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5章
相談
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結局落ち着かないまま時間だけが過ぎ、気がつけば晩ご飯の時間になっていた。読書も勉強もままならないだけの時間が過ぎていったが、仁にとってはそれどころでは無かった。
「ご飯できたわよ」
「はーい」
リビングに行くと、食卓にはご飯が並んでいた。父も母もいた。
何事もなく食べ始める。いつもと同じおいしいご飯のはずなのに、まだ気持ちが焦っているのか食べるのが早くなってしまう。気持ちを落ち着かせながらゆっくり食べる。
「ごちそうさま」
思っていたより早く食べ終わってしまった。しかし、父と母も、それなりに早く食べ終わったようで、しばらくひと段落をつく形になった。時間は19時。覚悟を決める。
「相談があるんだけどさ」
「はいはい、聞くわよ」
父と母に話しかける。母は言葉で反応してくれるが、父はいちいち言葉に出すことなく、体をこちらに向けてで反応してくれる。二人から言葉が来ないというのは、気持ち的に少しだけ楽だった。いよいよこの時が来たんだと思いながら、少しずつ言葉を紡いでいく。
ゆっくりと、しかし確実に一語ずつ。緊張しながら言葉にしていく。どんな言葉が帰ってくるかは分からないが、すべてを話すことができれば、万々歳だろう。
「あのさ、俺、彼氏と同棲したいんだ」
「同棲か」
「同棲ねぇ」
「うん」
思っていたくらいの渋い反応だった。真正面から否定されなかっただけまだ反応としては悪くない。しかし、賛成という意見にはなりそうにない空気だった。
「まぁ、悪くない意見だが、準備が何かと大変だぞ」
「いつから始めたいの?」
ジェスチャーによる反応だと思っていた父からも言葉がくる。しかし、やはり真正面から反対というわけではなさそうだと思った。母は、反応としては賛成ということなのだろうか。何もいえないまま、反応を待つ形になった。
「まぁ、やりたいというなら止めないけど準備は大変よ?」
「うん」
「色々必要なものもあるだろうしな。なんかあったら言いなさい。買いに行くものもあるだろうし」
「うん」
「大変だろうけど、その道に進みたいっていうなら止められないわ。頑張りなさいよ」
「うん、ありがとう」
正直予想外だったけれど、父からも母からも、前向きな意見を貰えた。これは、大きな一歩だ。
全てにおいて2倍の量が入るだけの部屋に住む必要があると考えれば、やはり賢の部屋では狭い気がする。家電は2個必要なくとも家具は2個必要なものもあるかもしれない。
「大学行くときにに必要な持っていきながら少しずつ荷物を増やせばいいんじゃないか」
「なるほど」
「まぁ、半分引っ越しみたいなもんだからな。引越し手配をすることになるなら、その時にかかるお金は少ない方がいいというのもある」
「確かにそうだなぁ」
「ま、相談事があったらいつでも言いなさい。20歳を超えた息子の道を止める理由はない」
「うん、わかった」
思わぬ父からのアドバイスに頷くだけだったが、いいことを教えてもらえた。話がひと段落したところで、話がひとまずまとまり、解散になった。仁も、自分の部屋に戻って考え事を始める。同棲のこと、勉強のこと。明日のこと。
上手くいくかは、自分次第。頑張れば頑張った分だけ評価されるわけじゃないけれど、それでも夢に向かって努力することは大事。落ち着いた気持ちで冷静に考えながら、明日に向けて準備を始めた。
「ご飯できたわよ」
「はーい」
リビングに行くと、食卓にはご飯が並んでいた。父も母もいた。
何事もなく食べ始める。いつもと同じおいしいご飯のはずなのに、まだ気持ちが焦っているのか食べるのが早くなってしまう。気持ちを落ち着かせながらゆっくり食べる。
「ごちそうさま」
思っていたより早く食べ終わってしまった。しかし、父と母も、それなりに早く食べ終わったようで、しばらくひと段落をつく形になった。時間は19時。覚悟を決める。
「相談があるんだけどさ」
「はいはい、聞くわよ」
父と母に話しかける。母は言葉で反応してくれるが、父はいちいち言葉に出すことなく、体をこちらに向けてで反応してくれる。二人から言葉が来ないというのは、気持ち的に少しだけ楽だった。いよいよこの時が来たんだと思いながら、少しずつ言葉を紡いでいく。
ゆっくりと、しかし確実に一語ずつ。緊張しながら言葉にしていく。どんな言葉が帰ってくるかは分からないが、すべてを話すことができれば、万々歳だろう。
「あのさ、俺、彼氏と同棲したいんだ」
「同棲か」
「同棲ねぇ」
「うん」
思っていたくらいの渋い反応だった。真正面から否定されなかっただけまだ反応としては悪くない。しかし、賛成という意見にはなりそうにない空気だった。
「まぁ、悪くない意見だが、準備が何かと大変だぞ」
「いつから始めたいの?」
ジェスチャーによる反応だと思っていた父からも言葉がくる。しかし、やはり真正面から反対というわけではなさそうだと思った。母は、反応としては賛成ということなのだろうか。何もいえないまま、反応を待つ形になった。
「まぁ、やりたいというなら止めないけど準備は大変よ?」
「うん」
「色々必要なものもあるだろうしな。なんかあったら言いなさい。買いに行くものもあるだろうし」
「うん」
「大変だろうけど、その道に進みたいっていうなら止められないわ。頑張りなさいよ」
「うん、ありがとう」
正直予想外だったけれど、父からも母からも、前向きな意見を貰えた。これは、大きな一歩だ。
全てにおいて2倍の量が入るだけの部屋に住む必要があると考えれば、やはり賢の部屋では狭い気がする。家電は2個必要なくとも家具は2個必要なものもあるかもしれない。
「大学行くときにに必要な持っていきながら少しずつ荷物を増やせばいいんじゃないか」
「なるほど」
「まぁ、半分引っ越しみたいなもんだからな。引越し手配をすることになるなら、その時にかかるお金は少ない方がいいというのもある」
「確かにそうだなぁ」
「ま、相談事があったらいつでも言いなさい。20歳を超えた息子の道を止める理由はない」
「うん、わかった」
思わぬ父からのアドバイスに頷くだけだったが、いいことを教えてもらえた。話がひと段落したところで、話がひとまずまとまり、解散になった。仁も、自分の部屋に戻って考え事を始める。同棲のこと、勉強のこと。明日のこと。
上手くいくかは、自分次第。頑張れば頑張った分だけ評価されるわけじゃないけれど、それでも夢に向かって努力することは大事。落ち着いた気持ちで冷静に考えながら、明日に向けて準備を始めた。
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