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朝陽 蛇足的な心理描写

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俺は、妹が好きだ。

俺がこの家に引き取られたのは、五歳の時。子どものいない家に養子として入った。
けれど、俺がこの家に来てすぐに、義母が懐妊。
俺は、俺の居場所がなくなってしまうと思った。
生まれてくる子が邪魔で邪魔で……生まれてなんか来ないで欲しいと祈ってしまった。
けれど、両親は笑顔で言うのだ。
「一気に二人も子供ができるだなんて!幸せすぎて嘘みたいよ」
「ふふ。しかも、男の子と女の子だよ。お前に妹ができるんだよ。ああ、どうしよう朝陽。名前を一緒に考えてくれるかい?」
貰ってこなければよかったと言われるのを覚悟していたのに、両親は当たり前に、俺を家族として扱った。
俺と陽葵は、男女の違いや歳の差はあれど、同じように育てられ、同じように愛情を受けて育った。
生まれた女の子に名付けられたのは、陽葵。
俺の名前から一字取ったのだという。
自分たちの名前ではなく、俺の名前。
生まれた女の子は、陽葵。なんだか、もう、俺のもののような気がした。
きっと、最初から分かっていたのだと思う。
陽葵を、自分のものだと思った瞬間から、俺は、彼女に恋をする。
中学生になっても高校生になっても、俺は『好きな子』ができなかった。周りの女に興味が無かった。
背が飛びぬけて高くなったこともあって、少しだけモテた時期もあった。
だけど、家族の時間を削ってまで、興味を抱けない女と一緒にいる気にはなれなくて、結局、付き合ったことはない。
陽葵が高校受験の時、俺が養子であることを伝えられた。
ついに、血のつながりがないことを、陽葵が知った。
それまで意識していなかったけれど、俺は、すでに陽葵に恋い焦がれていた。
これで、陽葵の恋愛対象になりえるのだと、バカなことを考えた。

――そんなはずはないのに。

生まれてからずっと、兄として接してきた男を恋愛対象に入れるはずがない。
変わらない陽葵の態度に、俺は安堵と失望を感じた。
このまま、家族でいられる。
決して男としては見られることのない関係。

陽葵は、就職して一人暮らしをするのだという。
本当は、俺も独り暮らしを考えていた。
だけど、愛する人がすぐそばで笑って、無防備な姿を晒している生活を手放すのには未練が強すぎた。
陽葵は、一人暮らしをする。
俺も、潮時だろうなと思った。

そんなふうに諦める準備をしていた時だった。

両親が恒例の旅行に出かけた。
陽葵は、家で荷造りをするらしい。
きっと、これが陽葵と二人きりになる最後のチャンス。
――なんて。
家族の姿を壊す気がない俺は、両親がいてもいなくても、きっといつも通り。
好きな女が目の前にいても、襲うことなんて、全く考えてない。

考えていなかった。

本当に、考えていなかったんだ!

仕事から帰った途端、あんな卑猥な姿を見せつけられるまでは。

陽葵が家に一人でいるからと、仕事を速めに片付け家路についた。
マンションの玄関を開けると、普段だったら夕食のいい香りがするはずなのに、薄暗くて人の気配がしない。
出かけているのか?
少し残念に思いながら、リビングのドアを開けた。
「ただい……ま……」
習慣で帰宅の挨拶をしているところに目に飛び込んできたのは、陽葵がソファーで横になっている姿。
ただの昼寝ではない。
スエットのズボンもパンツも脱いで、大きく足を広げた上に、指を秘部に沿わせている。
これは、自慰の途中だ。
いや、終わった後?そのまま、寝てしまったのか。
目が離せなくて、凝視してしまった。
上半身は、ノーブラで、ぴっちりしたスエットに、乳首の形がくっきりと浮かび上がって、なんとも、エロい。
じっと見ていたら、陽葵の全身がピンク色に染まってきたように思う。
いやらしい夢でも見ているのだろうか。
陽葵が身じろぎして、足を閉じそうになった。
思わず、手が出た。
寝たまま、オナニーをするのなら、その様子をよく見たい。
邪魔な足を押さえただけだ。
だが、抑えた途端、陽葵がぴくんと反応したのだ。
寝ている人間が触られたら、嫌そうに振り払うか、何の反応もしないか、だと思う。

……起きている?

じっくりと見ていたら、陽葵の顔はじわじわと赤くなっていく。
恥ずかしそうに、体が揺れている。
嫌悪で泣く、恥じらいが先に出ていることに、勝手に背中を押された。
陽葵がさっきまで指を這わせていた場所に、触れる。
「んっ……あ、はぁ……」
堪えきれなかったというように、陽葵から甘い声が漏れる。

あとは、抵抗されなかったのをいいことに、舐めてつまんで、思う存分楽しませてもらった。
思春期もやりたい盛りも、好きな子を前にして何もできなかった童貞は、情報化社会の中で、様々な知識を身に着けていた。
ありがとう、インターネット!

その後、最後までやるつもりはなかったのに、最後の最後、プロポーズまでやらかした。
もうここまでいったら、どこまでいっても同じかなと開き直った。
陽葵を自分の部屋に連れ込み、裸同士で抱き合った。
陽葵はとにかく柔らかくて、俺がキスをする度に、嬉しそうにはにかんで、もっととキスをねだる。
可愛すぎる。

たくさんの苦労が待っているのは分かるけれど、俺は、もう二度と陽葵を諦める気にはならない。
俺は強く、彼女を抱きしめた。
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