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第一章 黒い悪魔の逃亡
第九話 これで貴方もドグ博士
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ガレックは帰る前に、面白そうな依頼があるか確認した。
『Eランク。報酬六千エスト。ルナハーブティーを作りたいので、ルナハーブを採ってきてください。フラワーの店長、ローラ』
ガレックは見た瞬間依頼書を取り受付に向かった。
ケビンが突然出て行ったせいで急遽受付に入ることになった眼鏡を掛けたお下げ髪の少女レイチェル・ビアーが困った顔をする。
「ガレックさん。いつも言ってますが、もう少しランクの高い依頼を受けてください」
「そう言うなレイチェル」
説得しても無駄だから、レイチェルは渋々受理した。
受付が終わったガレック達は、フェニックス城の前にあるフェニックス駅に向かう。
歩きながらマリアが言う。
「帰るんじゃなかったのですか?」
「困ってる美女がいるんだ。助けなければ」
「美女って、何で分かるのよ?」
アリスの質問を鼻で笑い答えた。
「いいか。依頼人の名前はローラだ。美女に決まってる」
自信満々に答えるガレックに姉妹は呆れた。
「それで、ルナハーブって何処に生えてるの?」
「ステラの森だ。今から電車に乗ってステラ駅に向かい、そっから森に入る」
「私とお姉ちゃん丸腰なんだけど、モンスターとか出ないでしょうね」
「大丈夫だ。雑魚しかいねぇし」
「出るんじゃない!」
「安心しろ。ちゃんと考えてる」
アリスは不安だったがガレックが桁外れに強い事を知ってるので、一応信じる事にした。
二時間後、三人はステラの森に着いた。
ガレックは二丁拳銃を抜き、ルクスをマリアにノクスをアリスに渡した。
「これを使え」
「重ッ!」
「ご主人様。私達銃なんて使った事無いです」
「私達魔法使いよ。杖とか無いの? そのカードに」
「俺は杖を使わんからな。それに、詠唱するより銃をぶっ放す方が早い。試しに撃てみろ」
ガレックは適当に木を指差し、姉妹は困惑した。
「だから、撃ち方分からないんだって!」
「……かったる」
ガレックはめんどくさそうに撃ち方を説明し、姉妹が撃てる様になってから森の奥へ歩き出した。
暫く歩くと三十センチメートルくらいの昆虫モンスター、アブーが現れた。
ガレックは笑みを浮かべて言う。
「いい感じの雑魚だ。奴隷姉妹、片付けろ」
「て、手伝わないんですかぁ!」
「たかがハエだ。俺様が出る幕じゃない。撃ち殺せ」
姉妹がためらってるうちに、アブーがガレックを刺しに来た。
ガレックは殺さない様、軽く殴り飛ばし、アブーは失神した。
「今だ。奴隷姉妹、撃て!」
姉妹はアブーを狙い撃った。が、外れた。
「下手くそ」
「う、うるさい!」
「肩の力を抜いてよく狙え」
姉妹はよく狙って撃ち、見事命中した。
「上出来だ」
そう言って歩き出し、ルナハーブを探し始めた。
暫くしてガレックがルナハーブを見付け姉妹に見せる。
「奴隷姉妹。これがルナハーブだ」
そう言ってガレックはルナハーブをマリアに渡した。
「二手に分かれて行動する。俺はこっちを探すからお前等はあっちを探せ。二時間後に森の入り口に集合だ」
三人は二手に分かれ探し始めた。
モンスターの中には人間と話す事が出来る者達もいる。その代表が土偶モンスター、ドグだ。
このモンスターはみんなほぼ同じ形だからドグ達以外は色で強さを判断する。
茶色が一般的で数が多いドグといったら茶色のドグを指す、その戦闘力は一般人以下。緑色のドグは一般のドグ達を纏めるリーダーでありその戦闘力は一般人と同じグリーンドグと呼ばれる。青色のドグはドグ達を守る正義の味方戦闘に長けなんと一般人より遥かに強いBランク、ブルードグと呼ばれる。赤色のドグはブルードグを纏める部隊長その戦闘力は脅威のAランク、レッドドグと呼ばれる。黒色のドグは数が少ないが他を圧倒するSランク、ブラックドグまたはドグ将軍と呼ばれる。白色のドグはドグ達の王その戦闘力は計り知れない、キングドグと呼ばれる。
ドグ達は魔法無効化の特殊能力があり魔導士の天敵である。
ガレックは一人森の奥へ奥へと歩いて行き、ドグの集団を見付けた。
ドグ達は都合良くルナハーブをカゴいっぱい集めていて今もなお採取している。集団で一番偉いグリーンドグがドグ達に言う。
「ふぅぅぅう。結構集めたな。そろそろ帰るか」
ドグ達が元気よく「はいっ!」っと、返事をした。
ガレックは走り出し、走り様に一番近くのドグを蹴り飛ばす。
「死ねぇ! 土偶ぅ!」
「ぎゃぁぁぁぁっ!?」
「なっ!?」
蹴り飛ばされたドグが、他のドグにぶつかった。
バリィィィン!
