16 / 31
序章:三人の救世主候補
案件16.閉ざされた避難所
しおりを挟む
突如聖地で始まった、1万人以上の異救者と10万人以上の闇異の戦い。
10倍近い戦力差に加え、1千万人以上の人を守らねばならないという不利な状況の中、異救者たちは果敢に立ち向かった。
「無理に攻めるな、一般人の安全が最優先だ!」
「中央の避難所へ集めろ!守りを固めるんだ!」
「アタシが牽制する、その間に彼らをお願い!」
「でももし避難所に闇異が現れたら・・・」
「大丈夫だ、聖女様が守って下さる!」
一般参加者の避難所は記念碑がある聖地の中央であり、そこでマナキは闇異の侵入を防ぐ巨大な結界を張っていた。
アゼルとボンゴラも黒皇とリチャウターに変異し、一般人を守りながら闇異と戦っているが、敵の動きに対し違和感を抱いていた。
「こいつらおかしいぞ・・・」
「攻撃する意志が、あまり感じられない?」
その間に異救者たちは一般人を守りやすいよう、避難所を取り囲むように円陣を組み始めた。
「一般市民の避難、全員完了しました!」
「よし、押し返すぞ!」
10時36分、ついに異救者たちの反撃が始まろうとしていたが、サエラはこれを待っていたかのように邪悪な笑みを浮かべていた。
「よぉし今だ、閉じ込めろぉ!!」
サエラが合図した瞬間、異救者たちの目の前に白い半透明の壁が現れた。
なんと、聖地の1割を覆い尽くす巨大な結界が張られ、異救者と一般人が閉じ込められてしまったのだ。
『アーハッハッハ!マヌケな奴らめ、まんまと引っ掛かってやんの!』
サエラは会場のモニターを再び乗っ取り、異救者たちを嘲笑った。
「こんなもの、すぐに破ってやる!」
『おっと、この結界は壊さないことをオススメするぜ』
『避難所のどっかにある爆弾と連動していて、ヒビ一つ入れるだけでドカンといく仕掛けだ』
「そんなハッタリに乗らないぞ!」
「避難所に危険物がないことは確認済みだし、参加者の手荷物検査は徹底してるんだ!」
『どうぞご自由に、か弱い一般市民が犠牲になってもいいのなら』
「ぐっ・・・!」
1千万人以上が密集している避難所で爆発が起きれば、甚大な被害になりかねない。
異救者は一人たりとも、結界に手を出せなかった。
一方避難所では、サエラの映像を見た人々が再びパニックになっていた。
「ここに爆弾があるんだって!?」
「冗談じゃない!早くここから出してくれ!」
「みんな落ち着いて!」
『さあ野郎ども、異救者はセイブレスと戦いここに閉じ込められ、人員はカツカツだ』
『そのスキに街中で暴れ、建物を壊し、金品を奪い、人々に恐怖と絶望を与えてやれ』
『平和の祭典100周年を、史上最高の闇深案件にしてやるのだあああ!!!』
総勢10万人以上の闇異たちは、次々と空間の歪みへ戻っていった。
「やってくれたな、闇淵サエラめ・・・!」
「アゼル、避難所に行って爆弾がないか確認しよう!」
1万人以上の異救者と言えど、パニックに陥った1千万人以上がいる避難所から、爆弾を見つけ出すのは簡単ではない。
「ここは任せるぜ、覆尽闇異ジャイアンドーム」
「・・・ああ」
ジャイアンドームは、全長3m近くあり顔が半透明のカプセルに覆われた闇異である。
サエラは他の闇異と一緒に、空間の歪みへ消えて行った。
闇異軍団の移動は順調と思われたが、突然放たれた火炎が空間の歪みをかき消し、約1万の闇異が聖地に取り残された。
「なにっ!?」
「誰だ!」
「黒火手団最強の女、カネリファイヤこと激熱カネリだ!」
「オレ様が来たからには、テメェらの好きにはさせないぜ!!」
10時47分、ようやくカネリファイヤが現場に到着した。
「黒火手団?カネリ? そんなヤツいたか?」
「知らん」
「んだとテメェら!!」
黒火手団は結成してまだ1ヶ月も経っていない、知名度が低いのは仕方のないことだ。
「馬鹿な女だ、たった一人でオレ達に挑むとは」
「たっぷり可愛がってやるぜ」
「無謀だ・・・」
「おい君!ここは退いて応援を呼ぶんだ!」
結界の中の異救者たちの声は、カネリファイヤには届かない。
しかし彼女の目は、圧倒的な数を前にしても動じず激しく燃えていた。
「あんまナメてっと、ゲキアツにしてやるぜぇ!!!」
10時51分、結界の外でカネリファイヤと総勢1万以上の闇異軍団の戦いが始まった!
