里穂の不倫

半道海豚

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Episode5 解決に向けた歩み

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 私は夫が持っている個人的な預金、私と結婚する前からの貯えを含めて、巻き上げることにしました。
 夫は、ナースとかキャビンアテンダントはまったく無関心で、女子高生、メイド、猫耳系は大喜び。
 私はジムに通い身体を絞って、そういうコスプレが似合うように体型を維持することにしました。

 それと、私のベッドをセミダブルにしました。
 あと、私の部屋のとなりに納戸のような4畳ほどの空間があるのですが、リフォームして私の部屋の一部になるようにしました。
 この納戸は天井が低く、部屋としては使えないのですが、デスクを置くとかすれば、私の部屋はかなり広くなります。
 そんな工事費用も全部夫に出させました。
 夫はかなり抵抗しましたが、結局は従いました。
 ついでに、娘の部屋もリフォーム。天井が高い部屋なのでロフトを作ってもらい、ベッドを運び出したので娘の部屋も広くなりました。
 夫の部屋はそのまま。

 そんなことをしていますが、私の不倫は解決の糸口が見えません。
 ただ、奥様の奈々さんとは、示談、和解しました。私が自由にできる貯えのすべてである500万円を申し出たのですが、奈々さんは「あなたも被害者だから」とおっしゃって、300万円にしていただきました。

 本丸である、奥様の離婚、私の退職、夫と社長の事実確認はまったく進んでいません。
 真白さんが「向こうの弁護士はやり手だ」と苦慮しているようです。

 結局、私の援交代は倍の4万になりました。
 でも、女子高生系のときだけで、メイドや猫耳は対象外なんです。

 私は夫の会社を無理に大きくする必要はないと思いますが、資金繰りを考えると、設備投資や機材調達が少額ですむゲームプログラミングの下請けは受注の可能性があるかな、と思いました。
 夫がお仕事をいただいていた会社に真琴さんと一緒に訪問し、お話を伺うことができました。
 担当の方は「もっとやっていただけるなら、ありがたいですけど、新藤さんほどのプログラマーはそうはいないでしょう」と少し戸惑っています。
 真琴さんが技術的なお話をされて、何とか話をつなげようとしましたが、私はこれでは無理かなと思いました。
「簡単なものからでかまいません。一度、お仕事をいただけないでしょうか?
 精一杯対応させていただきます。
 その上でご評価いただけると、ありがたいのですが……」
 担当の方は、少し考えて、退室されました。
 10分ほどで戻りました。
「この仕様で、見積をいただけますか?
 まずはそこから……」
 私が「ありがとうございます。できるだけ早く見積もらせていただきます」と挨拶し、席を立ちます。

 その会社の入るビルを出ると、真琴さんが「里穂さん、すごい!」と。
「会社に帰って、作戦を練りましょ」

 私は16時退勤なので、もう帰っているであろう娘の待つ家に急ぎました。
 マンションの前に社長の車が止まっていて、私は咄嗟に隠れました。
 娘に電話し、「部屋から絶対に出ちゃダメよ」と言いました。
 娘が心配でしたが、私は人通りの多い駅に向かって引き返しました。

 夫はいつもの時間に帰ってきました。
 夫に今日の出来事を伝えると、夫は不機嫌でした。
「ちょっと部屋に来て」
 夫の部屋に入ります。
「俺のテリトリーに侵入するな!」
 私は、社長のことじゃないの、とビックリ。
 夫は私のロングスカートのお尻側をまくり、ショーツの足のほうから手を中に入れ、アナルを触りました。
「悪い子はお仕置きするぞ」
 そう言って、アナルの中に指を少しだけ入れました。
 私は声を少しだけ出し、「ごめんなさい」と謝ります。
 私はデスクチェアに座った夫にしがみつきました。
「仕事をするなら、計画書を出して、新規採用が必要だけどゲーム関係は人材が多いからどうにかなるかも。
 だけど、人件費とかがわからないから、その点も調べて」
 夫がショーツから手を抜き、ショーツの上からお尻を撫でます。
「社員にもこんなことするの?」
 私が尋ねると夫は、「いいや、特定の役員だけ」と答えました。
 私は「今夜お詫びをしていい」と尋ね、夫が「どんなお詫びか楽しみ」と答えます。

