5 / 10
馬車
しおりを挟む
「待たせたな。――何を?」
「なっ……!なんでもない!です!」
ノックもなしに扉が開いて、ベルトが入ってきた。
ここはベルトの執務室なのだから、勝手に入ってもいいような気がするが、マリアがいるのだから、やはりノックくらいはして欲しいところだ。
マリアはベルトの予備の制服を両手に持って眺めている真っ最中だった。
勝手にロッカーを見るようなことはしていない。執務机の椅子に、無造作にかけてあったのだ。
それを、ちょっと……勝手に触っていた。
「……ごめんなさい」
なんでもなくはなかった。
人のものを勝手に触ったのだから、謝らなくてはいけない。さっきから謝ってばかりだ。
しかも、ベルトのことが好きで暴走している系の。
恥ずかしくって情けない。
「いや、俺もつい癖でノックもせずに悪かった」
言いながら、ベルトは早足でマリアに近づき、上着を取り上げて机の上に放り投げた。
そんなに急ぐなんて、触ってはまずいものだっただろうかと思い、もう一度謝ろうとした途端、また強く抱きしめられてキスをされる。
「んんっ……!?」
一気に舌が潜り込んできて食べ尽したいとでもいうように暴れまわる。
「マリア」
荒々しいキスの後に、低い声で呼ばれる。
「ひゃい」
舌がしびれたようになって、うまく動かせなくて、おかしな返事になってしまった。
ベルトは、また眉間にしわを寄せてぐっと強く睨み付けてくる。
なぜに、さっきからそんなに怒っているのだろうか。
「可愛いすぎることをしてはいけないと言ったはずだ」
ベルトの言葉に、マリアはパチパチと目を瞬かせる。
「した覚えがないです」
ベルトがこの部屋に戻ってきて、いきなりキスをされたのだ。
マリアは勝手にものを触っていたことを謝ったくらいで、さすがにそれが可愛い行動だとは思えない。
「…………………なるほど」
さらに眉間のしわが深くなった。
ベルトは基本的に無表情で立っていることが多いので、こんなに不機嫌な表情さえも、彼の新たな一面が見られたようでうれしい。
ベルトはマリアの肩口に顔をうずめると、一度ギュッと先締めてから、ぐっと背筋を伸ばした。
「このまま犯ってしまいそうだ。せめて婚約は成立させてからでなければ」
ベルトは一人で呟きながら、部屋のドアを開ける。
どうやら、自分に言い聞かせているようだ。断片だけ聞こえるが、よく意味が分からない。
マリアはベルトに促されるまま、部屋の外に出ると、そのままエスコートをされて馬車まで連れて行かれる。
いつもの、マリアが一歩先を行く位置関係ではなく、隣に並んで手を支えられて歩く。
ちらりと斜め上を見れば、まっすぐ前を向いて歩くベルトがいる。
その手は、マリアの手を大切に支えていて……。
見れば見るほど、じわじわと幸せが湧き上がってくる。
ベルトが隣を歩いてくれている。
嬉しくて、顔がにやけ始めると、もう戻せない。
もう一度ベルトを見上げると、横目でチラリと見下ろされた。
そして、またも眉間にしわが。
「どうしてくれようか」
低い声で、呟かれた。
よく分からないが怒られたような気がするので、おとなしく前を向いて歩くことにする。
城を出たところで、コンフィール伯爵家の馬車が待っていた。
乗る前に、挨拶をして、出来れば次の約束を取り付けたいのに、ベルトはさっさと馬車のドアを開けて押し込むかのように強引にマリアを馬車に乗りこませてしまう。
「ベルト様っ!待って……あれ?」
馬車のドアが閉められてしまう前にと振り返ると、ベルトがいた。
一緒に乗り込んでいる。
慌てるマリアを見て、ベルトは首をかしげる。
「なんだ?」
こっちのセリフだ。
「何故一緒に乗られるのですか?」
「コンフィール伯爵家に一緒に行くからだ。結婚の許可をきちんといただく」
ベルトが隣に座ると、それなりに広いはずの馬車の座席が途端に狭くなる。
というか、詰められている気がする。
「今からですか!?お仕事は?」
「俺はまだ、ただの婚約者候補だからな。他のが割り込んでくる前に、確定させたい。だから、さっき休みをもらってきた」
「そんな急に!?」
「まあ、令嬢についてきたシュヴァリエ公爵家の護衛もいるから大丈夫だろ」
軽い。近衛って、そんなに軽く休んできてもいいものだっただろうか。
そして、婚約者候補……とは、降嫁リストの事だろうか。
マリアは見てもいないのだが、あれは婚約者候補なんて大層なものではない。リストの中からなら、王家からの紹介という形にできると選ばれているだけだ。
実際、あのリストに載っている男性が、リストに載せられているということさえ知らされていない可能性もある。
「ベルト様は、あのリストにご自分の名前があることはご存知でしたか?」
マリアに視線を向けながら、ベルトがドアを叩いて出発するようにと合図を送る。
「ああ。俺が入れて欲しいと直談判したから」
自分で!?
と、驚きたいところなのだが、その前に。
「あの、近いです」
「そうだな」
詰められている気がするだけでなく、しっかりと端に寄せられていた。
馬車が動き出したのを感じたと同時に唇が塞がれる。
「んっ……」
マリアの喉からもれた甘い声は、車輪の音に紛れて、きっと外には漏れていないはずだ。そう信じたい。
「あ……のっ、んぅ、っぁ……」
キスをしたまま、体を引き寄せられて、ベルトの体に半分以上体重をかけているような体勢になってしまう。
申し訳ないと思うのに、もう体の自由は効かない。
キスに翻弄されて、力も入らずにヘロヘロだ。
「可愛い」
しかも、合間合間に、もっとヘロヘロになってしまうことを囁かれる。
このままだと、家までずっとキスをされ続けてしまう。
「べる……んっ、様、あのっ」
「ん?」
まだ話がしたい。
マリアがしっかりと力を入れると、ベルトの体はあっさりと離れた。
「どうした」
ベルトがマリアの顔を覗き込んでから、体のあちこちに視線を走らせる。
もしかして、彼は、マリアが本当に止めて欲しがっているかどうかを判断できるのだろうか。
嫌だだめだと言いながら、本気の抵抗をしていないのがバレているのは……それは、ちょっと恥ずかしい。
だから、気が付いてしまったかもしれない事実からは目をそらして話を続ける。
「あの……結婚の許可って、本当ですか?」
ベルトが、自分の夫になる。
そんな幸せなことが起こったら、マリアの日常生活はどうなってしまうのだろう。
「嫌なのか?」
幾分か、低い声が発せられた。
マリアは慌てて首を振って、隠しきれなかった笑みを浮かべる。
「いいえ。嫌どころか、なんだか、すごく嬉しくて。ベルト様と結婚なんて、想像しただけで幸せすぎて困ってしまいます」
目の前で無表情のまま動かなくなったベルトを見上げて、マリアはまた笑みを深める。
こんなに近くに居られるなんて、妄想だけの産物だった。
にへにへと笑いながら喜んでいられたのは、数秒間だった。
「ぐええぇ」
思わず令嬢らしからぬ声が漏れた。
ベルトがマリアを力いっぱい抱きしめたのだ。騎士の力で令嬢を抱きしめれば、どうなるかなんて明白だろう。潰されるかと思った。
「ああ、悪い。感極まった」
今日のベルトは何かおかしい。
どこで感極まるようなことがあったのか。それとも、どこかで感動しておいて、時間差でやってきたのか?
また近づいてこようとするベルトを押しとどめて、マリアは小さな声で言う。
「キスは、顔が真っ赤になるので、家に帰るまでしてはダメです」
ベルトにキスされた直後は、マリアの目は潤んで、きっと顔も真っ赤のはずだ。
ベルトは少々不満げにしながらも了承してくれた。
抱きしめる力は緩んで、しかし、その後伯爵家に到着するまでは、柔らかに抱きしめられたままだった。
「なっ……!なんでもない!です!」
ノックもなしに扉が開いて、ベルトが入ってきた。
ここはベルトの執務室なのだから、勝手に入ってもいいような気がするが、マリアがいるのだから、やはりノックくらいはして欲しいところだ。
マリアはベルトの予備の制服を両手に持って眺めている真っ最中だった。
勝手にロッカーを見るようなことはしていない。執務机の椅子に、無造作にかけてあったのだ。
それを、ちょっと……勝手に触っていた。
「……ごめんなさい」
なんでもなくはなかった。
人のものを勝手に触ったのだから、謝らなくてはいけない。さっきから謝ってばかりだ。
しかも、ベルトのことが好きで暴走している系の。
恥ずかしくって情けない。
「いや、俺もつい癖でノックもせずに悪かった」
言いながら、ベルトは早足でマリアに近づき、上着を取り上げて机の上に放り投げた。
そんなに急ぐなんて、触ってはまずいものだっただろうかと思い、もう一度謝ろうとした途端、また強く抱きしめられてキスをされる。
「んんっ……!?」
一気に舌が潜り込んできて食べ尽したいとでもいうように暴れまわる。
「マリア」
荒々しいキスの後に、低い声で呼ばれる。
「ひゃい」
舌がしびれたようになって、うまく動かせなくて、おかしな返事になってしまった。
ベルトは、また眉間にしわを寄せてぐっと強く睨み付けてくる。
なぜに、さっきからそんなに怒っているのだろうか。
「可愛いすぎることをしてはいけないと言ったはずだ」
ベルトの言葉に、マリアはパチパチと目を瞬かせる。
「した覚えがないです」
ベルトがこの部屋に戻ってきて、いきなりキスをされたのだ。
マリアは勝手にものを触っていたことを謝ったくらいで、さすがにそれが可愛い行動だとは思えない。
「…………………なるほど」
さらに眉間のしわが深くなった。
ベルトは基本的に無表情で立っていることが多いので、こんなに不機嫌な表情さえも、彼の新たな一面が見られたようでうれしい。
ベルトはマリアの肩口に顔をうずめると、一度ギュッと先締めてから、ぐっと背筋を伸ばした。
「このまま犯ってしまいそうだ。せめて婚約は成立させてからでなければ」
ベルトは一人で呟きながら、部屋のドアを開ける。
どうやら、自分に言い聞かせているようだ。断片だけ聞こえるが、よく意味が分からない。
マリアはベルトに促されるまま、部屋の外に出ると、そのままエスコートをされて馬車まで連れて行かれる。
いつもの、マリアが一歩先を行く位置関係ではなく、隣に並んで手を支えられて歩く。
ちらりと斜め上を見れば、まっすぐ前を向いて歩くベルトがいる。
その手は、マリアの手を大切に支えていて……。
見れば見るほど、じわじわと幸せが湧き上がってくる。
ベルトが隣を歩いてくれている。
嬉しくて、顔がにやけ始めると、もう戻せない。
もう一度ベルトを見上げると、横目でチラリと見下ろされた。
そして、またも眉間にしわが。
「どうしてくれようか」
低い声で、呟かれた。
よく分からないが怒られたような気がするので、おとなしく前を向いて歩くことにする。
城を出たところで、コンフィール伯爵家の馬車が待っていた。
乗る前に、挨拶をして、出来れば次の約束を取り付けたいのに、ベルトはさっさと馬車のドアを開けて押し込むかのように強引にマリアを馬車に乗りこませてしまう。
「ベルト様っ!待って……あれ?」
馬車のドアが閉められてしまう前にと振り返ると、ベルトがいた。
一緒に乗り込んでいる。
慌てるマリアを見て、ベルトは首をかしげる。
「なんだ?」
こっちのセリフだ。
「何故一緒に乗られるのですか?」
「コンフィール伯爵家に一緒に行くからだ。結婚の許可をきちんといただく」
ベルトが隣に座ると、それなりに広いはずの馬車の座席が途端に狭くなる。
というか、詰められている気がする。
「今からですか!?お仕事は?」
「俺はまだ、ただの婚約者候補だからな。他のが割り込んでくる前に、確定させたい。だから、さっき休みをもらってきた」
「そんな急に!?」
「まあ、令嬢についてきたシュヴァリエ公爵家の護衛もいるから大丈夫だろ」
軽い。近衛って、そんなに軽く休んできてもいいものだっただろうか。
そして、婚約者候補……とは、降嫁リストの事だろうか。
マリアは見てもいないのだが、あれは婚約者候補なんて大層なものではない。リストの中からなら、王家からの紹介という形にできると選ばれているだけだ。
実際、あのリストに載っている男性が、リストに載せられているということさえ知らされていない可能性もある。
「ベルト様は、あのリストにご自分の名前があることはご存知でしたか?」
マリアに視線を向けながら、ベルトがドアを叩いて出発するようにと合図を送る。
「ああ。俺が入れて欲しいと直談判したから」
自分で!?
と、驚きたいところなのだが、その前に。
「あの、近いです」
「そうだな」
詰められている気がするだけでなく、しっかりと端に寄せられていた。
馬車が動き出したのを感じたと同時に唇が塞がれる。
「んっ……」
マリアの喉からもれた甘い声は、車輪の音に紛れて、きっと外には漏れていないはずだ。そう信じたい。
「あ……のっ、んぅ、っぁ……」
キスをしたまま、体を引き寄せられて、ベルトの体に半分以上体重をかけているような体勢になってしまう。
申し訳ないと思うのに、もう体の自由は効かない。
キスに翻弄されて、力も入らずにヘロヘロだ。
「可愛い」
しかも、合間合間に、もっとヘロヘロになってしまうことを囁かれる。
このままだと、家までずっとキスをされ続けてしまう。
「べる……んっ、様、あのっ」
「ん?」
まだ話がしたい。
マリアがしっかりと力を入れると、ベルトの体はあっさりと離れた。
「どうした」
ベルトがマリアの顔を覗き込んでから、体のあちこちに視線を走らせる。
もしかして、彼は、マリアが本当に止めて欲しがっているかどうかを判断できるのだろうか。
嫌だだめだと言いながら、本気の抵抗をしていないのがバレているのは……それは、ちょっと恥ずかしい。
だから、気が付いてしまったかもしれない事実からは目をそらして話を続ける。
「あの……結婚の許可って、本当ですか?」
ベルトが、自分の夫になる。
そんな幸せなことが起こったら、マリアの日常生活はどうなってしまうのだろう。
「嫌なのか?」
幾分か、低い声が発せられた。
マリアは慌てて首を振って、隠しきれなかった笑みを浮かべる。
「いいえ。嫌どころか、なんだか、すごく嬉しくて。ベルト様と結婚なんて、想像しただけで幸せすぎて困ってしまいます」
目の前で無表情のまま動かなくなったベルトを見上げて、マリアはまた笑みを深める。
こんなに近くに居られるなんて、妄想だけの産物だった。
にへにへと笑いながら喜んでいられたのは、数秒間だった。
「ぐええぇ」
思わず令嬢らしからぬ声が漏れた。
ベルトがマリアを力いっぱい抱きしめたのだ。騎士の力で令嬢を抱きしめれば、どうなるかなんて明白だろう。潰されるかと思った。
「ああ、悪い。感極まった」
今日のベルトは何かおかしい。
どこで感極まるようなことがあったのか。それとも、どこかで感動しておいて、時間差でやってきたのか?
また近づいてこようとするベルトを押しとどめて、マリアは小さな声で言う。
「キスは、顔が真っ赤になるので、家に帰るまでしてはダメです」
ベルトにキスされた直後は、マリアの目は潤んで、きっと顔も真っ赤のはずだ。
ベルトは少々不満げにしながらも了承してくれた。
抱きしめる力は緩んで、しかし、その後伯爵家に到着するまでは、柔らかに抱きしめられたままだった。
54
お気に入りに追加
3,521
あなたにおすすめの小説
あの……殿下。私って、確か女避けのための婚約者でしたよね?
待鳥園子
恋愛
幼馴染みで従兄弟の王太子から、女避けのための婚約者になって欲しいと頼まれていた令嬢。いよいよ自分の婚期を逃してしまうと焦り、そろそろ婚約解消したいと申し込む。
女避け要員だったはずなのにつれない王太子をずっと一途に好きな伯爵令嬢と、色々と我慢しすぎて良くわからなくなっている王太子のもだもだした恋愛事情。
離縁希望の側室と王の寵愛
イセヤ レキ
恋愛
辺境伯の娘であるサマリナは、一度も会った事のない国王から求婚され、側室に召し上げられた。
国民は、正室のいない国王は側室を愛しているのだとシンデレラストーリーを噂するが、実際の扱われ方は酷いものである。
いつか離縁してくれるに違いない、と願いながらサマリナは暇な後宮生活を、唯一相手になってくれる守護騎士の幼なじみと過ごすのだが──?
※ストーリー構成上、ヒーロー以外との絡みあります。
シリアス/ ほのぼの /幼なじみ /ヒロインが男前/ 一途/ 騎士/ 王/ ハッピーエンド/ ヒーロー以外との絡み
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。
無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。
彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。
ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。
居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。
こんな旦那様、いりません!
誰か、私の旦那様を貰って下さい……。
ずっと好きだった獣人のあなたに別れを告げて
木佐木りの
恋愛
女性騎士イヴリンは、騎士団団長で黒豹の獣人アーサーに密かに想いを寄せてきた。しかし獣人には番という運命の相手がいることを知る彼女は想いを伝えることなく、自身の除隊と実家から届いた縁談の話をきっかけに、アーサーとの別れを決意する。
前半は回想多めです。恋愛っぽい話が出てくるのは後半の方です。よくある話&書きたいことだけ詰まっているので設定も話もゆるゆるです(-人-)
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
溺愛されるのは幸せなこと
ましろ
恋愛
リュディガー伯爵夫妻は仲睦まじいと有名だ。
もともとは政略結婚のはずが、夫であるケヴィンがイレーネに一目惚れしたのだ。
結婚してから5年がたった今も、その溺愛は続いている。
子供にも恵まれ順風満帆だと思われていたのに──
突然の夫人からの離婚の申し出。一体彼女に何が起きたのか?
✽設定はゆるゆるです。箸休め程度にお楽しみ頂けると幸いです。
王太子殿下の想い人が騎士団長だと知った私は、張り切って王太子殿下と婚約することにしました!
奏音 美都
恋愛
ソリティア男爵令嬢である私、イリアは舞踏会場を離れてバルコニーで涼んでいると、そこに王太子殿下の逢引き現場を目撃してしまいました。
そのお相手は……ロワール騎士団長様でした。
あぁ、なんてことでしょう……
こんな、こんなのって……尊すぎますわ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる