里穂の不倫

半道海豚

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Episode3 私は夫を知らなかった

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 土曜日の午後、真琴さんがいらっしゃいました。
 娘は大喜びで、真琴さんにまとわりついています。真琴さんも歳の離れた妹として接してくださり、ゲームをしたり、一緒に本を読んだり、娘を気遣ってくれました。
 帰る頃には、娘は「次はいつ会えるの」と涙ぐんでいました。

 私は土日で鬱状態がひどくなり、いよいよ出社ができなくなります。
 私は課長職ですが、部長に電話して「1週間ほど休ませてください」とお願いしました。
 部長は何かを知っているらしく、ただ「いいよ」と言ってくれました。
 そして、部長は「会社のスマホ、電源切っておけよ」とアドバイスしてくれました。

 会社の状況はわかりませんが、月曜の夜、仲のいい他部の女性係長からメールがありました。会社のアドレスではなく、私用のWebメールです。
「大丈夫ですか?
 今日、弁護士さんが来社されて、その後、社長は荒れ狂っていました。
 全員ではないけど、総務の人たちはおおよそ知っているみたいです。
 課長のこと、悪く言っている人はいません。よくわからないけど、みんなガンバレって」
 私は、恥ずかしいのと、自己嫌悪で泣いてしまいました。

 会社に行かなくていいとなると、心が落ち着きました。ですが、週末に向かって、また辛くなるように思います。
 会社を辞めたいです。

 夫は何を考えているのでしょうか。
 本当にエッチな下着を買ってきました。バカなんじゃないかと……。
 朝早くから夜遅くまで働いているのに、そんなことをする時間があるなんて信じられません。
 夫の仕事にはまったく興味がなかったのですが、真琴さんのこともあり、少し関心が出てきました。
 夫の行為は徐々にですがヘンタイじみてきています。
 以前から私の脇の下を舐めたり、アナルに舌を入れたりする人でしたが、少し度が過ぎているんじゃないかと……。
 私が拒否できない立場だからなのか、エスカレートしているんです。

 夫から「来週、水曜日、15時からウチの会社の会議室で6人で話し合うことになった。
 俺、里穂、俺が依頼する弁護士、社長、奥さん、社長の代理人弁護士。
 こっちの弁護士はまだ決まっていない。
 それまでに、何とかしないと」と言いました。
 続けて、「話し合いが終わるまでは、口裏合わせなんてことがないよう、出勤は見合わせて」と告げられ、かなりホッとしました。

 夫はお酒は口をつける程度、私は飲みます。ウワバミ女です。酔い潰れたことは一度もありません。

 娘が寝たあと、夫がウイスキーの水割りを作ってくれました。
 どうしても言いたいことがあるのですが、言えません。
 夫に促されて、私は先に自室に行き、10分後に夫がウイスキーのボトルとアイスペールを持って入ってきました。
 グラスは、私が持ってきました。
 夫は酔うと行為ができなくなるので、ほとんど飲んでいません。
 ということは、これからするのです。
 私は夫が買ってくれた下着のような衣装に着替え、待っていました。
 妻である私にこんな恥ずかしい格好をさせて、何が楽しいんだろうと思うのですが、少しの期待はあるんです。
 期待2割、拒絶8割ですが……。
 不倫したからといって、私のイヤがることを強要するなんてサイテイです。
 今日は純白のウェディングドレス風です。結婚式を挙げていないので、ウェディングドレスには憧れますが、これはイヤ。
 乳首が透けて見えるし、Tバックだし、前はスケスケです。
 私はベールを掛けて、夫の入室を待っていました。
「う~ん。里穂はかわいいね」
 少し反抗しました。
「イヤよ、悪ふざけが過ぎるし、もしこれが舞に見つかったらどう言い訳するの」
 夫は私の胸を触りながら、「見つからないさ」と安直に答えます。

 私が会社を休むようになって以降、私は夫から毎晩求められます。
 以前は、アナルを舐めようとすると「やめて!」と拒否しましたが、いまは慣れたのか平気です。ですから、お風呂に入ると夜の準備としてよく洗い、乳液をつけたりもします。
 夫はされるよりもするほうが好きで、私もあまり夫とはフェラをしたことがなかったのですが、最近はやられっぱなしではしゃくに障るので、無理矢理咥えたりしています。
 以前とは違い、夫もフェラの仕方を丁寧に教えてくれるようになりました。

