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第1章:VS悪堕者(シニステッド)
案件19.強敵現る
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救世記念祭100周年の翌日、悪堕者の犯行声明を受け異救者たちは各地の警戒を強化し、黒火手団も近隣の街をパトロールしていた。
「・・・・・!!」
「怪しいヤツ!怪しいヤツはいねえか!?」
アゼルとカネリは血眼になり、キョロキョロと辺りを見回している。
「落ち着こうよ二人とも、これじゃあおれたちが怪しい奴だよ」
「甘いぞボンゴラ!敵はいつどこから仕掛けるか予測困難、あらゆるケースを想定し黒に対処すべきだ!」
「スコアで勝っても、お前には負けないぜ!」
ゴミ捨て場やマンホールの中まで、アゼルとカネリは競い合うように悪堕者を探している。
その様子を見ていたボンゴラは、呆れ果てていた。
(カネリはともかくアゼルまで・・・。スコアで差をつけられたのが、よっぽど悔しかったんだな)
カネリは前日の事件で大手柄を上げ、所持スコアは10万点以上となった。超大物ルーキーの爆誕である。
「ママみてー、くろびてだん」
「激熱カネリだ!」
ボンゴラは近くにいる人々が、自分たちに注目していることを気づき、軽く一礼をした。
(カネリの活躍のおかげで、黒火手団の存在が世間に知られるようになった)
(一方で敵にも知られたはず、より気を引き締めて人助けしないと・・・)
その時、男女二人がボンゴラに話しかけてきた。
「すみません、私たちの子どもを探していただけませんか!?」
「名前は後舞ウロ、5歳の男の子です!」
「迷子ですか?髪の色や服装などの特徴は?」
「髪は紺色で、赤いシャツと黒い半ズボンを着て―」
次の瞬間、ボンゴラの背後でドーンと衝撃音が聞こえた。
「何だ!?」
「闇異が暴れてるらしいぞ!」
「二人は安全な場所へ避難して下さい、ウロ君はこの手で探し出します!」
「すみません、どうかお願いします!」
黒火手団は異救者に変異し、衝撃音があった場所へ急いだ。
三人が目的地にたどり着いた時、周囲の建物は半壊し十数人ほどの人が傷つき倒れていた。
「大丈夫ですか!?」
「あ・・・あいつにやられた・・・」
「オレTUEEE!!!思い知ったか!オレこそが最強の悪堕者だ!!」
黒火手団の前に、2本の角を生やした筋肉質の闇異が現れ、自分の強さを誇示するように様々な決めポーズをとっている。
「なんだコイツ?」
「この惨状は貴様の仕業か?」
「その通り!オレは我強闇異アイムストロン!」
「お前らにも、オレがTUEEEってことをおじえっ!!!」
『黒殺刑!!!』
黒皇は、敵が戦闘態勢に入る前に仕留めて爆破し、人の姿に戻した。
「汚えぞアゼル!」
「黙れ、これが黒だ」
(いきなり必殺技か、手柄を上げようと焦ってるな・・・)
「応援を呼んで、みんなを助けよう」
黒火手団が人々の救助を行っている最中、リチャウターは瓦礫の中から小さな子どもを助け出した。身体中は汚れているが、幸い大きな怪我は負っていない。
「もう大丈夫だよ・・・!この子もしかして!」
救助した子どもは5歳くらいの男の子で、髪は紺色、服装は赤いシャツと黒い半ズボンであることから、先程の両親が言った迷子の特徴と一致していた。
「君、名前わかる?」
「ごまい・・・ウロ・・・」
ウロは両親とはぐれ悪堕者の襲撃に巻き込まれたせいか、疲れた様子ですすり泣きながら返事をした。
「間違いない、さっき君のお父さんとお母さんに会ったんだ。手当をしたら、連れて行ってあげるよ」
「本当!?」
「もちろん、おれたち黒火手団が約束するよ」
ウロは両親に会えると知り、元気を取り戻した。
「迷子が見つかったか」
「よかったな!しっかし悪堕者って、全然大したことねえな」
「あんなザコと一緒にしてんじゃねえ」
黒火手団の前に、謎の男が現れた。
男は顔に傷があり肌は黒く、ガッシリとした体型で身長は180cm以上あり、鋭い目をしている。
また髪はボサボサで紫色だが、毛先が血のように赤く染まり、自身の体格の半分以上はある両刃斧を担いでいた。
「・・・その口振り、貴様も悪堕者で間違いないな?」
「ああ、オレも悪堕者―」
その瞬間黒皇は、悪堕者と名乗る男に『黒呪毒』を浴びせた。
「悪いが動きを封じてもらう、詳細はあとで聞こう―!」
「いきなり変なもんブッかけやがって・・・!」
男は黒皇の呪いが、全く効いてないようだ。
「呪いに耐性があるのか!?」
「恨みを込めて叩き割ってやるよ・・・変異!!」
男は闇のエネルギーに包まれ、闇異に変異した。
生身よりさらに大きく逞しくなり、頭部から生えた角はアイムストロンよりも力強く、表情は激しい怒りに満ちていた。
その様子を見たカネリは、直感で強敵だと理解した。
「気をつけろ!コイツはさっきのヤツとはケタちがいだ!」