To be next case
10倍近い戦力差に加え、1千万人以上の人を守らねばならないという不利な状況の中、異救者たちは果敢に立ち向かった。
「無理に攻めるな、一般人の安全が最優先だ!」
「中央の避難所へ集めろ!守りを固めるんだ!」
「アタシが牽制する、その間に彼らをお願い!」
「でももし避難所に闇異が現れたら・・・」
「大丈夫だ、聖女様が守って下さる!」
一般参加者の避難所は記念碑がある聖地の中央であり、そこでマナキは闇異の侵入を防ぐ巨大な結界を張っていた。
アゼルとボンゴラも黒皇とリチャウターに変異し、一般人を守りながら闇異と戦っているが、敵の動きに対し違和感を抱いていた。
「こいつらおかしいぞ・・・」
「攻撃する意志が、あまり感じられない?」
その間に異救者たちは一般人を守りやすいよう、避難所を取り囲むように円陣を組み始めた。
「一般市民の避難、全員完了しました!」
「よし、押し返すぞ!」
10時36分、ついに異救者たちの反撃が始まろうとしていたが、サエラはこれを待っていたかのように邪悪な笑みを浮かべていた。
「よぉし今だ、閉じ込めろぉ!!」
サエラが合図した瞬間、異救者たちの目の前に白い半透明の壁が現れた。
なんと、聖地の1割を覆い尽くす巨大な結界が張られ、異救者と一般人が閉じ込められてしまったのだ。
『アーハッハッハ!マヌケな奴らめ、まんまと引っ掛かってやんの!』
サエラは会場のモニターを再び乗っ取り、異救者たちを嘲笑った。
「こんなもの、すぐに破ってやる!」
『おっと、この結界は壊さないことをオススメするぜ』
『避難所のどっかにある爆弾と連動していて、ヒビ一つ入れるだけでドカンといく仕掛けだ』
「そんなハッタリに乗らないぞ!」
「避難所に危険物がないことは確認済みだし、参加者の手荷物検査は徹底してるんだ!」
『どうぞご自由に、か弱い一般市民が犠牲になってもいいのなら』
「ぐっ・・・!」
1千万人以上が密集している避難所で爆発が起きれば、甚大な被害になりかねない。
異救者は一人たりとも、結界に手を出せなかった。
一方避難所では、サエラの映像を見た人々が再びパニックになっていた。
「ここに爆弾があるんだって!?」
「冗談じゃない!早くここから出してくれ!」
「みんな落ち着いて!」
『さあ野郎ども、異救者はセイブレスと戦いここに閉じ込められ、人員はカツカツだ』
『そのスキに街中で暴れ、建物を壊し、金品を奪い、人々に恐怖と絶望を与えてやれ』
『平和の祭典100周年を、史上最高の闇深案件にしてやるのだあああ!!!』
総勢10万人以上の闇異たちは、次々と空間の歪みへ戻っていった。
「やってくれたな、闇淵サエラめ・・・!」
「アゼル、避難所に行って爆弾がないか確認しよう!」
1万人以上の異救者と言えど、パニックに陥った1千万人以上がいる避難所から、爆弾を見つけ出すのは簡単ではない。
「ここは任せるぜ、覆尽闇異ジャイアンドーム」
「・・・ああ」
ジャイアンドームは、全長3m近くあり顔が半透明のカプセルに覆われた闇異である。
サエラは他の闇異と一緒に、空間の歪みへ消えて行った。
闇異軍団の移動は順調と思われたが、突然放たれた火炎が空間の歪みをかき消し、約1万の闇異が聖地に取り残された。
「なにっ!?」
「誰だ!」
「黒火手団最強の女、カネリファイヤこと激熱カネリだ!」
「オレ様が来たからには、テメェらの好きにはさせないぜ!!」
10時47分、ようやくカネリファイヤが現場に到着した。
「黒火手団?カネリ? そんなヤツいたか?」
「知らん」
「んだとテメェら!!」
黒火手団は結成してまだ1ヶ月も経っていない、知名度が低いのは仕方のないことだ。
「馬鹿な女だ、たった一人でオレ達に挑むとは」
「たっぷり可愛がってやるぜ」
「無謀だ・・・」
「おい君!ここは退いて応援を呼ぶんだ!」
結界の中の異救者たちの声は、カネリファイヤには届かない。
しかし彼女の目は、圧倒的な数を前にしても動じず激しく燃えていた。
「あんまナメてっと、ゲキアツにしてやるぜぇ!!!」
10時51分、結界の外でカネリファイヤと総勢1万以上の闇異軍団の戦いが始まった!
To be next case
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!
のんたろう
ファンタジー
異世界マーラに召喚された凝流(しこる)は、
ハサンと名を変えて異世界で
聖騎士として生きることを決める。
ここでの世界では
感謝の力が有効と知る。
魔王スマターを倒せ!
不動明王へと化身せよ!
聖騎士ハサン伝説の伝承!
略称は「しなおじ」!
年内書籍化予定!
この世界で唯一『スキル合成』の能力を持っていた件
なかの
ファンタジー
異世界に転生した僕。
そこで与えられたのは、この世界ただ一人だけが持つ、ユニークスキル『スキル合成 - シンセサイズ』だった。
このユニークスキルを武器にこの世界を無双していく。
【web累計100万PV突破!】
著/イラスト なかの
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ダンジョン菌にまみれた、様々なクエストが提示されるこの現実世界で、【クエスト簡略化】スキルを手にした俺は最強のスレイヤーを目指す
名無し
ファンタジー
ダンジョン菌が人間や物をダンジョン化させてしまう世界。ワクチンを打てば誰もがスレイヤーになる権利を与えられ、強化用のクエストを受けられるようになる。
しかし、ワクチン接種で稀に発生する、最初から能力の高いエリート種でなければクエストの攻略は難しく、一般人の佐嶋康介はスレイヤーになることを諦めていたが、仕事の帰りにコンビニエンスストアに立ち寄ったことで運命が変わることになる。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう
果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。
名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。
日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。
ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。
この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。
しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて――
しかも、その一部始終は生放送されていて――!?
《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》
《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》
SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!?
暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する!
※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。
※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる