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天使に会った、アンドレ。
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アンドレはロロリイのビンタに気を失った、その勢いにコロコロ転がり木に頭を打ち付けた処で目を覚ました。
「このバカ!! 死ぬなんて考えてはだめよ!! 」
彼女はアンドレの川へのダイブを自殺だと思っている。違うのに。
「そうよ、今まで頂いたお肉に誤りなさい!! お肉を頂いた者は、勝手に死ぬことは許されないのよ!! 」
ロロリイは命を狩るので、意味のない死は許さなかった。
「死にたかったら、狼さんのゴハンになりなさい!! 」
狼のご飯になる自殺はロロリイは良しとした。うん、自然の摂理。
アンドレは頬を腫らし、鼻血を垂らした。可愛い顔が台無しだ。
「僕は、自殺など!! 」
「だまりなさい!! 死にたくなるような悩みなど端に追いやるほど妄想で頭をいっぱいにしなさい!! 」
「も、妄想? 」
「そうよ!! 」
彼女は立ち上がった。
「推しキャラは受けがいいとか、軟禁して拘束して、泣かしちゃったりして。メロメロにドロドロに○○○して溶かしちゃって『あっ、やめて……』なんて言わしちゃって、キャ!! ヤダ、恥ずかしいこと言わせないで!! 」
バチーーン!!
彼女はアンドレの肩を叩いた、ロロリイの腕力で。死ぬぞ。
彼女はじゅるりと、涎を拭った。
「そうよ!! 強いお肉と直に対峙しては駄目、全力で逃げるのよ!! 助けを借りるの、独りで対峙しようなんて思わないで。命あってのものだねよ、周りに助けを借りるの。そして、罠を仕掛けて退治するのよ。」
ロロリイは、強い獲物の狩り方を伝受した。お肉から離れなさい。
「みんなの力を借りるのは恥ではないわ。」
「そうよ、みんなで推しを愛するなんて涎ものだわ。」
じゅるりと、涎を拭う。
「待ってくれ!! 君は何の話をしているんだ!! 」
訳の分からない事を言ってくるロロリイにアンドレは叫んだ。
「狩りの話。」
「推しの話。」
既にロロリイと彼女の頭から自殺の事柄は抜けていた。そして、思い出した。
「つまり、みんなを頼って。」
ロロリイは笑顔で誤魔化した。
何だか分からないが、心配してくれているのは伝わった。
「ありがとう。でも、自殺じゃないんだ。猪に驚いて落馬をしてしまったんだ。」
「そうだったの? 恥ずかしいわ熱く語ってしまって。」
狩りの話と推しの話を。
「いや、僕を心配してくれてる気持ちは十分伝わったよ。」
狩りの話と推しの話でか?
「うっ!! 」
アンドレは肩を押さえた。
「肩が外れているわ。落馬した時に外れたのね。」
いえ、さっき彼女か叩いた時です。思いた切り叩きましたよね。
「少し痛いけど、いいかしら? 」
ロロリイは返事も聞かずアンドレの腕を持って脱臼した腕を力ずくで元に戻した。
「ア、ウッ!! 」
「脱臼は癖になるから、しっかりとお医者様に見せてね。」
「ありがとう、君の名前は? 」
「私はロロリイ。ロロリイ・エボック。」
ロロリイは可愛いらしく微笑んだ。ピンクの髪が風に揺れる。
「私行かないと、お昼までに戻らないと。」
(食べ物で眼鏡君の胃袋をゲットしなくては。)
ロロリイは立ち上がると走り出した。腕に大切そうに荷物を抱え、柔らかな春風を起こすように。
アンドレは自分を治してくれた少女を見つめる。
「まるで、天使のようだ。」
力ずくで脱臼を治しんですよ。気は確かか、アンドレ?