「オレは浅刺コズド、そして復讐闇異アダウチオニ」
「この世界に、恨みを込めて叩き割る男だッ!!!」
To be next case
「・・・・・!!」
「怪しいヤツ!怪しいヤツはいねえか!?」
アゼルとカネリは血眼になり、キョロキョロと辺りを見回している。
「落ち着こうよ二人とも、これじゃあおれたちが怪しい奴だよ」
「甘いぞボンゴラ!敵はいつどこから仕掛けるか予測困難、あらゆるケースを想定し黒に対処すべきだ!」
「スコアで勝っても、お前には負けないぜ!」
ゴミ捨て場やマンホールの中まで、アゼルとカネリは競い合うように悪堕者を探している。
その様子を見ていたボンゴラは、呆れ果てていた。
(カネリはともかくアゼルまで・・・。スコアで差をつけられたのが、よっぽど悔しかったんだな)
カネリは前日の事件で大手柄を上げ、所持スコアは10万点以上となった。超大物ルーキーの爆誕である。
「ママみてー、くろびてだん」
「激熱カネリだ!」
ボンゴラは近くにいる人々が、自分たちに注目していることを気づき、軽く一礼をした。
(カネリの活躍のおかげで、黒火手団の存在が世間に知られるようになった)
(一方で敵にも知られたはず、より気を引き締めて人助けしないと・・・)
その時、男女二人がボンゴラに話しかけてきた。
「すみません、私たちの子どもを探していただけませんか!?」
「名前は後舞ウロ、5歳の男の子です!」
「迷子ですか?髪の色や服装などの特徴は?」
「髪は紺色で、赤いシャツと黒い半ズボンを着て―」
次の瞬間、ボンゴラの背後でドーンと衝撃音が聞こえた。
「何だ!?」
「闇異が暴れてるらしいぞ!」
「二人は安全な場所へ避難して下さい、ウロ君はこの手で探し出します!」
「すみません、どうかお願いします!」
黒火手団は異救者に変異し、衝撃音があった場所へ急いだ。
三人が目的地にたどり着いた時、周囲の建物は半壊し十数人ほどの人が傷つき倒れていた。
「大丈夫ですか!?」
「あ・・・あいつにやられた・・・」
「オレTUEEE!!!思い知ったか!オレこそが最強の悪堕者だ!!」
黒火手団の前に、2本の角を生やした筋肉質の闇異が現れ、自分の強さを誇示するように様々な決めポーズをとっている。
「なんだコイツ?」
「この惨状は貴様の仕業か?」
「その通り!オレは我強闇異アイムストロン!」
「お前らにも、オレがTUEEEってことをおじえっ!!!」
『黒殺刑!!!』
黒皇は、敵が戦闘態勢に入る前に仕留めて爆破し、人の姿に戻した。
「汚えぞアゼル!」
「黙れ、これが黒だ」
(いきなり必殺技か、手柄を上げようと焦ってるな・・・)
「応援を呼んで、みんなを助けよう」
黒火手団が人々の救助を行っている最中、リチャウターは瓦礫の中から小さな子どもを助け出した。身体中は汚れているが、幸い大きな怪我は負っていない。
「もう大丈夫だよ・・・!この子もしかして!」
救助した子どもは5歳くらいの男の子で、髪は紺色、服装は赤いシャツと黒い半ズボンであることから、先程の両親が言った迷子の特徴と一致していた。
「君、名前わかる?」
「ごまい・・・ウロ・・・」
ウロは両親とはぐれ悪堕者の襲撃に巻き込まれたせいか、疲れた様子ですすり泣きながら返事をした。
「間違いない、さっき君のお父さんとお母さんに会ったんだ。手当をしたら、連れて行ってあげるよ」
「本当!?」
「もちろん、おれたち黒火手団が約束するよ」
ウロは両親に会えると知り、元気を取り戻した。
「迷子が見つかったか」
「よかったな!しっかし悪堕者って、全然大したことねえな」
「あんなザコと一緒にしてんじゃねえ」
黒火手団の前に、謎の男が現れた。
男は顔に傷があり肌は黒く、ガッシリとした体型で身長は180cm以上あり、鋭い目をしている。
また髪はボサボサで紫色だが、毛先が血のように赤く染まり、自身の体格の半分以上はある両刃斧を担いでいた。
「・・・その口振り、貴様も悪堕者で間違いないな?」
「ああ、オレも悪堕者―」
その瞬間黒皇は、悪堕者と名乗る男に『黒呪毒』を浴びせた。
「悪いが動きを封じてもらう、詳細はあとで聞こう―!」
「いきなり変なもんブッかけやがって・・・!」
男は黒皇の呪いが、全く効いてないようだ。
「呪いに耐性があるのか!?」
「恨みを込めて叩き割ってやるよ・・・変異!!」
男は闇のエネルギーに包まれ、闇異に変異した。
生身よりさらに大きく逞しくなり、頭部から生えた角はアイムストロンよりも力強く、表情は激しい怒りに満ちていた。
その様子を見たカネリは、直感で強敵だと理解した。
「気をつけろ!コイツはさっきのヤツとはケタちがいだ!」
「オレは浅刺コズド、そして復讐闇異アダウチオニ」
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To be next case
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