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最後の攻略対象者、現る。
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多くの野次馬の中から、拍手ながら一人の学生がバカップル達に近づいてくる。そしてロロリイに声をかける。
「流石だな、ロロリイ・エボック。」
普通の茶色の髪に、目立つ黒縁眼鏡のラスカルであった。
「あら、クマさん。」
ロロリイは首を傾げた。
「大丈夫ですか? 兄上。」
「ラスカル……。」
眼鏡君はロロリイの横を素通りして王太子の前に立つ。
今眼鏡君は、王太子オスカルを兄と呼んだか? こ、これはもしや、最後の攻略対象者第五のコース腐女子が捜索しつくしても見つからなかった隠れキャラ嘘キャラと言われた攻略対象者か!!
眼鏡君は、茶色の鬘と黒縁眼鏡をロロリイの前で外して見せた。そこには、キラキラと輝く金の髪と青色瞳、オスカル王太子にそっくりな顔の王子が現れた。名を、ラスカル・フォン・バリスタ。バリスタ国の第二王子であった。
「ラスカルとオスカル。なるほどよく似た名前だわ、兄弟ね。」
ロロリイは納得する。
名前か!? 顔を見ろよ、くりそつだろ!! しかし第五コースの攻略対象者が現れるとは思わなかったな。つまりヒロインを脳筋にしないと現れないと言うことか!! 無理だろ!!
「ロロリイ、君にこの紙を貼られてからずっと見ていた。」
ラスカルは最初に会った時額に貼られた御利益の無い御札を見せる。
「あの時のキラキラ!! 」
ロロリイは目を開いた。自分に騙され、グラフを叩き折った筈のキラキラだった。
「君の総べてを調べさせてもらった。エボック家が戦闘一族であることも。」
「ストーカーね。」
ストーカーだな。
「君は他の令嬢とは違う。とても面白い、興味がある。」
元眼鏡君はロロリイに向かいその場に膝を付いた。
「どうか、私と婚姻をしてほしい。」
ラスカル王子はキラキラと金髪を輝かせながらロロリイにプロポーズをした。
会場内が静まり返った。ラスカルの婚姻にどう答えるのかと、令息令嬢の目はロロリイに向かった。
「このロロリイ、弱い男は御免ですわ。」
ロロリイは見事婚姻を断った。そのまま走り出し、壁を利用して二階のテラスに飛び移る。
「さらばですわ、あらいぐまラスカルくん!! 」
別れを告げ、ロロリイは窓から外に出て屋根伝いに逃走をはかる。そのまま気配を消し、暗部を撒いて森に入った。
「ふっ、ふはははははは!! 」
見事公衆の面前で振られたラスカルは大いに笑った。
いや、公衆の面前でプロポーズする方が悪いから。普通の令嬢なら断りづらいけど、脳筋ロロリイだからね。
「決して逃がしはしない。」
ラスカルは振り向き、兄を見る。
「兄上、国の事はお願いします。」
直に踵を返す。
「兵を集めろ!! 捕縛隊を申請する、相手はエボック家だ!! 腕に自信のある者の同行を許す!! 」
そう言うとラスカルは舞踏会会場を出て行った。ロロリイの後を追うために。
やっぱストーカーだ!!
その数日後。
ロロリイは小さな領地エボック家に帰って来ていた。
「お母様、お父様、ごめんなさい。ロロリイは、殿方をメロメロにはできませんでしたわ。」
「そうか……メロメロには出来なかったか。」
ロロリイの言葉に父は消沈した。ダンと母は立ち上がった。
「では、ボコボコにも出来なかったと? 」
「ボコボコにはできましたわ。」
ロロリイは笑顔で応えた。
「そう、ならいいわ。」
母も父も二人の姉も、満足のいった顔で頷いた。
「最終的に王太子をボコってしまったので、国から追われることになるかもしれません。」
「「「なんですって!! 」」」
ロロリイの告げた言葉に、母と姉二人は驚きのあまり声を上げた。
「つまり、追手が掛かると言うことだなロロリイ。」
「はい、お父様。」
家族は体を震わせた。
「腕がなりますわ。」
「強い方が来るかしら。」
と二人の姉。
「落ち着きなさい、相手は国だ。きっと名の知れた騎士とかが現れる。」
「そうね、その中から婿を選んて落とすといいわ。」
「「はい、お母様。」」
父と母の言葉に二人の姉は喜んだ。
「よい仕事をしましたね、ロロリイ。」
「はい、お母様。」
母に褒められてロロリイは笑顔で応えた。
「さあ、お出迎えの準備を始めよう。」
「「「はい、お父様。」」」
エボック家は、追手を迎えるために準備を始めるのであった。
【完】
これでいいのか!?