 私は、どうお詫びするか考えます。

 確実に娘が寝るまで待ちました。

 私はいつも通り、Webミーティングで夫を呼び出します。
 黒のショーツを着け、上半身は裸。カメラに微笑んでから、左の乳首をレンズに近付け、片手で乳房を揉み、右手の中指で左の乳首をもてあそびます。

 夫はすぐに全裸で飛んできました。
 30分以上、飽きもせず私の胸を吸い続けています。
「今日は入れてくれないの?」
「里穂の乳首はエロすぎる。
 もっと吸わせて」
 翌日も仕事だというのに、結局一緒に寝てしまいました。
 こういうときは、私は一晩中、夫を握っています。どこにも行かないように。

 翌朝、なぜか娘が早起き。
 夫が私の部屋から出られなくなってしまいました。
 娘がトイレに入ったタイミングで、夫が私の部屋から脱出。
 全裸で自室に戻ります。
 こういう状況を見越して、私の部屋にも夫のパジャマくらいは置いておかないといけないと思いました。

 週末近くになり、夫が3連休を休めることになりました。
 夫は土日しか休みません。祝日は出勤することが多いです。1人で会社にいるようです。
 ですが、珍しく休めると……。
 私は慌てて休日の計画を立てます。
 急だったこともあり、苦戦しましたが、6人用のログハウスコテージをどうにか予約することができました。
 釣りとサイクリングができます。
 娘が大喜びです。
 私は温泉宿を避けました。下の毛がないことを、娘に説明できないので……。

 素敵なコテージです。
 とても大きいログハウスで、寝室だけで3つ。三角形の屋根が高く、ロフトにも補助的な寝室があります。
 滞在人数が6+4となっていましたが、ロフトが+4なのでしょう。
 娘はロフトが気に入り、「私の部屋!」と叫んでいます。
 お風呂は温泉で、24時間入浴可能。でも、狭いことが難点でした。湯船が檜なのですが、2人は絶対に無理。かなり、残念。
 私と夫は、一番広い部屋を使うことにしました。

 夕方、テラスでバーベキューを楽しみながら、私はビールを飲み、娘はジュース、夫はウーロン茶です。
 私が「別荘とかいいよね」と思いつきを伝えると、娘が「こういうお家がいい!」と叫び、夫が「古民家とか買って、自分で直すとか」と言い出します。
 娘は「別荘、いつできる?」と言い出す始末。夫が「ママと相談するよ」と私に下駄を預け、娘の願いをスルーしようとします。
 いつもそうなんです。自分が都合が悪くなると「ママが……」と。
 ズルイです。
 今夜お仕置きします。

 ですが、話は意外な方向へ。
「俺、初代のRX-7GTターボ持ってるんだ」
 私と娘には、それが何だかわかりません。
 夫がスマホを見せます。
 私が「これ、スポーツカーなの」と尋ねると、夫が頷きます。
 我が家のクルマは、何の変哲もないコンパクトファミリーカーです。
 なのに、夫は密かにスポーツカーを所有しているなんて、許せません。
「親父のクルマだった。
 親父が死んで、俺が引き継いだんだ。
 ちょっと遠いガレージにある。
 あれをいじれる家がほしい」
 娘は別荘を「新しいお家」と呼んで、期待を膨らませています。
 私が働けないのに、別荘なんてあり得ません。里穂ちゃんの稼ぎを足しても、どうにもなりません。

 お風呂は狭いけど、とてもいいお湯で、何度でも入りたくなります。
 娘は夕方と寝る前に入りました。私も寝る前に再度入ります。

 遊び疲れたのか、娘は簡単に寝落ちしました。
 私と夫は、リビングで長時間イチャイチャしました。
 アナログのオーディオがあり、夫がレコードをかけてくれます。夫は音楽とは縁遠いのですが、ジャズを選んでくれました。
 娘が寝ているので、音量は下げていますが、それがまた心地いいです。
「私の身体のどこが好き?」
 夫に尋ねると即答します。
「お尻、次がおっぱい、乳首」
「アナル?」
「いいや、お尻の膨らみ方かな」
「アナルは?」
「その次くらいかな」
「じゃぁ、あそこは」
「とすると、アナルよりも上」
「ほかにある?」
「クリのカタチが好き」
「顔は?」
「あ~、上位、最上位」
「まじめに答えてないでしょ」
「答えてるよ」

