12 / 100
月野木天音とクライム・ディオールの伝説
第11話「やがて魔王になる君へ」
しおりを挟む
窓から見える満月がいつもよりはっきり見える。
澄みきっているのか、空の光が金に染まった私の髪を輝かせる。
疲れた私は、いつもより早くベッドの上に横になった。
ベッドの傍らには、私の話を聞きたいという女性がノートにペンを走らせている。
「プ、プラ⋯⋯え⋯⋯」
「天音。天音でいいわ」
「あ、あの天音さんにとって、魔王とはどのような存在だったんですか?」
「そうね⋯⋯」
私は思い返しながら、おもむろに腰元まで伸びた髪に触れて、毛先をいじりながら実感する。
「そうか⋯⋯もうこんなに伸びたんだ⋯⋯」
「え?」
***
やはり曇っている⋯⋯
私は、鏡に映る自分の顔を見つめてそう感じた。
ここはディフェクタリーキャッスル。
ウェルス王国軍に勝利したジェネラル・鷲御門 凌凱(わしみかど りょうが)君の軍勢が帰還したため、
数時間前に急遽、7人会議が開かれた。
7人会議とはクラス委員を含む生徒会役員によるクラスの中心人物が集まる会議だ。
メンバーは、陽宝院光樹(ようほういん みつき)君、鷲御門 凌凱君、東坂慎次君、紡木美桜(つむぎ みお)さん、
露里一華(つゆり いちか)さん、篠城彩葉(しのじょう いろは)さん、そして私。
自分たちの国をつくると決めて以降、重要なことはこの7人の話し合いで決めてきた。
「ひとまずはご苦労だったね」と、陽宝院君は、鷲御門君ら紡木さん、露里さん、篠城さんをねぎらう。
「君たちの活躍のおかげで、かねてからの脅威だったウェルス王国は退けられた。ようやく訪れたこの平穏を守るために、フェンリファルト皇国の国の在り方を一緒に決めたい。では⋯⋯」
「待って。陽宝院君が、内閣総理大臣ってどうゆうこと?」
紡木さんが陽宝院君の話を遮る。
「それに何この閣僚名簿、性懲りも無くまた月野木さんの名前が入っているじゃない」
紡木さんが、私のことで意見するのは今日がはじめてじゃない。
***
それは自分たちの国を作ると決めて、クラス全員で話し合ったときだ。
「僕たちの国の代表。王は月野木天音君が相応しいと思うんだが。みんなはどうだ?」
陽宝院君はこのとき私を王様にと推薦してくれた。
一緒にいた東堂あかねは、非常に喜んで賛成してくれたけど、紡木さんたちが強く反対した。
「なんで月野木さんなのよ。月野木さんは戦うことができないじゃない。そんな人が王様で大丈夫なの?」
「戦えることだけが代表の資質じゃない。みんなをまとめる力も必要だ。月野木さんは、副会長として不甲斐ない僕を立派に支えてくれた。
書記の紡木さんも、彼女の活躍を近くで見てきたじゃないか。それにこのほうが戦えない月野木さんをみんなが守りやすい」
陽宝院君は、この異世界でクラスメイトから死者を出さないことを最優先としている。
ときどき過保護に感じることもあるけど、クラスの中で真っ先に死ぬ可能性の高い私の身を案じてくれている。
「ひとりで戦えないような人をどうして私たちが命を賭けて守らなければいけないのよ。みんな自分を守ることで精一杯なのよ」
頻繁に襲ってくるウェルス王国の兵たちとの戦いで、みんなは神経をすり減らしていた。
いくらチート能力があるとはいえ、相手は手練れた戦争のスペシャリストたち。一筋縄では行かない。
怪我もして、顔に悲壮感を漂わせながら帰ってくるみんなに“おつかれ”や“おかえり”と、声をかけることしかできない私に
ときおり向けられる紡木さんたちの視線が痛かったのを覚えている。
***
「私は月野木さんが7人会議のメンバーにいることにすら今以って納得していない」
紡木さんたちをはじめとした、いわゆる鷲御門派とされるクラスメイトたちはチート能力が高く、戦争で活躍した人を重用すべきだという考えが強い。
「他も陽宝院派の人ばかりだし、しかも異世界の人間まで」
