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2章
研究室
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今朝はやけに目覚めが良かった。一人暮らしを始めてからこんなにも目覚めがいい日はなかなかない。それ故に嫌な予感がする。外がやけに明るい。外れていて欲しい予感を頭に考えながらスマートフォンの時計を表示する。
時計には8時と表示されていた。前日の夜はなかなか寝れずに夜更かししたからだろう。
研究室には9時半には行きたい。今日話すべき内容は何かをずっと考えていた。研究とは何かということについて教授から話があることだけは覚えていた。そこに対して学生としての意見を交えたディスカッションが開かれるのかもしれない。
準備を急ぐ。研究室には間に合うのか。急いで準備をして、家の鍵を閉めて確認してから、バス停に行く。1限に間に合うように増便されているはずだから、きっと今なら乗れるバスが増えているはず。
思惑通り、大学からの直通バスが出ていた。運がいいことに直通バスに乗れた。大学側が出している特別なバスで、これに乗ると途中のバス停を全てすっ飛ばす。俗にいう直通バスというやつだ。ありがたいことに、5分ぐらい早くなる。大学の最寄りの停留所に着いたのは9時15分。よし、これならギリギリセーブだな。ふとSNSを見た。事務連絡をしてないことに気づいたのだ。仁からメッセージが来ていた。中身を読んで、返信をする。
「昼休み含めてそれと2コマね。了解」
仁にもしっかりメッセージを返す。今は1限の時間だろう。曜日と時間から授業を推測する。おそらく大量のレポートが出る必修授業だ。面倒な授業だということで話題になったこともある。
2年前のことを遥か彼方の記憶のことのように思い出し、懐かしいと思う。かつて自分が歩んだ道を人も歩んでいるんだと思うと、頑張って欲しい。事務連絡を済ませているうちに研究室の前に着く。
「おはようございます」
「おう、おはよう。珍しく遅いじゃん」
「寝坊した」
「へー、珍しいね」
「今日昼からここに俺の連れが来るんだよ。そのこと考えてるとついね」
「ほー、夜更かしか。研究の敵だぞ」
「分かってるよ」
挨拶もそこそこに同期と話をしてから研究に取り掛かる。今日もまた、研究、研究。中間発表も終わったばっかだし、頑張らないと。気を引き締め直して、机に向かった。
時計には8時と表示されていた。前日の夜はなかなか寝れずに夜更かししたからだろう。
研究室には9時半には行きたい。今日話すべき内容は何かをずっと考えていた。研究とは何かということについて教授から話があることだけは覚えていた。そこに対して学生としての意見を交えたディスカッションが開かれるのかもしれない。
準備を急ぐ。研究室には間に合うのか。急いで準備をして、家の鍵を閉めて確認してから、バス停に行く。1限に間に合うように増便されているはずだから、きっと今なら乗れるバスが増えているはず。
思惑通り、大学からの直通バスが出ていた。運がいいことに直通バスに乗れた。大学側が出している特別なバスで、これに乗ると途中のバス停を全てすっ飛ばす。俗にいう直通バスというやつだ。ありがたいことに、5分ぐらい早くなる。大学の最寄りの停留所に着いたのは9時15分。よし、これならギリギリセーブだな。ふとSNSを見た。事務連絡をしてないことに気づいたのだ。仁からメッセージが来ていた。中身を読んで、返信をする。
「昼休み含めてそれと2コマね。了解」
仁にもしっかりメッセージを返す。今は1限の時間だろう。曜日と時間から授業を推測する。おそらく大量のレポートが出る必修授業だ。面倒な授業だということで話題になったこともある。
2年前のことを遥か彼方の記憶のことのように思い出し、懐かしいと思う。かつて自分が歩んだ道を人も歩んでいるんだと思うと、頑張って欲しい。事務連絡を済ませているうちに研究室の前に着く。
「おはようございます」
「おう、おはよう。珍しく遅いじゃん」
「寝坊した」
「へー、珍しいね」
「今日昼からここに俺の連れが来るんだよ。そのこと考えてるとついね」
「ほー、夜更かしか。研究の敵だぞ」
「分かってるよ」
挨拶もそこそこに同期と話をしてから研究に取り掛かる。今日もまた、研究、研究。中間発表も終わったばっかだし、頑張らないと。気を引き締め直して、机に向かった。
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