 私がお風呂に入ろうとすると、夫が「一緒に入ろう」と強引に浴室に入ってきました。
 浴槽が小さく、絶対に無理なのに。
 でも、シャワーを使って、またイチャイチャ。
 タオルを巻いて、寝室に入り、2人ともタオルをとって、裸で会話を楽しみます。
 途中から私が四つん這いになって、夫がアナルやその周囲を舐め、その状態で普通の会話を続けます。
「本当に別荘がほしいの?」
「あったらいいと思うよ。
 里穂もそう思うでしょ?」
「だけど、維持費とか、どれくらいかかるかわからないから、何とも言えないよ。
 それに、私、いま働いてないし」
「退職したら、うちの常勤役員になる?」
「お給料は?」
「う~ん、月25万、ボーナスなし、年300万でどう?」
「ケチ」
 夫が私の中に舌を入れたので、私は声を出してしまいました。
 スマホ専用の木製スピーカーからの音楽が心地いいです。電源のいらない置くだけでいい便利なスピーカーです。
 このスピーカーが私の声を消してくれます。
「それじゃぁ、月40万、ボーナスなし、年480万でどう」
「決算賞与とかはないの?」
「税金で持って行かれるならと、社員には出しているけど」
「役員は?」
「俺はもらってない」
「私はもらう」
 夫は責め場所を変え、クリを舐め始めます。夫がしやすいように、私はさらにお尻を高く、頭を低くしました。

 私は仰向けにされ、夫が入ってきました。
 私は声を出さずに、大きく身体をよじります。感じすぎたせいか過呼吸気味で、声が出ないのです。
 夫はいつものように動きません。私の顔をじっと見ています。私は、激しく身体を動かし、頭を振り、「ウワッ」と声を出すと、荒く息を吐き出します。夫が口で口を塞ぎます。
 私のアナルを舐めたばかりの舌が、私の口に入ってきます。
 私は一応、夫の妻です。
 冷静でなければなりません。
 夫の背中を叩き、「コンドーム着けないと」と意見します。
 夫が少し不機嫌になり、ベッドの上で2人とも正座し、私が夫に着けてあげます。
「私が入社してもいいの?」
「よくない。
 イヤだ」
「どうして?」
「……」
「悪いことできなくなるから?」
「……」
「離婚できなくなるから?」
「それはない」
「入社しても必要なら離婚する?」
「その可能性はある」
「離婚は絶対にイヤ。
 あなたにヘンなことされすぎて、もう再婚できないし……。
 あなただって、里穂ちゃんとは別れたくないでしょ」
「里穂ちゃんとは別れたくない、かな」
「じゃぁ、離婚できないよ」
 私は夫を仰向けに寝かせ、腰に跨がります。
 夫の両腕を押さえ何もさせず、夫が果てるまで腰を動かし続けました。

 夫が「明日は全力で遊ぶぞ」と言い、裸のまま抱き合って眠りました。

 朝食前に3人でコテージの周辺を散策します。ほかのご家族は、大きな四輪駆動車やワンボックスワゴン、ミニバン、SUVなどで来ています。
 娘が「ウチもああいうクルマにしようよ」と。買い物に行くには不便だけど、私もいいなと思いました。
 管理事務所の前で、娘が周辺の地図を見つけます。
「ねぇ、ここに別荘があるよ!
 行ってみようよ!」

 朝食を済ませ、娘の希望を入れて、クルマで別荘地を見に行きました。
 分譲している区画があり、営業の方がキャンプ用のテーブルを置いて、パイプ椅子に座っています。
 私は夫と娘から離れ、営業の方にお話を伺いました。
 知りたかったことは、取得後の維持費です。やはり、ホームセキュリティは必須とのことでした。
 夫と娘のところに行くと、娘が「ママ、買ったの?」と聞きます。
 夫が大笑い。娘にとっては別荘は、グミと同じように買えるものなんです。
 コテージ2日目は、午前中はサイクリング、昼食後は自然の流れを利用した釣り堀で楽しみました。
 娘も私も魚釣りが初めてで、釣れるたびに大騒ぎ。料金が釣果で変わることを知っているのに、やめられませんでした。
 今夜はお魚です。
 でも、私はお魚を捌いたことがありません。

 夫が手際よく内臓を取り、処理していきます。夫がこういうことができることをまったく知りませんでした。
 夕食は、お魚のバーベキューです。
「燻製釜があれば、全部燻製にするんだけど……」
 私は少し主体的に、別荘に興味を持ち始めていました。
「別荘があれば、そういうこともできるの?」
「そうだね」
 私は別荘が持てない理由を探していましたが、少し変化してきました。

「お腹いっぱいだぁ」
 これが、夕食後の娘の感想です。
 よほど遊び疲れたのか、娘は薄暗くなる頃には目をこすり始めていました。

 コテージに入ると、ソファーにジャンプして座った娘が、「ママの会社って、会社に行かなくてもいいんでしょ。お姉ちゃんがそう言ってたよ。お姉ちゃんも週に2日くらいしか行かないって」と。
 娘の中では、私はもう転職しているんですね。
「それなら、ママ。
 夏休みとか最高じゃん。
 別荘があれば、ズーッといられるよ」
 私が「パパは?」と尋ねると、娘は「パパは会社に行けばいいじゃん。1人でお留守番すればいいよ」と。
「それじゃ、パパが可哀想」
「じゃぁ、会社に行けるところに別荘を買おうよ」
 子供の発想は無理難題だけど、同時に核心を突いています。

 娘は温泉に入るとさらに眠くなったのか、ロフトの部屋に入ると、すぐに寝てしまいました。

 夫がウイスキーの水割りを作ってくれました。夫はまたもウーロン茶です。
 今夜は限界まで酔って、夫に滅茶苦茶にしてもらいます。

 私は1時間ほど飲むと、ピッチが速すぎたのか、立てないほど酔っていました。
 こんなことは初めてです。
 いろいろと夫に絡んでいます。絡み酒です。でも、夫は怒ることなく私の話を聞いてくれます。
 夫に支えられて、寝室に入りました。
 ベッドに仰向けになり、夫に服を脱がせてもらい、パジャマを着せてもらい、まだ絡んでいます。
 時々泣いていました。
「離婚はイヤ。
 絶対にイヤ」
 こればっかり言っています。
 この夜は、ハグされただけでした。
 激しい行為を望んでいたのに。飲み過ぎ反省です。
 最後の日は、湖で手漕ぎのボートに乗りました。娘は大喜びで、自分でも漕いでみました。

 この幸せを壊すことを私はしました。許されません。でも、離婚はイヤです。

 家に帰り、娘が寝ると、夫に呼ばれました。
 私は覚悟しながら、ダイニングテーブルの夫の正面に座ります。
「頼みがある」
「はい……」
「毎週土曜日の夜は、里穂ちゃんの日にしてほしい」
 私は気が抜けました。
 やっぱり、コイツはバカです。
 だけど、私は消え入るような声で「わかりました。現金でお支払いください」と答えました。

 夫の会社は営業もリモートで行います。すべてではありませんが、海外の顧客はもちろん、電車で1時間以内でもリモートです。
 お客様もそれが普通のようです。私のいままでの普通とは、ずいぶん違います。
 会社の定時は9時30分から17時30分までです。ですが、お子さんを保育園に迎えに行ったりする時間は、申告すれば在宅でも離席が認められていて、21時から仕事を再開したりすることも可能なんです。
 だから、私も週3日はリモートにしてもらいました。娘は学童に行かなくてもいいし、私が仕事をしている間は宿題をしたり、塾に行くので都合がいいんです。
 私の仕事は徐々に社内の雑務から、営業に移っていました。新規事業では私が営業し、真琴さんが技術を担当してくれて、牛歩の歩みですが顧客の獲得ができるようになりました。
 真琴さんは高校生の頃、夫の個人の請負仕事を手伝っていたそうです。なので、自信があるようです。
 私は経験者を2人ほど雇用できれば、新しい仕事を軌道に乗せられるし、真琴さんを本来の仕事に戻せると考え始めていました。
 でも、いまはまだ取締役バイトです。
 早く、退職したい。

 マンションでは、不審なベンツが話題になっています。社長がうろついているのでしょうか?
 怖いです。

 夫が普通の民家のプリントを持って、帰ってきました。
「西湖の近くなんだけど、2階建ての家が売りに出てるんだ。
 築年は古いけど、直せば使えるんじゃないかな」
 娘はもうピョンピョン跳ねています。
 私は呆れました。この人、何にも考えていないんです。ほしいか、ほしくないか、しかない。動物と一緒。子供以下。
「いくらなの?」
「300万」
 娘が驚喜。
「300円ならすぐ買えるじゃん」
 夫婦大爆笑。娘、キョトン。
「一緒に見に行っていただけないでしょうか?」
 私は冷たく、答えます。
「考えとく」
 300万の家なんて、廃屋に決まってます。使えるわけありません。

 娘が寝てから、夫が私の部屋に交渉に来ました。
「見に行くだけでいいから。
 ダメなら、諦めるから」
 私がいい返事をしないと、夫は脅迫してきました。
「ダメなら離婚する」
「里穂ちゃんはどうするの?」
「里穂ちゃんとは愛人契約する」
「里穂ちゃんがイヤだと言ったら?」
「里穂ちゃんはそんなこと言わない」
 うわぁ~、やっぱりコイツ、バカだ。
「一緒に見に行ったら、離婚しない」
「しない、かな」
「しない!」
「う!
 しばらくはしない」
「じゃぁ、見に行こう」
「これが不動産屋の連絡先だから、あとはよろしく。
 土日ならいつでもいいからね」
 何て単純なヤツ。

 夫が自室に戻ってから、私は女子校生系の準備をします。
 今日は濃紺のブレザーです。
 夫をWebミーティングで呼び出します。
 夫がすぐに私の部屋に来ようとしたので、ダメだと言いました。
「そこにいて」
 夫は不満そうです。
「見る?」
 私が椅子に足を上げ、ショーツを少しだけ見せます。
「おっぱいとか見たくない?」
 夫が頷きます。
 私はブラウスの上のボタンを2つだけ外し、少しだけブラを見せます。
「行っちゃダメ?」
「ダメ」
 夫がバカにしか見えません。
「ここが乳首なんだよ」
 ブラの上から左の乳首を触ります。
「おっぱい触りたい?」
 夫が頷いたので、私は微笑んで「ダメ」と言いました。
「ここ見たい?」
 ショーツを指さします。
 夫が頷きます。
 私は、椅子から立ち、ショーツを太股まで下げ、揃えた足をカメラに見せます。
 細い線が1本だけの、私の下腹部。
「そこでしてもいいよ」
 私がそう言うと、夫はスエットを脱ぎ、すでに限界パンパンのものを出します。
 そして、オナニーを始めました。
 完全、完璧なただのバカです。
 こんなヤツが夫だなんて信じられません。こんなヤツと離婚したくない私って、ヘンです。

 夫は簡単に終わりました。
 私は微笑んで。
「おじさん、またね。
 次は割り増しお小遣いにしてね」
 一方的に通信を切ってやりました。

 すぐにスマホに電話がかかってきました。
「いまのよかった。
 美穂ちゃん最高」
 やっぱりただのバカ。
「早く寝な」
 そう言って電話を切りました。

 夫は、相変わらず朝早く出勤し、夜遅くに帰ってきます。

 真白さんから電話がありました。
 真白さんが総務部長と話し、退職が認められました。退職金を割り増しするので、社長のセクハラについては他言しないことが条件でした。
 真白さんは一貫して、立場を利用して、女性既婚社員に性行為を強要した、という理屈で責めまくったようです。
 私と社長の会話を活字にすると、そういうふうになるのだとか。
 ただ、社長は私との会話の内容を認めなかったそうです。

 私と奥様との示談、私の退職はどうにかなりました。
 でも、まだ、奥様の離婚と、夫による社長への事実確認が残っています。
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