「出自や強さに関係無く、その人の実力、資質を見て判断した。これからは、武力がすべてじゃない。それに陽宝院派なんて派閥、僕はこのクラスに作った覚えはないよ」
「私たちがいない間に勝手にいろいろ決めておいて今さら“一緒に”なんて。関白の権限ってそこまですごいの?」
「内政は僕に一任したはずだ。女王陛下は、僕たちがいた世界と同じ文明レベルの国を望んでいる。これから民主化を進め、選挙制度の導入、議会を開く。
僕の総理大臣就任は、仕組みを作るための一時的なものだ。議会が開かれれば、あらためて投票で決めよう」
「あんな息の詰まった窮屈な世界をわざわざこの世界に再現して何が楽しいの?」
「文明レベルを急速に上げなくては僕たちの安全は保障されない」
「陽宝院⋯⋯」
黙っていた鷲御門君が口を開く。
「この評定に異世界人を招き入れるのは早いと感じる。敗走したウェルスの国王の行方もまだ掴めていない。
しばらくは、この7人による合議制で行うべきだ」
政治に参画させたら、数の力で手のひらを返されるリスクがある。
鷲御門君たちは異世界の人たちに対する警戒心が強い。
無理もない。私たちはこの異世界の人たちから命を狙われ、裏切られることも経験した。
自分たちの強さにこだわるのも、根底にあるのは異世界人に対する恐怖だ。
「わかった。内閣制や議会に関する取り決めは見送ろう。しかしせっかく集まったんだ、これだけは決めておきたい」
「どういったことだ?」
「後藤駿平(ごとうしゅんぺい)君と肥後尊君が命を奪われた。手を掛けたのはクライム・ディオールを名乗る右条晴人君だ」
「ディオール⋯⋯」
紡木さんたちからは、ハルト君が生きていたことに驚く声が漏れる。
「彼の目的が僕ら全員を殺すことにあるのなら皇国の新たな脅威だ。フェンリファルト皇国として、クライム・ディオールの討伐令を出したい」
***
陽宝院は、晴人と通話した日の出来事を思い返す。
「俺は月野木天音が笑って暮らせる世界を作りたいんだ」
その言葉がスマホの向こうから聞こえてきた瞬間、スマホを持つ手を震わせて、
歪んだ表情が不気味な笑みを作る。
“月野木君は僕の隣にこそ相応しい⋯⋯”
その数分後、戦場に光線の雨が降り注がれた。
***
街道を進むクライム・ディオールの一行
「ねぇ、クライム。メイをそのままにしてよかったの? メイにも紋章が」
トゥワリス国を発つときに心身喪失した佐倉芽衣をムルグのじいさんに預けた。
「今はその必要はない」
イリスの問いにクライムは答えた。
***
鏡に映る私を見つめてどのくらい経ったのだろう。
紡木さんは、あの後、私を7人会議から外すことを要求してきた。
「ひとりで戦えないような人をどうして私たちが命を賭けて守らなければいけないのよ」
「今度は悲劇のヒロイン。自分からは何もしようとしなくてもいい」
「なんで月野木のような弱っちいヤツがこんなところにいるんだ。ここはお前がいるところじゃない」
紡木さん、紫芝さん、ハルト君の言葉が私の頭の中をぐるぐる回る。
“弱っちいヤツ”
その言葉が強くよぎった瞬間、MMORPGでプレイしていた頃の記憶がよみがえる。
そうか。強くなればいいんだ。
そんな簡単なことをなんで忘れていたんだろう。
3人の言葉は正しい、私は戦えないことに甘えて何もして来なかった。
そんな私に不満がつのるのは当然だ。
“決意した”
さっそく私は引き出しを開けて、しまってあった短剣を手に取る。
それと同時に部屋にノックの音が鳴り響く。
「天音、入るよ」
あかねの声にかまうことなく、私は後髪を束ねる。
「あ、天音、何やっているの!」
扉を開けて入ってきた、あかねは驚く。
それでも私は、かまうことなく短剣で一気に束ねた後髪を切り落とす。
「あ⋯⋯ああ、天音のサラサラが⋯⋯」
あかねは、床に落ちた私の髪の毛を見てその場にへたり込んでしまった。
鏡の私がとても晴れやかな顔をしている。
私は鏡の私に声をかける。
「がんばれ。私」
