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新しいご主人さま④
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電車に揺られながら名前も知らない男たちに囲まれた知子は、渋谷に支えられて、かろうじて立っている状態だった。
(きっと、周りの人たちは、私と渋谷さんが恋人同士のように見えているんだわ……)
周りの乗客は、二人とは目を合わさないように後ろを向いている人がほとんどなのだ。
知子は、毎朝電車に乗るたびに、覗き見されているような視線を感じることがある。
あからさまに知子と視線を合わせる男性もいて、声をかけられたこともあった。
しかしそれも、知子が一人の時だ。
同僚の男性教諭や知り合いの男性と一緒だと、皆一様に残念そうな顔で視線をそらせるのが常だったからだ。
電車に乗り込む前から、渋谷は意識的に恋人同士のような仕草を見せていた。
(本当にそうだったら良かったのに……)
そう思うこともあるが、それは知子を辱めるための演技だとも分かっている。
今も満員電車の中で、知子に寄り添うように肩を抱く姿は、周りの乗客から恋人を守っているかのように見えるだろう。
知子を後ろから囲んでいる四人の男たちにしても、高級なスーツに身を包み、いかにも一流企業の会社員然としている。
まさか彼らが知子を相手に痴漢プレイをしているなど、周りの誰も気がついていない。
更には、恋人同士だと思われる男女が痴漢たちから身を守るどころか、率先して痴漢プレイに及ぶ四人の男たちを扇動しているとは思いもしないだろう。
「ほら、お尻の穴をいじってもらうには、どうすれば良いのか分かるだろう?」
渋谷の胸に寄りかかった知子は、耳元で囁く言葉に操られるように、自ら股を開いて尻を突き出した。
「いい顔をしているよ、知子」
(……いい顔?……)
渋谷の言ういい顔とはなんだろう……と、知子はぼんやりとした意識の中で思った。
ここに鏡があったら、今の自分の顔を見てみたい……おそらくは、淫売と呼ばれる娼婦のような顔をしているのだろう……。
知子が高校教師になったことを喜んでいる母には、絶対見せられない顔だと思った。
満員電車という狭い空間の中で、女の恥部の全てが晒され、男たちの手によって凌辱されているという現実……。
それを自ら望んだかのように、男たちに体を委ねている知子は、白日夢の中にいるような感覚だった。
電車が止まり、一斉に押し出された乗客の中に知子もいた。
渋谷に抱えられるようにしてホームのベンチに座った知子は、火照った赤い顔を両手で隠すようにして背中を丸めた。
大勢の人混みの中での凌辱は、何度経験しても恐怖でしかない。だが、その恐怖をもう一度味わいたいと思う背徳的な被虐感があることも、知子は自覚していた。
「大丈夫ですか? 何でしたら駅員さんを呼びましょうか?」
親切そうな年配の女性が、知子のようすを心配しして声をかけてきた。
すると渋谷が、礼儀正しい好青年を演じて返事を返した。
「ありがとうございます。彼女、ちょっとアレが重くて……。でも薬も飲んでいるので、少し休めば治ると思います。それに、僕もついているので大丈夫ですよ」
そんな渋谷に騙された女性は、
「ああ、アレね。若い女性は毎月大変なのよね。良かったわね、いい旦那さんで」
と、納得したような顔で離れていった。
「ふふふ、僕らが夫婦に見えたみたいだね」
「お願いです、渋谷さん。せめて……お尻だけでも許してください」
先ほどの女性は、具合の悪そうな知子が生理だと勘違いしたが、本当の原因は別のところにあった。
電車を降りる直前に、二つの卑猥な異物が知子の股間に押し込まれたのだ。
膣穴の奥に潜り込んだ異物は、緩やかな振動を絶えず胎内に与えていた。
大倉たちによって、卑猥な淫具を膣内に収めたまま一日を過ごすことは、これまで何度も経験しているので我慢できるが、肛門をふさぐ淫具は別だ。
「女は便秘の人が多いっていうから、知子も一日くらい我慢できるだろ? 今日はアパートにいるから、帰ったら取ってあげるよ」
「で、でも……」
「帰りが遅くなることを、早めにお母さんに連絡しておいたほうがいいよ。知子とのセックスは三日ぶりだからね、たっぷり可愛がってあげるよ。ふふふ、楽しみだね」
「……あっ!」
膣内の異物が強力な振動を発した。
「携帯で、振動の強弱がコントロールできるんだよ。二時間おきに強弱を設定してあるから、楽しむといいよ」
にこやかな顔で言う渋谷を見ると、知子は何も言えなくなる。
「そろそろ行こうか」と、渋谷は知子の手を引いて改札口に向かった。
知子にとって、男性と手をつないで歩くことなど初めての経験だった。
大倉たちに襲われ、処女を失ってからと言うもの、知子のセックス経験は周りの女性たちの誰よりも多いだろう。ここ数年で十指に足りないどころか、一桁違う数の男性に抱かれていた。
だが彼らは、知子を欲情のはけ口としか見ていないのだ。
そんな知子が、自分を婚約者だという渋谷に惹かれるのは仕方のない事かもしれない。
(きっと、周りの人たちは、私と渋谷さんが恋人同士のように見えているんだわ……)
周りの乗客は、二人とは目を合わさないように後ろを向いている人がほとんどなのだ。
知子は、毎朝電車に乗るたびに、覗き見されているような視線を感じることがある。
あからさまに知子と視線を合わせる男性もいて、声をかけられたこともあった。
しかしそれも、知子が一人の時だ。
同僚の男性教諭や知り合いの男性と一緒だと、皆一様に残念そうな顔で視線をそらせるのが常だったからだ。
電車に乗り込む前から、渋谷は意識的に恋人同士のような仕草を見せていた。
(本当にそうだったら良かったのに……)
そう思うこともあるが、それは知子を辱めるための演技だとも分かっている。
今も満員電車の中で、知子に寄り添うように肩を抱く姿は、周りの乗客から恋人を守っているかのように見えるだろう。
知子を後ろから囲んでいる四人の男たちにしても、高級なスーツに身を包み、いかにも一流企業の会社員然としている。
まさか彼らが知子を相手に痴漢プレイをしているなど、周りの誰も気がついていない。
更には、恋人同士だと思われる男女が痴漢たちから身を守るどころか、率先して痴漢プレイに及ぶ四人の男たちを扇動しているとは思いもしないだろう。
「ほら、お尻の穴をいじってもらうには、どうすれば良いのか分かるだろう?」
渋谷の胸に寄りかかった知子は、耳元で囁く言葉に操られるように、自ら股を開いて尻を突き出した。
「いい顔をしているよ、知子」
(……いい顔?……)
渋谷の言ういい顔とはなんだろう……と、知子はぼんやりとした意識の中で思った。
ここに鏡があったら、今の自分の顔を見てみたい……おそらくは、淫売と呼ばれる娼婦のような顔をしているのだろう……。
知子が高校教師になったことを喜んでいる母には、絶対見せられない顔だと思った。
満員電車という狭い空間の中で、女の恥部の全てが晒され、男たちの手によって凌辱されているという現実……。
それを自ら望んだかのように、男たちに体を委ねている知子は、白日夢の中にいるような感覚だった。
電車が止まり、一斉に押し出された乗客の中に知子もいた。
渋谷に抱えられるようにしてホームのベンチに座った知子は、火照った赤い顔を両手で隠すようにして背中を丸めた。
大勢の人混みの中での凌辱は、何度経験しても恐怖でしかない。だが、その恐怖をもう一度味わいたいと思う背徳的な被虐感があることも、知子は自覚していた。
「大丈夫ですか? 何でしたら駅員さんを呼びましょうか?」
親切そうな年配の女性が、知子のようすを心配しして声をかけてきた。
すると渋谷が、礼儀正しい好青年を演じて返事を返した。
「ありがとうございます。彼女、ちょっとアレが重くて……。でも薬も飲んでいるので、少し休めば治ると思います。それに、僕もついているので大丈夫ですよ」
そんな渋谷に騙された女性は、
「ああ、アレね。若い女性は毎月大変なのよね。良かったわね、いい旦那さんで」
と、納得したような顔で離れていった。
「ふふふ、僕らが夫婦に見えたみたいだね」
「お願いです、渋谷さん。せめて……お尻だけでも許してください」
先ほどの女性は、具合の悪そうな知子が生理だと勘違いしたが、本当の原因は別のところにあった。
電車を降りる直前に、二つの卑猥な異物が知子の股間に押し込まれたのだ。
膣穴の奥に潜り込んだ異物は、緩やかな振動を絶えず胎内に与えていた。
大倉たちによって、卑猥な淫具を膣内に収めたまま一日を過ごすことは、これまで何度も経験しているので我慢できるが、肛門をふさぐ淫具は別だ。
「女は便秘の人が多いっていうから、知子も一日くらい我慢できるだろ? 今日はアパートにいるから、帰ったら取ってあげるよ」
「で、でも……」
「帰りが遅くなることを、早めにお母さんに連絡しておいたほうがいいよ。知子とのセックスは三日ぶりだからね、たっぷり可愛がってあげるよ。ふふふ、楽しみだね」
「……あっ!」
膣内の異物が強力な振動を発した。
「携帯で、振動の強弱がコントロールできるんだよ。二時間おきに強弱を設定してあるから、楽しむといいよ」
にこやかな顔で言う渋谷を見ると、知子は何も言えなくなる。
「そろそろ行こうか」と、渋谷は知子の手を引いて改札口に向かった。
知子にとって、男性と手をつないで歩くことなど初めての経験だった。
大倉たちに襲われ、処女を失ってからと言うもの、知子のセックス経験は周りの女性たちの誰よりも多いだろう。ここ数年で十指に足りないどころか、一桁違う数の男性に抱かれていた。
だが彼らは、知子を欲情のはけ口としか見ていないのだ。
そんな知子が、自分を婚約者だという渋谷に惹かれるのは仕方のない事かもしれない。
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