「流石だな、ロロリイ・エボック。」
普通の茶色の髪に、目立つ黒縁眼鏡のラスカルであった。
「あら、クマさん。」
ロロリイは首を傾げた。
「大丈夫ですか? 兄上。」
「ラスカル……。」
眼鏡君はロロリイの横を素通りして王太子の前に立つ。
今眼鏡君は、王太子オスカルを兄と呼んだか? こ、これはもしや、最後の攻略対象者第五のコース腐女子が捜索しつくしても見つからなかった隠れキャラ嘘キャラと言われた攻略対象者か!!
眼鏡君は、茶色の鬘と黒縁眼鏡をロロリイの前で外して見せた。そこには、キラキラと輝く金の髪と青色瞳、オスカル王太子にそっくりな顔の王子が現れた。名を、ラスカル・フォン・バリスタ。バリスタ国の第二王子であった。
「ラスカルとオスカル。なるほどよく似た名前だわ、兄弟ね。」
ロロリイは納得する。
名前か!? 顔を見ろよ、くりそつだろ!! しかし第五コースの攻略対象者が現れるとは思わなかったな。つまりヒロインを脳筋にしないと現れないと言うことか!! 無理だろ!!
「ロロリイ、君にこの紙を貼られてからずっと見ていた。」
ラスカルは最初に会った時額に貼られた御利益の無い御札を見せる。
「あの時のキラキラ!! 」
ロロリイは目を開いた。自分に騙され、グラフを叩き折った筈のキラキラだった。
「君の総べてを調べさせてもらった。エボック家が戦闘一族であることも。」
「ストーカーね。」
ストーカーだな。
「君は他の令嬢とは違う。とても面白い、興味がある。」
元眼鏡君はロロリイに向かいその場に膝を付いた。
「どうか、私と婚姻をしてほしい。」
ラスカル王子はキラキラと金髪を輝かせながらロロリイにプロポーズをした。
会場内が静まり返った。ラスカルの婚姻にどう答えるのかと、令息令嬢の目はロロリイに向かった。
「このロロリイ、弱い男は御免ですわ。」
ロロリイは見事婚姻を断った。そのまま走り出し、壁を利用して二階のテラスに飛び移る。
「さらばですわ、あらいぐまラスカルくん!! 」
別れを告げ、ロロリイは窓から外に出て屋根伝いに逃走をはかる。そのまま気配を消し、暗部を撒いて森に入った。
「ふっ、ふはははははは!! 」
見事公衆の面前で振られたラスカルは大いに笑った。
いや、公衆の面前でプロポーズする方が悪いから。普通の令嬢なら断りづらいけど、脳筋ロロリイだからね。
「決して逃がしはしない。」
ラスカルは振り向き、兄を見る。
「兄上、国の事はお願いします。」
直に踵を返す。
「兵を集めろ!! 捕縛隊を申請する、相手はエボック家だ!! 腕に自信のある者の同行を許す!! 」
そう言うとラスカルは舞踏会会場を出て行った。ロロリイの後を追うために。
やっぱストーカーだ!!
その数日後。
ロロリイは小さな領地エボック家に帰って来ていた。
「お母様、お父様、ごめんなさい。ロロリイは、殿方をメロメロにはできませんでしたわ。」
「そうか……メロメロには出来なかったか。」
ロロリイの言葉に父は消沈した。ダンと母は立ち上がった。
「では、ボコボコにも出来なかったと? 」
「ボコボコにはできましたわ。」
ロロリイは笑顔で応えた。
「そう、ならいいわ。」
母も父も二人の姉も、満足のいった顔で頷いた。
「最終的に王太子をボコってしまったので、国から追われることになるかもしれません。」
「「「なんですって!! 」」」
ロロリイの告げた言葉に、母と姉二人は驚きのあまり声を上げた。
「つまり、追手が掛かると言うことだなロロリイ。」
「はい、お父様。」
家族は体を震わせた。
「腕がなりますわ。」
「強い方が来るかしら。」
と二人の姉。
「落ち着きなさい、相手は国だ。きっと名の知れた騎士とかが現れる。」
「そうね、その中から婿を選んて落とすといいわ。」
「「はい、お母様。」」
父と母の言葉に二人の姉は喜んだ。
「よい仕事をしましたね、ロロリイ。」
「はい、お母様。」
母に褒められてロロリイは笑顔で応えた。
「さあ、お出迎えの準備を始めよう。」
「「「はい、お父様。」」」
エボック家は、追手を迎えるために準備を始めるのであった。
【完】
これでいいのか!?
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