第1章完
澄みきっているのか、空の光が金に染まった私の髪を輝かせる。
疲れた私は、いつもより早くベッドの上に横になった。
ベッドの傍らには、私の話を聞きたいという女性がノートにペンを走らせている。
「プ、プラ⋯⋯え⋯⋯」
「天音。天音でいいわ」
「あ、あの天音さんにとって、魔王とはどのような存在だったんですか?」
「そうね⋯⋯」
私は思い返しながら、おもむろに腰元まで伸びた髪に触れて、毛先をいじりながら実感する。
「そうか⋯⋯もうこんなに伸びたんだ⋯⋯」
「え?」
***
やはり曇っている⋯⋯
私は、鏡に映る自分の顔を見つめてそう感じた。
ここはディフェクタリーキャッスル。
ウェルス王国軍に勝利したジェネラル・鷲御門 凌凱(わしみかど りょうが)君の軍勢が帰還したため、
数時間前に急遽、7人会議が開かれた。
7人会議とはクラス委員を含む生徒会役員によるクラスの中心人物が集まる会議だ。
メンバーは、陽宝院光樹(ようほういん みつき)君、鷲御門 凌凱君、東坂慎次君、紡木美桜(つむぎ みお)さん、
露里一華(つゆり いちか)さん、篠城彩葉(しのじょう いろは)さん、そして私。
自分たちの国をつくると決めて以降、重要なことはこの7人の話し合いで決めてきた。
「ひとまずはご苦労だったね」と、陽宝院君は、鷲御門君ら紡木さん、露里さん、篠城さんをねぎらう。
「君たちの活躍のおかげで、かねてからの脅威だったウェルス王国は退けられた。ようやく訪れたこの平穏を守るために、フェンリファルト皇国の国の在り方を一緒に決めたい。では⋯⋯」
「待って。陽宝院君が、内閣総理大臣ってどうゆうこと?」
紡木さんが陽宝院君の話を遮る。
「それに何この閣僚名簿、性懲りも無くまた月野木さんの名前が入っているじゃない」
紡木さんが、私のことで意見するのは今日がはじめてじゃない。
***
それは自分たちの国を作ると決めて、クラス全員で話し合ったときだ。
「僕たちの国の代表。王は月野木天音君が相応しいと思うんだが。みんなはどうだ?」
陽宝院君はこのとき私を王様にと推薦してくれた。
一緒にいた東堂あかねは、非常に喜んで賛成してくれたけど、紡木さんたちが強く反対した。
「なんで月野木さんなのよ。月野木さんは戦うことができないじゃない。そんな人が王様で大丈夫なの?」
「戦えることだけが代表の資質じゃない。みんなをまとめる力も必要だ。月野木さんは、副会長として不甲斐ない僕を立派に支えてくれた。
書記の紡木さんも、彼女の活躍を近くで見てきたじゃないか。それにこのほうが戦えない月野木さんをみんなが守りやすい」
陽宝院君は、この異世界でクラスメイトから死者を出さないことを最優先としている。
ときどき過保護に感じることもあるけど、クラスの中で真っ先に死ぬ可能性の高い私の身を案じてくれている。
「ひとりで戦えないような人をどうして私たちが命を賭けて守らなければいけないのよ。みんな自分を守ることで精一杯なのよ」
頻繁に襲ってくるウェルス王国の兵たちとの戦いで、みんなは神経をすり減らしていた。
いくらチート能力があるとはいえ、相手は手練れた戦争のスペシャリストたち。一筋縄では行かない。
怪我もして、顔に悲壮感を漂わせながら帰ってくるみんなに“おつかれ”や“おかえり”と、声をかけることしかできない私に
ときおり向けられる紡木さんたちの視線が痛かったのを覚えている。
***
「私は月野木さんが7人会議のメンバーにいることにすら今以って納得していない」
紡木さんたちをはじめとした、いわゆる鷲御門派とされるクラスメイトたちはチート能力が高く、戦争で活躍した人を重用すべきだという考えが強い。
「他も陽宝院派の人ばかりだし、しかも異世界の人間まで」
「出自や強さに関係無く、その人の実力、資質を見て判断した。これからは、武力がすべてじゃない。それに陽宝院派なんて派閥、僕はこのクラスに作った覚えはないよ」