二体のドグは割れて死んだ。
グリーンドグが震えながら抗議する。
「い、いきなり何するんだ。僕達は人間達との共存を選んだ、平和を愛するドグだぞ!」
剣だと刃こぼれや折れたり曲がったりする可能性が高いため、ガレックは重く硬い破壊力だけに特化された、金鬼(ごんき)という名の金棒を出した。
「うるさい。死にたくなかったらそのカゴを寄こせ」
「こ、これはみんなで集めた・・・」
「死ねぇぇぇっ!」
バリィィィン! ドンッ!
ガレックはグリーンドグを叩き割った。
「さて、次は誰が死にたい?」
悲鳴を上げてドグ達は一目散に逃げ出した。
ガレックはルナハーブを手に入れた。
二時間後、森の入り口で三人は合流した。
カゴいっぱいのルナハーブを見て姉妹は驚く。
「まっ、俺様が本気を出したらこんなもんだ」
「「す、凄い」」
驚きながら姉妹はガレックに銃を返す。
「ありがとうございました」
「ありがとね」
ガレックは銃を仕舞って言う。
「そんじゃ、依頼人の下に向かうか」
「はいっ!」「うん」
三人は駅に向かって歩き出した。
「待て、お前等っ!」
突然後ろから呼び止められ振り返るとドグ将軍を先頭にしたドグの集団がいた。
「そこの男! 盗んだ物を返すんだ!」
「盗んだ? 人聞きが悪い。落ちてた物を拾っただけだ」
一体のドグが集団の後ろから抗議をする。
「う、嘘を吐くなっ! 僕達からルナハーブを盗んだじゃないか! その証拠に、そのカゴにはドグマークが付いてるじゃないか!」
カゴには土偶のマーク、ドグマークがあった。
ガレックは嘆息を吐き、一瞬でドグ将軍との間合いを詰め金鬼を出し叩きつけた。ドグ将軍はとっさに受け止めた。
「ぬおっ! 問答・・・・・・」
無用かという前に、ガレックはドグ将軍を蹴り飛ばす。さらにガレックは、蹴り飛ばされたドグ将軍に向かって容赦なく金鬼を投げつけた。
バリィィィン!
