスターが大きな口を開けて雄叫びをあげると再び地面が揺れる。
そしてよだれのような体液を垂らしながらその口を私たちに近づけてきた。
「喰われる!」
オルタさんを置いてパーティーのメンバーたちが一目散に逃げ出す。
私も”喰われる“”もうダメだ“と覚悟した。
だけどその瞬間、ムカデ型モンスターの体に縦にまっすぐ一筋の光が走る。
そしてミシミシと音を立てながらムカデ型モンスターの体は真っ二つに裂ける。
裂けたモンスターの向こう側に大剣を振り下ろすあの気力のない冒険者さんの姿があった。
「聖剣トライトエールに斬れないものは無い!」

つづく


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