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3章
2人の城
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仁が起きた時、賢は既に立ち上がっていた。告白の返事はオッケーで、その後は宴をしていた。半分くらいしか記憶にないが、まともに布団で寝ていないところを見ると、まともな就寝ができたとは言い難い。そして、体の異変にも気付く。
「おはよう」
「おはよう」
「頭痛い」
「二日酔いか?」
「人生初二日酔いの可能性」
「うわーそれつらいぞ」
仁は春に20歳を迎えていた。酒を飲むこと自体は今回が初めてではないが二日酔いは初である。成人式が来るまで酒を飲んではいけないルールがあった気がするが、割と飲まされることが多い。困っていなかったから良かったのだけど、今日は困っている。
そして、昨日の夜に賢からの提案で使っているタメ口に慣れないながらも頑張ってみる。違和感はないはずだと自己暗示しながら会話をする。
「今日は大学あるんだよね」
「俺も研究室だよ」
「こんな頭痛い中で大学なんて行ってられないよ」
「たまには休んだら?」
「そうしようかなぁ」
好きな人の部屋にいながら、大学をサボる。幸せな空間だった。しかし賢はあることに気付く。仁が何も気付かないまま洗面台へと向かうところに話しかける。
「そういえば仁は合鍵持ってないんだよな」
「ない」
「まぁいいか。今日は俺も休もう」
「え、いいの?」
「たまには休まないと」
「そっか」
すごくダメな方に流されている自覚はあるが、酒を飲んでいて判断が鈍っていた。まだ7時過ぎになる時計を見ながら、布団に潜る。
「まぁいいや。今日は寝よう」
「そんな日もあるぞ。人生だから」
「賢は大学とかサボるの?」
「4年になってからはほぼ通ってるな。2年は1回サボったくらい。多分」
賢もサボることがあるのかと思う。しかし口には出さない。自分も眠いし、賢も布団に潜っている。次に起きたら昼は越している気がする。
「じゃあ、寝るか」
「おやすみー」
「おやすみ」
慣れないタメ口を頑張りながら、もう一度布団に入る。次起きる時には頭痛がなくなっていればいいなと思いながら眠りについた。
「おはよう」
「おはよう」
「頭痛い」
「二日酔いか?」
「人生初二日酔いの可能性」
「うわーそれつらいぞ」
仁は春に20歳を迎えていた。酒を飲むこと自体は今回が初めてではないが二日酔いは初である。成人式が来るまで酒を飲んではいけないルールがあった気がするが、割と飲まされることが多い。困っていなかったから良かったのだけど、今日は困っている。
そして、昨日の夜に賢からの提案で使っているタメ口に慣れないながらも頑張ってみる。違和感はないはずだと自己暗示しながら会話をする。
「今日は大学あるんだよね」
「俺も研究室だよ」
「こんな頭痛い中で大学なんて行ってられないよ」
「たまには休んだら?」
「そうしようかなぁ」
好きな人の部屋にいながら、大学をサボる。幸せな空間だった。しかし賢はあることに気付く。仁が何も気付かないまま洗面台へと向かうところに話しかける。
「そういえば仁は合鍵持ってないんだよな」
「ない」
「まぁいいか。今日は俺も休もう」
「え、いいの?」
「たまには休まないと」
「そっか」
すごくダメな方に流されている自覚はあるが、酒を飲んでいて判断が鈍っていた。まだ7時過ぎになる時計を見ながら、布団に潜る。
「まぁいいや。今日は寝よう」
「そんな日もあるぞ。人生だから」
「賢は大学とかサボるの?」
「4年になってからはほぼ通ってるな。2年は1回サボったくらい。多分」
賢もサボることがあるのかと思う。しかし口には出さない。自分も眠いし、賢も布団に潜っている。次に起きたら昼は越している気がする。
「じゃあ、寝るか」
「おやすみー」
「おやすみ」
慣れないタメ口を頑張りながら、もう一度布団に入る。次起きる時には頭痛がなくなっていればいいなと思いながら眠りについた。
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