 夫にもたれかかりながら水割りを飲み、夫に触られながら、何度もキスをします。
 どうして、いままではしなかったんだろう、と不思議になります。

 酔っていたこともあり、夫のものから口を離した時に、聞いてみました。
「こういうエッチが好きなの?
 どうしていままでしなかったの?」
 夫は言いにくそうに。
「ヘンタイって、思われたくなかったし……」
 私は夫を口に含んで好きなだけ舐め、また離しました。
「ヘンタイじゃない」
 夫は笑って、私の口に夫を入れます。
「ヘンタイでも、いまなら離婚されないだろ。
 少しはイヤかもしれないけど、いまなら我慢してくれるかなって」
 夫の横に座っていた私は、ベッドを降り、正座して夫を口に含みます。
「私の弱みにつけ込んでいるの」
 夫は平然と答えます。
「そうだよ」
 私は必要のないことを尋ねてしまいました。「ほかにしたいことってあるの?」
 夫は躊躇わずに言いました。
「里穂の処女がほしい」
 私は呆れます。
「子供を産んでいるのに無理よ」
 夫は私を立ち上がらせ、おしりに手を回し、アナルを触ります。
「ここは、まだ処女だろ」
 私は怖くなりましたが、夫に抱きすくめられました。
「処女をあげたら、離婚しない?
 絶対しない?」
 夫が頷くと私は夫から少しだけ離れ、ベッドに座ります。
「痛くしないなら、いいよ」

 この夜から、私は次のステップに進みました。

 私と夫の夜の営みは、朝食時にも話題になります。娘がいるので、例えば「今日から新しい開発案件がある」と夫が言うのです。
 新しい行為のことなので、ドキドキします。

 この日は昼食時に夫が帰ってきました。14時にはもう一度出勤します。
 娘がいてはできない話があると、夫に伝えたからです。

「不倫がわかった6年前に、なぜ、止めてくれなかったの」
 夫はあまり考えず、ほぼ即答でした。
「6年前のある時、里穂の様子がおかしかった。
 だから、注意していた。
 誰かと不倫しているんじゃないか、と疑ってから調べ始めたんだ。
 社長と不倫していることはすぐにわかった。
 俺は普通の男とは違うのかもしれないけど、性欲って食欲と同じだと思う。だから、したんだろうなぁ、って思った。
 心配したのは、薬物だった。だけど、どうもその兆候はない。実は、里穂の髪の毛を検査しているんだ。薬物反応はなかった。
 次に心配だったのは社長の性癖だね。過度なSM、複数プレイ、スワッピング、露出、ハプバー何てものがあれば、事前に即座に介入するつもりだった」
 私は言葉の一部がわかりませんでした。
「ハプバーって何?」
 夫は淀みなく答えます。
「ハプニングバー、複数でセックスするところを見せ合うお店」
 私は絶句し、夫は平然としています。
「だけど、あのおじさんはいたってノーマル。言葉攻めみたいなことはしていたけど、基本は脱がせて入れるだけ。
 年に2回か3回だし、放っておこうかなって、思ったんだ」
 私は何も言えませんでした。
 夫は6年間も監視、いえ観察していたと言っています。
 でも、どうやって。
 それを聞くことは怖いです。とても怖いです。それに、夫は何を知っているのか?
 すべてを知っているのか?
 夫は続けます。
「今回、介入することにしたのは、状況が変わったから。
 社長の奥さんのことはまったく考えていなかったし……。
 そこは反省かな」
 私は「反省するところが違うだろ!」と怒鳴りたくなりました。

 沈黙が少し続き、夫が「里穂、聞きたいことは何でも聞いて」と言いました。
 どうやって監視していたのかは知りたいですが、やめました。夫の暗部かなと思ったので……。
 だから「もうない!」て少し怒ったように言いました。
 夫が「そうか、時間余っちゃったね」と言い、席を立ち手招きします。
 夫がソファーに座ったので、テレビでも見るのかと思い横に座りました。
 最初は肩を抱かれ、しばらくするとロングのフレアスカートをまくり、下着の中に手を入れてきました。
「リビングではイヤ」
 私が拒否すると、夫は「里穂が社長を家に招き入れていたら、即介入していたね」と言ったのです。
 私はこのことで、何度か要求されましたが、断っていたんです。
 社長は「夫婦の寝室でしよう」と何度か要求したんです。でも、断りました。不倫していても、それだけは夫と娘に申し訳ないから。

 夫は簡単にクリを探り当て、刺激します。娘は6時間目まであるので、早くても3時半頃まで帰ってきません。
 娘に声を聞かれることがなく、娘に見られることもないので、大きく声を出し、いつもよりも激しく反応してしまいました。
 絨毯の上に俯せで寝て、夫に後ろから突かれると、自分でも信じられないような声が出ます。
 夫は巧妙で、スカートの中の下着をとっただけで、着衣を乱れさせません。
 恥ずかしさは半減、その分感じます。

 夫が「会社戻るよ」と言いました。私はヨロヨロとスカートを下げ、下着の在処を探しました。
「行ってらっしゃい。
 鍵締めてって、私動けない」
 夫は微笑みます。
 私は、夫に、時々、家に帰ってもらえないか聞こうと思いました。私も準備していれば、もっといろいろとできると思ったから……。
 自宅と会社は1時間の距離。
 それが恨めしい。

 金曜日は作戦会議があるとかで、私、夫、社長の奥様、弁護士さん、なぜか真琴さんが参加することになり、私は仕事用のスーツを着て夫の会社に向かいました。
 私と夫、真琴さんが少し話をしていると、社長の奥様がご来社なさいました。
 私は起立し、深々と頭を下げました。
 奥様は私よりも若いはずですが、憔悴しているのか老人のように見えます。

 夫は会議室のドアの近くで、どこからか持ってきたパイプ椅子に座っています。
 パイプ椅子に座っているのは夫だけです。

「新藤さん、弁護士さん来たよ」
 女性の社員の方が会議室のドアを開け夫に告げます。
 女性社員の方が「こちらです。どうぞ」と言いました。
 ドアには女性の方が……。
 その方のお顔を見た夫が、立ち上がり損ねてパイプ椅子から転げ落ちます。
 それを見ていた真琴さんが大笑いします。
「パパ、サイテー」
 女性の弁護士さんは「弁護士の脇坂真白です」と言いました。
 夫が四つん這いになっています。
 今回のこともそうですが、夫が動揺したり、怒りを露わにしたことはなかったのに、弁護士さんを見ただけで慌てふためいています。

「いつも、真琴がお世話になっています」
 この一言で理解しました!
 弁護士さんは、真琴さんのお母様だったのです。でも、夫からは自衛官だと聞いていました。
 夫が肩で息をし、ようやく発した言葉が「何で?」です。
「真琴が離婚とか不倫に強い弁護士を探して欲しいっていってきたんだけど、何と誰かさんが加害者ではなく被害者だとか。
 しかも、慰謝料の受取も謝罪も拒否だって。
 そんな厄介な案件、誰にも依頼できないから、しょうがないんで来たの。
 何もしてあげられなかった娘の頼みは、断れないでしょ。
 で、どんな感じなの」
 真琴さんのお母様は、女性としては背が高いです。それに、50歳くらいのはずだけど確実に10歳は若く見える。
 しかも精悍な雰囲気。
 でも、笑うと真琴さんと瓜二つ。

 夫が状況を説明し、補足や異論がないかを弁護士さんが確認しました。
 私、夫、奥様が同意します。
 すると真白さんは、夫に「新藤は出て行け、これからは女同士の話」と会議室を追い出したのです。

 真白さんは奥様に「どうしたいですか」と尋ねました。
 奥様は「離婚したいです。でも応じてくれないと思います」とか細い声。
 私には「慰謝料払えます?」と聞き、私は「はい」と答えました。
 続けて「ほかに希望は?」とのことなので、私は「会社を辞めたいです。でももめると思います」と答えました。
 会社と自宅が近いので、押しかけられたら怖いです。
 真白さんは真琴さんをにらみました。
「真琴、あんたの父親は厄介な男だ。
 そして厄介な喧嘩を売っている。
 ならば、必殺の飛び道具があるね」
 真琴さんが急に真剣な顔になります。
「パパは、音声データを持っている。
 それは、里穂さんと社長との会話とか……。
 だけど、絶対に出さないと思う」
 真白さんは、少し考えました。
「行為中の音声もあるの?」
 真琴さんは躊躇いませんでした。
「たぶん……」
 私はいままでの経緯から驚きはしませんでいたが、本当にあって、それを夫が聴いているなんて、恥ずかしくて……。
 ですが、驚きはこれからでした。
 真白さんは真琴さんに、さらに迫ります。
「それだけじゃないね。
 ほかには何があるの?」
 真琴さんが躊躇います。
「ママ、ダメだよ」
 真白さんは真琴さんの拒否を認めません。
「何があるの。言いなさい」
 真琴さんが席を外しました。
 10分以上待ちました。
「パパは外出した。トラブルだって」
 そう言いながら、ダイヤルキーの付いたアルミ製のボックスを開けようとします。
 小さな箱が1つ。
「1テラバイトのSSDだけど、この中に4K相当の高画質映像データが入っている。
 昨年12月、今年2月、3月、6月のうち、2月と6月分」
 私は真琴さんのいっている意味がわかりました。2月と6月の2回分、私と社長の行為の動画があるのです。
 真白さんが「見せて」と促しますが、真琴さんは「やめようよ」と反対します。
 私はやめて欲しいし、奥様も見たくない様子。当然です。
 真白さんが提案します。
「見せたくない、見たくないはあるでしょう。でも見ておかないと、勝てませんよ。
 それと、これは違法行為です。絶対に他言してはダメ。
 いいですね。
 知っているぞ、と臭わすだけで、相手は怯えます。弱い立場のものが強い立場に挑むには、切り札がいるんです。
 見ましょう。
 見て対策を考えましょう。
 安全な場所を探します。
 少し、時間をください」
 私たち4人は、電話番号とメールアドレスを交換しました。

 私と夫には実家というものがありません。家族は、私、夫、娘だけ。
 だけど、娘がいるとできない話が多すぎる……。すべて、私が悪いのだけど……。
 夫に「1日、会社を休んでくれない」とお願いしました。夫は「それじゃ、金曜日は朝はでるけど、13時頃に帰ってくるよ」と。
 娘は、この日、学童に行ってもらうことにしました。私が家にいるのに「パパとお話があるの。ごめんね」と言って……。

 木曜日の午後、私は夫に確認しました。
「私と社長の行為中の音声データがあるの?」
 夫は躊躇いましたが、はぐらかしたりはしませんでした。
「あるよ。クリアな声が聴ける」
 ショックでしたが、続けます。
「映像もあるの?」
 夫は、唇を噛みます。
「ある。
 2回分。
 昨年9月初旬、社長と里穂の会話を聞いていて、里穂に危険があると感じたんだ。
 あの社長は女性にだらしないわけじゃないんだが、異常に独占欲が強い。
 里穂を独占しようと画策していると感じた。それは、秋の終わりには確信になった。
 だから、観察を強めた。最悪を考えたんだ。そのときのための対抗手段がほしかった。
 最初は自分1人でやるつもりだったけど、ちょっと無理でね。
 真琴に手伝ってもらった。
 実際に映像を確保したのは、真琴だよ。俺もその場にいたけどね」
 私は恥ずかしさで気が狂いそうでした。
 私は泣き出します。
 夫に抱きすくめられましたが、激しく抵抗しました。だけど、離してくれませんでした。

 2時間以上泣き続け、涙が涸れた頃、夫が「どうする」と聞いてきたんです。
 私は「削除してほしい」と答えました。
 だけど、夫は信じられないことを言ったんです。
「俺と里穂の記録を撮ろうか」
 この人、頭がおかしいんじゃないの、と思いました。
「絶対イヤ。信じられない!
 考えられない!」

 娘が帰ってきて、夕食の話になり、娘が「回転寿司がいい」とねだって、3人で出かけました。
 夫が私に「ビール飲んでいいよ」と進めてくれたので、私はビール、夫はウーロン茶でした。
 娘は終始はしゃいでいました。
 このとき、夫から真白さんのことを聴きました。
 夫も真琴さんから聞いたようです。
 真白さんは2年前、最愛のご主人を亡くし、元気がなかったとか。お酒を飲み過ぎることもあったようです。
 心配した真琴さんは、一時期、真白さんと住んでいたとのことでした。
 真白さんは高校を卒業して自衛隊に入隊、どういう経緯かわかりませんが、その後、大学に進学。大学卒業後数年して司法試験に合格したそうです。
 自衛隊を退官して弁護士となり、主に刑事事件を扱っているとか。不倫や離婚は専門外だそうです。
 だけど、何となく心強いんです。

 家に帰り、夫が娘の宿題を見てあげ、何となく普通の家庭でした。
 娘ははしゃぎ疲れたのか、割と早く寝ました。

 私は「あ~、今夜もだぁ」と思うと、何となく緊張していました。

 夫は私の部屋に2台のデジカムを設置しました。1台は三脚に固定、1台はベッドのヘッドボードに据え付けます。
「ヤダよ。絶対ヤダよ」
 私は拒否したんですが、夫は「編集するから、2人で見ようよ」と譲りません。
 私は「絶対離婚しないよ」と強気に出ます。

 一緒に2度目のお風呂に入り、全身をゆっくりともみほぐされます。夫のマッサージは強くもなく、弱くもなく、とても心地いいんです。

 夫は間違いなくヘンタイです。今日の衣装は、白いレースをあしらった黒のメイド服。信じられないほどのミニスカートで、肩がありません。背中も広く空いています。
 胸で服を押さえている感じ。私の胸はそれほど大きくはないので、油断すると下がってしまいます。
 もちろん、ノーブラです。

 夫は、私用のノートパソコンを私のデスクに置き、手持ちのカメラで撮影を始めます。
「お名前を教えてください」
「新藤里穂です」
「年齢は?」
「二十歳です」
 実年齢の半分を言ってしまいました。
「経験人数は?」
「1人です」
 もちろんウソです。
「里穂ちゃんはどこが感じますか?」
「全身です」
 これは本当。
 パソコンの場面に移る私は、信じられないほどかわいいのです。
 何だか調子が出てきました。
 完全にヘンタイ夫婦です。
「ねぇ、写真撮って」
 バカなお願いをしちゃいました。
 夫は大喜びで自室に戻り、一眼レフを持ち込みます。
 この衣装にはショーツが付属していないので、チェストの中にあるもので完全に透ける白のレースを選びました。

 あとはいつも通りです。
 クタクタになるまで、ガンバリました。
 いつもと違うところは、夫がビデオを再生して見せてくれたところかな。
 私のアナルに、夫の人差し指が第2関節まで入っています。
「痛くなかった?」
 夫に問われ、私は首を横に振ります。
「ヘンな感じだったけど、痛くはなかったよ。指が根元まで入ったら、オチンチンも入るかな?」
「早く入れてあげたい」
 夫から、今後の方針を聞かされました。
「日曜日は、舞が友達の家に遊びに行く約束してるんでしょ」
「正確には違うかな。
 土曜日の夕方から友達の家に行って、お泊まり会なの」
「へぇ~、そんなのがあるんだ」
「そうなの。心配だから、遅くまで起きているんだけど……」
「じゃぁ、土曜の夜、今日のビデオを編集しておくから、2人で見よう。
 そして、できるようなら、里穂のここに入れよう」
 夫が私のアナルを執拗に触りました。
 デジカムは動いています。
 この様子も撮影されているはずです。

 土曜日になりました。
 日曜日は午後から真白さんが用意した動画の視聴ができる施設に行きます。
 ですから、娘をお泊まり会のあるお宅まで送り、まだ明るいうちから夫のヘンタイ行為に付き合いました。
 夫が編集した動画は、滅茶苦茶きれいでした。私はどう見ても20代です。強く感じて、顔を歪ませると、オバサンになっちゃいますが……。
 私が夫を咥えているシーンは、大迫力です。
「へぇ~、私ってこんなフェラするんだ」と夫に言うと、夫はいきなりズボンを脱ぎ出します。
「我慢できない、ここでオナニーしてもいいか?」
 私は滅茶苦茶頭にきました。
 私がここにいるのに、なんでオナニーするの!
 バカじゃないの!
 夫は予測不能な行動に出ます。
「里穂も脱いで、一緒にオナニーを見せ合おうよ」
 そのときには、ロングのフレアスカートの中に夫の手が入り、ショーツを脱がされてしまいました。
 普段使いのショーツを夫に見られて、妙に恥ずかしがる私もバカです。

 私は玄関が閉まっていることを確認し、娘のもしもを心配して、いつでもスマホを手にできるところに置きます。
 夫と向かい合って絨毯の上に座り、自分たちが出演する自作AVを見ながら、互いのオナニーを見せ合いました。
 まったく、バカです。

 1カ月前まで、私たちは娘がいる普通の夫婦でした。
 ですが、私の不倫が相手の奥様にバレ、夫の知るところとなりました。
 普通なら、別居か再構築中のギクシャクした時期でしょう。あるいは、離婚に向けた話し合い中か。
 なのに、私はこれをきっかけに夫の性癖に引き込まれてしまいました。
 最初は離婚を回避したくて、応じていましたが、いまでは楽しいです。
 娘にバレないようにするにはどうしたらいいかを考えるのが私の責任で、プレイを考えることが夫の義務になっています。

 ノートパソコンから送られる映像信号は、40インチテレビに映し出されています。もちろん声も。シーンが変わり、夫が私のアナルを舐めています。
 私は我慢できず、四つん這いになりロングスカートをたくし上げます。
 夫は瞬時に理解し、私のアナルを舐め始めます。
 時々、別の穴も舐めるし、クリをつまみます。
 私は激しく声を出しています。
「夫がまだ無理かもしれないけど、入れてみよう」
 そう言って、スカートを脱がせます。
 夫は自室に戻り、小さな箱をいくつか持ってきました。
 浣腸です。
 私は自分でもアナルセックスの仕方を調べていました。
 だから、驚きはしませんでした。
 ゲル状のローションは、いままで何度も使っています。
 ローションをたっぷりつければ、夫の指は2本入るまでになっていました。

 今日、私は、夫に処女を捧げます。
 夫以外の誰にも、アナルは許しません。
 すべての神に誓います。

 外が少し暗くなってきました。
 マンションは川沿いで、外から見えることはないのですが、私は恥ずかしいのでカーテンを締めに行きました。
 夫も手伝ってくれます。2人とも上半身は着ていますが、下半身はむき出し。
 ヘンな格好で2人で見合わせ笑っちゃいました。

 不倫が発覚する前、私は夫にオシッコをするところなんて見せようとも、見られるとも思っていませんでした。
 だけど、もう何度見せたことか。
 今日、私は夫に浣腸されます。
 夫は私がウン○をするところも、しっかり見るでしょう。
 優しい人だから……。
 あっ、私も夫みたいになってしまっている。
 どうしよう。
 そう思いましたが、私はもう戻れません。進むしかないのです。そうしなければ、離婚されちゃいます。

 四つん這いになり、頭を下げ、お尻を上げ、アナルがよく見えるように、夫に差し出します。
 夫が浣腸しました。
 違和感がありましたが、アナルを広げる訓練を続けてきたからなのか、痛くはありませんでした。
 短い時間で便意が来ます。
 夫に「トイレに行く」と伝えると、夫は私を支えてくれ、2人でトイレに入りました。
 夫が便座に座らせてくれます。
 私はなぜか我慢して身もだえます。見られるのが恥ずかしいのです。赤ちゃんの時以来、誰にも見せたことはないのだから当然です。
 だけど、夫は私の両手を握って、立ち退こうとはしません。
 それはわかっていました。
「出していい」
 くぐもった声で尋ねます。
「いいよ」
 夫の答えを待たず、一瞬早く出てしまいました。
 夫はちゃんと見てくれただろうか、と不安になります。
「見た?」
「見たよ」
「恥ずかしいよ」
「大丈夫だよ」
 夫がトイレを流します。
 ウォシュレットを操作しようとしたので、私が止めます。
「オシッコもしていい」
 夫が広げてくれます。
 勢いがよすぎて、夫の手にかかってしまいました。
 夫が自分の手に付いた私のオシッコを舐めます。
「イヤ、ダメ」
 弱々しく拒絶。
 ウォシュレットで洗浄。

 夫が立たせてくれて、もう一度トイレを流します。

 浣腸は計3回。

 そして、浴室に行きました。
 2人で裸になり、夫が私にシャワーを掛けてくれます。その間、私は夫を両手で握りしめていました。
 夫に促され、浴槽の縁に両手をつき、お尻を夫に向けます。夫はアナルとその周辺を優しく丁寧に洗ってくれます。
 ソープを流し終わると、私はまた夫のペニスに手を伸ばします。
 ずっと、触っていたいのです。

 リビングに戻ってきました。
 リビングで行為をするなど、以前は考えたこともありません。
 私は跪くと、夫を口に含みます。好きなだけ舐めていたくて、まだ舐めたりないのに夫から止められました。
 そして四つん這いになります。
 アナルを舐められ、ローションを塗られてます。まず、夫の人差し指が、次に中指が、続けて人差し指と中指が入れられます。
 私には、まだアナルの快感がわかりません。ですが、不快ではありませんし、痛くもありません。

 夫がコンドームを着けようとしたので、私が受け取り、着けてあげました。
 夫にかわいいと褒められるおしりを向けます。
 少し入ってきました。
 夫は試すように、少し入れては出し、少しずつ、奥まで進めます。
 夫に「入ったよ」と言われて、私は泣いてしまいました。
 夫にアナルですが処女をあげたのです。嬉しかった。夫が射精してくれる瞬間を待ちます。
 夫は私をいたわるようにゆっくりと動き、少しだけ乱暴に動いた瞬間、射精したようでした。
 夫がゆっくりと抜きます。
 その感触が心地いいのです。
「出たの?」
「うん」
「早かったね」
「すごくよかった」
「嬉しい」
 私は、絨毯に俯せで倒れました。
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