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余韻
しおりを挟む金曜日の13時。恐れていた中間テストも無事終わり、クラス内の雰囲気は安堵に包まれていた。高校1回目のテストは、思っていたよりはできたような気がする。
「終わったー!」
「終わったねー」
「明日からまた数学やろうね!」
「あ、うん」
「いいじゃん!テスト終わったんだから!」
「うん、やろう」
高島さんの勢いに負けて、テストの後も数学会の続行が決定する。高島さんと勉強できるなら、きっと楽しいだろうと念じて頑張る。テストが終わった後の教室は何人か生徒が残っていたが、殆どが出払っていた。1時間椅子に座ってゆっくりしていると、残っていた生徒も出払った。残されたのは僕と高島さんだけだった。時間で言うと5時間目が終わったばかりの時間だ。しかし、お昼ご飯食べていない。2人でしばらく雑談していたが、高島さんが切り出した。
「お昼食べよっか」
「食べてないもんね」
「でもお弁当ないんだよねー」
「ハンバーガーでも食べにいく?」
「賛成!」
決まった瞬間に荷物をまとめ始める高島さん。実は我慢していたのかもしれない。それを見て僕も荷物をまとめる。まとめて歩き始めたところで高島さんはすでにドアの前にいた。
「ご飯食べよう!ご飯!」
「今行く待って」
ドアの前で待つ高島さん。その姿を見ながら急ぐわけでもなくゆっくりと歩く僕。今思えばハンバーガーという選択肢はよくなかったかもしれない。けれど、高島さんがあそこまで楽しそうにしているのを見ると、何も言い出せなかった。
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