「私たちがいない間に勝手にいろいろ決めておいて今さら“一緒に”なんて。関白の権限ってそこまですごいの?」
「内政は僕に一任したはずだ。女王陛下は、僕たちがいた世界と同じ文明レベルの国を望んでいる。これから民主化を進め、選挙制度の導入、議会を開く。
僕の総理大臣就任は、仕組みを作るための一時的なものだ。議会が開かれれば、あらためて投票で決めよう」
「あんな息の詰まった窮屈な世界をわざわざこの世界に再現して何が楽しいの?」
「文明レベルを急速に上げなくては僕たちの安全は保障されない」
「陽宝院⋯⋯」
黙っていた鷲御門君が口を開く。
「この評定に異世界人を招き入れるのは早いと感じる。敗走したウェルスの国王の行方もまだ掴めていない。
しばらくは、この7人による合議制で行うべきだ」
政治に参画させたら、数の力で手のひらを返されるリスクがある。
鷲御門君たちは異世界の人たちに対する警戒心が強い。
無理もない。私たちはこの異世界の人たちから命を狙われ、裏切られることも経験した。
自分たちの強さにこだわるのも、根底にあるのは異世界人に対する恐怖だ。
「わかった。内閣制や議会に関する取り決めは見送ろう。しかしせっかく集まったんだ、これだけは決めておきたい」
「どういったことだ?」
「後藤駿平(ごとうしゅんぺい)君と肥後尊君が命を奪われた。手を掛けたのはクライム・ディオールを名乗る右条晴人君だ」
「ディオール⋯⋯」
紡木さんたちからは、ハルト君が生きていたことに驚く声が漏れる。
「彼の目的が僕ら全員を殺すことにあるのなら皇国の新たな脅威だ。フェンリファルト皇国として、クライム・ディオールの討伐令を出したい」
***
陽宝院は、晴人と通話した日の出来事を思い返す。
「俺は月野木天音が笑って暮らせる世界を作りたいんだ」
その言葉がスマホの向こうから聞こえてきた瞬間、スマホを持つ手を震わせて、
歪んだ表情が不気味な笑みを作る。
“月野木君は僕の隣にこそ相応しい⋯⋯”
その数分後、戦場に光線の雨が降り注がれた。
***
街道を進むクライム・ディオールの一行
「ねぇ、クライム。メイをそのままにしてよかったの? メイにも紋章が」
トゥワリス国を発つときに心身喪失した佐倉芽衣をムルグのじいさんに預けた。
「今はその必要はない」
イリスの問いにクライムは答えた。
***
鏡に映る私を見つめてどのくらい経ったのだろう。
紡木さんは、あの後、私を7人会議から外すことを要求してきた。
「ひとりで戦えないような人をどうして私たちが命を賭けて守らなければいけないのよ」
「今度は悲劇のヒロイン。自分からは何もしようとしなくてもいい」
「なんで月野木のような弱っちいヤツがこんなところにいるんだ。ここはお前がいるところじゃない」
紡木さん、紫芝さん、ハルト君の言葉が私の頭の中をぐるぐる回る。
“弱っちいヤツ”
その言葉が強くよぎった瞬間、MMORPGでプレイしていた頃の記憶がよみがえる。
そうか。強くなればいいんだ。
そんな簡単なことをなんで忘れていたんだろう。
3人の言葉は正しい、私は戦えないことに甘えて何もして来なかった。
そんな私に不満がつのるのは当然だ。
“決意した”
さっそく私は引き出しを開けて、しまってあった短剣を手に取る。
それと同時に部屋にノックの音が鳴り響く。
「天音、入るよ」
あかねの声にかまうことなく、私は後髪を束ねる。
「あ、天音、何やっているの!」
扉を開けて入ってきた、あかねは驚く。
それでも私は、かまうことなく短剣で一気に束ねた後髪を切り落とす。
「あ⋯⋯ああ、天音のサラサラが⋯⋯」
あかねは、床に落ちた私の髪の毛を見てその場にへたり込んでしまった。
鏡の私がとても晴れやかな顔をしている。
私は鏡の私に声をかける。
「がんばれ。私」
第1章完
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
私、異世界で監禁されました!?
