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第二章:断罪決行
断罪決行 25
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「あの死体、体格からして木ノ江医師と判断しても良さそうではあるが……、マネキンの首を移植されているせいできちんとした本人確認ができない。果たしてどこへ持ち去ったのか」
川辺さんにより閉められるドアの音を背後に聞きながら、あたしは歩を進めるお兄ちゃんを追う。
「まさか、下の物置にあるかもとか想像してるの?」
「そう思うから、こうして向かっているんだ」
規則的な足音を鳴らし、一階へ。
確か、マネキンが置かれていたのは階段横の部屋だったはずだ。
それはお兄ちゃんも覚えていたようで、迷うことなくそちらのドアへ手をかけた。
カチャリと金属音を鳴らし、ドアが開かれる。
窓のないその部屋の中は相変わらず暗く、廊下から差し込む光で薄く奥が照らされ様々な雑貨が視界に映る。
その中の一つ、問題のマネキンは最初に見た通りの位置、部屋の右隅に直立していた。
「……?」
だけど、その頭部が何かおかしい。
ゾクリと背筋に痛みにも似た寒気が走り身体が固まる。
マネキンの頭部。そこにはスキンヘッドの無機質な頭が付いているはずなのに、ここからぼんやりと見えるその部分には髪が生えているように見える。
まさか、という嫌な予感が込み上げ唾を飲み込む余裕すらもてなくなる。
「……」
そっと、お兄ちゃんの腕が入口横の壁へと伸びた。
パチンという乾いた音と共に、室内に明かりが灯る。
そして、薄闇の中違和感を放出していたマネキンの姿が明確になり。
「…………っ!」
あたしは声すら出すことができないまま、その場で意識を失ってしまった。
最後に見た光景は、マネキンの首とすり替えられた木ノ江さんの生首。
漫画やアニメなんかで見かけるような、安らかな顔じゃない。
ほとんど白目を剥いた両目を大きく見開き、口は苦悶に満ちたようにいびつな形に歪んでいた。
昨日見ていたあの朗らかで優しそうな人物と同じ顔とは到底思えないそのギャップに、脳が混乱してしまう。
ベッドの死体同様、ガムテープで留められた接合部からは滲み出た血が滴りマネキンの胴体を赤く染め、まるで、異界に蠢く化物を目の当たりにしたような恐怖を味わった。
その後、その化物に追われる悪夢にうなされあたしが飛び起きるのは、この三時間ほど後のこととなる。
川辺さんにより閉められるドアの音を背後に聞きながら、あたしは歩を進めるお兄ちゃんを追う。
「まさか、下の物置にあるかもとか想像してるの?」
「そう思うから、こうして向かっているんだ」
規則的な足音を鳴らし、一階へ。
確か、マネキンが置かれていたのは階段横の部屋だったはずだ。
それはお兄ちゃんも覚えていたようで、迷うことなくそちらのドアへ手をかけた。
カチャリと金属音を鳴らし、ドアが開かれる。
窓のないその部屋の中は相変わらず暗く、廊下から差し込む光で薄く奥が照らされ様々な雑貨が視界に映る。
その中の一つ、問題のマネキンは最初に見た通りの位置、部屋の右隅に直立していた。
「……?」
だけど、その頭部が何かおかしい。
ゾクリと背筋に痛みにも似た寒気が走り身体が固まる。
マネキンの頭部。そこにはスキンヘッドの無機質な頭が付いているはずなのに、ここからぼんやりと見えるその部分には髪が生えているように見える。
まさか、という嫌な予感が込み上げ唾を飲み込む余裕すらもてなくなる。
「……」
そっと、お兄ちゃんの腕が入口横の壁へと伸びた。
パチンという乾いた音と共に、室内に明かりが灯る。
そして、薄闇の中違和感を放出していたマネキンの姿が明確になり。
「…………っ!」
あたしは声すら出すことができないまま、その場で意識を失ってしまった。
最後に見た光景は、マネキンの首とすり替えられた木ノ江さんの生首。
漫画やアニメなんかで見かけるような、安らかな顔じゃない。
ほとんど白目を剥いた両目を大きく見開き、口は苦悶に満ちたようにいびつな形に歪んでいた。
昨日見ていたあの朗らかで優しそうな人物と同じ顔とは到底思えないそのギャップに、脳が混乱してしまう。
ベッドの死体同様、ガムテープで留められた接合部からは滲み出た血が滴りマネキンの胴体を赤く染め、まるで、異界に蠢く化物を目の当たりにしたような恐怖を味わった。
その後、その化物に追われる悪夢にうなされあたしが飛び起きるのは、この三時間ほど後のこととなる。
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