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3章
研究室にて
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いつも通り資料と睨めっこしながら研究の進捗を生み出そうとしていた。そこに仁からメッセージが届いた。思いの外早かった。
図書館で何をしてたんだろうと思いながら仁が来るのを待つか悩む。図書館を出たならもうすぐ来るはずだが、それまでゆっくりしててもいいかもしれない。
仁も話したいことがあるのか。いろんなことが頭の中で渦巻きながら思考を乱していく。
賢も聞きたいことはいくつかあった。夏休みの予定や苦手なこと。仁に関する様々なことを聞きたかった。最近では卒論よりも仁のことを気にかけていることもある。
研究が手につかないということはないが、なかなか上手く思考がまとまらない。その現状を変えるためには、仁に聞くしかなかった。仁は不思議な存在だった。賢にはない何かを持っていた。疑問と焦燥を感じながらやきもきしていると、扉が開いた。
「こんにちはー」
仁が入ってきた。いつもと変わらぬ立ち姿だった。お洒落とは言い難いが、一般的な大学生ならこんな服装だろう。賢より少しだけ違うけど、どこか同じものを感じる。
研究室に入ってくる仁を手で招き入れる。自然な動作で座る仁の隣に座る。
「どうしたの」
「やることがない」
「それは現実逃避か」
「バレた」
「まぁ大学生ってのはそんなもんだ」
「そうなのか」
「研究の進捗どう?」
「まぁぼちぼちだな」
「そっかー」
「ま、普通だろう」
「提出は間に合いそう?」
「頑張れば世の中何とかなる」
「そっかー」
「まぁなんだ。研究のこととか、これから何をすべきかとか気になることは色々あるんだろうから、気になるならなんでも聞けよ」
「分かった!」
「俺も色々聞きたいことがある」
「そうなのか」
「まぁ色々な」
今は色々としかいえない。一概に一つの話題じゃない以上は、一言で言葉にするのは難しい。一歩踏み込んだ質問をするのはやはり難しいのだ。前に聞けたのが何故か分からないほどに。目の前にいる恋人を見ながら、今日の昼から聞くと決めて、今からの時間は少しだけ気楽に行こうと決めた。
図書館で何をしてたんだろうと思いながら仁が来るのを待つか悩む。図書館を出たならもうすぐ来るはずだが、それまでゆっくりしててもいいかもしれない。
仁も話したいことがあるのか。いろんなことが頭の中で渦巻きながら思考を乱していく。
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「こんにちはー」
仁が入ってきた。いつもと変わらぬ立ち姿だった。お洒落とは言い難いが、一般的な大学生ならこんな服装だろう。賢より少しだけ違うけど、どこか同じものを感じる。
研究室に入ってくる仁を手で招き入れる。自然な動作で座る仁の隣に座る。
「どうしたの」
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「それは現実逃避か」
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「まぁぼちぼちだな」
「そっかー」
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