星宮歌
恋愛
ただただ、苦しかった。
暴力をふるわれ、いじめられる毎日。それでも過ぎていく日常。けれど、ある日、いじめっ子グループに突き飛ばされ、トラックに轢かれたことで全てが変わる。
『ここ、どこ?』
声にならない声、見たこともない豪奢な部屋。混乱する私にもたらされるのは、幸せか、不幸せか。
今、全ての歯車が動き出す。
片翼シリーズ第一弾の作品です。
続編は『わたくし、異世界で婚約破棄されました!?』ですので、そちらもどうぞ!
溺愛は結構後半です。
なろうでも公開してます。
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
「白い結婚最高!」と喜んでいたのに、花の香りを纏った美形旦那様がなぜか私を溺愛してくる【完結】
清澄 セイ
恋愛
フィリア・マグシフォンは子爵令嬢らしからぬのんびりやの自由人。自然の中でぐうたらすることと、美味しいものを食べることが大好きな恋を知らないお子様。
そんな彼女も18歳となり、強烈な母親に婚約相手を選べと毎日のようにせっつかれるが、選び方など分からない。
「どちらにしようかな、天の神様の言う通り。はい、決めた!」
こんな具合に決めた相手が、なんと偶然にもフィリアより先に結婚の申し込みをしてきたのだ。相手は王都から遠く離れた場所に膨大な領地を有する辺境伯の一人息子で、顔を合わせる前からフィリアに「これは白い結婚だ」と失礼な手紙を送りつけてくる癖者。
けれど、彼女にとってはこの上ない条件の相手だった。
「白い結婚?王都から離れた田舎?全部全部、最高だわ!」
夫となるオズベルトにはある秘密があり、それゆえ女性不信で態度も酷い。しかも彼は「結婚相手はサイコロで適当に決めただけ」と、面と向かってフィリアに言い放つが。
「まぁ、偶然!私も、そんな感じで選びました!」
彼女には、まったく通用しなかった。
「なぁ、フィリア。僕は君をもっと知りたいと……」
「好きなお肉の種類ですか?やっぱり牛でしょうか!」
「い、いや。そうではなく……」
呆気なくフィリアに初恋(?)をしてしまった拗らせ男は、鈍感な妻に不器用ながらも愛を伝えるが、彼女はそんなことは夢にも思わず。
──旦那様が真実の愛を見つけたらさくっと離婚すればいい。それまでは田舎ライフをエンジョイするのよ!
と、呑気に蟻の巣をつついて暮らしているのだった。
※他サイトにも掲載中。
美人すぎる姉ばかりの姉妹のモブ末っ子ですが、イケメン公爵令息は、私がお気に入りのようで。
天災
恋愛
美人な姉ばかりの姉妹の末っ子である私、イラノは、モブな性格である。
とある日、公爵令息の誕生日パーティーにて、私はとある事件に遭う!?
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる