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第3章 背信
悪徳教師⑤
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談話室の鍵を渡された江田は、
「任せてください、松原先生。あの用具室の時のように、誰も談話室には近づけさせないし、絵美先生も逃さないですから。しかし、正直ここまで上手くいくとは思っていなかったですよ」
と、楽しそうに目を細めた。
…………
最初の計画では、大倉たちが絵美を談話室に連れ込む予定だった。だが、その実行役が乱闘事件を起こしたため、計画が狂い頓挫していたのだ。
「……でも、捕まえたらこっちのものさ。一度抱いているから分かっていましたよ、絵美先生。あんたは、堕ちるってね……」
江田の睨んだように、松原に深奥の秘密を知られ、服を取り上げられた絵美は、なすすべくもなく一人残された部屋で立ち尽くしていたのだ。
この時は本当に恐ろしかったと、絵美は回想しているが、
「……本当は、怖いほどに浅ましく、淫らな感情が湧いてくるのを感じていたの……でも今では絵美にとって、身体が震えるほどの素敵な思い出ですわ……まるで蜘蛛の巣に絡め取られた獲物のように、逃れられない運命だったように思っています……」
と、上気した悦楽の表情を見せながら胸の内を告白しテイル。
「……でも、まだこの頃は、恥ずかしさを快感に変えるすべを、良く分かっていなかったの。だから……」
隠れる所もなく、全裸で学校の中にいるという異常な状況に、絵美はただうろたえるばかりだったという。
これは、現実なの……夢なの……?
お願い、夢なら覚めて……
こんな所を誰かに見つかったら、大変なことになるわ……でも……
ガヤガヤとした休み時間の喧噪が、絵美がいる談話室まで聞こえてきた。
窓の外を生徒が通リ抜ける影が写った。
間直に聞こえる生徒たちの声に、絵美はあわててしゃがみ込んだ。
窓には遮光ブラインドが下りていた。
外からは中を覗くことはできないはずだ。
でも、怖い……
覗こうとする生徒がいるかもしれない。
見つからない保証はどこにもないのだ。
そう思うと、頭が恐怖で真っ白になった。
自分の置かれている状況が、とても現実のものとは思えなくなってくる。
……神さま、お願い助けて……
絵美の思いとは裏腹に、被虐の疼きに囚われ始めていた身体が……怖かった。
学校の談話室は普段、ほとんど利用されていない場所だ。
絵美も保護者面談の時に何度か使ったが、それも数えるほどしかない。
だが本来は、希望すれば教職員たちの誰もが利用できる部屋で、いつ誰が来てもおかしくない場所なのだ。
時折、校長や教頭などが、喫煙室代わりに利用しているらしいという話も聞く。
絵美は部屋の隅にうずくまり、松原が戻って来るのをジッと待つ以外になかった。
全裸でいる事にいたたまれなくなる。
話し声や物音がするたびに、鼓動が激しくなり、身も世もない恥辱に苛まれていた。
どれほどの時間が経ったのだろう……。
そう思った時、突然、ガチャガチャとドアノブを回す音が聞こえた。
パニックとなった絵美は、慌ててソファの陰に隠れると、ドアの鍵が開けられ、用務員の江田が入って来たのだ。
絵美は押しつぶされそうな恐怖に震え、全裸の身を縮ませた。
江田は、応接テーブルの灰皿とゴミ入れを片付けると、目と鼻の先に全裸の女が隠れていることに気がつかずに出て行った。
ただゴミの回収に現れただけだった。
だが、もしも清掃作業で入って来ていたのなら、絵美は確実に見つかり、大騒ぎになっていただろう。
……お願い、助けて。松原先生、早く戻って来て……何でもしますから、松原先生の奴隷にでも、便器女にでもなります。おしゃぶりもセックスも、喜んでしますから。早く戻って来て……
初老の用務員の存在が、張りつめていた絵美の精神を揺さぶり、便器女となる被虐の興奮に身体が反応していた。
頭ではいけないと思いつつも、ソファの陰で大きく両脚を開いた絵美は、現実から逃避するように股間に指を這わせた。
男性を受け入れる秘奥は、自分でも驚くほど濡れていた。
異常な状況と場所での自慰は、感じたことのない悦楽に絵美を誘っていた。
だが、現実は残酷だった。
ふと、何気に見上げた先のガラスに、卑猥な自分の姿が映っているのに気がついた。
トロフィーや賞状などが収められた棚のガラスが、鏡の役割をしていたのだ。
江田が気がついていないはずがない。
……ああ、だめ……見られた……
妄想の中で松原に荒々しく犯されていた便器女は、アクメを迎えた。
自分の浅ましさに涙を流しながらも、絵美は悦楽の中に身を横たえていた。
オナニーをしている時には、過酷な現実を忘れられたからだ。
幸いなことに、その後は談話室に近づく者はいなかったが、江田のことなど忘れてしまう程、思いがけない試練が襲っていた。
それは、自分ではどうにもできない苦しみだった。
そんな中、授業開始のチャイムが鳴り、しばらくして松原が荷物を抱えて戻って来た。
「任せてください、松原先生。あの用具室の時のように、誰も談話室には近づけさせないし、絵美先生も逃さないですから。しかし、正直ここまで上手くいくとは思っていなかったですよ」
と、楽しそうに目を細めた。
…………
最初の計画では、大倉たちが絵美を談話室に連れ込む予定だった。だが、その実行役が乱闘事件を起こしたため、計画が狂い頓挫していたのだ。
「……でも、捕まえたらこっちのものさ。一度抱いているから分かっていましたよ、絵美先生。あんたは、堕ちるってね……」
江田の睨んだように、松原に深奥の秘密を知られ、服を取り上げられた絵美は、なすすべくもなく一人残された部屋で立ち尽くしていたのだ。
この時は本当に恐ろしかったと、絵美は回想しているが、
「……本当は、怖いほどに浅ましく、淫らな感情が湧いてくるのを感じていたの……でも今では絵美にとって、身体が震えるほどの素敵な思い出ですわ……まるで蜘蛛の巣に絡め取られた獲物のように、逃れられない運命だったように思っています……」
と、上気した悦楽の表情を見せながら胸の内を告白しテイル。
「……でも、まだこの頃は、恥ずかしさを快感に変えるすべを、良く分かっていなかったの。だから……」
隠れる所もなく、全裸で学校の中にいるという異常な状況に、絵美はただうろたえるばかりだったという。
これは、現実なの……夢なの……?
お願い、夢なら覚めて……
こんな所を誰かに見つかったら、大変なことになるわ……でも……
ガヤガヤとした休み時間の喧噪が、絵美がいる談話室まで聞こえてきた。
窓の外を生徒が通リ抜ける影が写った。
間直に聞こえる生徒たちの声に、絵美はあわててしゃがみ込んだ。
窓には遮光ブラインドが下りていた。
外からは中を覗くことはできないはずだ。
でも、怖い……
覗こうとする生徒がいるかもしれない。
見つからない保証はどこにもないのだ。
そう思うと、頭が恐怖で真っ白になった。
自分の置かれている状況が、とても現実のものとは思えなくなってくる。
……神さま、お願い助けて……
絵美の思いとは裏腹に、被虐の疼きに囚われ始めていた身体が……怖かった。
学校の談話室は普段、ほとんど利用されていない場所だ。
絵美も保護者面談の時に何度か使ったが、それも数えるほどしかない。
だが本来は、希望すれば教職員たちの誰もが利用できる部屋で、いつ誰が来てもおかしくない場所なのだ。
時折、校長や教頭などが、喫煙室代わりに利用しているらしいという話も聞く。
絵美は部屋の隅にうずくまり、松原が戻って来るのをジッと待つ以外になかった。
全裸でいる事にいたたまれなくなる。
話し声や物音がするたびに、鼓動が激しくなり、身も世もない恥辱に苛まれていた。
どれほどの時間が経ったのだろう……。
そう思った時、突然、ガチャガチャとドアノブを回す音が聞こえた。
パニックとなった絵美は、慌ててソファの陰に隠れると、ドアの鍵が開けられ、用務員の江田が入って来たのだ。
絵美は押しつぶされそうな恐怖に震え、全裸の身を縮ませた。
江田は、応接テーブルの灰皿とゴミ入れを片付けると、目と鼻の先に全裸の女が隠れていることに気がつかずに出て行った。
ただゴミの回収に現れただけだった。
だが、もしも清掃作業で入って来ていたのなら、絵美は確実に見つかり、大騒ぎになっていただろう。
……お願い、助けて。松原先生、早く戻って来て……何でもしますから、松原先生の奴隷にでも、便器女にでもなります。おしゃぶりもセックスも、喜んでしますから。早く戻って来て……
初老の用務員の存在が、張りつめていた絵美の精神を揺さぶり、便器女となる被虐の興奮に身体が反応していた。
頭ではいけないと思いつつも、ソファの陰で大きく両脚を開いた絵美は、現実から逃避するように股間に指を這わせた。
男性を受け入れる秘奥は、自分でも驚くほど濡れていた。
異常な状況と場所での自慰は、感じたことのない悦楽に絵美を誘っていた。
だが、現実は残酷だった。
ふと、何気に見上げた先のガラスに、卑猥な自分の姿が映っているのに気がついた。
トロフィーや賞状などが収められた棚のガラスが、鏡の役割をしていたのだ。
江田が気がついていないはずがない。
……ああ、だめ……見られた……
妄想の中で松原に荒々しく犯されていた便器女は、アクメを迎えた。
自分の浅ましさに涙を流しながらも、絵美は悦楽の中に身を横たえていた。
オナニーをしている時には、過酷な現実を忘れられたからだ。
幸いなことに、その後は談話室に近づく者はいなかったが、江田のことなど忘れてしまう程、思いがけない試練が襲っていた。
それは、自分ではどうにもできない苦しみだった。
そんな中、授業開始のチャイムが鳴り、しばらくして松原が荷物を抱えて戻って来た。
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