「ロロリイ・エボック。優しい天使よ。」
頭を打ったかアンドレ。そう言えば何度か頭を打っていたな、アンドレ。医者に見てもらえ、そうすれば分かる。ロロリイは天使ではない、生粋の狩人だと。
アンドレはロロリイが見えなくなるまで見つめていた。そして……
倒れた。
やはり頭を打っていたようだ。昼休みで散歩に現れた学生達に見つかるまで彼はそこに倒れていた。
目覚めた時、彼の記憶は曖昧で。
「天使に、会った気がする。」
そう呟いた。
医者は暫くは安静にと、診断をくだした。
「このバカ!! 死ぬなんて考えてはだめよ!! 」
彼女はアンドレの川へのダイブを自殺だと思っている。違うのに。
「そうよ、今まで頂いたお肉に誤りなさい!! お肉を頂いた者は、勝手に死ぬことは許されないのよ!! 」
ロロリイは命を狩るので、意味のない死は許さなかった。
「死にたかったら、狼さんのゴハンになりなさい!! 」
狼のご飯になる自殺はロロリイは良しとした。うん、自然の摂理。
アンドレは頬を腫らし、鼻血を垂らした。可愛い顔が台無しだ。
「僕は、自殺など!! 」
「だまりなさい!! 死にたくなるような悩みなど端に追いやるほど妄想で頭をいっぱいにしなさい!! 」
「も、妄想? 」
「そうよ!! 」
彼女は立ち上がった。
「推しキャラは受けがいいとか、軟禁して拘束して、泣かしちゃったりして。メロメロにドロドロに○○○して溶かしちゃって『あっ、やめて……』なんて言わしちゃって、キャ!! ヤダ、恥ずかしいこと言わせないで!! 」
バチーーン!!
彼女はアンドレの肩を叩いた、ロロリイの腕力で。死ぬぞ。
彼女はじゅるりと、涎を拭った。
「そうよ!! 強いお肉と直に対峙しては駄目、全力で逃げるのよ!! 助けを借りるの、独りで対峙しようなんて思わないで。命あってのものだねよ、周りに助けを借りるの。そして、罠を仕掛けて退治するのよ。」
ロロリイは、強い獲物の狩り方を伝受した。お肉から離れなさい。
「みんなの力を借りるのは恥ではないわ。」
「そうよ、みんなで推しを愛するなんて涎ものだわ。」
じゅるりと、涎を拭う。
「待ってくれ!! 君は何の話をしているんだ!! 」
訳の分からない事を言ってくるロロリイにアンドレは叫んだ。
「狩りの話。」
「推しの話。」
既にロロリイと彼女の頭から自殺の事柄は抜けていた。そして、思い出した。
「つまり、みんなを頼って。」
ロロリイは笑顔で誤魔化した。
何だか分からないが、心配してくれているのは伝わった。
「ありがとう。でも、自殺じゃないんだ。猪に驚いて落馬をしてしまったんだ。」
「そうだったの? 恥ずかしいわ熱く語ってしまって。」
狩りの話と推しの話を。
「いや、僕を心配してくれてる気持ちは十分伝わったよ。」
狩りの話と推しの話でか?
「うっ!! 」
アンドレは肩を押さえた。
「肩が外れているわ。落馬した時に外れたのね。」
いえ、さっき彼女か叩いた時です。思いた切り叩きましたよね。
「少し痛いけど、いいかしら? 」
ロロリイは返事も聞かずアンドレの腕を持って脱臼した腕を力ずくで元に戻した。
「ア、ウッ!! 」
「脱臼は癖になるから、しっかりとお医者様に見せてね。」
「ありがとう、君の名前は? 」
「私はロロリイ。ロロリイ・エボック。」
ロロリイは可愛いらしく微笑んだ。ピンクの髪が風に揺れる。
「私行かないと、お昼までに戻らないと。」
(食べ物で眼鏡君の胃袋をゲットしなくては。)
ロロリイは立ち上がると走り出した。腕に大切そうに荷物を抱え、柔らかな春風を起こすように。
アンドレは自分を治してくれた少女を見つめる。
「まるで、天使のようだ。」
力ずくで脱臼を治しんですよ。気は確かか、アンドレ?
「ロロリイ・エボック。優しい天使よ。」
頭を打ったかアンドレ。そう言えば何度か頭を打っていたな、アンドレ。医者に見てもらえ、そうすれば分かる。ロロリイは天使ではない、生粋の狩人だと。
アンドレはロロリイが見えなくなるまで見つめていた。そして……
倒れた。
やはり頭を打っていたようだ。昼休みで散歩に現れた学生達に見つかるまで彼はそこに倒れていた。
目覚めた時、彼の記憶は曖昧で。
「天使に、会った気がする。」
そう呟いた。
医者は暫くは安静にと、診断をくだした。
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