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5章
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「ご清聴ありがとうございました」
後期2日目。そして、中間発表2回目。ゼミのメンバーと話し合った結果、賢がトップバッターになった。他のゼミ生が何を発表するのか全く知らない。発表の体裁を保てるのかすら分からない。それでも見守るしかないのが、中間発表。教授も来てるし、他の研究室の学生もいる。そんな中で発表する。
1回目ほどのガチガチの雰囲気はないが、論文もあるし、そもそも別にやることもある。別の作業をやっている学生もいる。残念ながら仁は今日は授業でいない。午前に2コマ目と午後に3コマ目と4コマ目がある。大学に慣れてきたとはいえ、90分の授業を3コマ受けるのはなかなかしんどい。賢もそれを経験してきた。
その集大成を、今ここで出している。卒論の形になって全てが終わる時、大学を卒業することになる。質疑応答が終わり、席に着く。
その後は、同じ研究室の発表を聞きながら卒論の形になるのかすら怪しいものがちらほらあることに気付いた。これは大目玉を食らうパターンだな。
だらだら考え事をしながら見ていると、自分の研究室の発表が終わった。後ろの席に下がり、だらだら聞くだけの時間が始まった。興味がないわけではないが私見が聞きたいわけではない。大して面白くない発表を聞きながらしていたらいつのまにか全ての発表が終わっていた。
席を立ち、道具を持って研究室に戻る。色々と反省点を洗い出して、研究と卒論に反映していくことになる。提出するまではずっとこの繰り返しだろう。規模は小さくなろうとも、教授との対話の中で生まれてくるものもある。三限から始まって4限の途中までかかった中間発表もいよいよ終わり。だらだらと歩きながらまた暑さの抜けない構内を歩く。歩いていたら、見慣れた人影を見つけた。
「仁じゃん、授業は?」
「終わったよ」
「なるほどね」
「中間発表どうだった?」
「まぁまぁかな」
「そっか」
「この後4限後からなら多分暇だよ」
「ちょっとだけ覗こうかなー」
「はいよ」
仁が研究室に来ることになった。まぁ多分大丈夫でしょう。そこからの予定はまた決めればいいし、研究が終わりそうにない奴のことを、考える余裕はなかった。
仁が来るまでにこれからの課題を洗い出しておかなければならない。もう一踏ん張りかな。そう思いながら、研究室に戻るために喧騒と猛暑の構内を歩いた。
後期2日目。そして、中間発表2回目。ゼミのメンバーと話し合った結果、賢がトップバッターになった。他のゼミ生が何を発表するのか全く知らない。発表の体裁を保てるのかすら分からない。それでも見守るしかないのが、中間発表。教授も来てるし、他の研究室の学生もいる。そんな中で発表する。
1回目ほどのガチガチの雰囲気はないが、論文もあるし、そもそも別にやることもある。別の作業をやっている学生もいる。残念ながら仁は今日は授業でいない。午前に2コマ目と午後に3コマ目と4コマ目がある。大学に慣れてきたとはいえ、90分の授業を3コマ受けるのはなかなかしんどい。賢もそれを経験してきた。
その集大成を、今ここで出している。卒論の形になって全てが終わる時、大学を卒業することになる。質疑応答が終わり、席に着く。
その後は、同じ研究室の発表を聞きながら卒論の形になるのかすら怪しいものがちらほらあることに気付いた。これは大目玉を食らうパターンだな。
だらだら考え事をしながら見ていると、自分の研究室の発表が終わった。後ろの席に下がり、だらだら聞くだけの時間が始まった。興味がないわけではないが私見が聞きたいわけではない。大して面白くない発表を聞きながらしていたらいつのまにか全ての発表が終わっていた。
席を立ち、道具を持って研究室に戻る。色々と反省点を洗い出して、研究と卒論に反映していくことになる。提出するまではずっとこの繰り返しだろう。規模は小さくなろうとも、教授との対話の中で生まれてくるものもある。三限から始まって4限の途中までかかった中間発表もいよいよ終わり。だらだらと歩きながらまた暑さの抜けない構内を歩く。歩いていたら、見慣れた人影を見つけた。
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「はいよ」
仁が研究室に来ることになった。まぁ多分大丈夫でしょう。そこからの予定はまた決めればいいし、研究が終わりそうにない奴のことを、考える余裕はなかった。
仁が来るまでにこれからの課題を洗い出しておかなければならない。もう一踏ん張りかな。そう思いながら、研究室に戻るために喧騒と猛暑の構内を歩いた。
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