ドグ将軍は割れて死んだ。
レッドドグ、ドグ隊長達が叫ぶ。
「将軍様ぁぁっ!」
ドグ隊長達は顔を見合わせて頷き、ガレックに土下座する。
ドグ隊長を纏めるドグ総長が代表して許しを請う。
「すまなかった。許して欲しい。全てはあのドグが悪いんだ!」
そう言ってドグ達を指し大勢のブルードグが指されたドグ達を取り押さえる。
「このカゴ、持って行っていいな?」
「もちろん!」
ガレックは少し考えて頷いた。
「お前等のボスを倒したという事は今日から俺がお前等のボスか?」
「仰る通り!」
「俺の名はガレックだ。俺様が命令を下すまで、この森の治安を維持しろ」
ドグ達は深く深く頭を下げた。
ガレック達はドグに見送られ今度こそ駅に向かった。
電車の中でアリスがガレックに苦言を言う。
「何でドグを手下にしたのよ。あいつ等すぐ裏切る卑怯者よ」
「そうです。それに嘘吐きで弱者を虐げる最悪のモンスターです」
「知ってるさ。そのうち使い潰すからいいだろ」
ガレックの笑みを見て、絶対に巻き込まれると思い姉妹は不安になった。
王都に戻ると依頼人の下へ向かうためダウンタウンに入り、だんだん怪しい場所に向かっていく。
エッチな看板を見て姉妹は顔を赤くする。堪らずアリスが尋ねる。
「本当にこっちで合ってるの?」
「本当だ。ただ俺もここまで来るのは初めてだから少し迷いそうだ」
「嘘でしょ。変態のあんたが初めてなんて」
「失礼な奴だねぇ」
しかし何だ、この悪寒は?
ガレックは奥に進むにつれて寒気がしていた。
「もしかして、あの店じゃないですか」
フラワーの看板があった。
「ここだな。入るか」
ガレックは元気よく入店する。
「紅い翼のガレックです! ルナハーブ、お持ちしました!」
巨体な漢女(おとめ)がガレックに答える。
「あっらぁ! 良い男! 初めまして私がローラです!」
「ちょっとママ、ずぅるぅいぃ! 私も挨拶する! 初めましてアマンダです!」
「ちょっとアマンダ、抜け駆け禁止よ! 初めまして、メアリーです!」
その後も、ルイズ、サリー、アニーなど紹介を受けるが、ガレックの耳には入らなかった。気付いたらガレックは家に帰って寝ていた。
「あっ、起きた」
「うん? アリス・・・何で俺家にいるんだ?」
アリスは顔を引きつかせ言う。
「えっ! えぇっと、疲れて寝ちゃったのよ。うん」
「寝たぁっ!? 俺が? ふむ。そうか」
かなり無理がある言い訳だったがガレックは気付かなかった、いや、心が気付く事を拒絶した。嫌な事が起きると人は気付かない振りをする、それは強者も弱者も同じなのだ。
『Eランク。報酬六千エスト。ルナハーブティーを作りたいので、ルナハーブを採ってきてください。フラワーの店長、ローラ』
ガレックは見た瞬間依頼書を取り受付に向かった。
ケビンが突然出て行ったせいで急遽受付に入ることになった眼鏡を掛けたお下げ髪の少女レイチェル・ビアーが困った顔をする。
「ガレックさん。いつも言ってますが、もう少しランクの高い依頼を受けてください」
「そう言うなレイチェル」
説得しても無駄だから、レイチェルは渋々受理した。
受付が終わったガレック達は、フェニックス城の前にあるフェニックス駅に向かう。
歩きながらマリアが言う。
「帰るんじゃなかったのですか?」
「困ってる美女がいるんだ。助けなければ」
「美女って、何で分かるのよ?」
アリスの質問を鼻で笑い答えた。
「いいか。依頼人の名前はローラだ。美女に決まってる」
自信満々に答えるガレックに姉妹は呆れた。
「それで、ルナハーブって何処に生えてるの?」
「ステラの森だ。今から電車に乗ってステラ駅に向かい、そっから森に入る」
「私とお姉ちゃん丸腰なんだけど、モンスターとか出ないでしょうね」
「大丈夫だ。雑魚しかいねぇし」
「出るんじゃない!」
「安心しろ。ちゃんと考えてる」
アリスは不安だったがガレックが桁外れに強い事を知ってるので、一応信じる事にした。
二時間後、三人はステラの森に着いた。
ガレックは二丁拳銃を抜き、ルクスをマリアにノクスをアリスに渡した。
「これを使え」
「重ッ!」
「ご主人様。私達銃なんて使った事無いです」
「私達魔法使いよ。杖とか無いの? そのカードに」
「俺は杖を使わんからな。それに、詠唱するより銃をぶっ放す方が早い。試しに撃てみろ」
ガレックは適当に木を指差し、姉妹は困惑した。
「だから、撃ち方分からないんだって!」
「……かったる」
ガレックはめんどくさそうに撃ち方を説明し、姉妹が撃てる様になってから森の奥へ歩き出した。
暫く歩くと三十センチメートルくらいの昆虫モンスター、アブーが現れた。
ガレックは笑みを浮かべて言う。
「いい感じの雑魚だ。奴隷姉妹、片付けろ」
「て、手伝わないんですかぁ!」
「たかがハエだ。俺様が出る幕じゃない。撃ち殺せ」
姉妹がためらってるうちに、アブーがガレックを刺しに来た。
ガレックは殺さない様、軽く殴り飛ばし、アブーは失神した。
「今だ。奴隷姉妹、撃て!」
姉妹はアブーを狙い撃った。が、外れた。
「下手くそ」
「う、うるさい!」
「肩の力を抜いてよく狙え」
姉妹はよく狙って撃ち、見事命中した。
「上出来だ」
そう言って歩き出し、ルナハーブを探し始めた。
暫くしてガレックがルナハーブを見付け姉妹に見せる。
「奴隷姉妹。これがルナハーブだ」
そう言ってガレックはルナハーブをマリアに渡した。
「二手に分かれて行動する。俺はこっちを探すからお前等はあっちを探せ。二時間後に森の入り口に集合だ」
三人は二手に分かれ探し始めた。
モンスターの中には人間と話す事が出来る者達もいる。その代表が土偶モンスター、ドグだ。
このモンスターはみんなほぼ同じ形だからドグ達以外は色で強さを判断する。
茶色が一般的で数が多いドグといったら茶色のドグを指す、その戦闘力は一般人以下。緑色のドグは一般のドグ達を纏めるリーダーでありその戦闘力は一般人と同じグリーンドグと呼ばれる。青色のドグはドグ達を守る正義の味方戦闘に長けなんと一般人より遥かに強いBランク、ブルードグと呼ばれる。赤色のドグはブルードグを纏める部隊長その戦闘力は脅威のAランク、レッドドグと呼ばれる。黒色のドグは数が少ないが他を圧倒するSランク、ブラックドグまたはドグ将軍と呼ばれる。白色のドグはドグ達の王その戦闘力は計り知れない、キングドグと呼ばれる。
ドグ達は魔法無効化の特殊能力があり魔導士の天敵である。
ガレックは一人森の奥へ奥へと歩いて行き、ドグの集団を見付けた。
ドグ達は都合良くルナハーブをカゴいっぱい集めていて今もなお採取している。集団で一番偉いグリーンドグがドグ達に言う。
「ふぅぅぅう。結構集めたな。そろそろ帰るか」
ドグ達が元気よく「はいっ!」っと、返事をした。
ガレックは走り出し、走り様に一番近くのドグを蹴り飛ばす。
「死ねぇ! 土偶ぅ!」
「ぎゃぁぁぁぁっ!?」
「なっ!?」
蹴り飛ばされたドグが、他のドグにぶつかった。
バリィィィン!
二体のドグは割れて死んだ。
グリーンドグが震えながら抗議する。
「い、いきなり何するんだ。僕達は人間達との共存を選んだ、平和を愛するドグだぞ!」
剣だと刃こぼれや折れたり曲がったりする可能性が高いため、ガレックは重く硬い破壊力だけに特化された、金鬼(ごんき)という名の金棒を出した。
「うるさい。死にたくなかったらそのカゴを寄こせ」
「こ、これはみんなで集めた・・・」
「死ねぇぇぇっ!」
バリィィィン! ドンッ!
ガレックはグリーンドグを叩き割った。
「さて、次は誰が死にたい?」
悲鳴を上げてドグ達は一目散に逃げ出した。
ガレックはルナハーブを手に入れた。
二時間後、森の入り口で三人は合流した。
カゴいっぱいのルナハーブを見て姉妹は驚く。
「まっ、俺様が本気を出したらこんなもんだ」
「「す、凄い」」
驚きながら姉妹はガレックに銃を返す。
「ありがとうございました」
「ありがとね」
ガレックは銃を仕舞って言う。
「そんじゃ、依頼人の下に向かうか」
「はいっ!」「うん」
三人は駅に向かって歩き出した。
「待て、お前等っ!」
突然後ろから呼び止められ振り返るとドグ将軍を先頭にしたドグの集団がいた。
「そこの男! 盗んだ物を返すんだ!」
「盗んだ? 人聞きが悪い。落ちてた物を拾っただけだ」
一体のドグが集団の後ろから抗議をする。
「う、嘘を吐くなっ! 僕達からルナハーブを盗んだじゃないか! その証拠に、そのカゴにはドグマークが付いてるじゃないか!」
カゴには土偶のマーク、ドグマークがあった。
ガレックは嘆息を吐き、一瞬でドグ将軍との間合いを詰め金鬼を出し叩きつけた。ドグ将軍はとっさに受け止めた。
「ぬおっ! 問答・・・・・・」
無用かという前に、ガレックはドグ将軍を蹴り飛ばす。さらにガレックは、蹴り飛ばされたドグ将軍に向かって容赦なく金鬼を投げつけた。
バリィィィン!
ドグ将軍は割れて死んだ。
レッドドグ、ドグ隊長達が叫ぶ。
「将軍様ぁぁっ!」
ドグ隊長達は顔を見合わせて頷き、ガレックに土下座する。
ドグ隊長を纏めるドグ総長が代表して許しを請う。
「すまなかった。許して欲しい。全てはあのドグが悪いんだ!」
そう言ってドグ達を指し大勢のブルードグが指されたドグ達を取り押さえる。
「このカゴ、持って行っていいな?」
「もちろん!」
ガレックは少し考えて頷いた。
「お前等のボスを倒したという事は今日から俺がお前等のボスか?」
「仰る通り!」
「俺の名はガレックだ。俺様が命令を下すまで、この森の治安を維持しろ」
ドグ達は深く深く頭を下げた。
ガレック達はドグに見送られ今度こそ駅に向かった。
電車の中でアリスがガレックに苦言を言う。
「何でドグを手下にしたのよ。あいつ等すぐ裏切る卑怯者よ」
「そうです。それに嘘吐きで弱者を虐げる最悪のモンスターです」
「知ってるさ。そのうち使い潰すからいいだろ」
ガレックの笑みを見て、絶対に巻き込まれると思い姉妹は不安になった。
王都に戻ると依頼人の下へ向かうためダウンタウンに入り、だんだん怪しい場所に向かっていく。
エッチな看板を見て姉妹は顔を赤くする。堪らずアリスが尋ねる。
「本当にこっちで合ってるの?」
「本当だ。ただ俺もここまで来るのは初めてだから少し迷いそうだ」
「嘘でしょ。変態のあんたが初めてなんて」
「失礼な奴だねぇ」
しかし何だ、この悪寒は?
ガレックは奥に進むにつれて寒気がしていた。
「もしかして、あの店じゃないですか」
フラワーの看板があった。
「ここだな。入るか」
ガレックは元気よく入店する。
「紅い翼のガレックです! ルナハーブ、お持ちしました!」
巨体な漢女(おとめ)がガレックに答える。
「あっらぁ! 良い男! 初めまして私がローラです!」
「ちょっとママ、ずぅるぅいぃ! 私も挨拶する! 初めましてアマンダです!」
「ちょっとアマンダ、抜け駆け禁止よ! 初めまして、メアリーです!」
その後も、ルイズ、サリー、アニーなど紹介を受けるが、ガレックの耳には入らなかった。気付いたらガレックは家に帰って寝ていた。
「あっ、起きた」
「うん? アリス・・・何で俺家にいるんだ?」
アリスは顔を引きつかせ言う。
「えっ! えぇっと、疲れて寝ちゃったのよ。うん」
「寝たぁっ!? 俺が? ふむ。そうか」
かなり無理がある言い訳だったがガレックは気付かなかった、いや、心が気付く事を拒絶した。嫌な事が起きると人は気付かない振りをする、それは強者も弱者も同じなのだ。
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